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『How Harry became a Tree』-めぐり逢えてラッキーな映画
How Harry Became A Tree

1924年のアイルランド。ハリーは息子のガスと小さな町のはずれでキャベツ畑を営んで生活している。木になってしまった自分を人々が切り倒して棺おけを作る夢を見たハリーは、自分の周りにいる人を憎むことに決める。その対象として選ばれたのは街でパブを経営するジョージ。ハリーは、あの手この手でジョージを貶めようとするのだが・・・。

Produced: 2001
Directed by: Goran Paskaljevic
Writing Credits: Christine Gentet, Goran Paskaljevic
Cast:
Harry: Colm Meaney
George: Adrian Dunbar
Gus: Cillian Murphy
Eileen: Kerry Condon
Margaret: Gail Fitzpatrick
『麦の穂をゆらす風』と間違えて借りちゃったよー!この映画、アメリカのタイトルが『Bitter Harvest』と言うんですけど、この「Harvest」っていうのと「麦の穂」っていうのがイメージ的に合ったので、良く原題も調べずに借りたら間違えた。「いつになったらIRAの話になるのかな~」とか思いながら観てたんですけど、英語難しくて30%くらいしかわかんないのでネットで色々調べてみたら、違う映画じゃんか!

特に、いきなりハリーが人を憎むことに決める、という奇想天外なプロットがかなり困惑した。なぜ急にジョージのこと憎み始めたのか、普通だったら理由があるわけだから、英語を聞き逃したに違いないと思うじゃない?それが、憎しみが最初にあって、それから人を選んでたのよ。英語では「Neighborを憎むことに決めた」とあるので、きっとこれはクリスチャンの教えである「汝の隣人を愛せ」をひねった、「汝の隣人を憎め」という、クリスチャンならすぐピンとくるコンセプトなわけだな。

しかし、このプロットの元ネタは中国の昔話なんだそうです。それをセルビア人の監督、ゴラン・バスカリェーヴィチがアイルランドを舞台に撮ったという、すごい興味深い作品。バスカリェーヴィチ監督は、この映画を母国ユーゴスラビアで撮りたかったのだけど、内戦のため帰国できず、同じ問題を抱えるアイルランドを舞台に選び、国同士でいがみ合うこと、イコール「隣人を憎む」ことの醜さを表現しているのですが、かなりいい映画で、間違って借りちゃったことでこんないい映画にめぐり逢えたとは、棚からぼた餅とはこういうことですか。

色々なレヴューを読むと、ハリー役のコルム・ミーニイの「一世一代の演技」とべた褒めされているのですが、息子・ガス役のキリアン・マーフィーがやっぱりスゴイです。ガスは、ちょっと知恵遅れの入った、どもりの男の子で、年が行っているけど子供っぽいのか、マジ若いのか、ちょっと年齢不詳(私の英語力のせいかもしれないが)なのですが、ジョージの家の新しいメイド、アイリーンに恋して結婚する。昔の話なので、全くデートとかすることなく、いきなり結婚式なのですが、ガスがもんのすごく無垢な顔でウレシそうに花嫁とダンスしているシーン、これがすごい。「私がキリアン・マーフィーです」という存在感を主張しながらも、他の映画では見せなかった一面を見せてくれている。この人は本当に、映画のたびに違う人になりきっちゃって、顔は少しコロッケ入ってるが、本当に本当に、驚くべき俳優さんです。

アイリーン役のケリー・コンドン、『ダニー・ザ・ドッグ』で見たときは、設定が高校生なのに40歳くらいに見えたけど、今回はまだほっぺも赤い、ライルランドの田舎娘って感じがよーく出ていて、可愛かった。ジョージの家のメイド、ということなのですが、この時代がそうだったのか、ジョージはいろんなところから若い女の子を連れてきては自分のパブや家で働かせ、最終的には嫁に出す、結婚仲人(Match Maker)というのをサイド・ジョブにしているらしい。で、そういう女の子にはみんな手をつけているらしく、アイリーンもガスと結婚したにも関わらず、ジョージのお手つきになってしまう。

もちろん、コルム・ミーニイの演技もパワフルです。なんでハリーがいきなり人を憎むことにするかというと、イギリスとの戦争で長男を失くし、そのショックで妻も死んでしまい、愛するものを失って生きる望みがないので、憎しみで自分を奮い立たそうというか、神の教えに従って隣人を愛していても、自分の生きがいを奪われてしまったので、じゃあ教えと全く逆のことをしてやる、という、神に対する復讐なのですな。

しかし、映画を観ている最中は全く独裁的な、半分狂っているとしか思えないお父さんって感じ。新婚さんが部屋で仲良くオルゴールなんか回して和んでいるのに、外からガスを呼びつけて例え話を聞かせ、ガスがうんざりしていると「お前、聴いているのか!」と怒鳴り始めたり。挙句の果てに、アイリーンがジョージから強姦されたなどという話をでっちあげ(本当に二人がやっちゃったことは知らないらしい)、ジョージを落とし入れるために使おうとするが、町の人たちもハリーがおかしいということは分かっているので本気にしてくれないと、アイリーンに自殺を強要する始末。

こういう物語の端々の会話に、ハリーの細かい感情の描写や、背景説明や、ブラック・ユーモアが散りばめられているようなのですが、英語が分からなくてなかなかそこまで理解できない。しかし、役者の演技がいいとか、ブラック・ユーモアのある映画なんだなとか、何か深い洞察があるに違いないとか、雰囲気でビシビシ伝わってくるので、色々調べたり何度かDVD観直したりして、理解しようと思わせてくれる、そういう映画。これ知名度のせいか日本では出てないみたいなんですけど、かなりいい作品だと思うので、キリアンがもっともっとメジャーになって、いつか日本でも発売になって欲しいな。

余談:ちなみにコルム・ミーニイは、『ダイハード2』でパイロットの役で出演していたそうで、そう言われてみれば見覚えあるんだけど、どの飛行機のパイロットだったか思い出せないよー!

PS:今思うと、あれは悪者の将軍を輸送する飛行機の、右側に座ってたパイロットじゃないかなあと思う(10/13/07)

Key Words
映画 ゴラン・バスカリェーヴィチ コルム・ミーニイ キリアン・マーフィー ケリー・コンドン
気になる映画 | コメント(4) | 【2007/06/24 23:26】
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コメント
あちこちのぞかせていただいていますが、コメント初心者ですv-22
今年に入ってキリアンにはまりまくり、可能なものは全部入手したほど。(A○azon UKにはお世話になりっぱなし)
この映画のレビューがみられるなんて 嬉しくなってしまいました。
これほんとにおもしろかったですよね。奥が深いかんじ・・わかります。(On the Edgeみたいに英語字幕ほしかったですね)
キリアンも やっぱりまた違う顔をみせてくれたし、大満足の作品e-278 またいろんなキリアンネタ 楽しみにさせてくださいv-344
【2007/07/11 16:21】 URL | hagi #-[ 編集] | page top↑
hagiさん、
うわっ、この映画にコメント付くとは思いませんでした。ありがとうございます。

こっちではほとんどレンタルで観れそうなので、Hagiさんのご苦労には程遠いですが、これからもまだまだ観て書きますので宜しく。
【2007/07/11 20:58】 URL | chuchu #-[ 編集] | page top↑
chuchuさん、
ありがとうございます。

キリアンにかたよったコメントでごめんなさいi-229
またいろいろ楽しみにさせていただきますね。



【2007/07/11 21:27】 URL | hagi #-[ 編集] | page top↑
うわーこれみたいな
メッセージ性のある映画好きだな
【2007/10/16 02:14】 URL | たけぞう #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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