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『エターナル・サンシャイン』-何度失敗しても・・・・
Eternal Sunshine of the Spotless Mind

クレメンタインとジョエルのカップルは、大ゲンカの末、お互いの思い出を記憶から消し去る施術を受ける。最初、クレメンタインがジョエルを記憶から消し去り、それを知ったジョエルが怒って自分も同じ施術を受けることに決めるのだが、ジョエルが施術を受けた次の日、二人はまた見知らぬ他人同士として出会い、恋に落ちてしまう・・・・・。

この映画はジャンル的にはラブコメなんでしょうが、「恋愛とは一体なんなのだろう」ということを、ものすごーく深く掘り下げてあって、超名作だと思います。

Eternal Sunshine
dvd on amazon.com
Produced: 2004
Director: Michel Gondry
Writing Credits: charlie Kaufman, Michel Gondry
Cast:
Joel: Jim Carrey
Clementaine: kate Winslet
Patrick: Elijan Wood
Stan: Mark Ruffalo
Mary: Kirsten Dunst
Dr. Miezwiak: tom Wilkinson
一番示唆的なのは、ラストのシーンで、記憶を消去した後再び恋に落ちた二人が、記憶を消す時に吹き込んだテープを聴くところ。このテープは、施術をする前に「なぜこの人物を自分の記憶から消したいか」ということを綿々と語ったもので、医師が吹き込ませるんだけど、内容はもう、相手のことをボロクソに言っている。

クレメンタインはジョエルのことを「退屈でつまんない人間」と言ってるし、ジョエルは「クレメンタインは、好かれるために男と寝る」とか・・・・あーあ。

2年も付き合ったら、こういう風に相手のことを思ってるんだよというのを、恋に落ちて一番盛り上がってるときに聞かされるつーのは、どんなもんだろう。相手が自分のことこんな風に思っているのか!というのもショックだけど、自分が相手のことけなしまくるの聞くのも涙モンだと思う。

で、2人はどーするのか?2人は一度付き合って、全然上手く行かなかった、ということが既に証明されちゃっているのだ。部屋から出て行ったクレメンタインを廊下まで追いかけてくるジョエル。

「どうしたいのよっ!」

「I don't know, I don't know...」

クレメンタインは、「私は自分の心の平安だけを求めているどうしようもない女なの。あなたは私のこと嫌いになるのよ」と言うが、ジョエルは、

「今はキライなとこなんか一つもないよ」

「でも後でキライになるの!私はあなたといて退屈して退屈して、牢獄に入っているような気分になって、自分で自分が嫌いになって・・・・そんな私をあなた嫌いになるのよ」

するとジョエルは

「Okey」

と言う。するとクレメンタインも、

「Okey」

と言い、2人は笑い出してしまう。

この映画に関する記事を色々読んでいたら、ジョエルとクレメンタインは記憶消去の施術も何度も繰り返しているのではないか、みたいな話があった。つまり、いつも上手く行かなくなるので、その度に記憶を消去して、何度も出会い直して恋に落ちる。それもすげーなと思うのだが、結局人間って、「恋に落ちる」という感情的インパクトがキョーレツ過ぎて、あがらえなくて、何度も何度も恋に落ちるけど、恋愛関係を続けていく、と言うのは不可能、というか、人間としての幸せに背いているんじゃないか?

ジョエルの記憶が消されて行く過程で、2人がどんな付き合いをしていたかわかるのだが、どのエピソードも「そうなんだよな~」と思ってしまう。中でも一番印象的だったのは、2人がいつもの中華料理屋でディナーを食べているシーン。ジョエルが心の中で、

「僕とクレメンタインも、他のカップルと同じに見えるのだろうか?死人が食事してるみたいに・・・?そんな風にはなりたくない」

と考えている。

私も良く車を運転しているとき、信号に止まった対向車に乗っているカップルを見ていると、「あの助手席に座った女になりたくない」と思う。男が運転し、女は窓の外を見ている。会話するでもなく、2人はつまらなそうにそっぽ向いて、ちっとも楽しそうじゃない。自分で運転して、自分の聴きたい音楽をかけて、自分の行きたいところへ向かっている自分の方が、1人でもずっと幸せそうだと思う。

最初は一緒にいてあんなに楽しかったのに、急速につまらなくなる。いつもの店、いつものルーティーン。何もすることがない。2人で一緒にいて、TV観るだけ。会話をすれば口論になる。そしてクレメンタインのように、縛り付けられていると感じ、逃げ出したくなる。

だから別に、2年後にお互いの悪口を吹き込んだテープを聞かされるまでもなく、答えは出ているのだ。それまで何人かの人と付き合ったことがあれば。相手が変わるだけで、ダメになっていく過程は一緒なのだ。そんなことは経験からも知っているし、映画や小説で何千回と語られているではないか。

しかしそこが恋愛のパワフルなところなんだろうな、と思う。何度痛い目に会っても、また恋に落ちてしまう。「痛い目にあったからイヤだ」とあがらっても、落ちてしまう。そして「また同じ過程を経て、ダメになって終わるのだ」と考える同じ脳の別の場所で、「今回はいつもとは違う」なんて思っているのだ。

では映画はどういう結末を示しているのだろう?ジョエルの最後の記憶は、2人が始めてあった日の夜。消され行く記憶の中のクレメンタインが言う

「もうこれまでよ。ジョエル。どうする?」

するとジョエルは一言、

「Enjoy it」

カースティン(キルスティン改め)・ダンスト演じる、不倫の記憶を相手の男に消された女の子が言うニーチェの引用がある。

Blessed are the forgetful, for they get the better even of their blunders

これは多分、「忘れっぽい方が幸せだ。自分の大失敗からでさえ何かいいものを引き出せる」くらいの意味なのではと思うのだが、これがニーチェの『Beyond Good and Evil』から来ているというのも示唆的である。Beyond Good and Evil・・・・善悪を超越したもの・・・・・。

私の解釈では、この映画は、恋愛は先がどうなってしまうかわからない。毎回同じように終わってしまうのかもしれない。でも、それでも誰かと出逢うことをエンジョイし、関係を続けていくように努力するべきだ、と言っていると思うなア。クレメンタインとジョエルは、私たちと同じように相手の悪いところや付き合っていくことのうっとおしさがイヤで、相手を記憶から消した。このニーチェの引用は、「相手を忘れてしまうんじゃなくて、相手のイヤなところを忘れてしまえ」と言ってるんじゃないかな。相手の善悪、いいところ、悪いところを超えたどこかに、Eternal Sunshine (永遠の太陽)、つまり永遠に続く愛、があるんだよ、と言ってるんじゃないかなあ。

本当は原題の『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』も誰かからの引用なのだが、実際の日本語訳は知らないけど、私は「the spotless mind」、つまり「穢れのない心」というのは他人のいいところも悪いところも許せる心、という意味で、それの「eternal sunshine」つまり「永遠の太陽」とjは「永遠の愛」ということで、「人を許し、受け入れられる心を持つ人は、永遠の愛を持っている」と解釈した(自分ではものすご納得)。

key Word
映画 エターナル・サンシャイン ミシェル・ゴンドリー チャーリー・カウフマン ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット キルステン・ダンスト マーク・ラファロ イライジャ・ウッド トム・ウィルキンソン
考えさせられた映画 | コメント(9) | 【2008/10/30 00:40】
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コメント
どうしたんですか!なんかあったの?いきなり改めてこの映画のレビューなんて!
でもこの映画いろいろいいたくなるんだよねえ。
【2008/10/31 00:23】 URL | GO #-[ 編集] | page top↑
私、この映画劇場に2度観に行ってしまいました。
そして、もちろんDVD購入。何度も観てるとても大好きな作品です。
この作品でミシェル・ゴンドリー監督ファンになりました。

自分のしてきた恋愛を振り返りますねぇ、この映画観ると。
もう消してしまいたい!と思った過去の恋愛もあったけど、
辛いことも楽しいことも全部ひっくるめてそれはそれで大切な思い出。

だけど、ほんとにそうそう!と思ったのは

>相手が変わるだけで、ダメになっていく過程は一緒なのだ。
そんなことは経験からも知っているし、映画や小説で何千回と語られているではないか。

あぁ、チュチュさん!そうなんです。
なのに、なんで同じことをやっちまうんでしょうか?
でも、最近恋してないなぁ。
【2008/10/31 00:55】 URL | codomo #yBfrOqTk[ 編集] | page top↑
GOさん、

まー色々ありましたけど、この映画を借りた理由ではありません。図書館で借りると、古いのしかないので、もう一回観たいやつとか、そういう借り方になっちゃうんですよ。

codomoさん、

>なのに、なんで同じことをやっちまうんでしょうか?

「結局人間って、「恋に落ちる」という感情的インパクトがキョーレツ過ぎて、あがらえなくて、何度も何度も恋に落ちる」のではないでしょうか。誰かと「付き合いたい」んじゃなくて、「恋に落ちる」という感情が味わいたいんじゃないのかな。

だから付き合いは続かない(爆)
【2008/10/31 02:02】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
『ラストのシーンで、記憶を消去した後再び恋に落ちた二人が、記憶を消す時に吹き込んだテープを聴くところ』

が、まったく記憶にない……。
確か試写に連れてってもらったんだけど、もう1回恋に落ちちゃって終わりだったような気がする。
き、記憶障害?
んで、「あぁ、この二人はまたケンカして嫌な思いするんだろうなぁ。同じ失敗を繰り返さないためにも、嫌なことも忘れるべきじゃないのかな?」と思ったのは覚えてるんだけど。

まぁ、私にとってはそこんところはどうでもよかったってことですかね?
ただ、またグルグルと同じことを繰り返すんだ、嫌だな。と思って終わりだった(^_^;)
【2008/10/31 16:43】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
まーちゃん、

いや、記憶障害じゃなくて、この映画、時系列が一回観ただけでは納得いかないんじゃないかなあ。クレメンタインの髪の色でどの時期なのかがわかる、って言ってる人いっぱいいるのだけど、本当にその通りだった。
【2008/11/01 06:16】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
chuchuさん、
私もこの映画で「ゴンドリー信者」になった一人です。これ一番好きな映画かも?
chuchuさんのレビュー読んでも涙が・・・。
今週、NHKで放送されるから、また観て好きになるヒト多いといいな~。
NHKって独自の字幕付けるんですよ。それも楽しみです。

http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-38.html
【2008/11/03 00:32】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集] | page top↑
そうか……
何にせよ、遠い昔のことなので、忘れてしまいましたわ。
結局は、物語の核になる『恋をする』ということが分からないんだから、この映画を好きじゃないと思うのは仕方ないのかなと……。

映像的な面白さだったらWHITESTRIPESのレゴのクリップとかの方がいいやん?と思ってしまうの。
恋しない乙女だからさ~(笑)
【2008/11/07 18:18】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
まーちゃん、

アイスクリームとか、おいしいものを記憶から消して、健康的な生活をしようと思ったら、記憶消してる最中に「やっぱアイスクリーム消さないで~~~~もいっかい食べたい!!!!」と思うようなものです。
【2008/11/07 21:50】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
このコメントは管理者の承認待ちです
【2014/02/21 16:54】 | #[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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