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I'm Not There
6人の役者が一人のミュージシャンを演じるってのはどんなもんなのかと思ったけど、とってもブリリアントなアイデアでしたね。確かにミュージシャンってのは、アルバムごとに違う顔があったり、時代時代でスタイルが変わっていったりするので、今までのミュージシャン伝記物、例えば『ドアーズ』とかだと、一人の役者さんが若い時から40代くらいまで演じちゃうわけなんですが、それを違う役者に演らせた、というのはブリリアントなアイデアでした。
このトッド・へインズって人は相当ディラン・ヲタだったんだろうなあ、こういう映画が撮れちゃうってのは。コメンタリーによれば、ベン・ウィショー演じるアーサーは19歳から21歳くらいのボブ・ディランをモデルにしてあり、どっかで見たディランのインタヴューの模様をベースにセリフ等をつくったらしい。ケイト・ブランシェットの演じたジュード・クィンは、25歳くらいのディランがモデルで、その頃すっごい痩せて華奢だっったディランを、絶対女に演じさせようと思ってたんだって。ヒース・レッジャーのロビー・クラークは、ディランが書いたラブ・ソングを基にお話を作って、ディランのプライベート・ライフを描いたものらしい。クリスチャン・ベイルのジャック・ロリンズは、プロテスト・ソングばっかり書いてた頃のディランがモデルで、後にクリスチャンに改宗したあとの姿にはちょっと笑ってしまいました。 で、リチャード・ギアとマーカス・カール・フランクリンが演じるディランは、ディランの空想の中のディラン、っていうのがまた、クリエイティブでもあり、「ファンだな〜」と関心させられますね。ギア演じるビリー・ザ・キッドは、ディランが憧れてたキャラで、マーカスのウディは、ディランがニューヨークに出てきたばかりの時、自分は孤児で、旅をしながら音楽を演奏してきたんだ、と嘘ついてた話を基に作ったキャラらしい。いいな〜、自分の好きなアーティストの歌を聴いたりインタヴューを読んだりして、どんどん想像を膨らまして、こんな風に映画にできちゃうなんて。 6人の役者が演じている、というのは、製作者自身が6つの違う人格をディランの中に見ていたということでしょうが、一般のファンでも、ハード・コアな追従者でも、大概アーティストというものに自分の共感できるところを見出して好きになり、それが変化していくのを好まないよね。私も、『Dr.フィール・グッド』までのモトリーは好きだけど、その後は嫌い、とか。 『アイム・ノット・ゼア』の中でも、フォークからロックに変わったときにファンが離れて行ったりとか、身近な人が「お前、変わったな」というシーンが印象的なのですが、本当のアーティストというものは常に変化して行くものなのだな、と思った。一個のスタイルを貫くとか、「これしかできませんから」系のアーティストも、それはそれで尊敬できるものですが、売れたからその路線で行くとか、いくつになっても同じことしかできないとかじゃなくて、他人に受けるとか受けないとか、批判されるとかバカにされるとか、そういう怖さを超越しちゃってる人、その時、その瞬間の自分を正直に、赤裸々にぶつけられるアーティストというのはすげえな、と思うし、製作者のトッド・へインズにとっては、ディランはまさにそういうアーティストだったんだと思う。 key Word 映画 アイム・ノット・ゼア トッド・へインズ クリスチャン・ベイル ケイト・ブランシェット マーカス・カール・フランクリン リチャード・ギア ヒース・レジャー ベン・ウィショー ジュリアン・ムーア 洋画
| トラックバック(0) | コメント(3) | ブログ・レポ | 【2008/05/23 23:41】
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chuchuさん、こんにちは。コメ&TBありがとうございました。
DVDで観ると、コメンタリや特典映像がお得ですよね〜。 日本版にもコメンタリ、付けて欲しいな〜。 なかなかユニークな映画でしたね! http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-460.html chuchuさん
この映画、わたくしの如きディランファンには、きっと大納得できる出来栄えではないか、と。ディランの人となりを良く捉えているな、と思いましたよ。選曲もエクセレント。 つーか、この監督、相当ディラン・ヲタですな、やっぱり(笑)。 ミュージシャンの伝記映画って、過剰に美しかったり、逆に余りに裏ネタ満載でドン引きさせられるものが多いのですが、『アイム・ノット・ゼア』はそのバランスがとても良い上、一寸アートな雰囲気も漂ったりしており、正直「やられた!」って感じです。 殊に、20代前半のディランをケイト・ブランシェットに演じさせたのは、まったく慧眼だな、と。六人の中で、彼女のディランが、ルックス的にも内面的にも、一番本物に近いな、と思いました。 http://abominable-showman.mo-blog.jp/folder/2008/05/post_4906.html LAFSさん、
確かに、ケイト・ブランシェットが一番ルックスに気を遣ってましたよね。私にとってディランは「プロテスト・ソング歌ってる哲学的なおっさん」ってイメージだったのですが、おっさんじゃなかったのね!ケイトの演じるディランを見ると、普通のぶっとんだ若者!という感じがします。 |
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