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『松田聖子論』-聖子ちゃんって、ぶっ飛びー!だったのね
Was she my role model? No fuckin way!!

このは、松田聖子というアイドルがどうして80年代に出現し、そしてその存在が女性の生き方にどういう影響を与えたかを、聖子とは対照的な70年代のアイドル、山口百恵との比較により、フェミニズムの観点から斬っています。

20070906095311.jpg
book on amazon.com

の写真も、著者の写真もみつからないので、聖子ちゃんの写真を持ってきました
Issued: 1989
Written by: Chikako Ogura
一番の見どころ(読みどころ?)はやっぱし、小倉先生の職である、心理学を使って分析された聖子と百恵の歌詞でしょう。特に百恵の方は、「私小説の手法にのっとった"青い性"路線」で売り出されたために、シングル1曲1曲が、百恵の成長を映すかのように変化して行く様がありありと伝えられている。

例えば『プレイバックPartII』は、当時「新しい女」の歌であり、「新しい女」の心理学的キーワードは、「真っ赤なポルシェ」「ひとり旅」「馬鹿にしないでよ」「坊や」である。この歌は大げさでもなんでもなく"歌謡曲至上初めて<運転する女>を歌っている曲"であり、それによって<男の車の助手席に座る女>というイメージを払拭したと。

阿木耀子が作詞したこういう「新しい女」を歌った百恵はしかし、<大人の女>に憧れる一方で<自立した女>になることはイヤで、さだまさしの『秋桜』を歌うことにより、<日の娘>に回帰していくのである!

対して聖子は、「スカートをはいた少年」であり、日的制度に回帰する女であった百恵とは逆に、"日の女にならない女-ナショナリズムを超えていく女"である。

その聖子ワールドを作り出した作詞家の松本隆の経歴を追いながら、日本語のロック、フォーク、ロックンロールの歴史にものすごく詳しいのがまた脱帽。勉強家のようだからすごいリサーチしたのだろうけど、時代的にもかなりファンだったのでは、という感じ。それだけでなく、百恵の世界を作り出した谷村新司や宇崎竜童は和音構成が単純で日本の大衆好みの泣きが入っているが、聖子ワールドを作り出した

"・・・細野晴臣や松任谷由美の曲には、ギターの初心者にはなかなか演奏できそうにないメジャーセブンスだのディミニッシュといったコードが頻繁に登場します。これは一言で言えば、ジャズ調のコードです"

などと、音楽そのものにも知識があるらしく、すげー人だなと思う。

また、松田聖子が出てきた背景には、70年初頭の少女マンガ御三家(萩尾望都、大島弓子、山岸涼子)が"少年愛の世界"を描くことにより、読者である少女たちが、「男が快楽の客体になるのを視る」ことによって、女の主体としての自由を認知したこともあげているのですが、このマンガ論も、ただリサーチで読んだだけではない、多分、本人もずっぷりハマッたのではないかと思われる。

小倉先生の面白さって言うのはこの大衆性で、すごい学術的なことを言っているにもかかわらず、がんがん読めてしまうのは、大衆が下世話に興味を持つものに、小倉先生も興味があるからなんだよね。

女性論の観点から感じたのは、百恵ちゃんのところでさんざん書かれていた<日本の娘>への回帰って言うのがよーするに、日本で<大人の女>になるっていうことは<日本の女>に帰ること、日本の制度の中に帰ること、すなわち結婚して男に奉仕することを受け入れられる女になることであって、けして<自立した女>、つまり「一人で生きられる女」になることではないのだなーと思った。<自立した女>というのは、どちらかと言うと聖子ちゃんの記号で、「傲岸不遜」「わがまま」「社会的意識の欠如」というようなレッテルが貼られているように思った。

小倉先生が「日本の女」という表現を良く使うのと、松田聖子をして「ナショナリティを超えていく女」と言ったところを読んで、私のアメリカや白人に対する憧れ、そして実際に日本を脱出したのは、まさにこの時代の影響をモロかぶったのかしら!と思った。今考えて見れば、アメリカの方がいい国であるわけでも、より優れた文化があるわけでもない。ただ、「自由」を体現していたのはやっぱりアメリカだったと思う。ヨーロッパの情緒でもない、ただひたすらおっぴろげーなアメリカという国。

それから、「スカートをはいた少年」という』表現。私は男の子にも憧れていた。男になりたかったなあ。それも、男の方が女より優れているからとかじゃない、ただ男の方が「自由」に見えたから。野球もスポーツカーもヘビメタも、ホントは好きじゃなかったのかも。ただ「男の子がすること」はみんな楽しそうに見えただけかも。「ブリッ子」とか言ってさんざん馬鹿にしていた松田聖子に実は意識下では影響を受けていたのかなーと思うとなんだか面白い。

でも私の「女性」という意識にものすごいインパクトあったのはやっぱマドンナだと思うね。あの人はどうしても無視できなかったな。セクシャリティを武器にすることは「やっぱり女だからなあ~」とシリアスに扱ってもらえないような時代だったのに、男が下半身でモノを考えるのは私のせいではないっ!と、何事に関しても絶対に「私が悪いの」と言わない女。あれこそ<自立した女>だよ。そしてアメリカは、ああいう女でも単なる「怖い女」で終わらない国だったんだものなあ。まあ、私が憧れちゃって当然だったわけだ。しかし私は「怖い女」というより「オモロイ女」なので、アメリカでも難儀していますが。

しかしさあ、山口百恵って21歳で引退して結婚したんだね。そんな若かったんだ!当時はすっごいおねえさんみたいに思っていたのに!

小倉先生のほかの本
■赤毛のアンの秘密
■結婚の条件
■セックス神話解体新書

Key Words 本 松田聖子論 小倉千加子
読書ノウト | コメント(3) | 【2007/09/06 10:05】
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コメント
「聖子ちゃん」というとぶりっ子の代表みたいなイメージですが
デビュー前のボイス・トレーニングで先生が
「ちょっと舌ったらずな感じだね。」と言ったら
「わかりました、ありがとうございます。」と言い残して
それっきり来なくなってしまい、先生も
「あぁ、傷つけちゃったかな?
 コレでもう来ないだろうな…」と思ってたら
約一週間後に「手術で切開してきました。
よろしくお願いします。」と戻ってきたので
「この娘は違うな…。」と考え直した
という凄いエピソードがあるそうです。

また、アイドル時代から歌唱力が高かった聖子ちゃんは
「これからは身近な女の子が求められる時代」と
レコーディングでもNGテイクを敢えてリリースしていたそうです

すげぇな(´Д`;)聖子ちゃん
【2007/09/09 23:32】 URL | かるまじろ #Bsu68Wb.[ 編集] | page top↑
記事を興味深く拝見しましたです。
なるほど~松田聖子ってそうなのかぁ……
確かに、男の子の方がいいなぁというのは子どもの頃からありましたね。
歌舞伎役者にどうやってもなれないっていうことは差し置いても。
でも、まぁ今まで生きてて多分女の方が得なんだろうなぁというのも、感じてるんですけどね……
【2007/09/10 17:22】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
まーちゃん、
男であっても女であってもいいとこも悪いとこもあると思います。ただ、規制の観念に囚われ過ぎて、自分のしたいことを我慢する必要はないんだなあと、小倉先生の本を読むと思います。

かるまじろさん、
聖子ちゃんは、あなどれません!
【2007/09/10 21:04】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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