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『「闇」へ』-アメリカ軍の拷問を追求するドキュメンタリー映画
Taxi to the Dark Side

この映画は、とあるアフガンのタクシーの運転手さんのケースを中心に、テロリストとして捕まった人たちに対するアメリカ軍の拷問を追求するドキュメンタリー映画です。

taxi to the dark side
Produced: 2007
Director: Alex Gibney
Writing Credits: Alex Gibney
このタクシーの運転手は、3人の客を乗せて都市から郊外にドライブしている途中にアフガンの軍に捕まり、アメリカ軍の基地を爆弾で襲った罪で、アメリカ軍に引き渡される。

そこではこうして捕まってきた人たちに対する拷問は当たり前のこととして行われており、例のアメリカの女兵士が素っ裸の男の人に犬の首輪をつけて引き回したりしている、あの辺の一連の写真が出てきます。この写真が公開されたときは、このアメリカ人兵士たちが面白がって一線を越えた風に報道されていたと思うのですが、この映画ではこれは上からの指示でやったらしい、と指摘されています。上というのは、チェイニーとかブッシュとかその位上のことです。

取り上げられているタクシー運転手の件に関わったアメリカ軍の尋問者たちのインタヴューがあって、ある尋問者の話では3日間話を聞いて「彼は潔白だ」と上官に言ったにも関わらず、「お前は甘い」と言い返されたとか。

要するにスピード違反の取締りと一緒で、今月何人捕まえた、と言うことが「成績」に繋がるので、捕まった人が無罪放免になると「ちゃんと仕事をしていない」と言うことになり、そこで拷問を用いてでも自白させるようなシステムになっていったようです。

ある容疑者は、911の20人目のパイロットになり得たという重要な人物で、この人からテロリストに関する話を引き出したかったのだけどなかなか口を割らず(か、本当に何も知らなかったのか)、「何も出てきません」という日々が続くと、上官がホワイトハウスに拷問にも誓い方法の承認をお願いし、それをチェイニーとかラムズフェルドとかが承認していたらしい。

この中には眠らせない、何十時間も立ったままでいさせる、などの方法が入っていて、国際法にもアメリカ合衆国の法律にも反しているのですが、それを指示する書面がすごく曖昧にしてあって、実際に行われたことが発覚すると、それを行った兵士の「誤解」として、兵士を除隊にするという汚いやり方で遂行されてきた、ということらしい。

先ほど言及した、タクシー運転手を尋問した兵士たちも皆、このタクシー運転手が死んでしまったことにより不名誉な除隊をさせられ、その後の職に困っていると言っていた人もいた。

・・・・なんかね、見ていて思ったのですけど、これって真実を言わせるためにしているのじゃなくて、テロリストに対する報復なんですよね。色々な心理学の専門家とか、元FBIの人とかもインタヴューされているのですが、みんな口を揃えて「真実を告白させるのに拷問はなんの役にも立たない」と言っています。痛い目に会うと人間は、痛みから逃れるために相手が聞きたいと思っていることを言う。本当のことかどうかなんてどうでもいい。

で、それを実際に行っている兵士たちは、自分たちが間違っていると思いながらも、上から正当化されて続ける。ある兵士は、「ここに捕らえている人たちは、ここから出たらテロに参加してアメリカ兵士を殺している人たちだから、事が落ち着くまではここに入れておかなければならない」と本当に信じているようで、正当な裁判とかで有罪となる前に、もうそういう風に決め付けている。

また、暴れたりする容疑者たちに対処するための体罰と言いますか、平たく言うと暴力は認められているんだけど、「それもだんだん快感になって来る」と一人の兵士が言っていた。

暴れる人をおとなしくさせるのに、膝を蹴る、と言うのがあるらしいんだけど、ツボに入るかなんかで結構効くので、すぐおとなしくなるらしいのですが、アフガンの人は痛かったりすると「アラー!!!」と、アラーの神の名前を叫ぶので、それが面白くて何度もやってしまった、という話もあった。実際、死んだタクシーの運転手は、膝がトラックに轢かれたくらいにダメージを受けていたのが検死で見つかった。

そもそも最初にこのタクシーの運転手さんが捕まったのは、本当にアメリカ軍の基地を爆弾で攻撃したアフガンのテロリストが、自分が捕まらないように無実のアフガン人をアメリカ軍に引き渡していたためらしい・・・・。なんだかいたたまれないことです。実際に拷問をしたアメリカ兵士たちも、淡々と語っている端々に

「睡眠を取らせてもらえなかった奴は・・・・一日で意味不明のことを言い始め、3日もするともう使い物にならなくなった・・・」

と語るときすごく辛そうにしていた。この人たちが悪くないとは言わないけど、今、全く違う環境で冷静に考えてみて、自分がとんでもないことをしたと気付いた時ってすごくトラウマなのだろうな。

この監督は、亡くなったおじいちゃんが昔ネイビーの尋問官で、ルールや法を無視したこうした現在の尋問のあり方に酷く憤っており、「この映画を作れ」と後押ししてくれたのだとか。しかしディスカバリー・チャンネルは権利を買い取って置きながら放送を見合わせたり、いろいろ物議を醸し出す内容のために余りプロモーションしてもらえなかったらしい。

・・・まあ、こういう問題はこの映画一本観て「そうだったのか!」と全てをわかったような気になっちゃいけないんですけど、私のようなあんぽんたんにこの問題は深刻なことなのだよ、と考える取っ掛かりにはいいかと思いました。この映画で示されていることがどんどんまかり通ってしまったら、正義とか真実なんて闇に葬られて、権力のある人たちがなんでもいいようにできる世の中になってしまう。

映画 「闇」へ アレックス・ギブニー
考えさせられた映画 | コメント(0) | 【2009/03/02 08:21】
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