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『路上のソリスト』-真摯ながらも力及ばず・・・
The Soloist

DVDで観たんですけど、映画の前に原作を書いた本物のスティーヴ・ロペスが出てきて、「ホームレスになる人は皆、それぞれ色々な事情を抱えているんだ。そんなホームレスの実態をみんなに知ってもらいたい」みたいなこと言ってたんですけど、ホント、酷かったです。

soloist
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: Joe Wright
Writing Credits: Susannah Grant, Steve Lopez
Cast:
Nathaniel Ayers: Jamie Foxx
Steve Lopez: Robert Downey Jr.
Mary Weston: Catherine Keener
良くさ、世捨て人としてあえてホームレスになる人もいるって言うじゃない?家も要らないし、お金も要らないって人。それはわかるのですが、あまりにもプロテクションがなくて怖くないかなあ、と思ったの。私なんか犬がいるじゃない。この状態でホームレスになったら、犬を守って上げられるか不安。

ナサナエル(ジェイミー・フォックス)もさんざんひったくりに合ったらしく、スティーブ(ロバート・ダウニー・Jr.)が中古のチェロをくれたときも、盗まれないようにしっかり足の下に敷いて寝たり。あんな何も持ってないような人同士でひったくり合うというのも悲しい。

で、多分、ホームレスの人たちを助けるシェルターみたいなものだと思うんですけど、スティーブが、チェロを上げるから、そこへ来て演奏しろって言うわけよ。ストリートに住んでいると車とか危ないから、と思ってそう言うんだけど、ナサナエルは嫌がる。スティーブは、それにイライラするんだけど、実際に自分で行ってみたら・・・・

シェルターの前にすっごいたくさんのホームレスがたむろしてて、怖い!しかもホームレスったってタフなヤツもいるわけで、まさに弱肉強食の世界。きっとこづきまわされていじめられたり、物を盗られたりするんだろうなあ。しかも時々警察が手入れにやってきて、ミルク・カートンを不法に所持していたという、意味不明な理由でホームレスを逮捕していく。

ナサナエルは精神障害も抱えていて、それがそもそも、かれが才能あるにも関わらずジュリアード音楽院を辞めてホームレスになっちゃった理由で、そういう不幸な境遇に深く同情したスティーブはナサナエルを救おうとするのだけど、上手く行かない。

誰かのために何かをしてあげることより、ただそこにいてあげることの方が難しいってのを聞いたことがあります。スティーブのケースってまさにコレで、ナサナエルは精神障害ゆえに、アパートを無償で与えてやっても、コンサートを開く機会を与えてやっても、こなせない。少しずつ良くはなるんでしょうけど、それは亀の歩みで、ものすごい忍耐力がいる。しかし、「自分は誰かの友達なんだ」という気持ちがナサナエルの支えになるので、見ていて辛くても、そばにいてあげるべきだし、そばにいてあげることしかできない。まーでも、別に精神障害がなくても、友達とか子供とか同僚とか、そばにいて、話を聞いてあげて、支えてあげることしかできないもんね。

で一見、スティーブがナサナエルを救ってあげているように見えるんだけど、実はスティーブも、ナサナエルの存在によって救われているんだよ、という、美しい話なんですが、映画的には全然感動しなかったなあ。私って、ジェイミー・フォックスって苦手かも。『レイ』でも思ったんだけど、「大変だなあ、でもすごいなあ」とか、頭では思うんだけど、心で感じられないと言うか。

ロバダウはすごい演技派なんでしょうけど、この人ってリアリティがゼロじゃない?しゃべり方とかしぐさとか、わざとらしいっていう表現が適切かわからないけど、自然じゃないよね。この映画でも、ナサナエルをアパートに連れて行ったとき、タバコの吸殻がベッドの脇に落ちているのを見つかる前に取ってしまおうとしてベッドにダイブ、吸殻を隠してから「ちょこん」とベッドサイドのランプを点ける、という動きがコミカルで、正に昔演じたチャップリンみたいな可笑しみがあるんだけど、現実感に乏しい。

ホームレスの人たちの事情を知ってもらいたいと言う、真摯な気持ちで書いたコラムの映画化ということで、マジメな作品ではあるのですが、やっぱりコラムっていうのは物語性に欠けると言うか、深みがない気がする。脚本に落とす時に、もっとこなれた「物語り」にすることができれば、映画的にも面白かったのかもしれません。

Key Words ジョー・ライト ジェイミー・フォックス トム・ホランダー

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■スティーブの別れた奥さん役。この人も名優。キャサリン・キーナー
映画を見て、思ったこと | コメント(1) | 【2009/10/08 02:49】
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コメント
今DVD見たとこで、Googleで検索してやってきたんですけど、あなたの文、素直な感想がわかりやすく表現されててよいですね。
よく伝わってきます。
評価は自分はちょっと違うけどね。

自分は、あの握手するとこ、あそこでグッと感動きましたもんね。
そこまでは、普通ならもっと大げさに盛り上げて感動ポイントにするようなところでも、割と抑えて描いてたと思うんですけど、その分握手の場面に凝縮されてたというか、そこで一気に結論がわかるような、そんな場面だったと思います。

実話を元にしてるということで、そんなに物語としてまとまってるわけじゃなくて、キャラクターも、ナサニエルの精神障害とか最初は「あれ?どっかおかしいってことなのかな?」くらいにしか思わないくらい微妙だったりして、でもその辺現実の世界ってのはそういうものだと思うし、物事がいろいろ脇道にそれたり、人の性格にもいろいろな面があったり、そういう現実の深みみたいなものが現せている気がして、自分にはすんなり入ってきました。

俳優陣の演技についても、ほんとに演技一つでダメダメな感じにも心に深く響くものにもなりうるようなタイプの話だと思うんですけど、フォックスにしてもダウニーにしても満点の演技で、それがほんとにこの映画を支えてたと思います。
リアリティも、相当なものがあったと思うけどなあ。
「普通こんなふうに言わねえよ」みたいなの、日本映画とかすごく多い(というかほとんどそうですが)けど、そういうの全然感じなかったし。

ダウニーは、あれはあれでいいんじゃないですかね。
立居振舞やしぐさが"きまってる"からリアルさがそこなわれるかっていうと、自分はそうは思わないんですよね。
うまく説明できないんですけど。
俳優の演技ってリアリティなきゃダメだと思うけど、それだけじゃなくて、どっか魅力がなきゃダメじゃないですか。
う~ん、例えば、すっごく写実的な絵とかにしても、人の手で描いたものは、同じものをただ写真に撮っただけのものとは違う魅力があって、描き方によって見る人の心への響き方が全然違う、みたいな。

いまいち本当に感動作になり得なかったのは他の要素に理由があったのかなと思うんですけど・・・、今回は女性陣の描き方がちょっといけてなかったですよね。
あの奥さん、もうちょっとプラスの面が欲しかった。
コラムの受賞発表会で酔っ払って絡むとことか、独りよがりでひどいこと言って、思わず眉をひそめたくなったし、「俺はあんなにも何かを愛せない」って、自分に対する反省とか寂しさとかがすごく詰まった切ない言葉だと思うんですけど、なんか自分のこと言われたとみたいにそっぽ向いちゃうし、なんか懐が浅いよね。
少しでいいんで、ホームレスと向き合ってるロペスのマジな部分に踏み込んできて欲しかった。
ナサニエルのお姉さんも、ちょっと・・・。
途中そんなに重要な役割果たしてないのに、最後に出てきて、あんなふうにしっかり手を握られてもね。。
一緒に苦労してきたとことか、弟を心配してるとことか、もう少しエピソードが欲しかったですね。

なんか長いこと書いてしまってすいませんが、僕はなかなかよい映画だったと思います。
俳優陣の演技も僕としては満足だった。
なのであなたの意見とは結構違ってるんですけど、僕がこれ書き込む気になったのって、あなたの文がなんか素直ですっきりしてて、いい感じだったからなんですよね。
誰かのために・・・のくだりとか、優しい感じでよかったです。

では長々とすいませんがこれで。
【2012/06/17 09:30】 URL | ザ・適当 #mQop/nM.[ 編集] | page top↑
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