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『ザ・タウン』-がんばれ、ベン・アフレック!
The Town

アタシ、ベン・アフレックって結構尊敬しているんですよね。大根役者とか頭悪いとか言われつつも地道に活動して、監督業もそこそこやってのけている。なかなか足が地に着いた人だと思う。

town, the
Produced: 2010
Director: Ben Affleck
Writing Credits: Peter Craig, Ben Affleck
Cast:
Doug: Ben Affleck
Claire: Rebecca Hall
Jem: Jeremy Renner
Adam Frawley: Jon Hamm
でもこの映画はうーん。てか、いい映画なんですけど、コレとか『消されたヘッドライン』とか『バンク・ジョブ』とかって、犯罪ドラマが好きな人のために量産化されてる映画としか思えないよ。

今回わざわざ観たのは、ジェレミー・レナーが助演男優賞にノミネートされたからなんだけど、この人は絶対獲らない!確かに『グッドフェローズ』のジョー・ペシみたいな、すっごいわるーい、コワーい人を狂気いっぱいに演じてて、「これがジェレミー・レナー?」って信じられなかったくらい、目つきもイッちゃってて好演なんだけど、なんかこう、人間的な深みみたいなものはなくて、ちょっと薄っぺらいキャラだったなあ。

だってさー、なんか全体に格好良すぎるよ、この人たち。でもそんなこと言ったら『ユージュアル・サスペクツ』もみんなカッコいい犯罪者たちだしなあ。まあいいか、そこは突っ込むのやめておこう。

ストーリーとしてすっごい解せないのは、この男たちは幼馴染で、実はマフィアなんだけど花屋を経営しているおっさん(ピート・ポスルスウェイト:良く考えたらこの人『ユージュアル』の小林さん?)が仕切っているタウンに住んでいる。要するにゲットーつーか、そこで育ったら結局は犯罪者になってしまうような環境らしい。

で、この花屋のおっさんが、ダグ(アフレック)とジェム(ジェレミー・レナー)のいる若いギャンググループに銀行強盗の話を持ってきて、やらせるみたいなんですが、いくらボストンが大都会って言ったって、ボストンで銀行強盗何件もやったら、いつかは捕まるわなあ。

だって、近所の銀行襲撃してるもんだから、その銀行のマネージャーのクレア(レベッカ・ホール)がご近所に住んでいることがわかり、感ずかれたんじゃないかと言って、血の気の多いジェムは「殺しちゃえ」って言うんだけど、犯罪者だからと言って非情にはなれないダグは様子を見ようという。で、彼女に近づいて探りを入れているうちに恋に落ちてしまう。

あり得ねー!つかあり得るけど、映画にすんな!って感じよ。心理学で、一緒に危ない目にあったり、心臓がどきどきするときに一緒にいた相手とは恋に落ちやすいって言うから、大いにあり得る話なんだけど、余りにドラマチック過ぎて逆にウソくさい。この話、実話じゃないよね?

で、恋したダグは、犯罪から足を洗いたい、この「タウン」から抜け出したい、という思いを一層深め、ダグを離したくないジェムとの確執、親分の花屋のおっさんに彼女を殺すと脅される、彼女に銀行強盗は自分だったとバレてすったもんだ、そこに事件を解決しようとするFBIが絡んでくる、というかなりベタではあるが良くできた犯罪サスペンスではあります。

FBIのアダムを演じるジョン・ハムがなかなかいいなあと思ったのですが、この人の出ている映画観たの今回が初めてだった。すっごいタフで切れ者なFBIなんだけれども、服装がチェックのシャツにジーパンで、なんというか、労働者クラスの雰囲気でありながらエリートくらい仕事が出来るという相反した雰囲気がなんだか魅力的な人だった。

反対にちょ~ガッカリだったのがレベッカ・ホール。どうしたんだ~!!『プレステージ』では、馬ヅラながらなかなか魅力的な人だなあと思ったのに、太った?いや、デブって感じじゃあないんだけど、なんだか顎の線とか、顔全体がたるんだ感じになって、「これレベッカ・ホール?」って思いながら観てた。

ベン・アフレックは、『そんな彼なら捨てちゃえば?』で演じたジェニファー・アニストンの彼氏の役がすっごいハマってて、この人こういう、地味な、おとなしい、なんか普通にすごくいい人の役って上手くて、実生活もそういう人なのかなあと思わせる良さがある。二枚目として売り出されたのに、そういうエゴにおぼれないで地道に活動しているところが好感持てるよ。たまたまこの映画はイマイチだったけど、これからもがんばって欲しいです。

第83回アカデミー賞 | コメント(0) | 【2011/02/06 00:23】
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『トゥルー・グリット』-最高に楽しい&美しい冒険活劇!
True Grit

殺された父親の死体確認・引取りにシティに来た14歳の女の子マティは、父の元で働いていながら父を撃ち殺し、カリフォルニア・ゴールドを2枚盗んで逃げたCoward(卑怯者)のトム・チェィニーの首をこの手で取ろうと、父の死体だけを母の元へ送り、自分は飲んだくれの保安官・ルースターを雇って父の敵討ちに行くことを決意する。

True Grit
Produced:2010
Director: Ethan Coen, Joel Coen
Writing Credits: Ethan Coen, Joel Coen
Cast (voices):
Rooster Cogburn: Jeff Bridges
Mattie Ross: Hailee Steinfeld
LaBoeuft: Matt Damon
Tom Chaney: Josh Brolin
Lucky Ned Pepper: Barry Pepper
このマティを演じるヘイリー・スタインフェルド、すごいよ!助演女優賞にノミネートされていますが、案外メリッサ・レオを抑えて獲るかもしれない。本当に感心する位上手いもん。ちょっとしぐさとか芸風がフランシス・マクダーマンドに似ているので、コーエン兄弟の演技指導の賜物かな?とにかく、14歳にして賢く、意志が強く、まさに「True Grit」な感じが良く出ていて、最初の2、30分は、この娘を観ているだけで面白かった。

で、彼女が雇う飲んだくれのルースター保安官を演じるジェフ・ブリッジズ、『ラバウスキー』→『クレイジー・ハート』路線の十八番のしょ~もないおっさん。こういう役を演ってこの人が上手くないわけがない。

さらにそこに加わるのが、トム・チェイニーを別件で追っているテキサス・レンジャーを演じるマット・デーモン。この人はちょっとコミカルな感じで、『インフォーマント!』に引き続き見直した。なんか、撃たれたり、石で頭殴られたり、いつも血だらけなんだけどケロっとしている(笑)。

保安官を信用していないマティは一緒に行くとがんばるのだが、子供だし女の子だしと全く相手にしてもらえず、おいてかれてしまう。でも、なんとしてでも一緒に行くと、馬ごと河に飛び込んだことでルースターに認められる(テキサス・レンジャーにはお尻ぺんぺんされてしまうが)。

テキサス・レンジャーは、保安官と口論になって、別の道を行くんだけど、ここから、マティと保安官の二人旅が、なんか「冒険!」って感じでいいのよ。木から吊るされている死体がチェイニーじゃないか、マティが木に登って確認したり、貧しいインディアンの家を訪ねたり、あと、熊の毛皮を着て出てくるおっさん!!もー最高にコーエン兄弟な演出で、ひっくり返って笑ってしまった。

そうやって追跡の旅の途中で色々な出来事があり、対決シーンとかは突然起こるのではなく、西部劇よろしく前振りがあるんだけど、それが「始まりますよ~!」って感じでワクワクするんだよね~!なんか、西部劇って男ムサくてオーバーなのかと思ってたけど、この映画はなんか、子供の冒険活劇みたいな、なんだかイノセントな面白さがある。マティがドロシーで、保安官がライオンで、テキサス・レンジャーがブリキマンみたいな。

だって、旅をしていく内に、この全く共通点のない3人が、お互いに対するレスペクトを育んでいく様子が良くわかるんだよね。そして、最後、チェイニーを見つけて対決するシーンでは、3人で助け合って切り抜ける。

チェイニーの役がジョシュ・ブローリンだったのにも驚いたんだけど、チェイニーの親分のネッドを演じるのがバリー・ペッパーだったのには驚き!あんな個性的な顔なのに、エンドロールで名前見るまでブシェーミだと思ってたよ!でもすっごい印象的な悪役演ってたよ~。

マティはチェイニーを撃ち殺すんだけど、銃の勢いで洞窟に落っこって、毒蛇に手を噛まれてしまう。医者に連れて行くために、ルースターは、マティの馬、ブラッキーを一晩中走らせる。ブラッキーは疲れて疲れて、これ以上走れない。でもルースターは、ブラッキーのお尻にナイフを突き立てて、無理やり走らせる。マティはブラッキーのこと大好きだから、「No!」と叫ぶ。

もうこのシーン、涙が止まらなかった。砂漠のすごいきれいな星空の下、汗だくになって走るブラッキー。疲れて疲れて、もう観ているだけで可哀想になる。でもブラッキーも、マティが一大事だとわかっているに違いない・・・・。力尽きて倒れたブラッキーを、非情にも撃ち殺すルースター・・・・

でもね、最初の方のシーンで、ルースターはインディアンの子供にいじめられている馬を救うんだよね。だから、ブラッキーがこれ以上苦しまないように、ってわかっているんだけど、「No!」と言いながら泣くマティを観るともう涙が止まらない。

最後は、もう40歳のおばさんになったマティが、今はサーカスでドサ周りしているルースターを尋ねてくるところで終わるんだけど、(ここからネタバレ)

ルースターはマティが訪ねて来る3日前に息を引き取っていた。で、マティのナレーションで、今、テキサス・レンジャーはどうしているかもわからないけど、生きていたら会いたいと思う、と言う。で、カメラが引いていくと、マティは片腕がなく、どうやら毒蛇に噛まれたところを切断しなくちゃいけなかったみたい。さらにマティは、自分は独身を貫き通し、周りから偏屈な女と思われていると言う。

私はこの映画、純粋に面白い冒険活劇だし、登場人物が成長していく過程が良く出ていて素晴らしいと思うんだけど、余りにも現実的過ぎて、子供には見せられないかなあ。もちろん、コーエン兄弟だから暴力描写がすごいんだけど、でも現実的なだけなんだよ。子供向けの映画だったら、テキサス・レンジャーが投げ縄で捕らえられて馬で引きずり回されても、すぐに立ち上がって「大丈夫!」って言うところを、まあ歯はもげるわ、肩は撃たれるわ、もうボロボロ(そのボロボロさ加減が大人には可笑しいんだけど)。

でもあれが現実に起こったことなんだろうなあと思った。私は、テキサス・レンジャーは、死んじゃったんだと思う。あんなに色んなキズを負って、長生きできるわけないもん。

そして、キャラがみんな成長しているのはいいことなんだけど、成長の仕方も現実的だよね。勇敢で賢かった14歳の女の子は、片腕失って偏屈ババアになって結婚も出来なかった(しなかったのかもしれないけど、この時代で片腕なくて、お父さんいない家で、かなり苦労したのでは)し、保安官は落ちぶれてサーカスのドサ周りやってた。冒険活劇の主人公たちの将来が、こんななんですよ、って見せちゃってる。

そんな人生の中で、唯一輝いていた時間が、この捕り物帖で、時間にしたらほんの何日間?それだけしか一緒に過ごさなかった人が、その後の人生の中で唯一自分と繋がっているって思って生きてきたのかもしれない。なのに、その相手と再会できる機会も逃してしまう。

なんか、コーエン兄弟の映画って、こういう無情な、すごい辛いというかブラックな物が多いんだけど、同時にユーモアがあって面白いっていうか、人間の温かみみたいなものがあるよね。『ファーゴ』もなんか救われない話なんだけど、保安官のマーゴと旦那さんがなんかほのぼのしていたり、『ノーカントリー』も、すごいブラックなんだけど、保安官の不安と言うか恐怖がすごく人間らしくて体温がある。

今回の『トゥルー・グリット』は、そこにさらにすごくイノセントで美しいものを感じた。14歳の女の子が主人公なんだから、その子のイノセンスとか初々しい感じを最大限に表現しようとして、本当にそれが良く出ている感じ。登場人物たちの将来がちょっと悲しいんだけど、だからこそあの冒険が鮮明に際立って見えるというか、ブラッキーが死んだ時の星空が「アラビアンナイト」みたいにきれいだったのとか、コーエン兄弟の映画って、人生は非情で無情で辛いけど、その中にユーモアもあれば美しいものもあるって思わせてくれると思った。

私的には『トゥルー・グリット』にベスト・ピクチャー上げたいけど、十中八九それはないと思うので、脚色賞は取って欲しいなあ。原作はどんなもんだか知らないけど、本当に美しい映画に仕上がったと思う。


第83回アカデミー賞 | コメント(4) | 【2011/02/02 10:03】
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『英国王のスピーチ』-オスカー獲ったらムカつくな
The King's Speech

すっげえつまんなかった。って言うかね、ブリティッシュ・イングリシュだから、字幕なしで観たらわかんねーだろーなーとは思ったんだけどさ。で、IMDb のMemorable Quotes とか読んだり色々してみたんだけど、英語わかってもあんまり面白くなかったかもなあって。

King's Speech, the
Produced:2010
Director: Tom Hooper
Writing Credits: David Seidler
Cast (voices):
King George VI: Colin Firth
Queen Elizabeth: Helena Bonham Carter
Lionel Logue: Geoffrey Rush
King Edward VIII: Guy Pearce
オスカー・ノミネーションすごいけど、良かったシーンは2つしかなかった。最初は、スピーチ・セラピーしている時に、ファックとかシットとか連発するところ。

「ふぁ、ふぁ、ふぁ、ファック!シットシットシットシット!!!」

ってもー爆笑。そのあとスピーチ・セラピストの子供が「What's going on~」ってユルユルと訊くところがまた可笑しい。

もう一つは、最後のスピーチの前に余り時間がなくて、リハの時になんとか声を出そうと、今までのセラピーの手法を駆使してとにかく準備するところ。言葉に詰まっちゃったら歌って出せ!とか、踊ってみたりとか、面白い。

この他のところは、観客もしーんとしてたから、あんまり面白いところはなかったんじゃないだろうか。

キング・ジョージが吃音症なのは、子供の頃のトラウマが原因なんじゃないかと、当時では斬新な治療をしたセラピストのライオネルが聞き出すキングの生い立ちとかが面白そうだと思ってたんだけど、1シーンの会話でぼそっと出てきただけで、あんまり「ああ~そうなのか」って感じでもないのよね。もっとそれを話の中心近くに持って来ても良かったんじゃないか。とにかく盛り上がるところがなくてフラットなのよ。これで脚本賞ノミネートなのか~って感じ。

奥さん役のヘレナ・ボナム=カーターは、助演女優賞にノミネートされているけど、いつもどおり上手いし個性的な人だけど、すごいかって言ったらすごいのかな~。コリン・ファースも、さっき面白かったって言ったシーンとかすごい!って思うところあったけど、総体的に観たら、カタルシスがなくて面白くない。この映画なんか獲りそうだけど、正直ムカつくな、なんか獲ったら(爆)。まあカタルシスがないからってダメ映画ってわけじゃないけど、みんなこの映画のどういうところを評価するの?

PS
キング・エドワードがガイ・ピアースか?って思ったらやっぱりそうだった
第83回アカデミー賞 | コメント(3) | 【2011/01/27 02:56】
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『ザ・ファイター』-本気で感動しちゃいました
The Fighter

今、エリカ様が離婚騒動やってるけど、あの娘のマネジメントって相当ヒドイとしか思えない。あんな24歳の女の子に好き勝手にしゃべらせて置いたらまとまるもんもまとまらない。誰かビシ!としたマネージャーが付かなくちゃダメじゃん。・・・・ってことが良くわかる映画でした、『ザ・ファイター』。

Fighter, the
Produced:2010
Director: David O. Russell
Writing Credits: Scott Silver, Paul Tamasy
Cast (voices):
Micky Ward: Mark Wallberg
Dicky Eklund: Christian Bale
charlene Fleming: Amy Adams
Alice Ward: Melissa Leo
George Ward: Jack McGee
ボクサーは結構貧しい出の人が多くて、「身体一つで」ってイメージがあるのですが、この映画を観ると、色々裏方仕事も」大変なんだと思いました。対戦相手を探して試合をセットアップしたりするんだけど、相手の力がどの位で、対戦することに意義があるのかとか色々算段しなくちゃならない。弱い相手とばかり戦っていても強くもなれなきゃ金にもならない。でも、金を稼ごうと人気のあるボクサーに挑戦したら、強いんだろうからボコボコにされる可能性もある。

特にボクシングってのはフィジカルだから、ただ「あー試合に負けちゃった」ってだけじゃなくて、死ぬ可能性だってある。その位大変なことなのに、マネジメントの人が親身になってくれなかったら、ヒドイ試合ばかりやらされるんだよね~。

映画の中でミッキー(マーク・ウォールバーグ)がその立場で、殺されるかもしれないってくらい重量の違うヤツを試合を迫られて、断ることも出来たのに「戦わなくてもいいけど、棄権するならお金は一銭も出ないよ」って言われたら、マネジメントが「あ、やるやる」って(笑)。しかもそのマネジメントが実の母親と兄!!

この家族カソリックのせいなのかすっごい兄弟姉妹が多くて、しかも誰一人まともな職を持っていない!!で、ミッキーが試合で稼いでる金だけで生活してるんだろうな~って感じ。

アタシだったらあっさり家を出ちゃうところなんだろうけど、アイリッシュでカソリックって言ったら、家族の絆は絶対、そんなの許されないことなんだって。

でもミッキーにとってボクシングは喰うためだけじゃなくて夢でもあるのに、怠け者の家族を食わせるためだけに意義のない試合をさせられるって相当辛いだろうと思った。

でさ~、助演男優賞獲る!って言われてるクリスチャン・ベイルが演じる、ミッキーのしょ~もない兄貴・ディッキー。これ獲るよ!すごいよ、もう。カッパ禿げ!クリスチャン・ベイルだよ!クラック中毒だからすっげえ痩せてるし。この人さ、役作りのためにすっごい痩せることで盛り上がっちゃう人なんじゃないかなあ。

そんでさ、こういうヤツ、アメリカに一杯いるんだよね~。正直な話、前にちょっとデートしてたヤツそっくりで冷や汗出てきた。見た目もそんない悪くなくて、調子良くて人当たりはいい。才能も結構あって、頭も馬鹿じゃない。でも何が欠けてるって、責任感とかそういうのがゼロ!

この人も伝説のボクサーとマッチしたくらいなんだから、才能はあるんだろうけど、結局はその才能を上手く導いてくれるマネジメントやトレーナーに恵まれなかったんだなあと思う。でもディッキーとミッキーの違いは、ベタだけど「マジメさ」なんだなあと思う。ディッキーは才能あるんだけどコツコツ努力するってタイプじゃないんだよね。

で、家族の犠牲になっている内にどんどんボクシングキライになって行くミッキーを救ってくれるのが、しがないバーのねーちゃんシャーリーンなんだけど、これを演じるエイミー・アダムスもいい。「ホワイト・トラッシーなバーで毎日ガンガン飲みながら働いている女」って身体しているの!タンクトップから出るぶよっとした腕!ジーパンのベルトの上のハミ肉!セックスシーンの腰の周りの脂肪がむぎゅ!ってしてるとことか、リアル過ぎる。こういう役を、いかにもジムで鍛えてますみたいな女優がやるとウソ臭いけど、産後の肥立ちもいいエイミー・アダムスは超ハマり役だった。

アタシが個人的にこの映画すっごく感動したのは、ミッキーを苦しめる家族が悪役、救うガールフレンドのシャーリーンが善玉、って言うのを最後ひっくり返すところなんだよね(ここからネタバレ)。

シャーリーンは、母親とバカ兄貴がミッキーをダメにするからと、近づけたくない。でもミッキーの家族は自分達に権利があるみたいに振舞う。そういう綱引きの中で「アナタがはっきりしないからいけないのよ!」みたいな追い詰め方をするのは良くないんだな~と思った。ミッキーは、ディッキーがどんなにボンクラでも、小さい時見上げていた兄でありボクサーであり、やっぱり才能があるって思うし、一緒に夢を目指したい。それが面白くないシャーリーンは、だんだんミッキーの母親みたいになって行く。

ハタから観ていると、「ああ~、ここで周りがケンカしてちゃダメじゃん。みんながぐっと自分を殺して、ミッキーを勝たせるために一致団結するべきなんだよ」と思うけど、当事者になったらこれは難しいことだよ。

でさ、その難しいことを実際にやってのけるのが、このボンクラにーちゃんなんだよ!

ミッキーがまたディッキーにトレーナーになって欲しいと言うと、今まで助けてくれていた人はみんな立ち去る。シャーリーンも立ち去る。するとディッキーは、シャーリーンの家まで訪ねて行って、

「ミッキーはあんたが必要なんだ。ミッキーは俺のことも必要なんだ。だったら俺達両方ともミッキーと一緒にがんばらなきゃいけない!」

って言うんだよ!

で、その後、気持を入れ替えて、ヤクも辞めて、ミッキーと本当に真剣にトレーニングを始める。ここがさ~!!!なんかすごい深いのよ。軽くもなり得る、なんつの、「なんだよ~こんなボンクラが都合良く更正するわけないじゃん」って感じになってもおかしくない展開なんだけど、そこはやっぱ、クリスチャン・ベイルの鬼気迫る演技なのかなあ、信じられちゃって、マジ感動するんだよ!

タイトルマッチでは、コーナーにディッキーが付いて、シャーリーンと母親が一番前で観戦しているんだけど、母親がさ、それまでは安っぽい派手~な服ばっかり着ていたのに、少しスタイリッシュに変わっているのよ。それがなんか、母親も成長したんだな~って感じが良く出てた。その服装だけのことなのに。

で、もちろん、最後ミッキーが勝つんだけど、それが本当に感動的なんだよね。さっきも書いたように、「都合いいよな~」とか「そりゃ勝つよな~」って思わせない、本当に泣けるの!

それってきっと、登場人物がみんな、映画の中で成長して行く過程が良く描かれていたからだと思う。これに比べたら『ソーシャル・ネットワーク』なんて☆んこ☆だと思うのだが。

追記:
もちろん、母親役のメリッサ・レオもすごかったです。この人、ホワイト・トラッシュのおばさんやらせたら一番なんじゃ。あのシワとか、肌のたるんだ感じ・・・・。でもこういう人が、「女優」であって「セレブ」じゃない人なんだなと思った。整形でお直しとかしてないんだろうなって。

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■メリッサ・レオのもう一つのはまり役『フローズン・リバー
第83回アカデミー賞 | コメント(3) | 【2011/01/25 06:26】
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『The American』-クルーニー兄貴が趣味で作った?
The American

なんなんでしょう、クルーニー兄貴の一連のハードボイルド系映画って?!これってさー、兄貴の妄想を映画化したとしか思えない。誰でもあるじゃないですか、憧れる役柄って。兄貴もうお金はあるし、趣味で映画作ってるんじゃないかなあ。行きたいところをロケ地に選んで、好みのタイプの女優を共演に持ってきて、自分が演じたい男を演じる-ほとんどアーティストとしてのチャレンジもなく、人に感銘を与えようなどとはしない、趣味の映画!!

American, the
Produced:2010
Director: Anton Corbijin
Writing Credits: Rowan Joffe, Martin Booth
Cast (voices):
Jack: George Clooney
Clara: Violante Placido
クルーニー兄貴の好きな役柄って、まず、孤独な一人モンの中年なんですよね。ワビサビつか、哀愁って言うか。必ずなんか裏の世界に通ずる専門職持ってて、その職質ゆえにまともな人間関係を紡いで行けない一匹狼。

でも本当は寂しがり屋なのぉ~。この映画でも、誰かに追われているみたいなので、ひたすら姿を隠して、余り他人とも交流するな、って言われているのに、すぐ女作っちゃうんだよな~。日本の婚活女子たちが「出逢いがない、出逢いがない」って嘆いているのに、なんで隠れて逃げ回ってる兄貴がすぐ女が出来るんだか!暴動が起こりますよ。

兄貴の職業は本当はなんなのかとか、何で、誰に追われているのかという説明は一切なく、説明がないのは観ている内に判ってくるというような映画を面白くする手法ではなくて、「設定なんかとりあえずどーでもいい」って感じ。大事なことは、兄貴が孤独な職人で、裏の世界の人間なのでヤバい人たちから追われ、近寄ってくる女はみんなスパイかもしれない、でもそれでも恋に落ちてしまう、実は繊細な男なんです!ってそこだけ!!

で、兄貴ったら、寂しいもんだから売春宿で女買うんですけど、この女に本気で入れ込んじゃう。この土地(イタリアの田舎)に来る前は、スイスでも彼女がいたのによ!あ、そうそう、タイトルが「The American」というように、「海外にいるアメリカ人である」ってのも、兄貴の大事なことの一つらしい。

この娼婦(クララ)に入れ込んじゃう過程があんまり描かれてなくて、2回目に売春宿に行った時、クララ休みだったんだけど、他の娼婦とは寝ない。で、その次にクララとセックスした時、なんとクンニする!!

おまえ~、娼婦にクンニすんのかよ!って思ってたら、クララが、

「あなたは、他の女たちより私にいいチップをくれるのね」って言うと、

「他の女達とは寝ないよ」なんて言うんだよ!!

他にもツッコミどころ満載で、例えば、観ている限りで想像すると、暗殺を請け負うヒットマンから特注される銃を作っている職人のようなんですけど、そんな精巧な物を作るのに、逃げ回っている先で工具とかあんのかよ、とか、工具なら買えるけど、金属とか切ったり貼ったりするのに結構デカいカッターとかそういう機器?あんなの買って持ち込んでたら目立ってしょうがないじゃないですか。極めつけは、良くヒットマンって、アタッシュケースに銃を分解して入れて、きれいにくり抜いたのに並べてあるじゃない?あのくり抜いたのって、あんな手工業みたいので作れるわけないよ!あと、材料が足りないからって近所の自動車修理工のガレージでちょちょっとみつくろってくるんですけど、そんなくず鉄みたいので作れるの?!

で、最後は、クララに金を渡して約束の「秘密の場所」に行かせ、自分は撃たれて腹から血を出しながらもそこへたどり着くのだが死んじゃう。ここで一捻り入るのかな、と思ってたら、エンドロールになっちゃって、

「こんだけ?!」

って本気で言って、笑いが止まりませんでした。でもなんかクルーニー兄貴可愛いなって思っちゃった。

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最近観た映画 | コメント(0) | 【2011/01/22 03:52】
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『トイ・ストーリー3』-おもちゃだってツライんです!!
Toy Story 3

タランティーノがこの映画を2010年のベスト10に選んだって友達が言ってたんですが、町山さんも、マイミクのGOさんも、映画好きな人たちにはすこぶる評判がいい。

Toy Story 3
Produced:2010
Director: Lee Unkrich
Writing Credits: John Lasseter, Andrew Stanton, Lee Unkrich
Cast (voices):
Woody: Tom Hanks
Buzz Lightyear: Tim Allen
Jessie: Joan Cusack
Ken: Michael Keaton
私は1と2を観ないでいきなり3なので、トイ・ストーリー・ファンにとっては冒涜に近いものがあるんではと思うのですが、最後はポロポロ泣いてしまいましたよ。可哀想だなあ、おもちゃって。ある意味ペットより可哀想。生き物じゃないから、捨てるのに良心の呵責ゼロだし。おもちゃたちの生存は、ひとえに遊んでくれた「元子供」のアンディにかかっている。

アンディ君のようにカレッジに進学するために家を出る、っていうのは「子離れ・親離れ」のマイルストーンとしてアメリカ映画では果てしなく使われてますよね。そこに「おもちゃたちの生存」を絡ませてきたのはウマイ。アンディ君は、大人になる過程の一環としておもちゃたちに別れを告げなくちゃならない。でも、この映画の主人公であるおもちゃたちの運命はいかに!ってことですな。

この映画を観て思い出したけど、アタシも小さい時、クマのぬいぐるみをどこにでも連れて行ってたなあ。ほとんど24時間抱いていたので、ベージュだったのが茶色になり、目がなくなったので新しいボタンで縫いつけ、お茶こぼしてお腹のあたりがハゲになり、それでも持っていた。で、アタシが寝ている時クマちゃんは、他のぬいぐるみ達と何をしているんだろう?って思ったなあ。この映画もきっとそういう発想から出てきたんじゃないかしらん。

主人公のおもちゃたちはもちろんすっごい愛すべきキャラ達なのですが、私は悪役のおもちゃが好きですね~。赤ちゃんの人形を用心棒に持ってきたところがすっごいグッド!!横にすると目をつぶる、あの愛らしい赤ちゃんが、片目が半分開かなくなってて、赤ちゃんだからぷくぷく太ってて、「だーだー」とかしかしゃべらないじゃない?そういう赤ちゃんの可愛い特徴が、「身体だけはでかくて強いけど、ボンクラな用心棒」と同じ特徴なのがもー最高にブリリアント!これ見ただけで、この製作者の人たちってすっごいセンスある!って思っちゃいました。(写真探していたら、子供のいたずら書きがタトゥーみたいに見えるし、あのうす~い「赤ちゃんヘアー」がまたヤクザ感がある!)

悪役の長であるロッツォっていうクマのぬいぐるみもすごいハマり役。ふかふかして可愛らしいクマさんって、丸っこくて毛むくじゃらのヤクザの親分、一見すっごい温厚そうだけど、実はすげえ残虐、みたいの「あるある!!」って感じでニンマリしてしまいました。

あと、見張り役のチンパンジーのおもちゃ!!目がギラギラしているので、「見張ってる!」って感じがするし、なんか異常を見つけると「ぎゃあああああ~~~!パン!パン!パン!パン!」とシンバル叩いて大騒ぎするところとか爆笑。

ほとんどは、おもちゃ達が捨てられる・寄付される運命を乗り越えてアンディ君のところに帰るまでを描くアクション・アドベンチャーなんですが、そういうところは飽きずに一緒にハラハラしながら観れるし、子供だったらこの映画すっごく楽しいんだろうし、親も子供も同じに楽しめる映画って、親にとっては本当にありがたいことだと思う。

町山さんは、子供は子供とおもちゃに感情移入をして楽しめるし、親は子供が大きくなって巣立って行くってストーリーに感動して泣いちゃう、って言ってたけど、アタシは子供いないせいか、「親の気持」に訴えるのかな?って思いながら観てた。

でも最後、カレッジ行くのにウッディを置いて行こうアンディ君が決めるところは泣けたよ。おもちゃでもペットでも恋人でも、好きなのに別れなくちゃいけない状況ってもう無条件に胸が詰まるよね(くすん)。


映画の感想 | コメント(2) | 【2011/01/21 03:45】
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え!こんなこと書いちゃって、いいの~!

「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

人間性がにじみ出ている記事はこちら!
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