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『父親たちの星条旗』-映画は日本の勝ちですか
Flags of Our Fathers

硫黄島からの手紙』とバック・トゥ・バックで観てしまったが、『硫黄島・・・』が、期待以上に素晴らしかったのに対して、こちら『父親たちの星条旗』は、結構平均的なアメリカの戦争映画といった印象。『硫黄島・・・』のインパクトが強過ぎたからとか、私が日本人だからというのもあるかもしれないけど、なんか気合の入り方が全然違う気がするのだけど。

父親たちの星条旗 (特別版)
dvd on amazon.com
Produced: 2006
Directed by: Clint Eastwood
Writing Credits: William Broyles Jr., Paul Haggis
Cast:
John "Doc" Bradley: Ryan Phillippe
Rene Gagnon: Jesse Bradford
Ira Hayes: Adam Beach
Mike Strank: Barry Pepper
日本人の役者さんたちが「ハリウッド~!」「クリント・イーストウッド~!」って感じで普通より気合が入るのか、言葉の壁を越えての撮影など、チャレンジングな要素がたくさんあったために却って日米双方気合が入ったのかわからないけど、『硫黄島・・・』の方が全然密度が高い。

特に役者さんの演技が段違いだと思う。『硫黄島・・・』で謙さんが、セリフとセリフの間の「言葉で言わない」ところで最大限に栗林の人となりや感情を表現していたのと比べると、『・・・星条旗』のドク役のライアン・フィリップとか、いい人なのはわかるんだけど、ほとんど何考えてんのかわかんない。あと軍部の金集めに奔走する人たちとか、どういう心持ちでこの件に関わっているのか、どんなジレンマを持っているのか、また持っていないのか、というのが良くわからない。

一番印象的だったのは、ヒーローの一人、アイラだね。この人はとっても繊細な人で、たくさんの友人が戦場で死んだのに、何もしていない自分がヒーローと言われることに罪の意識を感じている。・・・これってさ、実話なんだよね?この人がネイティヴ・アメリカンだったというのは。実話なのにウソ臭い。だって、ネイティヴ・アメリカンってスピリチュアルというイメージがあるから、レネーが打算でヒーロー演っちゃうのに対して、アイラが深く罪の意識を感じているというのが出来過ぎ。

罪の意識からアル中になって、軍の資金を集めるためのキャンペーン中に酔っ払っては暴れたり泣いたりするこのアイラを演じたアダム・ビーチは、他の役者さんに比べるととても印象深い演技をしていたのだが、最後の方だんだんイライラしてきた。「めそめそすんじゃねえ!」みたいな。

でもこれは、私が平和な世の中で戦争を体験したことないから言えることで、本人の辛さは計り知れないとは思うが。だいたいさ、実際に戦場で怖い思いをしてきているのに、擬似戦場を作って、花火が爆弾のように炸裂している中を星条旗揚げて来いっていうんだからヒドイよ。ヒーローだなんて祭り上げているけど、兵隊さんたちは銃の弾丸と変わらないくらいの扱いしかされていない。道具なのだよ。アイラが精神的に参っちゃって、結局戦場に送り返されちゃうのだけど、母親にひと目会わせてくれるか?と聞いたら、ダメだって。

実話としてこの話を取り上げたことは、戦争の空虚さや汚さを伝えるという意義はあるが、映画的にはエピソードが多過ぎて散漫だと思う。硫黄島での戦闘のシーン、ヒーローに祭り上げられた兵士たちの感情、戦場で死んだ兵士たちとその母親たち、軍部のえらいさんやプレジデントの思惑、マスコミにコロっと騙されて狂気する一般の民衆、兵士たちのその後、・・・ああ、あと、ヒーローの彼女ででしゃばりの女の子とか・・・。

それから、ちょっとうんざりしたのは、硫黄島での戦闘のシーンがモロ『プライベート・ライアン』してたこと。いままで普通にしゃべってた人がいきなり撃たれて死んだりとか、戦闘シーンのリアルな死に方、惨状を表現する手法としてはあれを超えるものはないと思うのだけど、「お約束」になっちゃうとちょっとな。逆に『硫黄島・・・』では余り生々しいのが出て来なくて、それが却って新鮮に感じられた。日本兵が自爆するところもモロ見せなかったのに、『・・・星条旗』では、事後の死体をありありと見せていたりして、これはアメリカ人向け「サービス」なのかと思ったくらい。

一つ面白いなと思ったのは日米の軍隊の違い。『硫黄島・・・』で日本人が「なんちゃらであります!」なんて上官に口利いているのに対し、アメリカ兵のカジュアルなこと!立場が上の人ともトランプしたり、キャンプで髪切ったり(日本兵は丸刈りだもんね)、ギター弾いたりさ!なんたる違い。人間関係のカジュアルさもそうだけど、戦争行って死ぬかもしれないのに、あんなリラックスしていられるつーのが驚く。

まあ、『硫黄島・・・』はかなりシンプルに戦場と兵士の物語だけど、『・・・星条旗』は戦争そのものよりも、あの星条旗を揚げた写真にまつわる国の陰謀と、それに翻弄される兵士たちの心理を描かなきゃならなかったから、難しかったんだろう。どちらもクリント・イーストウッドスティーヴン・スピルバーグがCo-Produceっていう形になっているけど、『・・・星条旗』はヒューマニティ重視のスピルバーグ色が強くて、『硫黄島・・・』はクリント・イーストウッドの乾いた美学かなあ、という気がした。

Key Words
映画 父親たちの星条旗 クリント・イーストウッド スティーヴン・スピルバーグ ポール・ハギス ライアン・フィリップ ジェシー・ブラッドフォード アダム・ビーチ
映画レビュー | コメント(1) | 【2007/08/11 07:58】
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コメント
chuchuさん、
この2部作の姫の感想、物凄く冴えてますね~。
ライアン・フィリップが「何考えてるのかわからない」ってのには笑いました、アハハ。
私は「頑張ってるな~」と思ったけど、『クラッシュ』と演技が同じだったかも、確かに。
でも『クラッシュ』も「ライアン頑張ってるな~」と思ったんだよね、甘いね私(笑)

http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-133.html
【2007/08/11 17:21】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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