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『ラスト、コーション』-じと~っとしているところがステキです
Lust, Caution

エッチ・シーンがすごい!と言われていたのでスケベ心で観たのですが・・・・。私はもう少し

ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!

と景気のいいエッチが好きなので、この、トニー・レオンが腰を

むにっ むにっ

と動かしながらねちねち攻めるセックスは、エロ度からするとイマイチなんですけど、まあ、そんなことはいいとして。

Lust, Caution
dvd on amazon.com
Produced: 2007
Director: Ang Lee
Writing Credits: Eileen Chang, James Schamus
Cast:
Mr. Yee: Tony Leung Chiu Wai
Wong Chia Chi: Wei Tang
Yee Tai Tai: Joan Chen
Kuang Yu Min: Lee-Hom Wang
Tsao: Lar Lok Chin
濡れ場とか裸って、客寄せのためだけ、ってこともあって、良く女優が

「必然性のないものは演ません」

とかって言ったりするんですけど、『ラスト、コーション』の濡れ場は、必然性どころか、すごい多くを語ってるんですよね。2人の男女がいい感じになって、

「あ、こいつらやっちゃったんだな」

とわかればいいんじゃなくて、どういうセックスをしたか、どんな風にしたのかというのが、本当に重要という。

一番最初にエッチした時は、男が女の髪を引っ掴んで壁に叩きつけたりとか、ベルトでしばいたりとか、

「変態?!」

とか思ったんですけど、映画を全部観終わったあとで考えてみるとあれは、中国を占領している敵国・日本のために働いていて常に命を狙われている男が、誰にも心を許さずに生きてきたのに、どうしてもあがらえない、この女に魅かれてしまう、負けたくない、という気持ちが、あのような暴力的なセックスに出ちゃうのじゃないかしらと思いましたね。「俺がこの女を犯すんだ!俺は絶対に落ちないぞ!」と思いたかったんじゃないか。

で、あんだけヒドイ目に合わされながら、終わった後、「ニヤリ」と笑う女・・・・

この女はですね、大学で演劇部の部長にほのかな恋心を抱いて部員になったという、ウブな処女だったのに、部長が抗日活動にハマって行くのに引きずられて巻き込まれちゃうのですが、持ち前の演技の才能とその美貌のために、この売国奴である政府要人の男を誘惑するスパイにされてしまう。

この女の駆け引きの仕方が、セックスのシーンも含めて、男に近づくために化けたマイ夫人としてのリアクションなのか、ウブな女子大生・チアチーとしての彼女の本当の感情なのか、良くわかんないんですね。で、良くわかんないからセックスのシーンとかでも真剣に分析しちゃうんですよ。

2度目のセックスは、1度目の時より断然親密で、男は暴力とか振るわないんだけども、いつも女の目を見つめながらやってるのは、やっぱ今一歩信用していないようなんですが、よっぽどセックスがいいのか、イク時、完全に防御を下げちゃってるんですよね。女の方は、思いっきり中でされちゃって、自分もイッっちゃったんだか、イヤなのか、どちらでも取れるリアクションをしつつ、

「アパートを買って」

なんてあえぎながら絶妙のタイミングで言うのですが、これがスパイとして言ってるんだか、女としてこの男に陥落されてるのか、わからないんですよ!

で、スパイの上司に会って、男がアパートを買うと言った、と報告した時上司が、ここまで潜入できたんだから、すぐに男を殺すのはもったいない、もう少し愛人生活を続けて、色々情報を引き出そうと言うと、女はすごい告白をするんですね。

つまり、男は犯って犯って犯りまくらないとリアリティを感じられない男で、血が出るまで自分を攻める、こいつを受け入れる度に、男は私の身体だけでなく心にまで入り込んでくる、だから、私も疲れて動けなくなるまで男を攻め返す、それがこの男の心に入り込める唯一の方法だから。犯られる度に、いつスパイの仲間が飛び込んできて、こいつの頭を撃ち抜き、脳みそが私の身体に飛び散って、「ああ、これでやっと終わった」と思う日が来るのかと思っている、とか言うわけですよ。

これも最初は、血が出るまで犯られるって女としてはキツイし、早くこいつを暗殺しちゃってよ!と言ってると思っていたのですが、後々良く考えてみると、男が心の中に入り込んでくる、っていう下りは、好きになっちゃいそう、好きになりたくないから、早く殺しちゃって、というのと、好きになりかけている男がいつ殺されるかわからなくて辛い!と言ってるのか、両方に取れるんですよね。

その直後に3度目のセックス・シーンがあるんですが、そこでは女が男の拳銃をじーっと見つめながら上に乗っかっていると、男がそれに気付いたり、女が上になって男をイカせそうになると、男は慌てて上になって攻めたり、で、終わった後女が泣いたりするのですが、これはストレス泣きなんでしょうかね。

私的にクライマックスは、日本人街の芸者屋さん(って言わねーか)のお座敷で、女が男のために歌を歌うところ。やたらロマンチックな歌で、

あなたのハートと私のハートは一つ、辛いときに結ばれた二人は死んでも一緒

とかそういう歌詞で、女が振りつきで歌う。これがこの女優さん、振りの表現とか表情とか、すっごいいいんですけど、男も涙を拭いながら

ぱち、ぱち、ぱち

と淡白に拍手するところが、もう完全にこの女にホレちゃったな、と思わせるんですね。余談ですが、この時のトニー・レオンがすっげえオヤジ臭くて、私的にはがっかりしたのですが、役柄としてはこれ以上ない、という寂しい中年男を演じてました。

ここで男が女にホレた、というのははっきりわかっちゃうのですが、女の方は、まだ釈然としないんですね~。この辺のじらし方がまたさらにこの先どうなるのかハラハラさせて上手いんですけども。で、男が女に、この封筒を持ってしかるべき男に会いに行け、極秘だ、男がなにか言ったら俺に伝えろ、っていうんですね。これが「あれ?もしかして女がスパイってバレて、はめられるのか」とか思うと、実は女にすっごい高い指輪を買ってやるという下りだったりとか、こういうはずし方も上手いんですよ。

で、この指輪云々って言うのは、最初の方で男の奥さんがマージャンしながら「うちのだんなはあのダイヤモンドを買ってくれなかった」と言っていたダイヤよりデカい、ピンクのダイヤなんですよね。そういう伏線もさりげなく張ってあったりしていい。あと、原題の『色戒』って言うのは、英語題の『Lust, Caution(欲情、警戒)』という、要するに「欲情に気をつけろ」という意味と、「色の付いた指輪」っていう、ダブル・ミーニングなんだそうです。

このダイヤを指輪に作る注文をして、出来上がったものを男と一緒に取りに来るときに暗殺しようと言う計画なのですが、出来上がった指輪をはめてみて、取れなくなっちゃうんですよね。で、そん時女がなんとか取ろうとして取れなくて、涙ぐんできちゃうんです。

このときでさえまだ私は、「ああ~この指輪が取れないと、完全にこの男のものになってしまったような気がしてイヤなのかな~」なんて思っていたのですが、その後女が、

「逃げて」

と言ったときに初めて、「ああ、やっぱり惚れちゃったのか」と思ったんですね。

でもさ、やっぱ女は惚れたくなかったんだと思うんだな。最後、この事件に関わった大学の演劇部時代の友達が一列に並ばされて銃殺されるとき、女の隣に、かつてほのかな恋心を抱いていた部長が座るんだけど、こんな情けないヤサ男と恋愛ごっこしていたかっただろうなあと思った。

しかしアン・リー監督ってのは、あんな顔してすっごいロマンチストだよなあ。現代だったら、女スパイってちゃんと訓練されていて、敵と寝てもケロッとして、自分も楽しんじゃいそうなもんだけど、こんないたいけな処女が百戦錬磨の男を相手に、しかもただ絡め取られてセックス奴隷になっちゃうんじゃなくて、好きになりたくないのになってしまうという。じと~っとしているところがステキです。

key Word
映画 ラスト、コーション アン・リー トニー・レオン タン・ウェイ ワン・リーホン ジョアン・チェン チン・ガーロウ
この映画がすごい!! | コメント(5) | 【2008/07/06 20:24】
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コメント
チュチュ姫さん、コメ&TBありがとー。
三回の行為の意味、興味深く拝見しましたゾ。

チアチーは、スパイの感情とイーに惚れた心と、両方持ってたと思いますね。
物凄く引き裂かれた人だと思う。
最後の最後で「逃げて」って言うまでの、揺れまくる感情が見事でした。

http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-404.html
【2008/07/07 10:30】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集] | page top↑
さすが姫様、私なんかと違って洞察が深いですね!
指輪のくだり、私は今までぼんやりと感じてた『男の気持ち』が実体化されて目の前に現れたことで、『自分の気もち』にもやが晴れるように気づかされたのかなと。
それで「逃げて」という言葉が口から零れたのかなと思いました。

それはさておき、ホンットにボカシが多くて(画面での比率も大きいし)ちょっと苦笑しちゃいました。
大陸版はまったくSEXシーンを入れずに再編集したとか聞いたんですけど、どんな風になったのかなぁ?
【2008/07/07 18:10】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
真紅さん、まーちゃん、

コメ、サンクスです!

どーとでも取れる映画ですよね。その人の恋愛体験に応じて、何通りもの解釈ができると思います。そういう風に作ったのがすごいなと。超面白かったもん。

あ、ボカシなんですけど、何をぼかしたのか、わかりません。すごいかっこはしてたけど、ヤバイところは見えてませんでしたよ。トニー・レオンのナニがもろ見えたら私は絶対書きますし(爆)。ただ、私の観たバージョンが全部見せてるバージョンなのかもわからないけど。
【2008/07/07 21:12】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
そうなんですか。
何をぼかしたのか分からないとは……
画面の1/3くらいボカシが入ってたシーンもあった気がするんですが……
う~ん、何だったんでしょう?
最近じゃチラッと見えるくらいじゃボカシ入れないですしね。

それにしても、「景気のいいエッチが好き」って…亜細亜映画では難しいかもですね~(^_^;)
【2008/07/09 17:15】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
まーちゃん、
こんなところもアメリカ・ナイズ!ってか?
【2008/07/09 21:01】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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