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The Wrestler
ランディ'ザ・ラム'ロビンソン(ミッキー・ローク)は80年代にマジソン・スクエア・ガーデンをいっぱいにしたほどの人気レスラーだったんだけど、今は週末に地元のジムとかで行われる小さなプロレス・マッチに出るくらい。うらぶれたトレーラー・ハウスに住み、その家賃さえも払えず、平日はスーパーでバイトしている。40歳にもなってこんな生活するの辛いよな〜と思ったけど、今みたいに不況になったら、誰にでも起こり得ることなので、すごい身に染みる。
この年になるとわかるけど、10代後半から20代前半の自分て、結局捨てきれないんだよね。30代くらいのときに「何やってんだろ、アタシ。しっかりしなくちゃ!」って変わるんだけど、40代になると、治しても治しても再発する病気のように、20代の頃の自分の価値観というか自分観ってのがムクムクと湧き上がってきて「ああ、あの頃に経験したことや考えたことからは、一生逃げられないんだなあ」と思う。要するに、一番インパクト強い期間なんだろうなと思う。 ランディは、その頃にレスラーとして大成功したわけだから、それを忘れられない、ってのもあると思うけど、身体の衰えとかわかってるんだろうし、カムバックを狙うというより、「もう自分はコレしか出来ない」という思いでレスリングをしているんだと思う。大好きでもあるけど、コレしかできない自分も情けないと思いながら。 音楽の趣味とかもそうでさ〜、新しいものももちろん好きになるんだけど、この年頃に好きになったものって、特別なんだよね。 ランディと、ランディが横恋慕しているキャシディ(マリサ・トメイ)が、バーで飲んでいるとラットの『Round and Round』がかかる。そん時の会話: ランディ :チキショー!最近はこんな曲書く奴いねえよなあ! キャシディ :やっぱ80'sだぜ!最高なのは! ランディ : そのとおりだ!ガンズン・ローゼズ、最高! キャシディ : クルー! ランディ : イエー! キャシディ : デフ・レプ! ランディ : でその後あのコベインのオマンコ野郎が出てきて、全て台無しにしやがった。 キャシディ : 何でもないことにやけに深刻になりやがってさ。楽しくやりゃあいいのに! ランディ : 言っとくけどな、俺は90'sが大嫌いなんだ! これさー、アタシが脚本書いたのかと思いましたよ! ランディが惚れたキャシディがストリッパー、という設定も泣かせるんだよね。女として性を売る、というのは非常に屈辱的なわけなんだけど、40歳になってもそんな仕事しかできないというのは、もっと辛い。いつまでそれで生活できるかわからないし。身体が勝負、という意味ではレスラーと一緒だ。 そんな二人が、お互いの傷を舐めあうように魅かれ合って行くのは当然かなと思うのだけど、ここでもまたトシ取って来ると色々複雑なんだよな。特にキャシディは子供がいるからな〜。子供のために、もっと環境のいいところに引っ越したい、とがんばってお金を貯めているようだ。若ければ、ランディのような何やって食ってんのかわかなないような男でも、惚れてしまえば後は野となれ山となれ。だけど40歳過ぎたら、付き合う相手も死活問題だもんなあ。生活めちゃくちゃにされる恐れもある。 だから、恋に落ちないように、とがんばるキャシディに共感してしまったよ。独りでこつこつとやっていく方が、安定してるのはわかっている。男と関わりあって、生活めちゃくちゃにされたら大変だ。 で、またランディも、いい奴なんだけど、その辺ダメダメなんだよね〜。娘となんとか親子の絆を取り戻そうとするんだけど、飲み過ぎて、その辺のバーでひっかけた女とやっちゃって、次の日疲れて娘との約束を守れない。こういう人ははさ、出来ないのよ。私が「ダメダメ」と思いながらお菓子をやめられないのと同じように、そういう風に生きてきた自分を変えることなんて中々できない。こんなにトシ取って、孤独で、心細くて、誰かと繋がっていたい、と切実に思っていても、自分を変えられない。 だからやっぱりプロレスしかないのだ。自分は愛する女も、家族も、まともな仕事も持つことはできない。プロレスしか出来ない。 私はランディとは状況違うし、生活も結構安定しているけど、気持ちとしてはわかるね。40代ってのは、自分の限界がわかるときなんだなって。20代の時は、なんでも出来る、なんにでもなれると思った。30代のときは、うわっ、もう30だよ!なんとかしなきゃ!って、20代の頃、サボった分も取り返そうと躍起になってがんばった。そして40代になったら、これ以上、良くも悪くもならない、人間的に成長したかって言ったら20代の時と余り変わってないし、30代のとき結構がんばったのにまあこの程度の生活しか出来ない。 それを受け入れて、トシを取ったことも受け入れて生きていければいい、というか、そういう風にしか生きられない、と思い知らされるときなんだよね、40代って。その辺が良く描かれているから、この世代の人には、染みるよね。それに、華やかな世界で一世を風靡しても、ランディのような末路をたどる人の方が多いのだろうなと思うと、ショウビズの厳しさも思い知らされる。でも、ランディの人生って幸せじゃなかったのかと言ったら、それもわかんないんだよね。全く人生ってのは深いです。 key Word ダーレン・アロノフスキー ミッキー・ローク マリサ・トメイ エヴァン・レイチェル・ウッド |
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こういう話だったのですか〜
写真とか出始めた頃に、「これって、まんまショーン(HBK)をイメージしてるやん。」と思ってたのです。 嫌やわ〜と。(ミッキー・ロークあんまり……) これと、リンクさせてるのかな?WWEでのHBKのシナリオも、不況で経済的に苦しくなって……という訳で、対立してたレスラーの下で働く。という。(アメリカより一ヶ月くらい遅れての放送なので、また事態は変わっているかも。) この時言った台詞が「オレは、HBKが食料品店で働いてる、とか小学校の体育館で試合に出てるとかいう陰口を聞きたくない。」だったのです。 スポーツ選手とかは特に、今までどおり動けなくなった後どうするか?というのは、深刻な問題ですよね。自分の今までの経験を生かした仕事に就ける人なんて一握りだし。 でも 「コレ」しか出来ない、「コレ」がある人は、何にもない人間から見ると、それはそれは羨ましいものです。 まーちゃん、
そうそう、そーなの!裕福でもつまんない人生送るんだったら、落ちるところまで落ちてもThe Ramでいたい!っていうのは、すごいよ。 自分がこの先、どう生きて行きたいか、考えさせられましたね(とかいいながら、お菓子とか食って幸せになってるけど)。 はじめまして。こんばんは。
予告だけ見てうるうるしているのですが、こちらの記事読んで更に期待が高まりました! 20代の価値観で生きてしまうってのは、確かにありますね。う〜ん、深い。年代的にも、ぐっと来そうです。 めちゃくちゃ見たい!一番の注目作。
lifeonmarsさん、GOさん、
もー絶対観てください。私ももう一度観たいです。 あれですね レスラーってのはロッカーと似てますね。観衆の熱狂具合から ショーマンシップまで。ロッカーも年取ったら体ついてかなくなったりするそうですし。
でもレスラーは本当に体が資本だから ロッカーみたいに「じじいになってまでやってたくねー 若いときだけが人生だ」みたいに言って年取って再結成してもやってけないのが可哀想…って書いてから 猪木さんを思い出したのですがあの方はどちらかと言ったらビジネスマン。その辺きっちりしてるでしょうから ロッカーもレスラーも長持ちするのはそういうタイプなんでしょうね。 ランディは復活したアクセルを観て どう感じるんでしょう。私はものすごーくガッカリしちゃったんですが。 http://queenofthedesert.blog72.fc2.com/?no=725 >ランディは復活したアクセルを観て どう感じるんでしょう
げー、かっこ悪いな、俺もあんななのかな。やっぱり俺たちの時代は終わったのだろうか?いや、そんな風には思いたくないな・・・・ とかなんとか思うんじゃない? ご無沙汰です!
ランディとキャシディの会話、面白いけど凄く深いですねぇ。これは絶対観たいと思います。 ところでコチラの記事の中で、昔Chuchuさんに頂いたコメントでちょっと使いたい部分があったので、お名前を借りて本文リンクさせていただきました。 http://ongakusakaba.at.webry.info/200903/article_1.html 事後承諾になってしまって申し訳ありませんが、よろしくお願いします! カナさん、
80sに清秋時代を迎えた人にはちょっと感慨深い映画だと思います! はじめまして。
mixiのVAN HALENコミュからたどり着きました。(映画もRockも好きなのです) この話は、すごいドラマがあるのですね。 20代の若造なので、30代40代になるとこんな風に考えるんだなぁなどと思いつつ読ませていただきました。 絶対に見ます。 くんくんさん、
こちらこそ宜しく。 書いた通り、80年代の音楽に対する意見を見て、「絶対自分と同じくらいの年頃!」って思ってたんですけど、他の人のレヴュー見ると、ランディって50歳過ぎ、下手すっと60歳手前、って書いてる人もいるので、40代ってのは私の意見です。でもさー、知っている限り、50歳過ぎている人がラットとかGNRとかあんなに好きじゃないと思うんですけど、そんなの人によってわかんないからなー。 どっちにしてもいい映画ですよおおお。 はじめまして。
『ブロークバック・マウンテン』からこちらにたどりつきました。他の作品の映画評も読ませていただきましたが、おもしろい!いやー、チュチュ姫さんの勢いある書きっぷり、いいですねえ。 私はスポ根好きですし、肉体派(?)に転向したミッキーも好きなので『レスラー』も観たいです! ほりっちさん、
いらはいませ!レスラー、観たら是非コメしてください! 日本公開初日の昨日、僕の大好きだったプロレスラー三沢光晴が
リング上で心肺停止し亡くなるという、非常にショックな出来事が起き 混乱した頭のまま、どうしても今日観ておかなくてはと劇場行きました。 後半に近づくほどに二人の姿が激しく重なってしまい 最後のファイトシーンは感動じゃなく、プロレスに命を捧げた 二人の男の壮絶なドキュメンタリーとしか受け取れませんでした。 人智を超えた何かが働いたとしか思えなかったです。 この映画が三沢選手の魂を救ってくれたらと願います。 チュチュさん、
あそこの会話は私も「チュチュさんが言ってるみたい〜」と思って一人でニヤついてました。 私は、ランディは50代だと思って観てた。50代になると、もっとキツくなるんだろうね、いろんなことが。 http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-690.html ちわっす。
観た後なかなかお邪魔できなくて…… オフィシャルサイトにはランディは50代と書いてありました。 こんな年取ってエクストリーム・マッチはさすがにどうかと思いましたけど;; こんな試合じゃないと客が呼べないとプロモーターに思われてるのか?とか、考える人だったらとドツボにハマっちゃいそう…… でも、やってしまうのが、ランディなんだな。と。 ロビン・ラムジンスキーではなく、ランディ“ザ・ラム”ロビンソンであるために。 リングに上がらなくなった時、トップロープから飛ばなくなった時、彼はランディではなくなってしまう。ということなのではないかと…… アイデンティティーの問題というか。 ラストシーンは、自分が自分で居続けるために彼が出した答えなんだと思いました。 まーちゃん、
ごぶさたじゃん! そーよね、やっぱ50代よね。私はあのLAメタルのくだりで、絶対同じ世代!とか思っちゃったけど。 コレを観ると、人間て、好き嫌いに関わらず、自分以上にも以下にもなれないんだなあと思う。それだったら、やはり今ある自分を愛するべきなんだよな。 ご無沙汰でした。
>今ある自分を愛するべき ですかぁ…… なかなか……、難しうございますね;; LAメタル世代っていうと、やっぱり40代位ですよね〜。となるとランディは相当大人だったはず。バンドとかと同世代くらいでしょうか?もう少し上かな……? まーちゃん、
私がバリバリだった頃を思うと、10歳上だったらもうモトリー・クルーとかガンズとか聞いてないもん。パープルとか、Zepとか、ボストンとかさ。 いろんな意味で痛かった・・・観てて。(苦笑)
満身創痍のランディもそうだけど 身体がいうこと利かなくなってきて それでもレスリングやるしかないランディ。 しかも、そういう役をミッキー・ロークが やってるってことがまたねぇ。 感慨深いものがありました。 マリサ・トメイもすごく身体を張って 演じてて、彼女の女優魂を感じました。 私、このひと好きなんですよねぇ。 美人ってわけじゃないけど、可愛くて 色気があって、身近な感じの雰囲気が。 私もトシとったことを受入れて生きてくしかねぇなぁ っていう年代なんで、いろんなことが心に沁みました。 ミッキー・ロークが演じたことに大きな意味がある と思う、作品。 Codomoさん、
本当ですよねえ。でも、この映画のいいところって、痛いんだけど、ちゃんと最後まで観させてくれるところですよね。痛くて途中で止めちゃうのとかあるもん。でもだからと言ってこの映画の痛さが軽いかっていうとそうじゃなくて、超痛いんだけど、最後まで観れてしまうという。いい映画ってこういうものなのかしら。 |
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