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Eastern Promises
『ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス』でマジおしっこちびったので、同じクローネンバーグ/ヴィゴ・モーテンセンのコンビのこの映画、どんなヴァイオレンスが出てくるのだろうと覚悟していたのですが、意外にグロいシーンがなくて、拍子抜けしました。
刺客は不気味な三日月形のナイフで襲ってきて、刺青ビシバシのヴィゴ兄貴の身体に切りつけたりする!ああ!やめて!兄貴!と顔で手を覆うが おお!兄貴のタオルが落ちた! いや、でもきっと、上手いこと見えないように撮影してあるに違いない。まさかモロフルってこともないだろう。ああ!怖い!ナイフでぐさっと!目を覆わなきゃ、と思った瞬間、ヴィゴ兄貴のフルチン・サイドキック!!!!! 丸見えだ!! ここからは、どんなに怖くても兄貴の股間凝視。おかげでこのヴァイオレンス・シーンは堪能させていただきました。兄貴ってば、私のようなヴァイオレンス苦手な女性にこのシーンを見てもらうために身体を張ったのでしょうか?それなら大成功でしたぜ、兄貴! このヴィゴ兄貴演じるニコライは、ロンドンを席巻するロシアン・マフィアの大ボス、セミョンの息子、キリルのお守りをやらされているのですが、ロシアからの移民として生きていくのは楽ではないと、なんでもやって生き残ってきたようなタイプの男で、大分年下で知能レベルもめちゃくちゃ低そうなキリルに偉そうな態度を取られても、親分のセミョンに忠実に、しかし媚びたりせずにじっと耐え、ちょっと高倉健のような寡黙なヤクザであります。ロシア訛りのつたない英語も迫力があり、ちょっとオールバックが滑稽な感じがしましたが(顔が寸詰まりに見える)、やっぱ、兄貴は渋いです。 しかし、私がこの映画で一番おもろいキャラだなあ、と思ったのはバカ息子のキリルなんですが、このキャラのことを書くのにネタバレなしでは書けないので、以下ご注意を。 キリルは、「俺のことをアル中のホモと呼びやがった」という瑣末な理由で手を出しちゃマズイような同じマフィアの人を殺したり、売春宿でニコライにセックスを強要してそれを鑑賞したり、素行が悪くてやりたい放題で、親父が大物なために甘やかされて育ったどーしょもないバカ息子です。 しかし、ゆえにセミョンの、筋モンの人ってのは地位が上がってくると人間できてきて、素人さんには優しいし、結構穏やかないいおじさんだってのが強調されて行くわけなんですね。だから、バカ息子のキリルのことを心配する気持ちもわかる。 さらに、ロシアン・マフィアがヘロイン付けにして売春させていた14歳の処女をレイプして妊娠させたのは、バカ息子のキリルに違いない、とか思うじゃん。すると、お守りであるニコライがそれを処理するのに、事実を知った助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)を殺したりするのか、ニコライは堅気の人を殺せるくらい冷酷になるのか、というように、ストーリーのバックグラウンドってか他のキャラの印象が、キリルによってものすごい際立ってくるわけなのですよ。 (この辺から段々マジにネタバレ) ところが、事実がどんどん明らかになっていくと、今までいい親父だと思っていたセミョンがこの女の子を犯した、ということがわかってくる。しかも、そのシーンの描写というのが、キリルが女の子を殴って、レイプしようとしたが出来ず、出来ないのでイライラしてもっと殴った。そこへ親父が現れて、自分で女の子を犯し、キリルを罵倒したと。 しかしセミョンはそれを、周りの印象どおりにバカ息子がやったことにし、ニコライを使って証拠を隠滅する。この辺から、今までのストーリー展開とちょっと趣きが変わってくる。 ここまでの展開がブリリアントなのだけど、もっと上手い!と思ったのがラストに近いシーン。スコットランド・ヤードがセミョンをレイプで挙げるため、赤ちゃんとセミヨンのDNAを比較しようと、セミョンの血を採りにくる。で、これで証明されたら捕まってしまうから、キリルに赤ん坊を殺せと命令したらしく、キリルは、赤ちゃんを病院から誘拐し、いつも死体を流すテーム川のほとりに連れて行く。 が、キリルは赤ちゃんを殺せないんだよ! 「パパ、パパ、殺せないよ、まだこんな小さなバブシュカじゃないか!わーん、わーん」 と泣き出してしまう。ここで始めて、 「キリルって、本当にホモだったんだ!」 と気が付くわけなんですね。要するに、「アル中のホモ」と呼ばれただけで人殺したり、ニコライがセックスしているところをじーっと見たり、女の子をレイプできなくて殴ったりしていたのは、コイツが残虐だからじゃなくて、逆に繊細で、また自分が同性愛者であることを恥じていたために出た行動なのよ。 考えてみれば、床屋の殺人も人を雇っているし、死体の処理をしたのはニコライで、自分では出来ないのだろうな。しかも、父親のセミョンはそんな繊細な息子を恥じていて、それを知っているがためにキリルは尊大な態度を取っていたのだな、とか思うと、いままでの印象がガラッと変わって、セミョンはいい親父どころかかなり男根主義の、やっぱりマフィアの大ボスなんだ!とひしひしと感じてくるわけです。 それに、キリルはニコライが高倉健のような「男の中の男」なのが羨ましかったんだろうなあと思われる。しかも、キリルはもしかしたらニコライに恋していたのかもしれないんだよね。ニコライが昇進することになったと告げたときのキリルの態度が変で、最初は、嫉みなのかなと思ったけど、ネタが割れてから考えてみると、ああ、ニコライに惚れていたのか、と思う。 とにかく、キリルって、ヤクザの親分の甘やかされた息子、という結構月並みなキャラであるにも関わらず、すごく複雑なキャラに仕上げているし、またそれがあるからこのストーリーが面白いという、映画的に素晴らしいキャラだと思いましたね。 まだ最後の大オチはネタバレしていないのですが、それは映画を観てください。 key Word 映画 イースタン・プロミス デヴィッド・クローネンバーグ ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル アーミン・ミューラー=スタール 気になる映画
| トラックバック(0) | コメント(17) | ブログ・レポ | 【2008/06/14 22:53】
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はい! あの全裸シーン釘付けだった一人です!(笑)
しかも映画館だったので もう…。 映画自体は結構評価が割れているようですが ラストもしみじみしてたし 登場人物もチュチュさんの書いてるように一面的じゃないし やっぱりクローネンバーグって文学の人なんでしょうね…。 プリシラさん、
うわー、映画館ですか。それもすごいなあ。 クローネンバーグはどんな人かわからないけど、ヴィゴ兄貴はあんな顔でいつも哲学的なことばっかりしゃべってる人だと聞きました。 自分も観ました。
ほんと、すぐネタバレになりそうで、紹介難しいですね。 しかっし、この映画、日本に情報がほとんど入ってこなかったです。 上映館もアレだし。 ヴィゴはとてもすぐに50歳とは思えない感じでしたね。 クマノスさん、
ヴィゴの年齢・・・・・ 映画には特に影響なかったので言及しませんでしたが、感じましたよ〜。いい身体してんのに腰の周りに肉ついてんなーとか。でもあんな人なので、トシを取ってもかっちょいいですが。 こちらでははじめましてです…
これ、観にいこうかと考えてる最中です。R-18指定って言うのがその1;でも『ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス』が面白かったし…感想読んでたら観にいこうか行くまいか悶々と悩んでしまいました。 スコットさん、
面白い映画だと思いますので、是非チェック!と思うんですけど、私が高い金出してわざわざ映画館に行くのは、 1)大画面で観たい 2)早く観たい という時だけなので、もし待てるのであれば、別に大画面でなくてもいい映画だとは思います。 あ!でもヴィゴ兄貴のイチモツを大画面で・・・・いやいやいや。 ヴィゴさまはお友達が大ファンなので そこから聞いた情報では 基本詩人だとか…汗
詩人なのに全裸いいのか! いや芸術家だから全裸もありなのか!とか 複雑な気持ちになりました。 年なのにあれならもう十分すぎるほどですよ!おつりが来ます(特に全裸←ウルサイって)。 こんばんわ。
『カリスマ映画論』の睦月と申します。 TB&コメありがとうございました♪ 私、ヴィゴのチン、ガンミでしたよ。 大きさは!?色は!?毛は!? などと・・・猥褻なことばかり考えて おりました(恥)。 ヴィゴ兄貴のカッコよさに匹敵する・・・チン でございましたです。 いきなりエロくてすみません。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 chuchuさん、
そうそう、キリルのニコライ・ラブ目線は凄かった! どう見てもあれは惚れてますよ! この映画、ヴィゴ以外もみんなよかったですね。 (記事にはヴィゴのことしか書いてないけど、笑) http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-484.html 睦月さん、
あなた、私よりスケベですね。 私は口は達者だけど、ヴィゴ兄貴のイチモツを凝視しつつも熱いものがこみ上げてきてしまいましたよ。 真紅さん、
やっぱ、そうだよね?! 観て来ました〜!
噂の格闘シーンでは、あんまりハッキリ見えなかったんですけど…… おかしいなぁ、一番前だったのに。(小さなスクリーンの上に奥まっているので、常連は前に座る人多し。) メガネかけとけばよかったかな〜? キリルは、結構最初の方から怪しいなぁ…と思ってて、「ホモじゃないか証明しろ!」とニコライに詰め寄り、挙句の果ては、それをジーっと見てるというシーンで確信しましたね。 「お前がホモやろ!!」と心の中で思わずつっこみました。 人間、図星を指されると腹が立つものです。 そんことこ解ってなかったのだな、いとこよ。なんまんだぶ。 (一応書きましたので…若干、ヴァンサンLOVEな感じですが;;) http://anythinggoes.blog.shinobi.jp/Entry/318/ まーちゃん、
あのイチモツが見えないとは、眼鏡が必要です。 ドバっと見えるよ、ドバっと! みんなキリルが同性愛ってすぐわかったのか。私はわかんなかったよ。全くそんなこと考えずに最後まで引っ張ってしまったので、偉く感動してしまった。バカですねぇ〜 いえ、それなりには見えましたけど、そんなめちゃくちゃハッキリは見えなかったような……
チュチュ姫さんがキリルがホモセクシュアルだと気づいたところが、私には冷酷になりきれない子どものままの中身が覗いたように思えたのですが。 そうか、あぁいう言動ってホモっぽいのか〜 何にしてもヴァンサン・カッセルを見直した1本でありました(^^)v まーちゃん、
そうですか?私はキックの瞬間、背筋が伸びたくらいはっきり見えました。「うおお!」とか叫んでたかもしれない・・・ いやね、「ホモっぽい」うんぬんに関しては、多分、本当の同性愛の人が聞いたら「全然違うよ!」って言うかもな、と思って書いてたんですけど、だから、映画も「随分ステレオタイプ的なホモ描写をするなあ」とか思ったの。要するに同性愛と女性性、繊細さ、甘えん坊な性格、ってのは、厳密にはなんの関連もないわけじゃない、キリルがたまたまそうであっただけで。 それなのに偉い説得力あったんで、私の同性愛者に対する目線って、かなりステレオタイプだな、と自分で気づいたり、とか。 でもま、ヴァンサン・カッセル、名演技であったことは賛成です! 『見える』のレベルが普通の人と違ってしまったのかなぁ……
まぁ、いいや。(←いいのか;;) 確かに女性性、繊細さ、甘えん坊な性格、ってのは個人の資質であって、同性愛者であるかどうかとかは(これも個人の資質といえばそうだと思うのですが)無関係のことですもんね。 私は、どういう風に見てんのかなぁ…… 日本じゃ今おネェ系とかって、まさに女性性を前に出した男(ゲイ)ばっかりが目に付くからなぁ。 まーちゃん、
でも、映画館で観たんでしょ?DVDなら、巻き戻し、ストップモーション、一時停止など、技を駆使して細部にわたって見れます。 とか言いながら自分もそこまではしなかったけど。 一般にゲイとかホモとか同性愛、というと女性っぽい、という風に描かれるんですけど、これってほとんど大多数の人が「ステレオタイプ」ってわかっているけど、一番わかりやすいのでそうしてる、って感じするんですよね。日本人がメガネにカメラ、ってのはもう古いんだけど、かといってブラピみたいに描かれることもないというのとおんなじつか(全然違うか) |
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