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『マイティ・ハート/愛と絆』-夫を失った妻の回想録
A Mighty Heart

これは、パキスタンで誘拐され、首を切られて殺されたジャーナリスト、ダン・パールの奥さん、マリアンが書いた回想録を、アンジェリーナ・ジョリーの主演で映画化したものです。妊娠5ヶ月の時に夫が酷い殺され方をしたこの女性が不憫なので、余り辛いことは言いたくないのですが、非常に面白くない映画でした。

マイティ・ハート/愛と絆 スペシャル・コレクターズ・エディション
dvd on amazon.com
Produced: 2007
Director: Michael Winterbottom
Writing Credits: John Orloff, Mariane Pearl
Cast:
Danny Pearl: Dan Futterman
Mariane Pearl: Angelina Jolie
Asra: Archie Panjabi
ウィキで読んだんですけど、このマリアン・パールと言う人はキューバの血が入った人で、この人の役を白人であるアンジェリーナ・ジョリーが演じるのはおかしい、という批判があったらしいんですね。でも、マリアン本人が、「肌の色は関係ない、私とアンジェリーナは心が通じ合ったし、アンジェリーナに演じてもらって本望だ」というようなことを言っている。

このエピソードから私が想像したのは、アンジェリーナ・ジョリーがマリアンの著書を読んで感銘を受け、これを是非映画化したいと思った。マリアンは、アンジェリーナ・ジョリーが主演で映画化されれば、ネーム・ヴァリューがあるから、この問題をもっと世の中の人に知ってもらえる、と思ったのかもしれない。

実際DVDでは映画が始まる前に、このパール夫妻の友人でもあると言う女性ジャーナリストが出てきて、この映画が作られた目的は、ジャーナリストたちが大変な危険にさらされながら取材していること、また、報道する内容に関わらず、政治的に利用するためにテロリストに誘拐されたり、殺されたりすることが多いこと、そして、ジャーナリストこそが一般市民に今何が起こっているのかを伝えられる存在なので、こういう事実があるということを一般の人たちに知ってもらい、過酷な条件の下で取材しているジャーナリストたちを応援してもらうことだ、というような趣旨のことを言っていました。

映画で時事問題などに興味を持ってもらおう、という姿勢はすばらしいと思うのですが、この映画に関しては、アンジェリーナの名前だけに頼り過ぎて、映画のクオリティを追求してないんじゃないか、という印象を受けます。実話に基づいた映画でむちゃくちゃ面白い映画なんかたくさんありますよね。このお話も、行方不明になった人を探し出すという立派に面白いミステリーになりそうなんですけど、起こった出来事を時系列どおりに進めるフラットな展開、事実としてわかっていることしか描写せず、絶対誰も知らない部分を再構築しない想像力の欠如などが気になります。

特に後者、「絶対誰も知らない部分を再構築しない」というのは想像力の欠如よりも、ダンがどのように誘拐されて監禁されたか、という未知の部分を「想像したくない」んじゃないか、と思いました。そりゃそうですよね、自分の夫がどんな恐怖にさらされたか、どんな酷い目を受けたか、知りたくないという気持ちはわかります。でも、そういう「腫れ物にさわる」ようなストーリー展開が、この映画がインパクトに欠ける一番の要因じゃないかなと思いました。

まあ、誘拐されたダン・パールがどんな扱いを受け、どんな恐怖を味わったか、というのは、小心者の私だって知りたくないのですけど、こうしてわざわざ映画にする目的は、私のような平凡な人間が、傷つくのが怖いから見たくない真実をあえて見せることによって、該当する問題をもっと深く考えてもらおうとすることなのではないでしょうか?そうなのだとしたら、当事者が直視するのを避けている映画が私たち第三者に何かしらのインパクトを与えることなんてできるのかしら?

例えば『ミュンヘン』なんか、ものすごく痛かったですよね。これも、映画的にすごく面白いかと言われたら「イマイチ!」なんですけど、ヴァイオレンスはもちろんのこと、精神的に追い詰められて行くところも、痛いところを避けずにズバっと描きましたよね。

マイティ・ハート/愛と絆』は、残されてしまった妻、マリアン・パールの苦悩を描くことだけで十分だ、と思ったようなんですけど、それでは力及ばずという印象です。もう繋がっていないダンの携帯に「I love you」とテキスト・メッセージするマリアンには共感しましたけど、他のところでは彼女の痛みとか焦燥みたいなものが余りにも感じられないので、非常に退屈でした。ダンの死を伝えられた時マリアンが泣き叫ぶシーンなんか、観客が「見たくないなあ」と思うような感情的なシーンのはずなのですけど・・・・うーん。

私はアンジェリーナ・ジョリー嫌い!って公言しているので、アンジェの演技が下手、とか言うと「そりゃあんた嫌いだから」と言われちゃうと思うんですけど、このマリアンって人は、自分もジャーナリストであるせいか、冷静で気も強いみたいで、こんな状況で妊娠もしているのにがんばるんですね。それが最後がーっと崩れるのがこの、ダンの死を知るシーンで、製作者的にも「ここはアンジェの見せ場!」と思ったらしく、結構長いシーンなんですが。・・・・ほとんど傍観。全く感情移入しなかったなあ。いや、多分私が冷徹なビッチなだけ、ということもあり得ますし。

いや、でもマジに、それはダンが酷い目にあった、というのが実感としてわからないからじゃないかなあ、と思うんですよね。もし、ヴァイオレンスを使わないでこういう映画を作りたいと思ったんならそれもいいんですけど、それならそれで、何か他の表現方法で、ダンの状況や感情を観客に伝えないと、やっぱり待っている側のマリアンの感情だけじゃドラマ性が薄いと思うし、だから自己満足な映画に見えてしまうのではと思いました。

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■アンジェリーナ・ジョリーの出演作品一覧

key Word 映画 マイティ・ハート/愛と絆 マイケル・ウィンターボトム アンジェリーナ・ジョリー ダン・ファターマン アーチー・パンジャビ
DVDで見た映画 | コメント(4) | 【2008/09/28 22:35】
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コメント
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【2008/09/30 01:03】 | #[ 編集] | page top↑
管理人しか見れないコメが入っていると、アンジェのファンからの「アンジェの映画を悪く言うな!」的な批判のコメのように見えますが(笑)、実はレヴューに賛同してくれているコメです。
【2008/09/30 22:10】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
この映画 実は ブラピと結婚してるときに ジェニファー・アニストンがプロデュース権を買ったのに 実際はアンジェリーナが演じることになって どうこうもめてた という いわくつきの作品だそうです。でも ジェニファーが演じても…やっぱりちょっと…。

淡々とした映画運びはともかく 私はあの 泣き崩れのシーンが気になって気になって…自分のとこでも書いたけど 反転させてしまうくらい あれは反則でした。事実には基づいてるにしても 度肝を抜かれました~。
【2008/10/01 20:06】 URL | プリシラ #-[ 編集] | page top↑
プリシラさん、

そちらの記事、リンクしてくださいよ。読みたい。
【2008/10/01 21:08】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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