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キャプテン・ミラーは私のヒーローです-『プライベート・ライアン』

Saving Private Ryan


冒頭のオマハ・ビーチの地獄絵図を始めとして、この映画は生々しい描写の戦闘シーンが多い。ほとんど、戦闘シーンの合間に様々なダイアローグが挿入されていると言ってもいいくらいです。こんな激戦地に置かれて必死に戦っているのに、ライアンという二等兵を探して国へ返せなどと理不尽な命令を出され、「なんでライアンってヤツだけがそんなに大切なんだ」とフラストレーションをぶつける若い兵士達に、キャプテン・ミラーは「俺は国では英語の教師だった」と語り始めます。私は「英語の先生が、こんなとこでなにやってんの?」という素朴かつマヌケなことを考えていたんですが、まさにそれがこの映画の趣旨だと思います。英語の先生なんて兵隊、戦士、などというイメージとは全く相容れない人たち、そういう人たちが実際、戦場で殺しあっている。

20051106015549.jpgキャプテン・ミラーは、昨日談笑した相手が今日はむごたらしく殺されていくような状況で、自分の中の大切なものを失うまい、失うまいと、ものすごい精神力を使って自分の中の悪魔と折り合って行こうとします。キャプテン・ミラーの手がぶるぶる震えるところが何度もクローズアップされますが、あれは神経症の症状なのだそうです。

キャプテン・ミラーが、任務を遂行するために人が死ななければならないことを正当化するのはカンタンなことなんだとサージェント・ホーバスに語りかけるシーンがあります。

「俺のコマンドで死んだ兵士が何人いるか知ってる?94人もいるんだ。簡単なんだよね、正当化するのは。1人死ぬことによって他の10人、いや100人を救うことができる、と思えばいいんだから」

彼はそんな風になってしまった自分を「妻が自分と気づくかどうか」と心配しています。

故郷で教えていた生徒と同じ位の若い兵士達や、自分と同じような、戦争なんかなければ平凡ではあるが穏やかな生活を送っていたはずのホーバスのような兵士達の運命に心を痛め、国の妻の元に帰りたいと言う気持ちと、帰っても元の生活には戻れないんじゃないかという不安を抱え、神経症寸前の極限状態に達していながら、キャプテン・ミラーは自分の任務を遂行しようとベストを尽くし、若い兵士達の面倒も見て、その上、こんな状況の中でなんとかいいことをしようとする。

CAST & CREDITS
Produced: 1998
Directed by: Steven Spielberg
Writing credits:
Robert Rodat
Cast:
Tom Hanks, Tom Sizemore, Edward Burns, Barry Pepper, Adam Goldberg, Vin Diesel, Giovanni Ribisi, Jeremy Davies
この映画の邦題が便宜的に『プライベート・ライアン』とつけられてしまったことは非常に残念です。原題の "Saving Private Ryan" には、このキャプテン・ミラーの「なんとかいいことをしたい」という気持ちが込められていると思うのですが、それが邦題には全く反映されてません。私も文句を言うばっかりで、これといういい邦題は思い浮かばないのですが、最後、ライアン二等兵を見つけたが、一緒に戦っている仲間を置いて自分だけ帰ることなんて出来ないと言われて、サージェント・ホーバスがキャプテン・ミラーに言うセリフを見てもらえば、この原題がとても大事だということに共感してもらえるかもしれません。

"I don't know. Part of me thinks the kid's right. He asks what he's done to deserve this. He wants to stay here, fine. Let's leave him and go home. But then another part of me thinks, what if by some miracle we stay, then actually make it out of here. Someday we might look back on this and decide that saving Private Ryan was the one decent thing we were able to pull out of this whole godawful mess. Like you said, Captain, maybe we do that, we all earn the right to go home. "

「なんかさ、あのライアンってガキは間違ってないような気もするな。俺だけが帰る権利なんてありませんてな。あいつが帰りたくないっていうんなら、上等だ、俺らだけ国へ帰れればいいじゃないかって思ったけど、でももう1人の自分が言うんだよね。もし、奇跡が起きて、ライアンを救い出して自分らも帰還できたら、いつかじじいになってから、ライアン二等兵を救ったことが、あの神をも恐れぬ生き地獄の中で俺らができた唯一のいい事だったって振り返ることが出来るかもしれないって。キャプテン、あんたが言ったように、俺らみんな国へ帰る権利を自分で得なくちゃいけないんだよ。」

ライアン二等兵を救うこと、すなわち "Saving Private Ryan" が、戦場で自分が犯した罪を洗い流し、国へ、愛する人の元へ帰っても良いという免罪符になる。戦争という、人が殺しあうのが当然という状況で、なんとか人間らしくありたいと命をかけるキャプテン・ミラーと、彼の影響を受けた人たち。こういう人たちが本当にいたなら、まだ人間の尊厳というものを信じてもいいなと思わせてくれる、この映画はもしかしたらファンタジー映画なのかも知れません。

20051106015613.jpg

キャプテン・ミラー以外のキャラクターも粒ぞろいです。ニューヨークはブルックリンから来た血の気は多いが人がいいリーベン二等兵は、ライアンが特別扱いなのにムカついてキャプテン・ミラーに食ってかかっていきますが、最後は一番勇敢に戦う。救急隊員のウェイドは1人でも多くの兵士を助けようと子供っぽいけど誠実に努力する。サージェント・ホーブスは、インテリのキャプテン・ミラーに対して無骨な印象ですが、この二人の関係というか、大人の友情がある意味羨ましくもあります。クラス・クラウン的キャラクターである、ユダヤ人のメリッシュ二等兵、そして私が一番好きな、狙ったら絶対はずさない、職人スナイパーのジャクソン二等兵(左から)

■サージェント・ホーバス役を好演!トム・サイズモアの映画偉人伝

Key Words
映画 戦争映画 プライベート・ライアン トム・ハンクス スティーヴン・スピルバーグ ヴィン・ディーゼル トム・サイズモア
映画 | コメント(7) | 【2005/11/05 22:04】
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コメント
(^・x・^)ノ☆ はじめまして。TBとコメントありがとうございました。ミラー大尉の「ライアン上等兵を本国に送還すべく前線から連れ戻す」という命令にたいするスタンスや思いが、詳しく分析されていて、感心しました。米国在住でらっしゃいますか?寒さに気をつけてくださいね。今度ともよろしくどうぞ(_ _)
【2005/11/06 10:33】 URL | Dr.デュランデュラン #-[ 編集] | page top↑
ドクター、コメントありがとうございます。キャプテン・ミラーは私の大好きなキャラクターで、自分としてはこれがトム・ハンクスのベスト・アクトと信じてうたがいません。

こちらこそよろしく。
【2005/11/06 12:03】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
姫様
初めまして。私もプライベート・ライアンが好きです。姫様の記事を見てもう一度味わってみようかな。実はワタクシ模型・軍事マニアなのですが、オマハビーチや市街戦のシーンは何度見ても震え上がります。バンドオブブラザーズもリアルなんですが、比較するほどではないかもしれませんね。バンドオブブラザーズはサラリーマン社会と似てるので結構繰り返し見てます。そういう意味ではプライベート・ライアンって人間の内面に重きを置いているんですね、再認識させられました。そういえばトムハンクスが監督やってましたね。
散漫な文で失礼しました。
【2005/11/09 13:38】 URL | COMMON #KLx74rcY[ 編集] | page top↑
Commonさん、
何度か遊びに来ていただいてありがとうございます。Commonさんのブログを見れば、コレ系好きなのはわかります!ちょっとワタクシに知識がなくて、そちらにコメント残せませんでしたが・・・。

また遊びに来てくださいね。
【2005/11/10 09:21】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
僕もこの映画は衝撃受けたのですけど、
釈然としない部分も少々。

 ヴィン・ディーゼルが出てたのは後になって
知りました。
【2005/11/12 22:08】 URL | GO #-[ 編集] | page top↑
こんばんわ
毎度、ちょろちょろ、ブログ読ませていただいてます。
プライベートライアンは5回くらいみました。この映画はおもしろいです。ノルマンディー上陸作戦のときの、現場の兵士と上層部との意見の違いは、いまの会社の部下と上司の関係とよく似ていて、すごく考えさせられました。私は、トムハンクスのように、なにが正しくてなにが間違いかは別として、自分の信じたこと貫く姿勢が大事だと思います。トムハンクスとスピルバーグのコンビはやっぱりいいですね。「ターミナル」や「キャッチミーイフユーキャン」も内容とメッセージのつよい、いい映画だったと思います。

あれ、ジェイシーチェンの情報、やっぱりまだないみたいです。(スイマソン)(涙)
【2005/12/22 21:51】 URL | jackie3 #-[ 編集] | page top↑
Jackie3さん、
自分の信じたこと貫く姿勢が大事だと思います>おっしゃるとおり!それが一番大事だと思います。戦争でなくても・・・。
【2005/12/22 21:59】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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プライベート・ライアン (Saving Private Ryan) by Subterranean サブタレイニアン
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