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『ギルバート・グレイプ』-今観ると老婆心が・・・
What's Eating Gilbert Grape

やっぱコレっていい映画だな~。キャラ設定とか、見事ですよね。共感できるのに、ユニークという。知的障害を持つ弟と、自分で歩けないくらいの肥満のお母さんがいて、父親はいなくなってしまったなんて家庭はそうそうあるもんじゃないのですが、なぜか自分のことのように感情移入できる。それと言うのもギルバートが抱えている焦燥感に共感できちゃうからなんだよね。

Gilbert Grape
dvd on amazon.com
Produced: 1993
Director: Lasse Hallstrom
Writing Credits: Peter Hedges
Cast:
Gilbrt Grape: Johnny Depp
Arnie Grape: Lepnardo DiCaprio
Becky: Juliette Lewis
Betty Carver: Mary Steenburgen
Bonnie Grape: Carlene Cates
Amy Grape: Laura Harrington
Tucker Van Dyke: John C. Reilly
しかしまあ、こんだけ周りに面倒見てあげなきゃいけない人かいるのに、お金もないし、頼る人もないという、本当にギリギリの精神状態ってのは辛いですよね。しかもまだ20代前半でしょ、ギルバートって。ただでさえこれから色んなことをしてみたいとか思う時期なのに、それを全てあきらめなくちゃいけないような状態って、落ち込むよね。ティーン・エイジャーの妹は、ギルバートがそれでも精一杯やってるってわかんないから、頼りないみたいな事言って超ウザいし、お姉さんはもう完全にあきらめきって家族に奉仕しているから、ギルバートにもそれを求めるし、弟は知的障害があってギルバートにベッタリだし。

そこに彗星のように現れるのが、ベッキー(ジュリエット・ルイス)なんですね。この娘はギルバートにとっては自由の象徴なんだよね。女の子が陥りがちな外見にもこだわらない、物質にもこだわらない、ギルバート自身が恥じている、デブのお母さんを笑ったりもしない。ギルバートが大嫌いなこの街さえ、「他のどの場所とも変わらないステキなところ」で、夕日がきれいだの、空がきれいだの、今までギルバートがいいともなんとも思わなかったところを指摘したり。

このちょっとヒッピーがかった、ぽわわ~んとしたジュリエット・ルイスがハマり役だよねー。歳取ってからは、なんだか頭の弱い女の役とか演じさせられるようになっちゃったけど、この頃のジュリエット・ルイスってちょっと浮世離れしているところがすごい魅力的だった。

ジョニデは、特典についていたインタヴューで、自分の少年時代と被ったギルバートの設定と、調度この役を演じた頃本人も落ち込んでいて、気分に合ったというようなことを言っていたけど、このむっさ暗いギルバートにピッタリだった。

それにやっぱりディカプーがすごい。本当に知的障害がある子みたいだもん。当時は、アーニーがディカプーだってわかんなかった。役者だから障害がある人のビデオみたりとか色々研究するのだろうけど、それにしたって良くできるよなあ。若いのに。やっぱこの人はすごいいい俳優さんなんですよね。

あと、デブのお母さん!この人は本当に素人だったんだよね。当時は、女優でこんな太った人なんているのだろうか、着ぐるみ着ているのだろうかとか、すごい考えたもん。このお母さんは、昔キレイだったのに、夫に去られてから太りだし、街の人たちに笑われて、非常に複雑な精神状態にいる役な上、ジョニデとの一対一の絡みなんかもあって、全くズブの素人なのにここまで説得力のある演技をしたってのはすごい。実生活でも、肥満でウツ状態を経験したことあるらしいけど、だからと言ってカメラの前でそれを表現できるとは限らないし。この人が足を引っ張って映画がコケる可能性もあったわけで、いい映画って言うのは色んな要素がピッタリハマるという、運の部分もあるんだなあと思った。

脇役の人たちもいいですしね。ギルバートと浮気をしているベティ役のメアリー・スティーンバージェンもいいし、あと、ギルバートの友達、タッカー役のジョン・C・ライリー!こういう田舎の、素朴でいい人なんだけどむっさ知見の狭い、あんまり頭良くない役とか十八番ですよね。新しいハンバーガー・チェーンで仕事を見つけて、すごくエキサイトしてるんだけど、この新しいチェーンがいかにいいかって話が全く的を得てないところが笑う。

このハンバーガー・チェーンとか、ギルバートが働く小さなスーパーをおびやかす大型スーパーマーケットとか、背景に使っている時事的な問題も興味深い。こういう寂れた田舎では、若者は都会に出て行ってしまうものだけど、ギルバートのようにどこへも行けない人たちは、まともな仕事がなく、タッカーのように都会の匂いのするチェーン店で働いて、「コーポレート・ラダーを登っていく」(本人曰く)ことが唯一持てる夢。これを最近の、ウォールマートが従業員にまともな給料も出さず、ベネフィットも与えないことで低価格をキープしているという問題に照らし合わせてみると、今きっとタッカーは40歳くらいで、働けど働けど生活楽にならず、コーポレートに搾取されているワーカーとなっているのだろうな、とか、今観ても色々考えさせられる。

このあとギルバートはどうなったのかなあ。お母さんが死んだから、もうこの街に留まる必要はなくなったけど、都会に出たのかな。都会に出て自由を味わったものの、都会の厳しさや孤独に耐えられなくなったりしないだろうか。アーニーはどうするのだろうか。面倒見てやらなくちゃならないやつがたくさんいてウザかったけど、家族が一緒に暮らしていた頃の方が良かったなんて思うのだろうか。当時観た時は、ベッキーがまた翌年の夏に戻ってきて(少し髪が伸びているジュリエット・ルイスが可愛い)、一緒に旅に出るのかと思わせるラスト・シーンがいいなあと思ったけど、この歳になって観ると、この後の方が大変だったりして、なんて老婆心が・・・。

映画 ラッセ・ハルストレム ジョニー・デップ ジョン・C・ライリー ジュリエット・ルイス メアリー・スティーンバージェン レオナルド・ディカプリオ
最近見た映画 | コメント(4) | 【2009/04/06 04:09】
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コメント
うわ~、この映画には弱いんです~私。
いろんなしがらみで動けない状況での
焦燥感や閉塞感や絶望感・・・共感し過ぎて涙が出ますわ(;_:)

チュチュ姫さんは、以前に観た時とまた違った感想を
持つようになったんですね。
それだけ経験を積んだと言うか、年を取ったと言うか・・・(^_^;

http://yanrock.blog78.fc2.com/blog-entry-267.html
【2009/04/08 17:18】 URL | YAN #9L.cY0cg[ 編集] | page top↑
YANさん、

やー、やっぱトシなんですよね~アタシ。今振り返ってみると、20歳くらいのとき何をしていたかって、結構この年になっても影響逃れられない、ってことを知ったので、この先ギルバートどうなるのかなあ、と。昔はトラックの窓から「ハ~イ!」って満面の笑顔のジュリエット・ルイスを観ただけで「あ~もう大丈夫!」って思えたものだけど。
【2009/04/11 11:15】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
私も、この作品本当に大好きです。
DVDも思わず購入しちゃいました。
【2009/04/13 16:52】 URL | C #RFphBmaY[ 編集] | page top↑
Cさん、

これは本当に時代を感じさせない、色褪せない名作ですね。
【2009/04/13 21:26】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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