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『デイブレイカー』-やっぱりさすがイー様ですっ!!
Daybreakers

ジャケ買いしてしまいました。イー様にウィレム・デフォー、でこのゴシックな雰囲気!何コレ?ヴァンパイアもの?他にも『ラブリー・ボーン』とか、『エクストラクト』とか、観そびれてたのいっぱいあったのに。いつもそうなんだよなー。「あとで観ればいいや」とか思っていると、どんどん新しいのが出てきて、結局何年も観なかったり。ぶっちゃけスルー!みたいな。

daybreakers
Produced: 2009
Director: Michael Spierig, Peter Spierig
Writing Credits: Michael Spierig, Peter Spierig
Casts:
Edward Dalton: Ethan Hawke
Audrey Bennett: claudia Karvan
Lionel 'Elvis' Cormac: Willem Defoe
Frankie Dalton: Michal Dorman
でもこれは結構面白かった。イー様って結構ヤルよね。年取ってからチンピラみたいになっちゃったなあ、って思ってたんだけど、この映画では、すごいいい男よ。若い時のぷくぷくした感じじゃなくて、細面で。身体はさすがにひょろひょろじゃないけど、太ってるわけでもないし。

ロバダウもそうだけど、同世代の俳優さんたちがカンバック、もしくは老いて益々!みたいな感じだと、嬉しいわよね。アタシもやっぱこのトシになると、きれいでもあんまり若い男は魅力感じない。この映画のイー様は、チョイ悪でもないおとなしい無垢な感じで、でも「若い」「子供」って感じじゃないのがいい。設定は35歳くらいらしい。

話もなかなか面白くて、設定は2019年。疫病かなんか、血液系の病気のせいで、人間が吸血鬼になってしまう事象が発生したらしく、人間はどんどん減っている。人間の血を飲んで生きている吸血鬼たちは、人間が減ると食べ物を調達できないので、生き残ってる人間を捕まえてきて、家畜のように飼っている。

イー様演じるエドワードは、元人間だった吸血鬼で、今は吸血鬼のための「人工血液」の開発をしている科学者(「人工」じゃなくて、「吸血鬼工」だわね)。

この設定がなかなか変わってって面白い。普通、吸血鬼って逃げ回って生きているものじゃない?それが、吸血鬼の方が多いので、人間のように生活している。科学者だったり、エドワードの弟は兵士だし。で、小道具も良く考えてあってさ、自動車の窓が、ほら、実際にもあるじゃん?日が当ると色が付くやつ。アレなんだけど、吸血鬼って日の光に当ると死んじゃうじゃん?だから、昼間は完全に光をシャット・ダウンして、モニターで外の道路の映像を見ながら運転するという。なるほど~!

で、その車を開発したメカニックの通称エルビスをウィレム・デフォーが演じているんだけど、エルビスは、元人間、元吸血鬼、そして今はまた人間に戻っているという設定なのだ!

つまり、疫病で吸血鬼になっちゃった人が増えてくると、襲われて吸血鬼になっちゃった人もいるし、また、親が吸血鬼になっちゃったので、子供も吸血鬼にしちゃったりとか、あと、癌とかにかかっていた人は、吸血鬼になれば死なないので進んで吸血鬼になったりとか、色々あったらしいのよね(またこの色々あったことをいちいち説明しないで、何気に会話の端々に出てくるだけっていうのが映画的でいい)。エドワードは吸血鬼になりたくなかったんだけど、弟のフランキーに噛み付かれてなっちゃったらしい。

エルビスはなんで吸血鬼になっちゃったのかわかんないんだけど、人間に戻った理由は、先ほどの車を開発するためのテスト・ドライブをしている時、外が上手く見えなくて事故に会い、フロント・ガラスを突き破って外に放り出されてしまう。昼間だったので太陽の光に焼かれたのだが、放り出された先が湖だったので、燃え尽きる前に水に落ちた。大やけどを負ったがなんとか生き延び、気がついてみたら人間に戻っていたというのだ!

で、エルビスの経験を元に、吸血鬼が人間に戻れるような装置を作ってみんな人間に戻れば、人間狩りをしたり、人工血液を開発したりしなくても良くなる!ってことになるのだが、人工血液を開発している大企業は、この装置ができちゃうと人工血液でお金を稼ぐことができなくなっちゃうので、それを阻止しようとし、そこでバトルになるわけなのですな。

なかなか良くできてるな~って思ったのは、現代の色々な問題を、上手く設定に盛り込んでいたところ。エドワードの誕生日に弟のフランキーが、本物の人間の血をあたかも極上のワインのようにエドワードにプレゼントするんだけど、エドワードは科学者として人工血液の開発に取り組みながら、生きたままの人間の動脈に針を刺して血を抜き続ける行為とか、人体実験をして生きた吸血鬼を殺すこととかに嫌気がさしていて、生血なんかもうずーっと飲んでいない。「いらない。そんなものは捨てろ」と言うエドワードに、人間をハントすることを生業としているフランキーは、

善人ぶるな!お前だって生きた人間を家畜にしているような会社で働いてるんだろ!これを飲まなきゃ生きていけないんじゃないか!

みたいに言い合いになるのよね。これって、最近の『ザ・コーヴ』のイルカ漁の問題とか、『Food, Inc.』でも取り上げられていた「家畜に対する非人間的な扱い」とかの問題を、「吸血鬼が人間を家畜化」するって形で問いかけていて面白い。

言い忘れたけど、吸血鬼は飢えるともっと野蛮な吸血鬼に変化しちゃうんだけど、この野蛮なのは顔がグロテスクで、コウモリみたいな形になっちゃうのね。で、そうなる予兆が、耳が尖ってくるんだけど、生血を飲んでないエドワードの耳が尖ってきて、「あなた、生血を飲んでいないでしょ?」とエルビスの仲間である人間が、自分の手を切って血を飲ませてくれる、ってシーンがあったりして、この「吸血鬼は飢えるともっと野蛮な吸血鬼に変化しちゃう」っていう設定が、単にグロい、スプラッター的な生き物を見せたいだけじゃない、ちゃんと伏線になってたりしてなかなかブリリアント。

(それにしても、こういう設定とか、あと、義兄弟の約束を血で交わす、とかいう時に、ナイフで手のひらを切る描写って多いけど、手ってしょっちゅう使うところなのに、なんでだろ?色々不便だし、感染とかし安くなると思わん?)

あと、人工血液を開発して一儲けしたい大企業は、みんな人間に戻っちゃったら儲けられないので、なんとしてもそれは阻止しようとする。これは、完治する薬を作る科学は進んでいるのに、金儲けのために人を病気にして置くような、現代のいわゆる大企業の「お金儲けのためなら何でもアリ」みたいな体質を表現していますよね。

やっぱ、さすがイー様よ。スプラッター・ヴァンパイアもんでもそれなりに内容のある映画に出るね~。でもアレだよね、この手の映画って結構いいもの多いよね。多いっていうか、『28週間後』なんて、思ってたより全然クオリティ高かったし、『28日後・・・』もすごいクオリティ高かったし。

オススメですっ!
★おすすめ映画★ | コメント(5) | 【2010/06/05 03:27】
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コメント
いい男ですね
見てみます。
【2010/06/05 07:54】 URL | Hidesaburou #-[ 編集] | page top↑
これはおもしろそうだなあ。ところでタマフルのあだ名特集で、”井伊”という名前の人が、井伊さん→いいさんほーくというあだ名を付けられたというのに激しく笑ってしまいました。
【2010/06/11 06:48】 URL | GO #-[ 編集] | page top↑
いつも映画選びの参考にさせていただいてます。姫さんのレビューって最高です。
私イーサンホーク大好きなので、この映画日本上陸してほしいですっ。イーサンの作品の感想これからも楽しみにしてます。
【2010/08/01 00:07】 URL | そよ #-[ 編集] | page top↑
> いつも映画選びの参考にさせていただいてます。姫さんのレビューって最高です。

わー、「最高です」なんて、いい気になっちゃいますぅ。

> 私イーサンホーク大好きなので、この映画日本上陸してほしいですっ。イーサンの作品の感想これからも楽しみにしてます。

この映画は、いい映画ですよ。イーサンはトシとってから、本当にいい仕事してますよね。
【2010/08/03 00:15】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
設定読んでると『大吸血時代』(だっけかな)を思い出します。本だけど。
こっちは何かほのぼのしてるんですけど、これは何か恐ろしげですね~
【2010/08/26 17:14】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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