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『セントアンナの奇跡』-スパイク・リーって身近かも
Miracle at St. Anna

人間っていうのは、個でも集団でも互いに似ているところと全く違うところを持っていて、「苦手な人」っていうのは、「違う」ところが「似ている」ところより強調されちゃっている状態じゃないかと思うのですが、私の場合、黒人の人たちがそうなんです。実生活でも、職場で雑談したりする分には全く問題ないのですけど、家に招待されたりすると、「何か私とは違う」感があって、居心地が悪かったり。映画も、黒人の人たちが中心となっている映画は余り感情移入できなかったりする。

miracle at st. anna
dvd on amazon.com
Produced: 2008
Director: Spike Lee
Writing Credits: James McBride
Cast:
Stamps: Derek Luke
Bishop: Michael Ealy
Hector: Laz Alonso
Train: Omar Benson Miller
Peppi: Pierfrancesco Favino
Renata: Valentina Cervi
Angelo: Matteo Sciabordi
Detective Ricci: John Turturro
Tim Boyle: Joseph Gordon-Levitt
でも『セントアンナの奇跡』は、全然そういう「居心地の悪さ」がなかった。そういえば、『ドゥ・ザ・ライト・シング』もそうだったなあ。あの頃本当に白人の映画しか観てなくて、「これどうかな~」って思って観たら面白いし、黒人の若いあんちゃんたちがすごく身近に感じられた。

黒人が中心になる映画は、必ずどこかで人種差別の問題に触れなきゃならないので、難しいちゃあ難しいですよね。「自分たちが被害者だー!」ってあんまり声高に言うと批判されるし、かといって史実や事実や、ソレに対して黒人としてどう思うか、ってことは曲げたくないじゃん。スパイク・リーってその辺が上手い、というか、この人の物の見方が公平で、ユーモアに溢れていて、もしくは良く歴史や社会のことを勉強しているために偏ってないのか、理由はわからないけど、ズバリ黒人問題とかに言及していても、嫌味でもなければ、「他人事」でもない、すごく身近に持ってきてくれますよね。

今回「わー」と思ったのは、バッファロー・ソルジャーたちにスピーカーで語りかけるアクシス・サリーだっけ?これって本当にいたんだってね。しかも「ドイツ版『東京ローズ』みたいなもんですよ」って下りがあって、「ああ、日本にもいたんだ」って思ったり。とにかく、この女の人が言う、「白人はあんたたちが死のうがどうしようが気にしていない」うんぬんは、ある意味本当だったんだろうけど、それをこのナチの女の人に言わせるってところが、なんか嫌味がなくていいなと思った。

あと、主役の4人の男たちがいいですよね。こういう複数の人たちが主人公だと、一人の人間の違う面、って感じがする。スパイク・リーは、自分の色々な面を、この4人に投影したんじゃないかなーとか。もちろん、原作を書いた人がそうして、それに監督が共感したか。信心深いトレイン、スケコマシのビショップ、マジメなスタンプ、いつもスタンプとビショップの仲裁役のヘクター。

イタリア側の出演者もすっごいいい。ビショップとスタンプが恋敵になるレナータは、美人なんだかなんだか良くわからないってか、多分ハリウッド女優じゃないからちょっと違うのか、むちゃくちゃ魅力的なんだけど新鮮!っていうか。子供もそうだし、おっさんとか、近所のおばさんとかも。こういうのって、監督とか製作者側が役者さんのいいところを引き出せるかどうかなんだろうなーと思いました。

イタリアの人たちから、「イタリアのパルチザンがナチと通じていた、なんてなんたること」っていう抗議が上がって、上映禁止になるか、ってとこまできてた、みたいな話がウィキに載ってたけど、私はこの映画って、みんなに公平だなあ、と思ったのですが、どうでしょうか。ナチにもいい人はいたし、パルチザンにもイヤなヤツはいた。あんなに心優しいトレインだって、「撃たないで」って言ってるドイツ兵を殺しちゃって、しかもあんまり罪の意識もない。アンジェロ少年を逃がしてあげようとしたドイツ兵は、アンジェロが自分の弟に似てた?だっけ?・・・パルチザンに攻撃されたうっぷんを民間人を殺すことで晴らそうという人もいれば、そういうの耐えられない人もいて・・・・というのは、ナチでもアメリカ兵でも、イタリアのパルチザンでも一緒なんだなあ、という。

あと、キリストつか、神に対する考え方というのか、まあ一般に良く言われる、「こんなにヒドイことが起こっているのに、どうやって神を信じられるのだ」というテーマ。ドイツ語と、イタリア語と、英語で、それぞれ全く同じ祈りを捧げているシーンがり、すっごい感動的なんだけど、この場面で真摯に祈ってる人ってみんな殺されちゃうという、まさに諸行無常!

殺されるといえば、この映画の戦闘シーンは何か新鮮なものがあった。「またプライベート・ライアンの二番煎じか」っていう感じじゃなくて。リアルであるけど、愛情があるっていうのかなあ。『プライベート・・・』ほど冷酷じゃないというか。セントアナの教会の前の大虐殺シーンは、素晴らしいというと語弊があるけど、すごく印象に残った。

映画的には、最初と最後が要らないんじゃん、と思ったけど。ジョン・タートゥーロとか、ジョセフ・ゴードン-レヴィットとか、ジョン・レグイザモとか出てるんだけど、全く本編と絡んでないし、それでなくとも長いしさ、この映画!ぶっちゃけ誰が『スリーピング・マン』なのかもわからないし。多分、トレインなんだろうけど、山の名前の由来を考えるとスタンプみたいだし。それに何がセントアナの奇跡なのかもわかんない、正直言うと(笑)。アンジェロが生き残ったから?プリマベーラの頭の奇跡じゃないの?要するに、ヘクターとアンジェロ以外の人たちだって一生懸命生きてきたし、信心深かったけど、生き残ったのは2人だけ。でも、それでもやっぱりそれは奇跡なんだ、信じ続けよう、というのが物語の教訓なのだろうか。私がアホなのもあるけど、その辺がぐぐーっと、最後一点に集中してくる、みたいな恍惚感はない映画ではある。でも素直に面白かった。

追記
後になって考えてみたら、「セントアナの奇跡」ってのは、セントアナの人たちが、殺されるとわかっていながらもバタフライ(ペピ)の居場所をナチに言わなかったことだね。例え死んでも、他人を売るような悪いことはしない、という・・・。

映画 スパイク・リー デレク・ルーク マイケル・イーリー ラズ・アロンソ オマー・ベンソン・ミラー ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ ヴァレンティナ・チェルヴィ マッテオ・スキアボルディ ジョン・タートゥーロ アントニオ ジョン・レグイザモ
この映画がすごい!! | コメント(1) | 【2009/09/01 00:21】
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コメント
チュチュ姫さん、こんにちは!
凄く内容の濃いレビュー、とってもためになりました。うむうむ、そうだよな・・ってあちこち思いました。

私はかつて、ここで、ふとしたことがきっかけで、黒人の人たちと結構仲良くしていた事があって、彼らが言った「なぜ日本人はアメリカの黒人はカッコ良く思うのに、アフリカの黒人はカッコ悪いって思うのか?」と言われ、絶句したことがありました。 彼らはアメリカ出身出身者だったのですが、ルーツはガーナの人。でもそれを言うと、とたんに日本女子にそっぽ向かれるので、あえて言わないと言っていました。
話がそれてごめんなさい^^

またこれを機会に遊びに来させてくださいね~♪
【2009/09/30 11:51】 URL | latifa #SFo5/nok[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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