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幸せは歩いてこない!だから歩いて行くんだね!-アバウト・シュミッド

About Shmidt


aboutschmidt.jpgシュミッドさんは地道に勤めてきた会社を無事定年退職するが、妻に突然死され、娘には疎ましがられ、旅に出てみるが自分の思ったようなものは見つけられず、ただひたすら孤独で、この先どうなってしまうんだろうと観ていて不安になのですが、なんとなく心底共感して「かわいそう」と思えないところがある。娘に邪魔にされるのがなんとも哀れな気がするけども、会話の端々からこぼれてくる、「シュミッドさんはこんなお父さんだった」像を考えてみると、娘にとってはシュミッドさんはそれほど大切な人じゃないんだなというのも、納得してしまう。

その辺の気持ち悪さが、ロジャー・イバートが書いた映画評の冒頭を読んでクリアになり、この映画のコアなメッセージが、意外にも人生を語るに重要なものだなあと思いました。

"Warren Schmidt is a man without resources. He has no intellectual curiosity. May never have read a book for pleasure. Lives in a home "decorated" with sets of collector's items accumulated by his wife, each in the display case that came with the items. On his retirement day, he is left with nothing but time on his empty hands. He has spent his entire life working at a job that could have been done by anybody, or, apparently, nobody. He goes to the office to see if he can answer any questions that the new guy might have, but the new guy doesn't. In a lifetime of work, Warren Schmidt has not accumulated even one piece of information that is needed by his replacement."

「ウォレン・シュミッドは知的好奇心にかけていて、多分、娯楽のための読書なんてしたことがないのだろう。女房の趣味の悪いコレクションで飾られた家に住み、定年退職後はただひたすら空虚な時間が残るのみ。彼が生涯かけてしてきた仕事は誰でも出来たような仕事で彼が辞めても困る人は一人もなく、後釜に座った若い社員が彼に教えを請うようなこともない」

CAST & CREDITS
Produced: 2002
Directed by: Alexander Payne
Writing credits:
Louis Begley, Alexander Payne, Jim Taylor
Cast:
Jack Nicholson, Kathy Bates, Hope Davis, Howard Hesseman
シュミッドさんの状況に同情しながらも共感できないというのはまさにこの「知的好奇心 (Intellectual Curiousity)」 がかけているためなのです。娯楽のために本を読む、すなわち、全く生活の役に立たない、もしくは全然お金にならないことを、ただ「下手の横好き」みたいにすることがいかに人生、大事なことか、シュミッドさんを見ているとわかります。

私はアメリカに来てからは、大学時代は勉強、勉強、それこそ、教科書を読むのに精一杯で、文字通り娯楽で本を読む時間がなかったくらいです。春も夏も授業を取っていたので、短い冬休みが唯一のお休み。そのときは朝から晩までごろごろして、日本語の小説を心置きなく時間を気にせず読むのが楽しみでした。その後就職してからは、別にたいした仕事をしていたわけでもなく、一度リストラされたせいもあり、資格を取ったりもっと高度な教育を受け、「金や時間を使うなら自分への投資になること」と、アメリカ式成功者の論理で自分を奮い立たせようとして来ましたが、なんとなくそれに「??」と感じていたことも確か。言語学なんて企業ではなんの意味も持たないから、ビジネス・スクールに通おうかと思いつつ、ズルズル先送りにして来たのも、結局、役に立つことだと分かっていても、興味がないんですね。

私のような与太者が週休2日でブログなんざ書いているヒマがあるのも、「企業」の傘下に入って充分な給料もらっているからであって、これが週7日びっちり働いても生活楽にならない人もいる世の中では本当にありがたいことなのです。それに、会社という共同体の中で一日の3分の1を過ごしてるんですから、そこで認められ、出世し、収入も増え、ということに充実感を覚えるのは当然だと思うのです。

でもね。

この映画を観ると、それだけでは人は生きていけないんだということが良くわかります。社会的に貢献しているという充実感や、生活の心配をしなくていいくらいのお金。それはそれで大切なことなのでしょうが、やっぱり一番大事なのは、自分で自分を楽しませることができることだと思います。定年退職後はトレーラーを買って一緒に旅をし、「第二の人生を楽しみましょうよ」と言ってくれていた奥さんの方が、例えババアでワキガが強かろうと、よっぽど充実した人生を送ったのではないでしょうか。

シュミッドさんは独白の中で何度か「私が影響を与えた人生があるのだろうか?私が存在したことによって世界が少しでも良くなったのだろうか?」というようなことを言うのですが、そんなこと言ってるからあんたは不幸なんだよと思いました。他人や世界に影響を与える前に、自分で自分の面倒を見れるような人だったら、身近にいる人達の存在に感謝できるような人だったら、シュミッドさんの老後はもうちょっとましになっていたのでは? 私も人のこと批判できるほどできた人間ではないので、この映画を教訓に、幸せな婆さんになれるよう精進しようと思いました。

追記:ご興味がありましたら、こちらが全米で超有名な映画評論家、ロジャー・イバートさんのサイトです。


さすが変わった役ばっかり?!
ジャック・ニコルソンのDVD
人生の一本 | コメント(17) | 【2005/10/30 01:42】
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コメント
ジャック・ニコルソンですかっ?
私、彼大好きなんですよっ!

しかしこの映画は彼の老いた風貌にピタリマッチの、寂しい映画っぽいですねぇ・・
私は生活の心配をしてしまう程の収入ですがwww(まぁ、実家住まいなので危機感がないからぬくぬくしているのと変わらないですけどね、それはそれで問題かもw)誰でもできる仕事をしていますわ(それなりに誇り持ってるしヤリガイも感じていますがね^^)
その分 くだらない知的好奇心はたっぷり(というか、まだまだ足りないと危惧しているくらい)
お金はないけど幸せなのでしょうかねぇ・・・
【2005/10/30 04:21】 URL | 橘 蓮華 #-[ 編集] | page top↑
ポール・ロジャース爺といい、蓮華さんって、結構じじ好きなのでしょうか?!

いやいや、それは置いといて、蓮華さんは幸せだと思いますよ! 絵が描けたり、趣味も多そうだし。うらやましいです。
【2005/10/30 04:51】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
Una Noche さんの所も拝見させていただいたんですよ~
(ホントはそちらにコメントするべきなのでしょうが^^なんだか照れるというかwそもそもこの映画観たワケじゃないですしねー^^;)
静かな映画は最近あまり観る気がしないのですが、ニコルソンも好きだし
観てみたいですね~
観てへこまなければいいけど^^
【2005/10/30 19:41】 URL | 橘 蓮華 #-[ 編集] | page top↑
蓮華さん、
結構可笑しいんですよ、この映画。キャシー・ベイツの垂れ乳ヌードも観れるし。
【2005/10/30 21:42】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
ジャック・ニコルソンが演じそうな役柄すね。でも、貴女の批評を見ると、何か、見たくなくなってしまった。東京に戻ってきたら、こういう方々、沢山見れますよ。身につまされて(笑)。

演劇青年じゃないので、演技を批評する訳じゃないし、楽しい映画が良いよ。

人生、楽しむもの(方法は色々)と考えたら良いのかも知れませんね。
【2005/10/31 21:55】 URL | Slowhand #-[ 編集] | page top↑
Jerry さん、
観たくなくなるような感想文を書いてしまったというのは複雑な心境ですが、しかし、いやー、観て下さいよ、ということもできないなあ。特に男の人で、共感しちゃったら、すんごい落ち込むかも。突き放して観れれば、面白い題材かもしれません。
【2005/10/31 22:09】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
嫌いな先輩が「俺も時間があったら、オマエみたいに趣味とか色々するんだけどなぁ(皮肉)」
と言ってたのを思い出しました。

でも趣味や娯楽などが出来る人は、どんなに忙しくても時間を「ひねりだして」いますよね。
気持ちの問題じゃあないか?と思ったり。

あんまり関係ない話になっちゃいましたね、すみません。
【2005/10/31 22:27】 URL | ニット帽 #-[ 編集] | page top↑
ニット帽さん、
いやいや、関係なくありませんよ。そこがポイントなんじゃないでしょうか。時間をひねり出すバイタリティがあるかないかで、結構違ってきますよ。
【2005/11/01 00:18】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
どうもクマ太郎です。
TBさせていただきました。
初めてのTBでルールがいまひとつ分かってないのですが、これでいいのでしょうか?

>全く生活の役に立たない、もしくは全然お金にならないことを、ただ「下手の横好き」みたいにすることがいかに人生、大事なことか

本屋のベストセラーランキングで
実用書ばかり売れていると、ちょっと不安になります。
文芸書が売れているとちょっとうれしくなります。
【2005/11/01 22:35】 URL | クマ太郎 #-[ 編集] | page top↑
クマ太郎さん、
ちゃんとTB できてますよ!やった~

人間、えーかげんくらいの方がいい人生送れそうな気がしますな。
【2005/11/01 22:54】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
こんばんわ。
鬱な展開っぽいのでちょっと尻込み気味ですが…無趣味でNEETな実弟に見せてやろうかな(笑)内輪ネタで失礼しました。
画像のはジャケットですか?巧い…
【2005/11/03 00:04】 URL | ぷちターボ #-[ 編集] | page top↑
ぶちターボさん、

結構面白いんですよ、これが。観てください、弟さんとともに・・・。

写真はポスターかも知れません。
【2005/11/03 06:53】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2005/11/17 19:28】 | #[ 編集] | page top↑
どもども、視聴しました。
いやー、ジャック・ニコルソンの表情が最高です。役柄と相反して、顔が雄弁というか…

>キャシー・ベイツの垂れ乳ヌード
これには飲んでたスコッチ噴きました…鼻の奥が焼けるようだったです…

あと、式前日のディナー!よくもアレだけ不味そうに撮ったなぁと。
【2005/12/19 23:47】 URL | ぷちターボ #FqMDe./Q[ 編集] | page top↑
ぶちターボさん、

嫌なおやじですよね。あんなとーちゃん・夫だったらわたしゃ別れてるよ、とっくに。

キャシー・ベイツは、あの垂れ乳を晒した度胸に敬礼、しかしその後散々笑われて、同情申し上げます・・・・。確かに知らないでいきなりアレを見るとすんごい驚きますが・・・。

評、書いたんでしょ?TBしてくださいよ。
【2005/12/20 00:55】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
>評、書いたんでしょ?TBしてくださいよ。
や、一応ウチは深夜映画ブログなので、書こうと思ってなかったんです。
言われて今、その気になって書いちゃいました。TB送っときます。
【2005/12/21 00:35】 URL | ぷちターボ #FqMDe./Q[ 編集] | page top↑
ぶちターボさん、
ああ、ゴメン、DVDの評は書かないつもりだったのですか?でもネタ元はいろいろあったほうが・・・(私はいいかげんです!)

TBしたとき、ちゃんとコメントもしてくださって、ありがとう。細かいルールとか言いたくないけど、そういうマナーは、素直にうれしいです。
【2005/12/21 01:26】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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