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『アマデウス』-姫のオール・タイム・フェイヴァリット
Amadeus

つけたままメイルかなんか書いていたのですが、導入部の5分で一気に引き摺り込まれてしまいました。

アマデウス [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 1984
Director: Milos Forman
Writing Credits: Peter Shaffer
Cast:
Antonio Salieri: F. Murray Abraham
Wolfgang Amadeus Mozart: Tom Hulce
Constanze Mozart: Elizabeth Berridge
Emperor Joseph II: Jeffrey Jones
「モーツァルト!モーツァルト!」

寒そうな夜の街に響き渡る叫び。「私が殺したんだ!」

声のする部屋を開けてみると、老人が首を切って血みどろになっている。音楽の街・ウィーンで舞踏会を楽しむ人たちの声や音楽を背景に、雪の中を担架で運ばれる老人。

老人が運ばれて行った建物を照らす朝日が昇るのと共に、若い神父がやってくる。ここは精神病院だったのだ。

自殺しようとした老人は、神父に何曲かピアノを弾いて聞かせるが、神父の知らない曲ばかり。

「私が書いた曲だ。私はオペラだけで40曲も書いた。人々は私のオペラが大好きだったんだぞ」と言うが、神父はサリエリというこの作曲家の名前すら知らない。

しかし最後に「じゃあ、これはどうだ」とサリエリが弾くと、出だしの2、3音で神父はフンフンと口ずさみ始める。

「ああ!知っています!あなたがこの曲を書いたのですか?すみません、知りませんでした」

と神父が言うと老人は、「これを書いたのはモーツァルトだ」

「あなたが殺した、と言っていた人ですね・・・。何か告白すべきことがあるなら、今してください。神の御前には、人は全て平等なのです」

というと、老人は「本当かね」と、あからさまに猜疑心を見せる。

昔、この映画を観たときは、このサリエリって人がすっごい衝撃的で、「うわー、こんな不条理があっていいのか!」と何日も考えさせられた。まだ20歳かそこらだった私は、一生懸命やればなんでも手に入る、本当に心から好きなものは必ずこの手にすることが出来る、と信じていたので、音楽が大好きで大好きで堪らないサリエリが、いくらがんばっても平凡でありきたりな曲しかかけない、というのが超痛かった!

さらに衝撃だったのは、サリエリは本当に素晴らしい音楽を感じる能力が人一倍強い。なのに、自分がそう感じるものが書けないのだ!それってなんて恐ろしいことかと思った。何が本当に素晴らしいものか理解できるのに、自分がそれを作る才能がないとわかってしまうのだ。なんかそれって、夢も何もボロボロじゃない?

しかもサリエリがまさに自分が書きたかったような「神の声」をするすると書き出していく才能を持ったモーツァルトは、努力一つしないでそれを成し遂げていく。神に貞節を誓い、日々努力を怠らず、宮廷のバカバカしいポリティクスにも耐え、トンデモな生徒もちゃんと教えるサリエリ。それに引き換えモーツァルトは、酒好き、女好き、フィアンセがいるのにサリエリがほのかに恋心を抱いていたオペラの歌姫をキズ物にし、パーティ三昧で、みんなの前でサリエリのマネをしておちょくったりする。自分がウィーンで最高の作曲家だと豪語し、自分の作品はパーフェクトだからと、エンペラーにしかられても絶対に変更なんかしない。モーツアルトは、楽譜を書き直すなんてことはしない。頭の中で曲は完成していて、それをただ紙に写すだけだ。

サリエリがモーツアルトの音楽がいかに素晴らしいかを語るところなんか、もう涙が出そうになる。

「最初はものすごく平凡なんだ。ギャグかと思うくらい。しかし、どこからともなく高音が入る・・・・そしてそれがクラリネットに引き継がれ・・・・やがて・・・・」

もちろん楽譜が読めるので、モーツァルトの楽譜を読むのだが、そのときも、まるで小説を読んでいるかのように、目を潤ませて、感動しまくって読んでいる。私は、楽譜が読めるというのは単に音がわかるだけかと思っていたが、そうか!私たちが文字を読めるのと同じなんだ!ただの記号の羅列ではなくて、頭の中に音楽そのものが浮かんできて、「キレイだ」とか、「感動的だ」とかわかるんだ!と衝撃を受けた。

サリエリは、自分にこれほど音楽に対する情熱を与えて置きながら、それを創作する才能は授けてくれなかった神を恨み、結果神への挑戦としてモーツァルト殺害に挑むわけなのですが、若かった私はサリエリに心から同情しながらも、「本当にこんな悲しい運命があるのだろうか。自分がこの人だったらどうしよう!」と真剣に怖かった。

でも、今回観てみたら、ちょっと待てよ、と思った。だってさ、サリエリもひとかどの作曲家なのよ。ウィーンで宮廷付きの作曲家になり、自分でオペラも書いて、エンペラーにすごい評価されて勲章をもらったりしてるんだから。それにモーツァルトのオペラは、一般大衆やエンペラーにはウケないことが多く、ぶっちゃけサリエリだけなのよ、一から十までモーツァルトすごい!って褒めてるのは。そうしたらさ、「彼には彼のすごいところがある、でも私には私ならではの魅力があるのだ」って思わないのかしら。

確かにモーツァルトみたいな人って魅力的だけどね。芸術家、って感じよね。音楽を書こう!作ろう!と努力するわけじゃない。頭の中に次々に溢れてくるものをただドンドン外に出しているだけ。それにモーツァルトは人がどういう評価をするかなんて気にしない。「コレってすっごい面白い!」と思ったら、人になんと言われようとそれをやっちゃう。

でもだから「売れない作品」も多くてお金が稼げない、稼げないのにパーティ大好きだから遣っちゃう、売れないからやさぐれて酒の量が増える、するともっとお金を遣っちゃう、でも金になる仕事はせず、自分の書きたいものばっかり書いている、だからお金がない・・・・・

この映画って、オスカーとかいっぱい獲ったんだよね、確か。本当にテンポが良くて、知らぬ間に全部観ちゃう、って感じ。オペラのシーンとかも結構いっぱい入っているのに、全然退屈しない。サリエリもモーツァルトも、エンペラーも、出演者の性格描写がすごくきちんとしているし、役者もそれをちゃんと表現できているので、冗長なところがない。ちなみにモーツァルトを演じるトム・ハルスは、ミシガン出身だそうで。

key Word
映画 アマデウス ミロス・フォアマン F・マーレイ・エイブラハム トム・ハルス エリザベス・ベリッジ ジェフリー・ジョーンズ リチャード・フランク
考えさせられた映画 | コメント(5) | 【2008/11/28 21:35】
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コメント
数年前にディレクターズカット版というのが劇場公開になったのを観に行きました。
すっごく面白くて友人とふたりして大興奮!したのを覚えてます。すぐにCDも買って聴きまくってました。
モーツァルトがサリエリの曲を茶化して1回聴いただけですぐにマネして、しかも勝手にアレンジしちゃったりするシーンがありますよね?天才って残酷だなぁって、あれ観てサリエリにすごく同情したのを覚えています。サリエリのプライドを著しく傷つけたモーツァルトにちょっとムカッときてしまいました。でも、天才ってああいうもんなんだろうな。結局、関係ありませんがエンペラー役のひとの「ンフ」ってセリフ(返事)がおかしくて、しばらく友達とふたりだけで流行ってました。
【2008/11/30 21:13】 URL | codomo #yBfrOqTk[ 編集] | page top↑
codomoさん、
わーこの映画にコメって、嬉しい!これなんかマジなレヴューになっちゃったけど、面白い映画なんだよね。

確かに、モーツアルトはふてぶてしいんだけど、あのくらいおおらかになれたらいいなあと思いますよね。ああいう風になりたかったよ。でも今観ると、確かに「もう少し謙遜の心を持ってもいいのじゃないかな」という、エンペラーの側近の言うことももっともだと思うけどね(大人になったなあ)

エンペラーの「んふ」ってわからないけど、確かにあのエンペラーは、飄々としていていい味出してましたよね。
【2008/12/01 02:09】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
私はデザイナーなのですけど、
ビジネスライクにクライアントの言うとうりに仕事してしまう、
あきらかにサリエリタイプなので、彼の苦悩はとても共感できて、

まぁ、そうでしょうね…

という感じで見てました。

私はある時点で割り切ってしまったので、葛藤はないんですけど、
プレゼンとかで自分が足下にも及ばない案を見せられた時のくやしさったらなかったし、
あんな天才が廻りにいて、あんな高笑いしてたら…精神衛生上絶対よくないですね。

天才で、自由に自分を表現出来るのっていつの時代も
一握りの人だし、サリエリみたいな人、多いのではないでしょうか。
【2009/09/30 23:00】 URL | ほよ #JaFhmbU6[ 編集] | page top↑
ほよさん、

「凡人」って言うくらいだから、サリエリみたいな人の方が多いに決まってるんですけど、若い時って、自分はこれから何がしかの人になるって信じてるじゃないですか。

そんなときにコレを観たので、自分がモーツァルトじゃない可能性、そしてサリエリかもしれない可能性を考えたら、どよ~んと落ち込みましたよ。

で、今になって考えてみると、私は明らかにサリエリだけど、いや、サリエリ以下だな。「いいものをかぎ分けられる才能」さえもない(爆)!!
【2009/10/01 00:00】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
そんなことないですよ、チュチュ姫さまの文章は素晴らしいですv-353

でも、確かに私も若いときに見たらもっと違う感想を持っていたでしょうね。
【2009/10/01 07:42】 URL | ほよ #JaFhmbU6[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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