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『しあわせの隠れ場所』-良き人であるとは
The Blind Side

いや~、コレ、実話だって知って観てるからアレだけど、じゃなかったらウソ臭い話になっちゃいますよね~。ホームレスも同然の男の子を善意で家に迎えて上げたら、家族全員惨殺された、なんてホラー映画の方がよっぽど真実味あるかも。

blind side
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: John Lee Hancock
Writing Credits: John Lee Hancock, Michael Lewis
Cast:
Leigh Anne Tuohy: Sandra Bullock
Michael Oher: Quinton Aaron
Sean Tuohy: Tim McGraw
SJ Tuohy: Jae Head
Collins Tuohy: Lily Collins
Coach Burt Cotton: Ray McKinnon
Miss Sue: Kathy Bates
しかもこのリー・アンって女の人、このキャラ普通悪役だよ!金髪・美人で金持ち、スタイルも良くって、デザイナー・ブランドの洋服着て、旦那は優しく理解があり、セックスレスにもなってない結婚生活。一男一女の子供たちは、スレてもいない素直でいい子たち。しかもアメリカ南部に住んでいるクリスチャンの白人ですよ!こういう女が「性格もいい」ってのは、なかなかないと思わん?

そこを、サンドラ・ブロックは上手く演じてたと思う。元々サンドラ・ブロックって、屈託のないイタズラな感じがあって、そういう彼女の人間性みたいなものが、このイヤミにもなりかねないキャラをすごく魅力的にしてましたね。また、彼女がマイケルの悲しい生い立ちを聴いた時に見せる表情が、本当に心から心配しているって思わせる顔するんだよね。さすが、主演女優賞納得です!

私はこの映画を観て、「良い人である、良い事をする、というのはどういうことか」とすごく考えさせられた。「こんなのクリスチャンの偽善じゃねーか」「金持ち女の道楽じゃねーか」という見方もされかねないのに、なぜかリー・アンは、そういう風に見えないのだ。

リー・アンは、自分の価値観を相手に押し付けるってことがないよね。クリスチャンの人が良い事をするとき、なんか胡散臭く見えることがあるのは、自分の「良い事」にみじんも疑問を抱かないからかなと思った。

例えば、リー・アンがデザイナー・ドレスを着て、一皿$40のサラダを食べながら同僚(友達?)と歓談している時、リー・アンが黒人の青年を養子にしようとしていることについて、同席している女たちはぶしつけな好奇心を覗かせる。

「でもあなた、娘さんのことはどうなのよ?あんな大男の黒人と一つ屋根の下に暮して・・・・危ないと思った事ないの?」

これに対してリー・アンは「Shame on you」とバッサリ一刀するのだが、家に帰って娘に意見を聞く。自分のしていることは本当に間違っていないのだろうか、と常に考えているんだよね。

クライマックスで、マイケルを助けてあげたのは、自分の母校のミシシッピ大のフットボールチームを強くしたいがためなんじゃないかと疑われた時も、自分が本当にそういう下心がなく、本当に慈悲の心だけで動いていたのかと自分に問いかける。良い人である、良い事をするっていうのは簡単なことじゃなくて、リー・アンみたいに常に自分に問いかけ、努力して行かなくちゃいけないんだなあ。それを素直に真っ直ぐやってる人だよね、リー・アンって。

あと、この映画は、映画的にも上手いなあ、と思った。マイケルの家庭教師のミス・スー(キャシィ・ベイツ)が、マイケルが行きたがっていたテキサス大のフットボール・フィールドの下にFBIが死体を埋めているって話をして、それにビビったマイケルがミシシッピ大に行く事にするんだけど、それって単に面白いエピソードって言うんじゃなく、後でNCAAの監査が入った時に生きてくるんだよね。

それとか、マイケルの種違いの弟、同じゲットーに住んでて、マイケルがリー・アンの家族と行った高級レストランでバスボーイ(ウエイターにもなれない片付け専門)をしているところに再会する。この子も球技の才能があるし、決してギャングのすれっからしのメンタリティにも染まってない。この子がマイケルの立場になってたかもしれないのだ。だけどこの子は、マイケルがNFLにドラフトされた日かなんかに、ギャング間の抗争で殺されたと新聞記事に出る。このエピソードを挿入したことによってマイケルの話がより強調されて、すごい効果的だと思った。

リー・アンの話に戻るけど、彼女がバリバリ敬虔なクリスチャンであることがイヤミでないののもう一つの理由は、彼女は本当の意味での感謝の気持ちを持っているからだと思った。最後にリー・アンのナレーションで、自分は本当に恵まれた生活をしている、こんなに与えられるってことは、どこかに与えてくれている人がいるからに違いない。その人に感謝するために、毎日祈る、とかなんとか言うんだけど、要するに彼女の信仰って言うのは、自分を他人より上に置いたり、自分の足りないところを埋めるためじゃなくて、「感謝」を具現化したものなんだと思う。

なんかそういう意味でこの映画は興味深いと思った。「白人のクリスチャンでも本当に良い人はいるんだ!」って思うのは逆差別だよね(笑)。マイケルやマイケルの弟みたいな「マイノリティ」の実態を前面に出して置きながら、白人・クリスチャンというマジョリティのモラルも描いているって言うかさ。特にクリスチャンには、「クリスチャンとして良き人であるっていうのはどういうことか」ってすっごいチャレンジしているなあと思った。

これって脚色賞上げても良かったんじゃないかなあ。まあ『プレシャス』も強力だったけど。でもこの映画の原作って、マイケルの話が中心じゃなくて、なんでフットボールのレフト・タックル(だっけ?)が重要な存在になったのかという話がメインで、マイケルの生い立ちの話はそれに付随してくるものだったらしいじゃない。それを取り上げて、しかも主人公をマイケルじゃなくて、彼を支援したリー・アンにフォーカスし直したって、こういうのが脚色賞じゃないんだろうか。
私が観た映画&DVD | コメント(2) | 【2010/03/30 06:02】
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コメント
チュチュさん、コメントありがとう。
このお話は、リー・アンが南部在住クリスチャンの白人女性ってところが肝なんでしょうね。
日本では、キリスト教の精神みたいなものが(私を含めて)今一つピンとこないところがちょっと悔しい。

http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-821.html
【2010/03/30 20:54】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集] | page top↑
真紅さん、

そうですか?真紅さんのレヴュー読むと「ピン」ときてるんじゃないかしらと思うけど。

でも宗教抜きにしても、リー・アンみたいな人が良い人って結構納得いかないじゃん、普通(笑)
【2010/03/30 23:51】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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