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ライブ・レポート-ポール・ディアノ・2007年、ウインザーにて
Paul Dianno in Windsor March 16th, 2007

ポール・ディアノのウェッブ・サイトで、彼がウインザーに来ることを発見し、観に行ってみようと思ったのだが、リストされているライブ・ハウスに連絡が取れず、時間もチケットの値段もわからない。仕方ないのでポールのサイトにメイルしてみると、マネージャーと称する人から「カナダにいるポールとは連絡がとれないので、詳細はわからない」との返事。本当に来るのかどうか不安だったが、一緒に行ってくれたアメ人Kくんは昔ウインザーで良く遊んでいて地理には詳しいので、とりあえず行ってみようと言うことになった。

カナダのウインザーはデトロイトから川を隔ててすぐのところだ。カナダでは酒が飲めるようになるのが19歳からなので、21歳からである米国デトロイト近郊の若者たちは、19歳の誕生日に合法に酒が飲めるというだけの理由で川を越える。Kくんは典型的なデトロイト近郊の若者だったので、「ああ、まだこの店ある、ああ、あそこはつぶれた」などと言いつつ、街中をクルーズ。Kくんの奥さんのF恵ちゃんは、ヘビメタは聴かない人なので、「できるだけがんばってみた~」と、買ってから一回しかはいたことないという革パン(なんでそんなもん持ってんの?!)に、Gジャン、濃い~メイクと、当時のメタルねーさんをそのまま再現した格好で登場。

予定されていた O Night Club というライブ・ハウスはまんまとつぶれており、「やっぱ観れないか」とあきらめていたら、3軒先にあるロキシーにF恵ちゃんが「あ!ポール・ディアノって書いてあるよ!」と名前を発見。奇しくもポールのバックステージ・パスを首から下げた強面のおっさんがタバコを吸っていた。声をかけるとショウは8時からで、5バンド出ると教えてくれた。

20070318020009.jpg
「ポールがトリなんでしょ?」と聞くと、

「そうだよ!観に来るの?」

「もちろん!」

「OK, See you later!」

ということで、とても5バンド観る気がなかった私たちは、F恵ちゃんの意向で対面にあるバーで飲むことに。バーの大きい窓から『Mar. 16th Paul Dianno Iron Maiden』という看板を見ながら(写真を良く見るとつづりが間違ってないか?!)、しゃべっているが心はどこへやら。

ここんとこめっきり春らしくなってきたのに、この日に限って雪が降るほど寒かったので、町をうろつくこともできず、なんとか10時まで時間をつぶして、ライブ・ハウスに入場してみる。みかけより立派なハコで、ステージも客目線じゃなくちゃんと胸くらいの高さまであり、モッシュ・ピットには150人くらいは軽く入れそうだ。ピットの両脇にはバーがあり、階段を上がると広いエリアにさらにフル・バーがあり、ビリアードの台が3つ、テーブル・クロスをかけられたテーブルがいくつか、ソファなどがあり、これだったらここでくつろいでいても良かったななどど思いながらKくんがドリンク買うのを待っていると、ポール・ディアノが脇を通り過ぎた。首のところの刺青で「間違いない」と思ったのだが、ライブの映像からものすごい大男を想像していたので、私より少し大きいくらいだったのにびっくり。それに少しびっこをひいていた。

客は、どこから湧いてきたのかわからない長髪・皮ジャン/Gジャンの集団、特にGジャンにパッチをたくさん縫い付けている人たち(あんな人アメリカでもカナダでも、ナマで一度も見たことがない)や、『Maiden Japan』のTシャツを几帳面に、鋲打ちベルトをしたゆったりジーンズの中に入れて着て、紙袋を持っているおじさんとか、予想通り。

前座(タイバン?!)は昔ながらのヘビメタを演奏していて、まあまあ面白かったが、音が悪くて楽しめなかった。ポールの一個手前のバンドなんて、絶対バスドラのマイクが中に落っこちているに違いないという音が「ぼすっ!ぼすっ!」と延々しているのに誰も直さないし。それとタイバンのベーシストがみんな指弾きなのには笑ったが、ステージ・アクションがイマイチで、ヘビメタなんだから首を振れ!ギターのネックを動かせ!アタシにやらせろー!という感じだった。

ポールのセットが始まる前のセッティングをステージのまん前で見てみた。ポール・ディアノのバックステージ・パスをつけた人たちが機材をセッティングしているが、この時点でもせいぜい50人くらいしか客がいない(退屈したF恵ちゃんが47人まで数えたそうだから間違いない)。それでも先ほど私たちが話した強面のおっさん(この人ロード・マネージャーみたいだ)は、几帳面にモニターをセッティングし、その下にセットリストを貼っている。音楽より酒が好きなKくんとF恵ちゃんに誘われて、バーでショットを2杯ほどぐいっ、ぐいっと引っ掛ける。

「To Paul Dianno!」

一番前でかぶりつきで観ようと思っていたのだが、今のポールを観たいかどうかわからなくなり動揺していたので、このショットでちょっと勢いがつく。

バンドは、さっき機材をセッティングしていたローディだと思っていた人たちが、服もそのままで登場。いきなり『The Ides of March』を演り始めると、30人くらいしかいないモッシュ・ピットがすげー盛り上がる。ポールが登場し、『Prowler』『Murders in the Rue Morgue』を演奏。

20070318015936.jpg
ポールは確か最近になってアルバムを出したはずだし、メイデンの曲を演ると期待してなかったので、これはかなり嬉しかった。続いて、クライブ・バーのことを「My brother」と紹介し、クライブの家の改装のことや、結構元気にやってるよ、みたいなことを話した後、「クライブに捧げる」として、『Remember Tomorrow』を。今でもすごい上手いし、少しメロとか声に合わせて変えてあるけど、やっぱり、好きだ、この人のボーカル。上手いし、声が変わらずすごくいい。最近は昔のアイドルが太ってハゲになっているというのには慣れっこになってしまったので、今のポールの容姿はあまり気にならなかったが、先ほども言ったようにびっこを引いているのでステージ・アクションらしいアクションはなかった。真新しい黒のコンバースをはいて、昔のビデオで見たのと同じようにニコニコしながら歌っていたのが微笑ましかった。

ステージ右手に陣取った、先ほどの長髪・皮ジャン/Gジャンの集団が酔っ払って大騒ぎし出し、ポールとジョークの応酬をしているが、イマイチ良くわからない。しかし、彼らはデトロイトから来たということが判明し思わず頭を抱えた私。ポールは「ファック・デトロイト!オレを呼んでくれたカナダに感謝!」とか言って、カナダのファンを盛り上げる。

20070318015921.jpg
このあと、自分のオリジナルからは3曲くらいしか演らないで、『Killers』『Phantom of the Opera』、またバンドが『Genghis Khan』を演奏。このバック・バンド、見た目はダサいが、めっさ上手い。「完コピ」とはこのことを言う、としみじみ思った。特にこのベースの人!弾きかたがスティーブ・ハリスそっくりで恐れ入る。良くこんな人たち見つけてきたものだ。

2006年のメイデンを観に行った人たちは、ニューアルバムの曲ばっかりで、「サンクチュアリーを演らないメイデンなんて!」と言っていたが、こんな小さなハコで、30人ほどの観客を相手に、メイデン完コピバンドをバックにつけて「懐メロ」を演るポールを観るのも結構辛い。ここまで観て、やはり私にとってはポール・ディアノアイアン・メイデンのヴォーカルだなあと痛感したので、メイデンの曲が聴けたのはうれしいかったけど、売れていなくても自分の曲を演って、地味ながらもツアーしていると言うのならともかく、看板に堂々とIron Maiden と謳っていたり、メイデンの曲ばっかり演奏したり、お金があって引退できるものなら、こんなドサ回りはしたくないのかな、なんて思ったらちょっと泣けてきた。

そうしたら、ポールが、「オレは本当はヘビメタよりももうちょっとポップなものが好きなんだ。このニューヨークのバンドはオレのお気に入りだ」とかぶつぶつ言っているので「まさか」と思ったら、案の定、ラモーンズの『Blitzkrieg Bop』を演り始めた!

20070318015956.jpg
これを聴くまでは、ブログにこのショウのことを書こうと思わなかった。ショウは楽しかったけど、正直言って昔の栄光にすがっているポールが悲しかったからだ。でもこの曲を演ったことで、ちょっとだけ、ポール・ディアノという人がかいま見えたというか、まあこれも他人の曲なんだけど、でもポール自身が選んで演ったんだなと思うと嬉しかった。この曲が一番良かった。私もラモーンズのファンで良かった!と思った。

これでセットが終わり、アンコールには『Sanctuary』。これがめっさ盛り上がって、めでたくショウは終了。しかもメンバーがすぐ外に出てきて、ラモーンズでかなりブチ切れていた私は大胆にもポールに「一緒に写真取ってください!」と迫った!

ポールは私の方にかがんで聞いてくれたが、「Please give me 5 minutes, honey」と言って歩いて行ってしまい、しばらく待っていたが、そんなの律儀に戻ってくるとは思えないので探してみると、カーテンで仕切ってある部屋があり、その前で先ほどの『Maiden Japan』Tシャツのおじさんとその他一人が談笑している。

「ポール、中にいるの?」と聴くとMaiden Japanが、「うん、これにサインをしてもらおうと、待ってるんだ」と、メイデンのファースト、『キラーズ』、『メイデン・ジャパン』のシングル(もちろんLP:紙袋に入っていたのはこれだったらしい)を見せてくれる。私が「このライブ、日本にいたんだけど、観れなかった」と言ったら2人とも「おお~」とえらく感心していた。

そこへ長髪・皮ジャン/Gジャンの集団がおのおのメイデンのアルバムを持って登場し、酔っ払いの勢いでどんどんカーテンの向こうの部屋に入っていく。ライブ・ハウスの人が整理しようとすると、ポールが「いいよ、いいよ」と言うのでみんなどんどん入り、Maiden Japanは「グレイト・ショウ!ファッキン・サンクチュアリ!」などとのたまいながらアルバムにサインしてもらう。私の番が来たので、握手してもらうと、「Hi, baby」とかいって、手の甲にキスしてくれた。

「I missed your show 81 in Japan」と言ったら、何かジョークを飛ばしていたが理解できず、ちょっとアセる。するとポールは

「What are you doing here?(こんなとこで何してんの)?」と聞いてきた。

「あなたのショウを観にわざわざ日本から来たのよ」と言って欲しかったのかなあ。

「I live in Detroit」と言うと

「Why Detroit?」(この人よっぽどデトロイトが嫌いらしい)

「I don't know... I just ended up there」

なんて、あたしもさー、せっかく向こうが話しかけてくれてんのに、気の利いた会話できねーよな!その後、後ろにいた男の子に一緒に写真を取ってもらったが、デジカメの電池切れ寸前でフラッシュが上手くたけない!でもポールは辛抱強く「OK!もう一枚!セクシーなところを撮ってくれ!」なんて付き合ってくれた。最後にもう一回握手したらまた手の甲にキスしてくれて「Thank you for coming, honey」なんて言ってくれたので、「本当にGreat showだったよ。あ、ちなみに私もラモーンズ大好き!」って言ったんだけど、もう、そのあと何を言われたか憶えてない。いつまでも私の手を握って離さなかったんだから、他の人みたいにずっとしゃべってれば良かったのに、KくんやF恵ちゃんを待たしていると思うと悪くて、なんかこっちが振り切るようにして「じゃあね、Thanks! Bye!」なんて出てきちゃったのが悔やまれる。

本当は「やっぱあんたがメイデンのベスト・シンガーだよ!」とか「ロバート・プラントと同じくらい好き」とかいろいろ言いたかったんだけど、なんかベタ過ぎて出てこなかった。

********************************

そしてデトロイトへ戻るのに悪名高いデトロイト-ウインザー間の入国審査を通る。ここはカナダ側からUSに入るとき、いろいろ難癖付けられることで有名だ。今回は、

「ウインザーで何してたんだ」と聞かれKくん

「ご飯食べてから、ショウ観に行った」

「何のショウだ」

「ポール・ディアノ」

「・・・まだ生きてんのかあの人」

「うん、面白かったよ」

「『Run to the Hills』とか演ったのか?」

(Kくん絶句・・・)

「ファントム・オブ・ジ・オペラとかね」と私。するとこの入国審査官、

「お前のパスポートどっちだ?なんて読むんだ、お前の名前?」

「チュチュだよ!」

20070318015859.jpg
「お前、I-90の新規申請したか?7月で切れるぞ。早く申請しないと、ステイタス失うぞ」

大きなお世話だ!難癖つけやがって。「しまった!『Run to the Hills』はブルース・ディッキンソンだった」と気が付いて、私にさりげなく指摘されたことが悔しかったのだろうか。

事故った車がそこここにテンコ盛りになっている凍ったハイウェイをそろそろと走りながら、「あんな客入りで採算とれるんだろうか」などと世知辛いことを考えていた。ポールの声は唯一無二だし、あんなシンガーそうそういるもんじゃない。でも、ショウに人は集まらず、来てくれた人はみんなメイデン時代、もう25年も前のポールを観たがっている(私も含めて)。今のポールはとても孤独なんじゃないかと思った・・・観に行っても「あー楽しかった」では済まないだろうなとは思っていたけど、なんか落ち込んだ。世界中に何万匹といる捨て犬も全ては救えないし、才能があっても食えないミュージシャンも救えない。そんな自分の非力を感じながら、ポールが幸せであってくれ!と祈った。

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Key Words 音楽 ロック メタル アイアン・メイデン ポール・ディアノ
HR/HM | コメント(8) | 【2007/03/18 01:58】
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コメント
レポートありがとうございました。
私もなんだか切なくなりました、かと言ってこちらが悲観しても確かに救えるわけじゃないし・・・
「元メイデン」の彼ではなく「一人の歌手」としての彼を慕う人もいると思うんですけど、でも結局昔の面影を追ってしまうんですね、それは宿命なんでしょうか。

幸せを願います。

あ、クライヴエイドのサイトに載ってる写真はポール・ディアノですよ、で・・・まだヤニック見つけられないんですけど;;
【2007/03/19 01:22】 URL | yasuko #-[ 編集] | page top↑
yasukoさん、

礼を言われるようなレポートでは・・・大変恐縮です。

まあ、ポールはメイデンが生涯で一番大きな仕事だったのだろうし、それを背負って生きていくのも人生かなと。そう納得するしかないし、ポールは案外、これで幸せなのかもしれません。

えっと、ヤニック、やっぱ写ってるよ。yasukoさんが見ているのは、Photoのページに載っているのだと思うんですけど、メイン・ページの右下に、スライド・ショーで出てくる写真があって、その中にある集合写真に、ブルースとヤニックが、確かに写ってます。

それにしてもなんですか、あのブルースの囚人服・・・
【2007/03/19 01:59】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
昔よりずいぶん迫力ある姿になってますね(笑)
でも、なんかすげぇ楽しそうというか、いい目をしてる気がする。
【2007/03/20 21:10】 URL | sano #-[ 編集] | page top↑
sanoさん、
>いい目をしてる
やめてくださいよ、犬の品評会じゃないんだから・・・
本人が楽しきゃいいんですがね。
【2007/03/20 21:13】 URL | ちゅちゅ #-[ 編集] | page top↑
チュチュ姫さん!

クライヴエイドの写真分かりました!っていうか今までENTERの下の所を操作してなかったのでメインページのスライド・ショーが見られませんでした、間抜けです;
やっと見られました、ヤニック、クライヴの後ろにいましたね、ハハ・・・ブルの囚人服・・・時々変な格好しますよね?趣味?


でも、ポールが手の甲にキスを2回もしてくれたなんて、やさしい人ですよね。
イギリス紳士みたいですね(じゃなくてイギリス紳士なのか)
【2007/03/21 02:13】 URL | yasuko #-[ 編集] | page top↑
yasukoさん、
見つかった?やんちゃんの写真?

>イギリス紳士
っつーか、女好き・・・?
【2007/03/21 02:23】 URL | ちゅちゅ #-[ 編集] | page top↑
こんばんはー、17日はディアノさんの誕生日なのでお祭りしましたー。
はしゃいでるだけでーす。いつものようにね♪
【2007/05/18 00:13】 URL | 詠春 #-[ 編集] | page top↑
おはようございまーす。
17日ポールのバースディという事でチュチュ姫さんのこの記事を私のブログにリンクさせていただきました。
事後承諾でもうしわけありませんが、よろしくお願いいたします。
大したこと書いてないんですが・・・;;
【2007/05/18 08:39】 URL | yasuko #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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