スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| 【--/--/-- --:--】
本袋 | 映画袋 | 音楽袋 | 記事袋
『ザ・フェミニズム』-フェミニストは愛の戦士だ!
We fight for real love!

上野千鶴子さんと小倉千加子さんという、自分の本でもズケズケ言いたいことを言う二人の対談って~!もうすっげー面白いですよ。でも断って置きますけど、この二人が結託して男とか社会とか男に依存して生きる女を攻撃している、というような内容を想像しているのだったら大違いです。

feminism
book on amazon.com
Issued: 2005
Written by: Chizuko Ueno, Chikako Ogura
CHAPTERS
大阪公開対談:小倉千加子、六年の引きこもりから復活すること
「フェミニスト」とは誰のことか/女性知事の登場は「フェミニズムの勝利」か?/林真理子はフェミニストか/代議制民主主義ほどフェミニズムから遠いものはない/少子化は女の復讐か/生存を賭けた結婚/新・専業主婦志向とは?/ハイクラスな女の「自己保存」/予言-「癒し系結婚」が本格的少子化をもたらす/フェミニズムはシングル女のバイブルか/フェミニズムは衰退したか/誰に向かって語るのか/フェミニズムは田中真紀子を支持するべきか/社民党はフェミニズム政党か/夫婦別姓は支持しない/正しいフェミニズム?/
東京密室対談:他のフェミニストたちにはとても聞かせられないこと
主婦フェミニズムとは?/ウーマンリブとフェミニズム/八十年代フェミニズムの正体/専業主婦とフェミニズムは結託できるか/性的自由は自由の根源/対幻想をフェミニズム/フェミニズムは強者の思想か/フェミはなぜ嫌われる?/広がる女女格差とフェミニズム/東電OLと雇用機会均等法/パラサイト時代の結婚/フェミニズムは何を達成したのか/リベラリズムはフェミニズムの敵である/クィア理論は是か非か/「老後は女同士で」という欺瞞/援交と新・専業主婦は、家父長制につく白アリである/フェミニズムが目指すもの
この二人全然気が合わない!「あんたあん時はこう言ったやん」とか「そういう言い方されると不愉快」とか、互いに互いの「フェミニズム」をツッコミまくる。しかも揚げ足取りの、重箱の角つつきの、ああ言えばこう言う、かなり恥も臆面もなく醜く争ってて、タイトルに『ザ・フェミニズム』とあるとおりに「さあ、フェミニズムというものをズバッと突きつけてくれよ!」と思う人にとってはなんじゃこりゃ~って感じになっちゃうかもしれません。

でもこれがフェミニズムの実態だと思うんですよね、アタシは。本の中でも語られている通り、フェミニズムって言っても女性を解放したいのか、女の地位を上げたいのかによっても違うじゃない。奇しくも私がついこの間『ダークナイト』で書いたけど、マギー・ジレンホールは女の地位を上げたい人なのよね。それに、フェミニズムの問題ってのは、他のあらゆる社会問題と関わってくる。結婚/離婚/非婚、少子化、老後の生活、職場、給料格差・・・・加えてゲイ・レズビアンの問題、性の問題など、突き詰めていくと「人間の幸福とは?」みたいな哲学的なところまでいってしまう。

一つ「うーん」と思ってしまったのは、二人とも「自由恋愛で不倫やってる女が一番かわいそう」と言ってるくだり。風俗嬢とか援助交際とか、男にヤラせるんだったら金取るか、妻という地位に座って養ってもらうんならまだしも、タダ乗りさせるとは何事だ、みたいな。この理論で行ったら、不倫って一番対等な関係に見えるんだけどなあ、私には。お互い自分の生活があって、女は男から金取らないし、男は女にパンツ洗えの夕飯作れのという要求もしない。デートしてセックスして楽しいときを過ごし、「じゃあ、また!」って自分の家に帰るから四六時中ベタベタしてうざったい関係でもない。でも一夜限りの関係じゃなくて何度もデートするんだったら、お互い気に入ってるわけじゃん。

上野さんは「対幻想とフェミニズム」という章で、対幻想というのは、お互いに特別な個人であっても、それは相手の性的自由の束縛までは含んでいない、という関係のことと言っている。「感情があることは認めるよ、でも感情とルールは違う」と。つまり愛し合っているという「感情」において二人は特別なのであって、他の人とは寝ないという「ルール」でお互いに特別であるのではない、と言っていると私は解釈したのですが、そうすると不倫と言うものが、女が好きになってしまった男がたまたま結婚していた。しかし男も結婚はしているけど愛しているのはこの女だ、という関係であるならば、上野さんの言う「特別な人」なのじゃないかなあ。「自由恋愛で不倫する」ってそういうことじゃないの?私だったら妻の座について養われていても「特別な個人」じゃない方が、よっぽどかわいそうだと思うし、ぶっちゃけこの場合、「特別な人」がいるのにそれに精神的にも肉体的にも縛られない不倫してる女の方がいいとこ取りだと思うが。

最後に二人はフェミニズムが目指すもの、という題目で締めくくろうとするんだけど、これが全然まとまんないんだよね~(笑)。でもさすが頭いい人たちだから、筋は通ってるよ。問題は3つあって、一つ目はフェミニズムが女性解放であるならば、何が解放なのかは個人によって違う「これが女の解放です!」って他人に押し付けられても、それは真の解放ではないから、個々が決めなくてはいけない。二つ目は、フェミニズムは男社会による「女とはこうあるべきだ」という決め付けと戦っているわけだけど、じゃあ「女とは何か」というのをフェミニズム側から「これです!」って言われても、やはり個々が「これが自分よ、これが自分という女よ」というものがなければ結局は押し付けになってしまう。最後に、もしフェミニズムが現在の男中心のシステムを覆して新しいシステムを作るとすれば、今度はそのシステムによって縛られる人も出てきてしまう。

この結論は賛成なのだけど、非常に女性的だなと思った。女性的で好き。男は、それでも「これ!」っていう集団としてのゴールを決めて、誰かが上に立って、誰かが歩兵になって、頂点を極める、って言うことに拘泥するけど、女は一人一人の要求を尊重して、誰かが歩兵になって犠牲になったり、誰かが上に立ったりしないような解決策を見出そうとする。解決しないんだけどさ~そんなことしてると!でも男の方法は即効性という意味では優れているけど、結局は戦いが繰り返されて行くので、一時的には解決したように見えても実はしてないのよね。現在の社会を見ればそれは明確ですよね。

フェミニズム/フェミニストと言っても一口で語れないことから、上野さんも小倉さんも「こんなヤツフェミニストじゃねえ」と他のフェミニストを批判してみたり、逆に「世間でフェミニストとして認められているのがコイツラだったら、自分らはフェミニストじゃないんじゃないか」と自己分析したりしているんだけど、私はフェミニストというのは、性別という概念や社会での性差別に関して「え?そうだっけ?」と思ったことは積極的に口に出していく人のことだと思うから、この二人はフェミニストだと思う。それにフェミニズムってのはイズム(主義)なんだから、なんかを成し遂げるとか解決するシステムじゃなくて、生き方ってことでしょ?

小倉さんは対談の間中、漫才に徹してるんだけど、最後に大真面目にこう言ってます。

"人間が自分の感情の潜在的可能性を開く時、最初に変わるのは他人との関係です。「制度化されたいかなる関係にも似ない、密度の濃い関係を数々もたらすことは可能だ」とフーコーは言ってます。(中略)問題なのは誰と誰が制度の外でセックスしているかではない。誰と誰が愛しあっているかなんです"

フーコーは愛を「他人を喜ばせることが出来る一切の事柄の総計」であると言い、小倉さんがフェミニストであり続けるのは

"私は人を、周りの人たちを喜ばせ続けたい。何でか言うたら、世界が色彩にあふれて見えるから。愛が飛び交う濃密な関係をあっちこっちでみんなが実践すればいいと思う。"

なんて言うんですよ!超ハードコアな、こわーいフェミニズムのお姉さんみたいな顔して、こんなロマンチストなんだ。私は小倉さんがフェミニストとして怒っているのは、形ばかりで愛のない関係を強要する制度なんじゃないかと思った。またはそれを疑問も抱かず許容している人たち。フェミニストとは愛のために戦う戦士なんですよ。美しいじゃありませんか!

小倉先生のほかの本
■松田聖子論
■結婚の条件
■セックス神話解体新書
■赤毛のアンの秘密

Key Words 本 ザ・フェミニズム 上野千鶴子 小倉千加子
たまには真面目なお話もしましょう | コメント(0) | 【2008/09/01 04:17】
本袋 | 映画袋 | 音楽袋 | 記事袋

PREV: 『リアリティ・バイツ』-前評判ほどでは・・・
NEXT: 『Watching the Detectives』-キリアンだけでいいの

BOOKSMOVIESMUSIC ALL ARTICLES

It's stupid to say "don't watch it, if you don't like it"!! Click here to return Home!!
コメント
コメント、サンクスです!












管理者にだけ表示を許可する

すんません、トラックバック、スパムがひどすぎるんで、全面禁止にしました。トラックバックしたい人は、コメントと共に、自分とこの記事のURLくっつけといてくれればいいすから。
トラックバックURL削除


「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。