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『マイレージ、マイライフ』-不覚にも泣いちまった
Up in the Air

これ、いい映画だなあ。あんまり良すぎて、何も書けないよ。こんな気持ちになったのは、『ディス・イズ・イングランド』以来だなあ。もう、最初から最後まで、全部書かないと気が済まないってくらい、全部いい!!

up in the air
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: Jason Reitman
Writers: Jason Reitman, Sheldon Turner
Cast:
Ryan Bingham: George Clooney
Alex Goran: Vera Farmiga
Natalie Keener: Anna Kendrick
Craig Gregory: Jason Bateman
Kara Bingham: Amy Morton
Julie Bingham: Melanie Lynskey
Bob: J.K. Simmons
人生とはなんなのか、生きがいとは、人と人との関わりとは、家族とは。そして、主人公のライアン(ジョジクル)がリストラ請負人を仕事にしていることから、仕事ってなんなんだろう?本当にお金のためだけにやってるんだろうか?ということも考えさせてくれる。

監督は、この脚本を、まだ景気が良かった2002年に書き始めたんだけど、『サンキュー・スモーキング』や『ジュノ』の話が持ち上がったりして伸び伸びになってしまい、今、映画化するには、世相が余りにも違いすぎるので、今の不況を反映するためにかなり内容を変えたようなんだけど、それが物語りにすごい深みを与えていると思う。

リストラされる会社員の役でJ.K.シモンズが出てくるんだけど、この人がハマってたね。本当にこのワン・シーンだけなんだけど、すごく印象深い。家族のために一生懸命働いてきたお父さん、「子供たちになんて言えばいいんだ」って言うんだけど、ライアンは、この人の履歴書にフランス料理のシェフ、っていう履歴があるのを見逃さず、「夢をあきらめたのはいつなんだ?いいか、これはチャンスなんだ。自分の夢を追いかけてみたらどうだ」なんて言うんだよね。

このライアンってキャラにものすごく共感する。人や物に執着したくない、心から自由でいたい。恋愛や家族や友達は、彼を幻滅させるのだ。人間関係ってのは、コツコツ溜めれば少しずつでも増えていくマイレージみたいなもんじゃない。努力しても報われないこともあれば、簡単に壊れてしまうこともある。そんなことに翻弄されたくない。自分独りでいる自由の方が確実だ。

でも、こういう人に限って、本当の愛を求めているんだよね。だって、この人は、ドライで冷たく振舞っているけど、本当は優しい人なんだよ。だからインターネットのヴィデオ・チャットでリストラを宣告するなんてアイデアは許せない。リストラされる人の痛みがわかるからこそ、この仕事が出来る。

インターネットのヴィデオ・チャットでリストラを宣告するなんてアイデアが出てくるのは、大学出たてでヤル気満々のナタリー。この娘がまたいいんだよね。非常に納得が行くキャラ。アナ・ケンドリックむちゃくちゃハマってる。仕事はバリバリ、ドライにこなすけど、彼氏にテキスト・メッセージで振られてわんわん泣いたり。

この娘と、ライアンと深い仲になるキャリア・ウーマン、アレックス(ヴェラ・ファーミガ)の、理想の男性像の比較が面白い。トシ取ると、「こういう人がいいなあ」って思う男性像が変わってくるのが、すごくリアルに伝わってくる。あと、ものすごく上手いなあって思ったのは、ナタリーが、アレックスとライアンに言った言葉。

あなたたちの世代がしてくれたことはすごい尊敬するし、感謝もしている。でもアタシは、やっぱ愛する人がいないってのは人生の負け組って感じがしちゃうのよっ

つまり、今40歳くらいの女たちが、男と対等に仕事したい!って、恋愛も結婚も家庭も子供もなげうってがんばってきたからこそ、ナタリーみたいに大学行って、就職して、女性が自立できる世界になったのはありがたいけど、やっぱりアタシは愛が欲しい!って。

そして、ライアンの妹の結婚式のシーンがあるんだけど、またこれがいいんだなあ。お金がなくてハネムーンに行けない、会場は地元の古くて小さいホテル。でも古くて味があるホテルじゃなくて、本当に田舎の、だっさい、壁とか合板の、ひなびた感じのホテルでさ、自分が呼ばれたら、「なんだこんなところかよ」と言いたくなっちゃうような。

でも、私は不覚にも泣いてしまった、このシーン。結婚して、色んな責任や足かせを背負う。バックパックに入りきらないくらいの。肩にストラップが食い込んで、早く歩けなくなる。人生を駆け抜けるってことが出来なくなる。でもでも!!なぜこんなに感動してしまうんだろう?

***ネタバレします***

明らかに恋に落ちていくアレックスとライアンを見て、いいなあ、中年になって、「本物の愛なんかないよ」って思ってた人たちが、もう一度ソレを信じられるようになるんだ、って思ってたから、アレックスがライアンを「現実逃避」って呼んだときはもう、ライアンの気持ちを考えるとツラかった。アレックスみたいな結論に達する人もたくさんいると思う。家庭や子供は素晴らしいけど、大仕事だ。恋愛は楽しみたい。でもわかるよ、今の旦那と結婚したのも恋愛の末なわけなんだから、誰と恋愛したって最後こうなっちゃう。だったら恋愛は分けて考えるしかない。

原題の『Up in the Air』は、このラストでのライアンの状態を示しているんだと思った。やっぱり愛が大事なんだ、と気が付いたけど、結局、またなんの足かせもない、出張ばかりで人間同士の繋がりのない世界に引き戻されてしまったライアン。前のように「これが俺の人生だ、生きがいだ」って確固たる信念を持つことはできない。それは「Up in the Air」、どっちつかずの状態。

このラストがまた上手いなあと思った。アレックスとライアンがくっついたら、「ハリウッド的大団円」って感じで、ベタだもんね。それにこういうエンディングにしたからこそ、色んなこと考えさせられていい。

私は、ライアンはいつか誰か見つけると思うなあ。アレックスは、ライアンに人と繋がるってことが幸せなんだよ、ってことを知らせるために現れた人なんだと思う。人は、求めているものは無意識に探しているものなんだよ。だから、それを意識させられたライアンは、今までと違って逃げたりせずに、探し始めると思うんだ。みんな避けてるものってのは傷ついたりがっかりしたりするのが怖いから避けるんだと思うけど、勇気を出して見つけようと思うと、探し物は簡単に見つかったりするものだと思うの。


ジェイソン・ライトマン アナ・ケンドリック ジェイソン・ベイトマン
オススメですっ! | コメント(6) | 【2010/02/02 09:38】
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コメント
”不覚にも泣いちまった”

いいですね、この一言。
ただのコメディーだと思ってましたが、チュチュさんの批評を読むと
すっごく良さそう。そうなんだー。
なんかメチャクチャ楽しみになってきました。
日本公開は3月だったと思うけど待ち遠しいなぁ。早く観たいです。
【2010/02/02 20:27】 URL | codomo #yBfrOqTk[ 編集] | page top↑
codomoさん、

あんまりいい映画なので、そればっか強調しちゃったけど、ゲラゲラ笑うところもたくさんあります!特にジョジクルは、『オー!ブラザー!』の時みたいな可笑しいシーンもある。
【2010/02/02 21:43】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
はじめまして。
いつも愛読させていただいてました。
このブログもそうですが、私はチュチュ姫さんというキャラクターのビッグファンです。

きっかけはある女優について調べてたときに偉人伝がひっかかったからなんですが、その後うっかりアドレスを消失してしまい、探し回ったけど見つからない・・・落胆してたら、半年ほどしてからかな?これまたある女優の検索で再会!本当に嬉しかったです。


さて、この映画。
ようやく観られました!飛行機の中で。
この批評を先に呼んでたのでものすごく期待してたのですが(期待しすぎると普通は落胆が大きいものですが)、期待に違わぬいい映画でした。
何より私はヴィラ・ファーミガが大好きなんです。「デパーティッド」の彼女に惚れ込んで。
でもやっぱり映画以上にチュチュ姫さんの評論の方が私にはグっときました。
改めてこれを読んでも、やっぱり最後のパラグラフに泣きそうです。(最初読んだときは本当に涙が止まらなかった。)
いつか私も探し者が見つかるかなぁ・・・。

これからも記事、期待してます。
よろしければ、またコメントさせてください。
長々と失礼しました。
【2010/03/22 08:46】 URL | Grrrly #bPnx6EUE[ 編集] | page top↑
Grrrlyさん、

いや~そんな風に言われると照れちゃうなあ(←すっごい褒められ好き)

私も色々な面を持った人なので、「なんなの、この女!」って思うような記事を書いたりもしちゃうと思うのですが、末永く宜しくお願いします。

Grrrlyさんのブログも面白そうなので、今度ゆっくり覗かせていただきます。今日は仕事がSlam!なので無理なんだけど。

さてこの映画ですが。いいっすよね~!!!私もヴェラ・ファーミガ大好きなんです。私は『縞模様のパジャマ・・・』で好きになりました。でもこの人の名前って、妖怪人間と同じなのかなあ(爆)
【2010/03/22 21:42】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
観てきました。
とっても良かったです、この映画。
たしかに泣けました。

私、結構ライアン的な考え方に近いせいか、彼に感情移入して観てたので
アレックスの「現実逃避」の下りには、えぇぇ~~~?って息止まりそうでした。
チュチュさんも書いてたけど、あの年になって、ああいう風に恋に落ちるなんて
素敵だなぁって思ってたところにあれだから、やっぱりそういうのって結局
幻想なのかなってすっごくガッカリしてしまった。
でも、リアルな感じですね、あの状況。(男と女の立場が逆のケースが多いんだろうけど)
それから、ナタリー役のひと、はまってましたね。
あのしゃべり方。ペラペラ早口でまくしたてるひとってそれだけで頭良さそうに思えるし
また自信満々な雰囲気がムカつくけど、それでいてそんなに嫌みに感じないキャラだった。
うまかったです。
ジョージ・クルーニーもライアン役はまってましたね。

あの「やさしい笑顔」が見れるだけでとっても幸せな気分になれるわ~。
素敵でした。

【2010/03/24 23:32】 URL | codomo #yBfrOqTk[ 編集] | page top↑
codomoさん、

いいですよね~コレ。ほとんどcodomoさんのコメ、賛成です。
【2010/03/24 23:51】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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