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『ブラック・スネーク・モーン』-ブルースとサム・ジャクソンが好きな人は是非
Black Snake Moan

いやー、変な映画だ!これ、嫌いな人は大嫌い、理解できない人には全く理解できないと思う。なんつったって主演があの『スネーク・フライト』のサミュエル・L・ジャクソンだもの。この人って、良きにつけ悪しきにつけ、「フツーの映画には出ない!」って決めたんじゃないかと思うよ。

20070812013153.jpg
Produced: 2006
Directed by: Craig Brewer
Writing Credits: Craig Brewer
Cast:
Lazarus: Samuel L. Jackson
Rae: Christina Ricci
Ronnie: Justin Timberlake
Angela: S. Epatha Merkerson
Reverend R. L.: John Cothran Jr.
冒頭、とあるブラック・ミュージシャンがブルースと恋愛の相互関係について熱く語っている白黒の映像に続いて、レイ(クリスチーナ・リッチ)とロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)の濃い~エッチシーンで始まり、そこから30分くらい、ほとんど裸同然のクリスチーナ・リッチがファックしまくりの映像が続く。ラザレス(サム・ジャクソン)は女房に別れ話を持ち出され、かなり往生際悪く、アブナイ男になって行く。

小さいときに性的虐待を受けたためにやりマンになってしまったレイを鎖につないで更正させようというプロットがかなり奇異なのだが、考えてみればこれは悪魔祓い=エクソシズムなのだよな。と思ったのは、レイが高熱にうなされて、ラザレスの名前を呪文のように「ラザレ~~~ス」と呼びながら、ラザレスの奥さんが言ったのと全く同じ言葉「I don't give shit about you people!」を呪いのようにと叫んだとき、ラザレスは聖書を引っつかんで表に逃げて行く。ここは結構笑うのだが、ラザレスにとっては、マジでレイは邪悪なものの具現化なのだ。

だから、ラザレスが意を決してバスタブに氷をざばざば入れ出したとき「悪魔祓いするのかよ~~~~!!!」と思っってしまったのだが、実はこの行為は、ラザレスが見えないものへの恐怖を乗り越え、物事の本質を見極め(レイは悪魔憑きではなくて高熱にうなされている)、そしてそれに冷静に対処しよう(熱を下げるために氷水に浸ける)という姿勢なわけなのだな。

そして、レイの憑物を落とすことが自分の中の邪悪なものを追い払うことになると思ったラザレスは、40LBの鎖を物置に取に行くのだっ!

と、わかったようなわからないような解説してるけど、かなり支離滅裂よ、この映画。でもそういう荒削りなところが魅力なのかもしんない。それにクリスチーナ・リッチとサム・ジャクソンが、プロットのはちゃめちゃさを補って余りある演技をしている(ジャスティン・ティンバーレイクを褒めている人もたくさんいたけど、私はそれほど感動しなかった)。

クリスチーナは、完全に「南部の、生活水準の低い、性的虐待された、スレた、やりマン女」になりきっててすごかった。デカ目・ブタ鼻の個性的な顔つき、冷蔵庫より背が低い小さい身体、子供っぽい声、全てがこの役にばっちりハマっていた。あの声に南部訛りってすごいハマる。

サム・ジャクソンはこういう信心深い狂気の男やらせるとすごい。『パルプ・フィクション』で、大学生のドラッグ・ディラーを処刑するときに仰々しい演説をしてから撃つシーンがあるじゃん?あれのサム・ジャクソンを思い出したよ。しかも、ラザレスは昔ブイブイ言わせていたブルース・ギタリスト、という設定なので、ギターを弾きながら歌うシーンがいくつかあるんだけど、これがこの映画の最大の見所、といっていいと思う。歌もギターも曲も、別にすっごいいいというわけではないのだが、演奏のシーンになると目が離せないというか、なんだか惹き込まれる!

それと、彼の歌に心の平安を見出したレイが、自分もギターを弾いて歌おうとするのだけど、その歌が非常に素朴で素人臭く、でもだからこそ純粋に心の中から出てきた歌、って感じがして良かった。ブルースとかをフィーチャーしているからって、レイみたいな子にいきなり魂の叫びのようなすごい歌を歌わせたりしないところが、これはかなり音楽知っている人が作っているのだな、という印象を受けた。

あと、脇役の神父さん(ジョン・コスランJr.)とか、薬局のおばさん(S・エパサ・マーカーソン)とかが、信心深い良き南部の黒人を好演してまたいい味出してる。薬局のおばさんは、確かに年で太ってもいるのだけどとても魅力的な女の人で、この人とラザレスが恋していることの方が、若いレイとロニーよりよっぽど微笑ましい。それから神父さんの方はちょっと捻りのあるキャラで面白い。彼はレイに「悪いことをした人が神様に許されて天国に行けるってのはおかしい」と言われて、次のセリフを言う。

Ima tell you something and it's just gonna be between you and me. I think folks carry on about heaven too much, like it's some kind of all you can eat buffet up in the clouds and folks just do as they told so they can eat what they want behind some pearly gates. There's sinning in my heart, there's evil in the world but when I got no one, I talk to God. I ask for strength, I ask for forgiveness, not peace at the end of my days when I got no more life to live or no more good to do but today, right now... What's your heaven?

「ここだけの話だから内緒にしといて欲しいんだけど、私はみんな天国ってことにこだわり過ぎると思うんだ。まるで雲の上にある食べ放題のレストランみたいに、神のおっしゃることを実践すれば、天国の門をくぐった後何でも食べていい、みたいな。・・・私は罪深い心を持っているし、世の中には邪悪なものがある。でも、誰も話し相手がいないときには、私は神と対話するのだよ。もちろん力をくださいとか、私の罪を許したまえとかお願い事もするよ。でもそれは、もう命が尽きて、これ以上いいことも出来ないという、自分の人生の終わりに心の平安を与えて欲しいんじゃなくて、今、この日を生きるために必要なのだよ・・・・君にとって天国とはなんだ?」

この「All you can eat(食べ放題)」という面白い比喩(黒人の人って食べ放題とか好きというステレオ・タイプがある:南部の田舎に行くとそういうレストラン多いし)を出しといて、その後ぐっと感動的なことを言うところがいい!

プレヴューやポスターを見ると、なんだか今流行のセックスとヴァイオレンスをいたずらにフィーチャーした余り内容のないB級映画って感じするけど、意外に深いよ、これは。サム・ジャクソンはこれを自分の生涯でのベスト・パフォーマンスと言っているらしいし、サムとブルースが好きな人は是非チェック、チェック!

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■サミュエル・L.・ジャクソン出演作品一覧

Key Words
映画 ブラック・スネーク・モーン クレイグ・ブリュワー クリスティナ・リッチ ジャスティン・ティンバーレイク S・エパサ・マーカーソン
映画レビュー | コメント(2) | 【2007/08/12 04:32】
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コメント
前からこっそり楽しく読んでます!

これ、宣伝とは裏腹にとてもいい映画でしたよね。
The Caveman's Valentineていうサミュエル主演の
映画はご覧になられたことありますか?

元天才ピアニストで、現在は落ちぶれてホームレス。
しかし危機を予知する能力があるという滅茶苦茶な
設定でした。

そういう役をリアルに演じるのが上手ですよね、サムさん。

長々と失礼しました。

【2007/10/12 12:56】 URL | 褐色 #amXlFcx2[ 編集] | page top↑
褐色さん、
こっそり読んでくださってありがとうございます!

サム・ジャクソンは、もしかして、採算度外視で面白そうな映画に出ているのかもしれませんね。大作に出てたくさんお金を稼いでいるのに、お金にならない映画はやらないような人も多いのに、見上げたものです。
【2007/10/12 21:07】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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