スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| 【--/--/-- --:--】
本袋 | 映画袋 | 音楽袋 | 記事袋
『縞模様のパジャマの少年』-欺瞞が生んだ悲劇
The Boy in the Striped Pyjamas

いや、もう、最後の10分くらい?どーしようかと思いました。エンディングをどこに着地させる気なのか全然わからなくて、座ったまま観ていられなかったよ。部屋の中ウロウロしちゃった。「ダメダメ!それはヤバいでしょ~」とか思いながら観ていたんだけど、途中から「まさか、まさかあああ~」って感じで、映画終わった後はどよ~んと落ち込みました。

縞模様のパジャマの少年 [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 2008
Director: Mark Herman
Writing Credits: john Boyne, Mark Herman
Cast:
Bruno: Asa Butterfield
Elsa: Vera Farmiga
Ralf: David Thewlis
Shmuel: Jack Scanlon
Pavel: david Hayman
Kotler: Rupert Friend
Gretel: Amber Beattie
なんか最初から最後までヤバそ~な雰囲気のある映画で、いつどんなヒドイことが起こるんだろうと気が気じゃないのですが、お母さんのエルサを演じたヴェラ・ファーミガがむちゃくちゃ上手かったですね。

このお母さんはすごく心の優しい人というか、ヒューマニティの象徴として描かれていたんじゃないでしょうか。ユダヤ人に対する差別意識はあるみたいなんだけど、だからと言って虐待したり、殺したりはしたくないし、ましてや子供にそんな暴力を見せたくない。冷静に考えてみればこのお母さんは、「臭いものにフタ」みたいな、身近で差別や暴力を感じる必要がなければ気にしない、ってタイプの人なんだけど、そういうイデオロギーどーのこーのの前に、人間って何かを傷付けるってことには抵抗あるもので、そういうヒューマニティをズバリ表現したこの女優さんスゴイ。

特に、旦那のラルフがユダヤ人の強制収容所の所長で、その中で大虐殺が行われていることを知ったときの動揺ぶりとか、ディナーの席で粗相をしたユダヤ人の召使いが旦那の部下に虐待されている時に、「ラルフ!」と旦那に訴えかける声のトーンや表情、これだけで胃がぎゅっと締め付けられるくらい、彼女の気持ちが良くわかった。

でも旦那も可哀想だと思ったけどね~。この旦那さんも、ユダヤ人差別はあったと思うけど、虐殺に100%賛成してやってるわけじゃないんじゃないかなあ。いくら差別していたって、あんな風に殺す政策とかさ、「わー、ここまでやるのか」とか思いながらやってると思うんだよね。ぶっちゃけ「ユダヤ人なんか殺してしまえ」って思っていたとしても、人間誰しも、自分の手は汚したくないじゃないですか。

組織に属す、ってのはこういうことですよね。任された仕事はきちんとしなくちゃならない。自分がここで働くと決めたなら、組織の意向に沿わなきゃならない。しかも、家族を食わしていくために働いているのに、奥さんにはサポートしてもらえないわ、子供の尊敬は得られないわ、働くお父さんは孤独だ~。日本のサラリーマンなんて、ビンビン共感しちゃうんじゃないですか。

それに、なんで息子のブルーノにユダヤ人のことをハッキリ教えないのかって言ったら、やっぱりお父さんもお母さんも、ナチのやっていることに共感してなかったってことですよね。だって、妄信的に信じている家庭だったら、それこそお姉さんのグレーテルみたいに「ユダヤ人は敵なのよ、悪なのよ」って、自信を持って言えちゃうじゃない。ブルーノとグレーテルの家庭教師がそうだったな。本当に信じていれば、まだ幼い少年・少女に嫌悪や憎しみを教えることだってできるのよ。

映画観ている最中は、「ああ、ユダヤ人のおじいさん、可哀想。本当に辛いだろうなあ」とか、キャンプにいるシュムールだっけ?あの子が、歯はないし汚いし、同じ8歳なのにブルーノと雲泥の差で可哀想だし、エルサとラルフも関係がギクシャクしてくるし、「辛い、可哀想」って観てたけど、映画終わって考えてみると、

なんつー欺瞞

って感じしちゃった。でもそれって、映画的にすごいんじゃないかと思った。だってさ、批判できちゃうわけよ、他人事なら。子供に教えられないようなことをして生きるなよ、とか、そうとしか生きられないんだったら、心を鬼にして子供に教えろよ、とかさ。映画を観終わった後は。

でも、それができないから辛いんじゃん、っていう辛さを映画を観ている最中は感じているのであって、例えば、さっき書いた、お母さんは「臭いものにフタ」みたいな人だっていうのは、観終わった後に出てくる感想であって、観ている最中は、ものすごく彼女の気持ちに共感してしまう。

というのはやはり、人間ってみんな欺瞞の中で生きているからじゃない?そしてそれがこう、雪だるま式に悪い方へ悪い方へと行きませんように・・・・と願って生きているのに・・・・・

ウィキで読んだら、史実的には正しくないらしく、例えば、8歳くらいの子供なんて労働力にならないから、キャンプに連れて来られてすぐ殺されていたので、シュムールみたいな子が存在していたわけないとか、ホロコーストの真実を伝えたい、と思っているユダヤ人の人々にとっては余り歓迎しない映画のようだったのですが、私としてはコレはそういう事実を伝えるよりも(そもそもドイツの話なのにまた英語だし)、人間の欺瞞が生み出す悲劇を描いた映画なんだなと思いました。

ああ~どっかで見たことある・・・・・
■父親・ラルフ役のデヴィッド・シューリスは、『太陽と月に背いて』でディカプーに攻められていた芸術家だった!
■母親・エルサは、 『ディパーテッド』でディカプーとマット・ディ~モンに二股かけてた精神科医を演じていた!

ディカプーに縁があるなあ。

Key Words
マーク・ハーマン エイサ・バターフィールド ジャック・スキャンロン アンバー・ビーティー ルパート・フレンド
映画 | コメント(3) | 【2009/09/12 20:42】
本袋 | 映画袋 | 音楽袋 | 記事袋

PREV: 『The Rocker』-他に観るものがない時に
NEXT: もう4周年かよ!-自己紹介アップデート

BOOKSMOVIESMUSIC ALL ARTICLES

It's stupid to say "don't watch it, if you don't like it"!! Click here to return Home!!
コメント
ずーっと不穏な空気の流れる疲れる映画でしたね。
ラストは、予想通りでしたけど。
人間て実際自分の身に降りかかるまでは、のほほんとしているのですよね。
私は、無知でいることの罪についての映画かな、と思いました。

http://anythinggoes.blog.shinobi.jp/Entry/540/
【2009/09/14 17:24】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
まーちゃん、

私はラストぜんっぜん予想付きませんでした。

「無知でいることの罪」って、ブルーノ?
【2009/09/14 20:55】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
ブルーノもまぁ、そうですね。
「何でシュムールはいつもお腹をすかせてるんだろう?」という疑問を解決しなかったので。
両親も(特に母親は)、ブルーノの様子が何だかおかしいと思っていたはずなのに、そのままにしてしまったし、母親は妻としては夫の仕事について知ろうとしなかった。(まぁ知りたくなかったんでしょう)
そして、私達も。
この母親のように、自分の身に降りかかってこないのなら、知らなくてもいいんじゃないか、分からなくてもいいんじゃないか、と思ってるところがあるというのを糾弾したかったのではないかと……。
【2009/09/18 17:32】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












管理者にだけ表示を許可する

すんません、トラックバック、スパムがひどすぎるんで、全面禁止にしました。トラックバックしたい人は、コメントと共に、自分とこの記事のURLくっつけといてくれればいいすから。
トラックバックURL削除


「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。