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『Food, Inc.』-でもやっぱりチキンはおいしそう
Food, Inc.

昔、私のバンドでギター弾いてた男の子が、小さいときに鶏がクビをはねられて血をぴゅーぴゅー噴出しながら走り回っているのを見て、それ以来肉が食えなくなったって言ってたんですけど、この映画では、漏斗みたいなものに鶏を逆さに突っ込んで、首だけちょこんと出ているところを切り取ってた。

Food Inc
Produced: 2008
Director: Robert Kenner
Cast:
Michael Pollan
Eric Schlosser
これが、一番、残酷でない殺し方なんだって。後方にはかごの中にたくさんの鶏がいて、漏斗に入れられたヤツがクビを切られるのを見ながら、自分の番を待っている・・・・。それってすっごい可哀想、って思うのでうが、羽をむしられて、つるんとした「とりはだ」になって出てきたら「旨そ~!!」とか思っちゃった!!

この映画のいいところは、環境問題や動物愛護を描きながらも、「動物を殺すのは可哀想だ」的な、お涙頂戴なアプローチじゃないところですね。というか、主旨はそこではなくて、「安かろう、悪かろう、という食べ物を供給して大金を稼ぐ企業を野放しにするな!消費者一人一人がこういう悪行を変えていける力があることを知れ!」という非常に硬派な映画です。

ファーストフード・ネイション』ですでに、食肉産業の酷さは描かれていて、基本的に内容は一緒ですが、『ファースト』はドラマ仕立て、今回はドキュメンタリーになってます。こういう内容のものをドラマ仕立てにして、信じられない産業の裏側を、「他人事」から観ている人たちの目の高さに持ってきたのはすごいなと思っていたのですが、今回はドキュメンタリーにしたため、実際の農家の人の現状が描いてあって、これがまたインパクトありました。

自営の農家を営んでいた人たちは、大企業の絶大な資本に押され、組織に組み込まれて行かなければ生活出来なくなってくる。要するに、自分が育てた鶏だの牛だの肉を買ってくれる「お客様」が大企業なんだから、言うとおりにするしかない。鶏にホルモン剤を打って短期間で成長させることで生産量を増やし、暗い納屋にぎゅうぎゅうに閉じ込めて運動させずに太らせる。急激な成長に心臓がついていけない鶏は、痙攣しながら死んでいく。そういうの、「こんなの間違ってるよ!」って思っても、やらなかったら大企業との契約を結べない。他に仕事もない田舎では、そんなチョイスはない。

でも、ある農家の女の人は、こういうやり方が余りにも酷すぎると思い、暗い納屋で鳥を育てることを拒否したら、契約を解除された。彼女の契約を解除した大企業は、映画とのインタヴューを拒否。
肉だけでなく野菜も、季節はずれに出回っているものは成長促進するクスリを使ってたり、もちろん農薬も使っている。大豆なんか、組織組み換えとか話題になりましたよね?でもね、農家のおじさんが言ってた。

「俺達も生活があるから、こうせざるを得ないけど、消費者が企業に圧力をかけて、正しい農業を促進してくれたら、俺達はがんばって、消費者が望むものを一生懸命作るよ」って。

昔はさー、オーガニックって言ったって、大して変わらないよ!高いし!って思ってたけど、最近はちょっと買っちゃうね。オーガニックの野菜も質が良くなってきたっていうのもあるし、サラダとかそのまま食べているとやっぱコワイ。でも、オーガニックじゃなくても大丈夫な野菜もあるんだって。アメリカのウェブサイトで見たんだけど、害虫に強い野菜は余り農薬使う必要ないし、皮が厚いものは剥けばOKだから、余り心配しなくて良いと。成長促進のクスリも、季節のものはそんなの上げなくても勝手に育つから要らないし。ただ、私は皮も全部食べたい人なので、にんじんとかりんごはオーガニックにしてるけど。

でもさ、オーガニックの「お菓子」とか、ああいうのって怪しいな~と思わん?ポテチは身体に悪いけど、オーガニックの野菜をスライスしてあげたお菓子とか「ヘルシー!」って売ってるけど、ヘルシーじゃねえだろう!って。あと、豆乳で作ったなんちゃらとかさ。

って思ってたら、っこの映画でやってた!オーガニック・フードのエクスポみたいので、オーガニック製品の展示・販売をやっている会場にカメラが入って行くのだけど、オーガニック製品で有名な会社が実は大企業に既に買収されていたってことがわかる。ナチュラルな歯磨き粉を作っているって有名なTom'sって会社は、すでにコルゲートに買収されているらしい。だからってナチュラルじゃないとは言わないけど、どーなのかね。

特にこういう、人間の身体に触れるものは、動物テストしてるかしてないかも問題なんだよね。私も、犬を飼う前までは動物実験って「しょうがないじゃん」って思ったけど、自分の犬が使われたらって思うと、やっぱりいやだ。『イヤー・オブ・ザ・ドッグ』を観た時、「えー!ペット好きが嵩じて、動物愛護とかっつって、牛だのブタだのまで気の毒とか思うか?!」って思ったけど、思うよ。

昨日もさ、町内のクリスマスの催しもので、本物のトナカイが街に来て、子供と触れ合う、ってのがあったんだけど、アレ見て可哀想になっちゃった。一日中人目に晒されて、触られて、自分だったらすっごい疲れると思わない?トナカイにしてみたら、自分を観に来ている人たちが愛好的なのか敵対的なのかもわからない。自分の全く知らない土地で見世物になって、すごいストレス溜まると思う。

ちょっと話がずれましたが、化粧品とかも、自分の顔がただれたくないからって、動物の顔をただれさせんな!とか言いたくなると思わん?そんな実験してみないとわかんないようなもの、最初から使うなよ!

で、映画は最後、いいこと言うの。スーパーに行って、日常的に買い物することがすでに「投票」になっているって。つまり、スーパーとかは、客が何を買っているのかモニターしていて、それに沿って入荷するものを決めているから、みんなが正しい知識を持って買い物すれば、それは結果的に大企業の姿勢を変えることになると。安かろう悪かろうで悪名高かったウォールマートの購買の人が、客の要望に応えてオーガニックの製品を入荷するためにオーガニックの農家に視察に行って、そこの人に「十年前、あんたたちの商品をボイコットする運動してたよ!」って嫌味言われてたのが笑った。でも、「あの」ウォールマートでさえそうなってきたんだから、客一人一人がちゃんと影響力あるって言うのは本当かもしれない、と思える。

でも一つだけ心残りなのは、貧しい人たちなんだよね。ギリギリの生活している人たちは、オーガニックだの、健康的な食生活だのって言ってられない。野菜や肉を安全な正規な方法で作ったら生産量は下がるし、そうしたら価格は上がると思う。そうすると打撃を受けるのは、貧しい人たちなんだよね。「多少価格が上がっても、安全なものを」っていうのは、ある種「金持ちの道楽」みたいなモンで、生活のために必要だから車を買うとか服を買うんじゃなくて、ポルシェやヴィトンを買うのとあんまり変わんない。

でもやっぱりこれは必要なことだと思う。だいたい、大企業の市場独占っていうのをさせないようにすれば、貧しい人たちが正当なお金を稼げる環境も出来上がっていくと思うし。その過程で色んな波に飲み込まれていっちゃう人達もいるかもしれないけど、それは避けられないことだもんなあ。

まあ、とにかく、個人レベルで自分が信じる一番正しいことをする努力をしよう!と思わせてくれる映画でした。
映画レビュー | コメント(10) | 【2009/12/14 00:29】
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コメント
めちゃくちゃ感銘を受けてしまいました。一字一句切り取って自分のmixiにアップしたいぐらいです!笑
もしかしたらいつかこの記事にリンク貼らせてください!(←日本語変ですねw)

私は動物が好きと言いながら、きっと言ってることやってることは奇麗事になってしまうんだろうと思います。例えば、うっかり買った洋服にリアルファーが使われていたり・・・。
そしてこういうドキュメンタリーからは目を背けていたように思います。
心が苦しくなって耐えられる自信がなかったから。
でもチュチュ姫さんのレビューを読んで、観てみようと思いました。観たいです。
なんか、、、わからないですけど、、、ありがとうございます。
【2009/12/15 11:59】 URL | C #RFphBmaY[ 編集] | page top↑
Cさん、

全てを救うことはできないので、身近なものから救えばいいんですよ。自分の犬、自分の健康、自分の愛する人の健康・・・とか。

なかなか観ているの辛いところもありますけど、コレと『ファースト・フード・ネィション』は観る価値あります!
【2009/12/15 21:25】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
Cさん、

この手の話に興味あったら、ミクシイのぞいて見てください。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1364273290&owner_id=9270766
【2009/12/15 23:22】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
私も、オーガニック、良いんだろうなぁと思いつつ、ついつい安い方を買ってしまっていました。自分で知ろうとしないと違いが分からないですもんね。
この映画、日本語のはまだ出てないみたいですけど、レンタル出来るようになったら見てみたいと思います。
【2009/12/18 09:06】 URL | ほよ #JaFhmbU6[ 編集] | page top↑
ほよさん、

是非是非、チェックしてみてください。この映画は全然説教臭いところはなく、事実を知って消費者として判断してください、って感じですので。
【2009/12/20 09:28】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
うちのAは実は農業の人。
なのでオーガニックを死ぬほど嫌っています。
たぶんアメリカとオーストラリアでは事情はかなり違うのでしょうが オーガニック農業だと栄養をすきこむために相当深くまで畑を耕さないといけないので みみずやもぐらを殺している割合が高く そのため土の栄養分が減り 作物量が減り 高値に…という仕組みらしいです。
なので 低農薬が一番だ とのこと。
遺伝子組み換えだって 実際には食料に困ってる人たちにより多くの食料を提供するためが元々の目的なので 飽和状態にあるような国の人がとやかく言うより 餓死より食べたい!って人のほうを優先すべきだとも思わないでもありません。
日本だって食料自給率が低いからいつ同じ立場になるかわかりませんよね(とはいえ 農業に参入する難しさや 輸送問題 休耕地問題など 解決できれば日本の食料自給率も上がりますがそれはまた別のハナシ)。

一番いいのは自分の庭で鶏と野菜を育てることなのでしょうが 鶏を自分でしめるのは難しいです…。猫にやってもらうしかないかも。
【2009/12/28 18:41】 URL | プリシラ #-[ 編集] | page top↑
プリシラさん、

確かに、オーガニックで育てるのは、お百姓さんには難儀でしょうねえ。だからお百姓さんもそのへんのところをちゃんと消費者に伝えればいいのよ。「低農薬が一番ですよ」って。

>遺伝子組み換えだって 実際には食料に困ってる人たちにより多くの食料を提供するためが元々の目的なので 飽和状態にあるような国の人がとやかく言うより 餓死より食べたい!って人のほうを優先すべきだとも思わないでもありません。

私も、オーガニックとかにすることによって貧しい人たちが淘汰されちゃうのってどうよ!って思うのですが、遺伝子組み換えとかって、貧しい人にも食べ物を、っていうより、大企業が金儲けのために人間の健康を無視しているというファクターの方が強いんじゃないかしら。食品産業に関わらず、どの産業でも、数少ない大企業が市場を独占するみたいなことが減れば、給料格差もなくなって、安全な食べ物をみんなが買えるようになると思うんだ、アタシは。

この映画のケースだって、大企業が小さい農家を支配するみたいなことがなくなれば、農家はそれなりの収入を得ながら、まあまあ安全な食べ物を供給できると思うんだよね。

どうかしら?
【2009/12/28 21:50】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
チュチュ姫さま、はじめまして!
Food Incのブログを検索してきました。
すっごく弾むような文章で楽しく読ませてもらいました。
わたしの文章はすごーく硬いんですけど、(しかもめったにアップしないし)よかったら一度読みにきてくださいませ。
【2010/02/13 04:41】 URL | みーぽん #-[ 編集] | page top↑
はじめまして。
中村うさぎさんのイタイ女のレヴューで、姫のブログを発見し、面白くて、そのまま読み続けて、ここまで来ました。姫、愉快な人ですね。

姫も言われてるように、この映画で触れられてる、貧しい人たちが安いものを買ってしまうのは、止められないと考えると、ほんとうにやるせなくなります。でも、本当は、その低所得者が、コーポレイションに操られた、安いものを買い、結果健康を損なって、高い医療費を払わなければいけない、悪循環とかパラドクスとかを考えると、ますます、気が滅入ります。

一番必要なのは、低所得者のそういう意味での、教育ではないか、とも思うのですが、マイケル・ムーアの華氏911でも、描かれてるように、政府がわざと、低所得者、低学歴層をキープしてるようなところって、ありません?

政府は、戦争に行って死んでくれる人も必要だし、コーポレイションが儲かるように、その商品を買ってくれる民衆が必要で、その民衆は、医療費にまた金を遣うわけで...。オバちゃんにがんばってもらわないと、いつまでも、悪循環から逃れらないような気がします。

華氏911だって、Food Inc.だって、ファストフードネイションだって、Inconvenient Truthだって、本当は、低所得者(ないし、その為に、環境科学の勉強までは手が回らない人たち)に見てもらわなければいけないのに、そういう人たちは、日々の生活が大変で、そんな教育的映画より、もっと御気楽な、エンターテイメント映画を見たいだろうし。

私も、姫同様、あまりポリティカルにはなりたくないんですけど、やっぱ、根がメタルじゃなくて(少しは、聴きましたけどね。ホーム・スウィート・ホームもカバーしたし。Smokin' In The Boys Roomも。)、パンクなもんすから...。俺様ヒッピーの都シアトルに住んでますし(引っ越したいけど)。

すいません。コメントとか残すの、初めてで、ぐちゃぐちゃしちゃって。
【2010/07/29 12:29】 URL | anondah #-[ 編集] | page top↑
anondahさん、

すっげえ嬉しいコメ、ありがとうございます!

「俺様ヒッピーの都シアトル」って、本当にアタシのブログ読んでくれてるのね!って感激!!

>政府がわざと、低所得者、低学歴層をキープしてるようなところって、ありません?

あります。階層があった方が、Govern しやすいんだもん。でも、低所得階級を教育するのは、政府じゃないんだよ。それこそ、映画や音楽や、アートを供給する人たちが、普通の人の目線で、しかもエンターティメント性のあるものを作れば、底辺の人たちの意識を変えることもできるのですよ。

パンクはまさにそういう音楽だったんだと思う。80年代パンクだった人は、環境、動物愛護、ベジタリアンが多いもん。

だから私も、ブログ程度のエンタメしか供給できなくても、思ったこと感じたことは、素直に書いていこうと思うのですよ。
【2010/07/29 21:44】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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