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『Bigger Stronger Faster*』-アメリカってこういう国よ!
Bigger Stronger Faster*

ベル家の三兄弟は、小さいとき、みんなにバカにされていた。マークはデブ、クリスはひ弱、マイクは学習障害・・・・・。そんな3人に希望の光を与えたのは、プロレスラーのハルク・ホーガン。当時敵視されていたイラン人のプロレスラーをやっつけ、「I am America!」と叫ぶホーガンが、

「健全な生活をして、努力すれば、君も必ず強くなれる!」(だったっけか)とTVで言うのを聞いてすっかり魅了されたベル三兄弟は、地下室をトレーニング場に、日夜プロレスごっこと身体を鍛えることに精進し始め、3人とも立派な重量挙げ選手に成長する・・・・・

しかし近年になって、彼らのアイドルであるプロレスラーのホーガンを始め、シュワちゃんやスライなどのムキムキ映画スターたち、果ては大騒ぎになったホームラン王たちが、子供たちにキレイごとを言っている裏で実はステロイドを使っていたことが判明する。薬を使わず、自力だけで強くなれるんだ!と負け組みの自分らを励ましてくれたスターたちが実はズルしていただけでなく、自分の兄弟も結局ステロイド使用を肯定するのを目の当たりにしたクリスは、この問題についてドキュメンタリー映画を作ることにする。

Bigger Stronger Faster
Produced: 2008
Director: Chris Bell
Writing Credits: Chris Bell, Alexander Buono
Cast:
Chris Bell, Mark Bell, Mike Bell, Hank Aaron, Berry Bonds, Jose Canseco, Hulk Hogan, Ben Johnson, Carl Lewis, Mark McGwire, Sammy Sosa, Sylvester Stallone, Tiger Woods, Arnold Schwarzenegger
サブ・タイトルが、『The side effects of being American(アメリカ人でいることの副作用)』となっているんですが、私が常に疑問に思っていたアメリカの薬文化、そして"win-at-all-cost(どんな犠牲を払ってでも勝つ:勝ってなんぼ、と言う感じ?)"的文化を深く掘り下げてあって、いやー面白かった。

最初クリスは、自分がボディ・ビルダー、つか、彼は見た目じゃなくて、重量挙げとかで競争する人なので、ステロイド使って筋肉増強するのはどうよ?という観点から話が始まるのですが、段々、だったらタイガー・ウッズが視力矯正するのはいいのか、とか、他のサプリメントはいいのか、とか色々出てくるわけ。スタミナ勝負のマラソンとかの選手たちは、空気の薄い、高度の高いところで訓練することにより機能が高まるらしく、それに基づいて、家に空気の薄い状態を作り出す装置を置いて、競技の前日はその中で寝たりとかするんだけど、それはいいのかよ、とか。

あと、驚いちゃうのは、オーケストラの人たちが、舞台で緊張するのを防止する薬を飲んでるんだよね!それを飲むと落ち着いて、いいパフォーマンスが出来るらしい。それから学生たちは、集中力を上げる薬を飲む。それ飲むと、何倍もの早さでぱっぱかぱっぱか勉強できちゃうんだって。それってこの映画以前に問題になったんだよね。要するにコカインとかと同じらしく、中毒性もあるらしい。

で、ホームラン王のベリー・ボンズがインタヴューで、まあはっきりとは言わないんだけど、みんなクスリやってるから、やらないで競争はもう出来ない状態まで来ているんだ、ということを言うんだよね。確かに、このホームラン王たちがステロイド疑惑で吊るし上げられているとき、私もそう思った。周りもみんなそれを許容してたくせに、バレた途端に彼らを責めるだけで、誰もこの状況で、クスリを使わずプロとしてやっていくことが可能なのか、という抜本的な問題に取り組まなかった。

それは、アメリカという国は、基本的にクスリオッケー!の国だからだと思う。なにかといえばアスピリン飲むし。うつ病とかクスリで症状抑えるってのは治ってないんじゃないの?とか思うんだけど、幅広く使われているし、落ち着きのない子供に飲ませる薬もあるらしいのだけど、それもな~。でもこの手の薬は、使っている人は「いや、これがないと困る」って、気持ちはわかるのだけど、クスリに依存しないと生きていけないようになってしまってるんだよね?

そうか、私が納得いかないのはそこなんだよな。クスリというのは、一時的に症状を軽くすることによって、自然治癒を助ける、という補助的な意味で使うのなら有効だと思うのだけど、それがないと生きていけないようなら困るんじゃないかと思うのだよな。私はやせたい、締まった身体になりたい!とか思うけど、プロティン・シェイクとか、サプリとか、ぶっちゃけステロイドとか使ってそうなったとしても、それを使い続けなければ維持できないようなら、それはもう自分の持って生まれてきたものの限界を超えてるんじゃないかと思うのよね。

アメリカ人の「自分の道は自分で切り開く」という姿勢は大好きなんだけど、極端なんだよね。「自分の限界にチャレンジする」のではなくて、「他人に勝つまでやる」、すなわち「ナンバーワン!」にならないと意味ない、ってところが。それが要するにこの映画の言っている「アメリカ人でいることの副作用」なんだろうなあ。しかもどんな汚い、姑息な手を使っても、ナンバーワンになれば全て肯定されてしまう、という風潮もあり、アメリカって国は、日本以上に「本音と建前」が違う国だな、と思い知らされる。シュワルツネッガーに憧れて筋肉マンになった男が、兄弟のステロイド使用に関して作っただけのドキュメンタリーが、結果的に「アメリカって、こういう国よ!」っていうのをズバリ指摘しちゃったというのが非常に面白い映画です。

key Word
映画 未公開
考えさせられた映画 | コメント(7) | 【2008/12/07 07:54】
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コメント
この映画みたいんですよ。早く日本でもやってくれないかしらv-91
日本でもクスリ解禁になったとして、日本の一般人スポーツマンが、どのくらいの割合でステロイド使うのか気になるところです。
【2008/12/07 13:02】 URL | ニット帽 #-[ 編集] | page top↑
ニット帽さん、

わー久しぶりです。

確かにニット帽さん系の話題ですよね、コレ!長くなっちゃうから書かなかったんだけど、スポーツ選手のステロイド使用って、%的にはすっごい少ないんだって。大半が、見た目を気にする人なんだって。要するに、スポーツのために身体の機能を高める意味で使っている人は本当にごく一部で、後は美しく筋肉をつけたい人が使ってるらしい。

あ、あと、エイズでドンドン筋肉が失われて行っちゃう人がステロイドにすごい助けられた!と感動しているシーンもありました。

【2008/12/07 20:10】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
チュチュ姫さん、こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いています。辛口批評、すごく痛快です。ここ何ヶ月かかけて過去記事まで全部読ませていただきました。こんな映画があるんですね~。ジャケットの絵は、硫黄島の英雄を皮肉っているんですね。そこからしてすでに痛烈です。クスリやサプリに限らず、アメリカは見た目とか成果重視ですから・・・。クスリじゃないですが、バストがあらずんば女性にあらず、みたいなのとか、すごく顕著ですよね。キーラ・ナイトレーなんて、POCで「(本人がバスト増強しないので)アメリカ版のポスターはPhotoshopでバスト大きくします」なんて言われてますし。

ただすみませんが今回ちょっと気になったのが、薬について。なかなか微妙な問題なのですが、現代の抗うつ剤は、脳内の不足物質を補ってうつ病を治す手助けをしています。ちゃんと治癒するんですよ。(私や家族がそうです。) 1~2年継続することもあるので依存しているように見えるかもしませんが、完治するまで仕事を何年も休んでいたら職を失うので、大抵は治しながら日常生活を送っています。

それから、落ち着きの無い子どもに飲ませる薬ですが、現在は落ち着きの無いのはそもそも生まれつきの発達障害によるもので、脳内の構造の問題で、治癒することはないのが分かっています。躾が悪かったり、ただ粗暴だという子に飲ませる例ももちろんあるでしょうが、そのように先天的な障害(ADHDなど)で困っている場合に処方されている可能性もとても高いのです。対処療法にはなるのですがリタリンなどの薬を処方してもらうことで落ち着いて日常生活を送れるようになり、成長とともに脳の発達が進んで落ち着いてくるのを待つ手段になるのです。中には成長しても落ち着ける程にならなければ、一生手放せない人もいますが、それは生まれつき足の長さの足りない人が義足をつけるのと同じように、こういう薬を補助的に使って日常生活を支障なくするものなのです。無ければ著しくQuality of Lifeが下がってしまうので手放せないないというのはご理解頂けると幸いです。

私も基本は何でもかんでも薬に頼る風潮は嫌いで、自然治癒力を高めて治すのが一番と思いますが、抗うつ薬とリタリンなどを筋肉増強剤などと一緒に語ってしまうのは少し乱暴ではないかな、と思いました。まぁでも、アメリカに住んでらっしゃると、スーパーのすごいサプリメントの棚とか、「一日42錠もサプリメントを飲んでいる」とかいうのを日常的に見るので批判的になるのは分かります・・・。日本はアメリカ大好きですから、いまやサプリメント文化がすっかり定着してしまいました・・・。(-_-;)
【2008/12/18 02:58】 URL | harumi #JJhYDVYw[ 編集] | page top↑
Harumiさん、

>ジャケットの絵は、硫黄島の英雄を皮肉っているんですね

全く考えなかったけど、そうかもしれません!!

>薬について

私は知らないことに関しても率直な意見を言うように心がけているので、それが実際に病気の人とかの気に障ることもあると思います。ごめんなさい。でも、その病気とかがそれだけ誤解されているんだということを知るには、みんなが自分のレベルでオープンにそのことに関して話すのが大事だとも思っています。

Harumiさんは、そういう私のことを理解してくれて、怒ったりせず、丁寧にオープンに色々教えてくれて、大変感謝しています。こういうことは、やっぱり当事者の人たちに語ってもらわないとわからないですからね。正直な上に大変心のこもったコメで、本当に嬉しいですし、勉強になりました。

その薬がないと日常生活ができないという人が存在するというのは理解できるのですが、(私たちに水や食べ物が必要なように)ご指摘の通り、アメリカでは薬出し過ぎなんじゃないかと思うんですよね。例えば落ち着きのない子供なんて、親が扱いきれなくて薬を飲ませているんじゃないか、と思うときがあります。

それにステロイドにも色々きちんとした効用もあり、ぶっちゃけマリファナだって医療用として使えば効用はある。ですから、薬と言うのは大きなくくりで一緒に語ってしまっても、余り乱暴だとは思いません。というか、この映画自体がその辺どうなのよ?という疑問を提示して、観客に考えてもらおうとしているんじゃないかと思うんですよね。
【2008/12/18 22:00】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
こんにちは

しかし。子供たちにキレイごとを言っている裏で実はステロイドを使っていたことが判明する。これにはかなりショックでしょうね。

何しろ今まで憧れていた人たちがステロイドを使っていたとは、僕のような大人でも世界でも有名な選手がステロイドを使っていたと分かったときは。

かなり衝撃を受けましたからね。やはり子供に夢を与えるような人がこんなことしてはいけませんね。
【2009/05/12 08:32】 URL | 小次郎 #Ok/uTRgQ[ 編集] | page top↑
小次郎さん、

コメ、サンクスです!

まあねー、そう言ってしまうのは簡単なんですが、子供に夢を与えるというのは副産物であって、この人たちの本当のモチベーションは「強く、なりたい!勝ちたい!」というエゴですからね。

子供に夢を与えられないのは、こういう人たちが薬物を使わなければならないような状況にしちゃった私たちファンの方にも責任があると思います。

こういう映画をきっかけに、健康とは、スポーツとは、強いとか勝つ!ってのはどういうことなのか、と皆が考えて、向上していきたいですよね。
【2009/05/12 19:47】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
はじめまして。

本作の感想を書く上で参考にさせていただきました。よかったら日記をみてください。
ありがとうございました。
【2009/10/12 10:58】 URL | TOM@按摩屋 #JalddpaA[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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