スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| 【--/--/-- --:--】
本袋 | 映画袋 | 音楽袋 | 記事袋
『硫黄島からの手紙』-戦争が教えてくれることもある
The Letters from Iwo Jima

戦争映画を観るのは覚悟がいる。どんなに出来が良くても、というか出来が良ければ良いだけ、感情的に揺さぶられてしまうのだ。愛する者を失う悲しみ、死の恐怖、人間の残虐性、または残虐にならざるを得ない状況に置かれてしまうジレンマ・・・・。

硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版)
dvd on amazon.com
Produced: 2006
Directed by: Clint Eastwood
Writing Credits: Iris Yamashita
Cast:
Kuribayashi: Ken Watanabe
Saigo: Kazunari Ninomiya
Baron Nishi: Tsuyoshi Ihara
Shimizu: Ryo Kase
Ito: Shido Nakamura
Fujita: Hiroshi Watanabe
Tanida: Takumi Bando
Nozaki: Yuki Matsuzaki
Hanako: Nae
Sam: Luke Eberl
『硫黄島からの手紙』も、そういう理由でずーっと観れないままでいたのだが、プレヴューで栗林中将を演じる渡辺謙が、「私たちがこの島を守る一日は、意味があるのですっ!」って言うところを観た時、「ああ、こんな風に尊厳を持って生きた人たちの映画を観てみたい」と痛切に思って、すぐに借りてきた。

あの1シーンだけで私を感動させた渡辺謙も凄いけど、他の役者もみんな良かった。『SAYURI』のとき言及したけど、こういう映画を撮るときにこそ無名でも日本人のいい役者を見つけてくるのがキャスティングと言うものであって、安易にアメリカで名前が売れている中国人の役者を使ったりしてはいけないのだ。映画中のクレジットには、スティーブン・スピルバーグがクリント・イーストウッドと並んで共同監督みたいに名前が連ねてあったけど、スピルバーグも『Sayuri』は失敗したと思ったのかな。それともクリント・イーストウッドが賢かったのであろうか。

西郷を演じた二宮和也なんてすごく良かったもんね。この人にはとても共感した。戦争って残虐だし、辛いし怖いし、絶対にあんな戦いに行きたいとは思わないけど、この西郷っていう人が段々と自分の命というか、自分が戦うってことがどれだけ重要か、ということに気がついて行く様子を観ていると、戦争というものも、単純に「悪」とは言えないな、と思ったよ。

この人は平和にパン屋やってたら、気のいい面白いにーちゃんだったかもしれないけど、ああいう辛い状況に置かれたからこそ、ああいう心境になれたんだもんね。このまま死ぬのと、戦い続けるのと、どっちが自分たちの本当にやらなきゃいけないことか、考えてみろというようなことを言えるようになっちゃったっていうのは、戦争を体験したからなんじゃないかな。

実は私は会社というか組織というものに幻滅してしまって、というのは、上司が嫌いとかみんな働かないとかそういうことではなく、この人たちは本当に会社の存続させていこうという意思があるのか、自分の主義主張、もしくは利益しか考えていないのではないか、日本の本社も、実はアメリカの支社なんかどうなってもいいのではないか、とか・・・。

硫黄島でも、新しく来た栗林中将と、昔からいる上官たちが一丸とならないで、お互い中傷し合ったり、栗林の命令に背いたりしていた。兵隊さんたちは、自分らの命がかかっているのに、上官たちの思惑がバラバラで、しかも頼みの綱の本土が全くバックアップしてくれないなんて、まさに今の私の気持ちと同じなのだろうけど、命がかかっている分、その不安さ加減は私の比じゃないだろう。

私たちは会社で嫌な事があったら、ぶっちゃけ転職することも可能だけど、兵隊さんたちは他にどうしようもないんだもの。そういう逃げられない状況、選択の余地がないところが、自由な環境に生きている私にはものすごいストレスに感じられるんだけど、でも実際、平和に暮らしていてもそういう立場に置かれてしまうことってあるんだよね。

戦争映画って、そういう時にはものすごい勇気を与えてくれる。困難な状況で、自分のするべきことをきっちりと見極めて、命を懸けてもそれを遂行する。そういう人たちが特別勇気があったわけでもない、みんな私と同じように脅えて、怖がって、痛がっている人たちなのだ。勝ち目がない、生きて本土には帰れないとわかっていても、これが自分のしなきゃいけないことなんだ、とはっきりわかっているときは、できるものなんだなと。

上司たちが中途半端でも、組織がいいかげんでも、私には私の職業倫理というものがあり、それはどんなに周りが非協力的でも曲げてはいけないものなのだ。例えそれが西郷や私のような一兵卒でも。なんかすごくいいタイミングでこの映画を観た。やっぱり観る気にならないときに無理して観るもんじゃないね。正しい心構えで観なくちゃいけない映画もある。

Key Words
映画 硫黄島からの手紙 クリント・イーストウッド スティーヴン・スピルバーグ ポール・ハギス 渡辺謙 二宮和也 伊原剛志 加瀬亮 松崎悠希 中村獅童 裕木奈江
| コメント(4) | 【2007/08/07 21:23】
本袋 | 映画袋 | 音楽袋 | 記事袋

PREV: 『父親たちの星条旗』-映画は日本の勝ちですか
NEXT: 夏の野外コンサート:ヴィンス・二ール、クワイエット・ライオット、スローター

BOOKSMOVIESMUSIC ALL ARTICLES

It's stupid to say "don't watch it, if you don't like it"!! Click here to return Home!!
コメント
戦争映画って 見てると 自分自身が奇妙なものに思えてきません?こんなとこで平和にのうのうと生きてる自分に疑問が出てくる
【2007/08/07 21:38】 URL | アネモネ太郎 #aIcUnOeo[ 編集] | page top↑
アネモネさん、
そー具体的に感じたことはありませんが、確かに今の世の中と戦争中って、余りにもかけ離れた環境ですよね。それが両方存在しうるってのが奇妙ですよね。
【2007/08/07 21:57】 URL | ちゅちゅ #-[ 編集] | page top↑
先日、硫黄島の激戦の生存者の方の講演を聴くことができました。
たった1週間ほどで陥落するといわれていた硫黄島を1ヶ月間守り抜き、米軍に甚大な損害を与えたことを誇らしげに語っておられました。あの悲惨な戦いを語るのにもかかわらず、元気一杯、生き残ったことへの喜びが溢れた非常に前向きなものでした。
この映画、ぜひ見ようと思ってまだ見てません。近々ぜひ見たいと思っております。
【2007/08/10 08:08】 URL | lizard king #-[ 編集] | page top↑
chuchuさん、コメント&TBありがとうございました。
戦争映画を観て、自分の置かれた状況に置き換えて感想が言えるchuchuさんのレビュー、素晴らしいと思いました。
戦争は絶対悪だと思うけれど、戦争映画は尽きないし、必要ですよね。
日本人の役者を活かしてくれたイーストウッドに感謝です。

http://thinkingdays.blog42.fc2.com/blog-entry-135.html
【2007/08/10 10:51】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












管理者にだけ表示を許可する

すんません、トラックバック、スパムがひどすぎるんで、全面禁止にしました。トラックバックしたい人は、コメントと共に、自分とこの記事のURLくっつけといてくれればいいすから。
トラックバックURL削除


「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。