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『ザ・ロード』-甘ったるくて消化不良かな?
The Road

ヴィゴ兄貴が出ているので、観たい!と思ったのですが、蓋を開けてみたら、あら、シャーリーズも出てる、ロバート・デュヴァルも出てる、ガイ・ピアースも出てるじゃん!とサプライズ満載の映画でした。日本では公開されてない??なんか色々な賞レースにノミネートされているみたいだから、これから公開されるのかな。ビッグネームが出ているといえども、なかなか地味な映画だからなあ。

the road
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: John Hillcoat
Writing Credits: Cormac McCarthy, Joe Penhall
Cast:
Man: Viggo Mortensen
Boy: Kodi-Smit-McPhee
Woman: Charlize Theron
Old Man: Robert Duvell
Veteran: Guy Pearce
Motherly Woman: Molly Parker
The Theif: Michael K. Williams
ハート・ロッカー』と同じで、リアリティある描写なんだけど、映画的に面白いんだろうか、という。世紀末の様子とか、生き残った人たちの生活や心理なんかはすごいリアリティあるんですけど、だからこそカタルシスがない。映画の中で、何が起こって「世紀末」を迎えてしまったのかという説明はなく、ヴィゴ兄貴演じる父とその息子が、着たきりの汚い服で旅をしている背景から想像するしかない。

見る限り、全てのものは燃えてしまったようで、一面真っ白なのは雪ではなく、灰がかぶっているらしい。父と子が旅をしているのは、南に行けば暖かいだろうというのと、動物も植物もみんな死に絶えた今、サバイバルのために略奪、人食いは当たり前の世界で、一つのところに留まるのは危険だからだ。持ち物を全て買い物カートに積んで、ボロボロの靴で、ホームレスのように旅を続ける父子が痛ましい。

こういう状況になったらどうしよう。『2012』のもっとあり得る版て感じですね。自分の家はOK、まだ食べ物もある。でも外の世界ではじわじわと変化が起きてきて、秩序は乱れ、いつ自分たちも襲われるかもわからない。そういう希望のない中で、奥さん(シャーリーズ)は自殺してしまう。

お父さんは、息子を守らなくちゃとがんばるのですが、いつも自殺することを考えている。この気持ち、良くわかるなあ。息子を守りきれるかわからない。辛い思いをさせるくらいなら、いっそ自分で殺してしまおうか、と考える。息子を守りたいという気持ちがヴィゴ父さんの原動力ではあるのですが、やっぱり子供は子供、「守らなければならない者」であって、苦労や責任を分かち合う相手にはならず、ヴィゴ父さんのストレスは溜まりっぱなし。眠るたびに奥さんの夢を見ては泣く兄貴が可哀想。

それと、やっぱり人間っていうのは、人と出会う、人と交流するっていうのが幸せの一つなんだなあ、と深く感じた。他人と合ったら、殺されて食われるかもしれないという弱肉強食な状況で、ヴィゴ兄貴は極力、他人との接触を避けるのですが、途中かなり弱った老人(デュヴァル)と出逢う。食べ物を上げようよ、助けてあげようよ、という息子に負けて、一緒にたき火を囲むことにしたヴィゴ兄貴、「どこから来たの?」とか色々質問し始めた途端に、今までの緊張感がほぐれるのがわかる。自分以外の人と、ほんのちょっとでもいいから心が通う、というのが人間の幸せの根源なんだなと思った。

この老人とは、この後別々の道を行き、2度と会うことはない。こういうエピソードが延々と繰り広げられて行くだけで、回りの状況が良くなるサインも、何か大きな変化が起こる予兆も全くなく、観客としては最後に何を期待していいのか全くわからないまま、映画は進んでいきます。

この息子ってのが、こういう状況にあっての「ヒューマニティの象徴」として描かれていると思うんだけど、その辺がちょっと甘ったるい感じがした。この子は、他の人たちが人肉を食って生きているんだけど、自分たちは絶対それはしたくないと思い、老人は助けてあげたいと思うし、自分たちから盗んだ人も、「彼もお腹が空いていただけなんだよ」と助けようとする。うーん。まあ、私と違って、生まれつき高尚な人間ってのもいるとは思うけれども、なんでこの子がこんなにピュアなのか、ということを「あ!そうなのか」と思わせてくれるような逸話とか、なんかそういうのが欲しかった。

あと、人間を捕まえてきて、生きたまま足を切り、逃げられないようにして、食肉として地下室に閉じ込めている人がいて、それを見たとき「ああ、家畜だ」と思った。『Food, Inc.』とか『スキニービッチ』で書いた、「肉を食うこと」に対する罪の意識が・・・・・。人間がああいう状態にされていると「ひどいな」と思う。じゃあ、牛やブタや鳥ならいいのか?って問題になるよね。まあそれを言ったら、「野菜や果物はいいのか」って事になっちゃうんだけどさ。

***ここからネタバレです***

最後、ヴィゴ父さんは弱ってきちゃって、息子を守りきれず、無念ながらも死んでしまう。これもさ、これくらいの具合悪いとか、キズとか、病院がある社会だったら死なないんだろうけど、こういう状況だと結構簡単に死ぬんだなあと、思い知らされた。で、息子一人になっちゃって、どうする?!とか思ったんだけど、ここでガイ・ピアース演じる男とその家族が現れて、息子を一緒に連れてってくれるんですね。

このラストがまた、息子のヒューマニティにさらに甘味料を加えたような設定で、これまでの「世紀末感」とかそういうのはどーなっちゃったのよ!?って感じでした。ガイ・ピアース演じる男とその家族は、ヴィゴ父さんと息子のことが心配で、後ろから着いて来ていたんだって・・・。

食べ物もない無秩序な世界で、どこに行くのかもわからないような人たちに黙って着いて行くかなあ。それだったら最初からアプローチして、「一緒にいた方が安全だから、一緒に旅しよう」って言うんじゃないかなあ。

ヴィゴ父さんがもっと話の中盤くらいで死んで、一人取り残された息子が孤独な過酷な旅を強いられて、最後そういう人たちに出逢ったという設定ならありえそうだけど・・・・。なんかこの設定だと、ちょっとハリウッドの甘ったるいヒューマニティを描いたエンディングでありながら、カタルシスはぬるい、という一番消化不良な感じに終わってしまった。

・・・しかもこの映画、「アート映画」みたいな格付けをされているらしく、アート系シアターで上映されてたのね。値段倍だし、スクリーン小さいし、イスは座り心地悪いし、音響全然良くないし、しかも同じ列に座ったジジイとババアのカップルが、家で観ているみたいにしゃべるんだよ!すっごい静かな映画なのよ。

私の連れが始まってすぐ、

「Quiet, please」

って言ったのにも関わらず、ずーっとしゃべり続けていたので、中盤になって私が

「Can you stop talking?(しゃべるのやめてくんない?)」

って普通に言ったら無視したので、

「Can you hear me?(ねえ、ちょっと)」

っていったらババアの方が

「Yes, I can」

って言って、それからは静かになったんだけど、ああいう人たちってしゃべるのがクセになっているから、悪いと思っても黙れないんだよね~。

映画のブログを読んでいる人たちは、映画が好きだから読んでいるのだろうし、映画館でしゃべるってのがどれほど他人をイライラさせるものなのかわかっていると思うけど、くれぐれも気をつけてね!!それから、そういう人がいたら、毅然とした態度で、「静かにして欲しい」ということを伝えよう!相手を罵倒したり、怒らせてケンカしたりする必要はないけど、そういう人たちって、何度も注意される、ってことを経験しないとわからないんだよ。

まあ、こういう体験も映画体験の一環なんだろうし、いい映画っていうのはネガティヴな体験があっても心に残るものなのかもしれんが、やっぱ頭来るよ~!
今日観た映画 | コメント(3) | 【2010/01/25 01:55】
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コメント
チュチュさん。いるよね~、こういうカップル・・・。「お茶の間か!」みたいな。
私もこれから勇気を持って注意しようっと!
【2010/01/26 00:54】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集] | page top↑
息子があぁいう風に、天使みたくよい子に育ったのはヴィゴおとんがそういう風に育てたからだと思います。
言葉の端々にそんな感じはする。
ただ“善き者”とか何とか言うところに、とってもキリスト教的なものが感じられて、西洋の人が作ったお話なんだから当然なんですが、ちょっと苦手だなぁ……と。

つまらない映画ではなかったけど、何回も観たい映画ではないですね。
【2010/07/16 17:02】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
まーちゃん、

返事遅れました~。

うん、悪い映画じゃないのですが、なぜか素直に「良かった」と言えないって感じ。
【2010/07/21 00:00】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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