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『トラッシュ!コンプリート・ニューヨーク・ドールズ』-今年発売されたばかりのドールズ最新のバイオ
Trash!: The Complete New York Dolls

アマゾンUSAで読者のレヴューの欄に「私はアーサー“キラー”ケーンの友達であるが、どっかのファンが書いた伝記と違って、このはきちんとリサーチをして書かれている」と、ニーナ・アントニアの書いた『Too Much Too Soon』を罵倒している評があって笑いました。

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ニーナのニューヨーク・ドールズの結成前、メンバーの子供時代から、有名になって最後解散してしまうまでが主なのですが、こちらの『Trash!: The Complete New York Dolls』は2004年に再結成された後に書かれているようで、ポスト・ドールズの部分が長く、ジョニー・サンダースとジェリー・ノーランののハートブレイカーズでの活躍が結構丹念に描かれています。

確かに『Too Much Too Soon』は、いつも協力的で快くインタヴューに答えてくれるおしゃべりなシルヴェインシルヴェインと、伝説となって語り継がれているジョニー・サンダースの話が中心で、他のメンバー、特に際立った活動が無いアーサーや、ジェリー・ノーランのバック・グランドとかはあまり掘り下げていないと言える。しかしこちらの伝記の著者はニーナ・アントニアにもインタヴューしてるし、彼女のからそっくりそのままコピーしたんではないかという一節も見られます。

『Trash!: The Complete New York Dolls』のいいところは、ニューヨークの当時のアングラ・シーンの他のアーティストたちのことや、ドールズのメンバーが影響を受けたアーティスト達のこともある程度詳しく説明しているところ。一つ具体的に書いておきたいのは、ウェイン・カウンティという人のこと。

なんでこの名前が印象に残ったかというと、ウェイン・カウンティって、ミシガンにあるんです。カウンティって言うのは、東京で言えば区みたいなもので、私が住んでいるのはオークランド・カウンティ*。ウェイン・カウンティはその隣にあるので、なんか関係あるのかなーと思ったのですが、やたらこの名前が出てくる割には『Too Much Too Soon』ではなんの説明もない。

こちらのによるとウェインは、ニューヨークでドールズと共に有名だったトランスヴェスタイト/ゲイのパフォーマーで、彼が演ってたバンドがドールズとギグったりしたとか。また、名前の由来はやはりミシガンにあるウェイン・カウンティから取ったそうで、理由は、ウェイン・カウンティにアメリカで最大の女子刑務所があるからだそうで、納得。

こういうドールズを取り巻く状況に関しては詳しいですが、逆に「ジョニサン、フランスの空港でゲロ事件」とか、最後のレッド・パテント・レザー・ツアーでメンバーがケンカ別れする時の口論の様子とかは、ニーナのの方が詳しく書いてあり、こちらのでは「そういうことがあったよ」と触れるだけに留まっています。

ああ、あともう一つ触れておきたいのは、シド&ナンシーで有名なナンシーは、ジョニサンの元カノでLAグルーピーの女王、セイベル・スターに憧れていて、ハートブレイカーズがセックス・ピストルズと悪名高いアナーキー・ツアーを演るためにイギリスに行ったとき、ジェリー・ノーランを追っかけてニューヨークから来たそうじゃあないですか!私のジェリーを追っかけて!!! んで、ハートブレイカーズに相手にされなかったためにピストルズのグルーピーになり、繊細でナイーヴな若者だったシドは、ナンシーの「セックス奴隷」にされてしまった、という逸話。

この辺のハートブレイカーズの活動は詳しく書いてあり、同じ時期に他の元ドールズのメンバーが演っていたバンドもきちんと網羅してあります。もちろん、デヴィッドJo以外は、短命のバンドを組んだり辞めたりしているだけなのですが。

しかし、みんなドールズ解散後も友達だったようで、ニューヨークで会ったときは一緒に飲んだり、お互いのショウに飛び入りしたり、シルヴェインとジェリーがアイドルズというバンドを組んでいたりしたこともあったようで、解散後一言も口を聞かなかったってわけではなかったようです。一つ心温まるエピソードは、ジョニサンがデトロイトで結成したGang Warというバンドがニューヨークでギグったとき、フロントマンが「給料が安すぎる」とかで突然ギグ中にステージを去ってしまった。ジョニーが残されて困っていると、たまたま観に来ていたデヴィッドJoとシルヴェインが飛び入り参加して、ミニ・ドールズ再結成ショウを行い、丸く収まったという話。「本当の友達だ」とジョニーがインタヴューで言ってたのが印象的だった。

『Too Much Too Soon』では全く触れられていなかったのですが、ジョニー・サンダースの最期は、メタドンのオーヴァードーズではなく、殺されたらしい、と、こちらの本では書かれています。ジョニーは当時、日本ツアーでかなりお金を儲けてたし、ニューオーリンズへ行ったのも、昔からの夢であるブルース・ミュージシャンとバンドを組むためだということや、ヘロインのリハビリも真剣にがんばっていたということ、ホテルの部屋が荒らされ、お金や物が無くなっていたこと、ジョニーの死体の状態がおかしかった事などから、物取りに殺されたのでは、という説。しかし警察は真剣に捜査をしてくれず、検視の結果もかなりいい加減なものだったらしい。

これも含めてジョニーの話はかなり辛いものがあるのですが、この本はそこで終わらずに、2004年の再結成後のドールズもカバーし、最後は、再結成後の意気揚々としたデヴィッドJoとシルヴェインのインタヴューで終わっています。二人揃ってのインタヴューを読むと、本当に楽しそう。これを読んで私は、ドールズの最新アルバムを買うことにした。ネットで視聴した限り、元のドールズのアティテュードが感じられない今風の音だったので買う気はなかったのだけど、オリジナル・ドールズの版権はメンバーにはないので、昔の音源を今、私達が買っても実際にこの素晴らしい音楽を創った人たちにお金が入るわけではない。既に他界してしまったジョニーもジェリーもアーサーも、そういう「音楽産業」に食いつぶされて大変な生活を送ったんだし、せめて今、まだ生きているメンバーには何かお返しをしたいと思ったんで、買うことにした。まさにアルバムのタイトルどおり、「One day it will please us to remember even this(こんなモノを思い出すことが楽しい日も来るだろう)」と思うし。

追記*:私、自分が住んでいるのはずーっとオークランド・カウンティだと信じていたんですけど、実はウェイン・カウンティだった!間違えてて馬鹿だけど、うれし~!

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Key Words 本 ニューヨーク・ドールズ ロック 伝記 デヴィッド・ヨハンソン ジョニー・サンダース シルヴェイン ビリー・マルシア ジェリー・ノーラン
ロック | コメント(2) | 【2006/10/04 01:29】
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コメント
そんな本が出ているとは知りませんでした。
昔のこの手の本は全然、音楽について書かれていなくて、ひたすらDrug,Drugばっかり。(Stones本も)おかげで詳しくなってしまいました、名前だけ♪

Johnnyの死の真相の話は聞いたことあります。いつの時代でも、扱い悪いですよね・・。

しかし、詳しい・・・・。(汗)
【2006/10/04 22:39】 URL | リュウ #-[ 編集] | page top↑
リュウさん、
LAMFを聴いて、ジョニサンはなんだかんだ言ってそんなに不幸じゃなかったんじゃないかと、ポジティヴに捕らえられる様になってきた矢先に、この殺人疑惑はガツンときましたよ。

近頃では、歴史の教科書を読むようにこの手の本を読んでいます。今は、「Please Kill Me」という、ドールズ、ハートブレイカーズの他にもラモーンズやイギーも含めたパンク・シーンに関する本を読んでいます。これも目からウロコもんに面白いです。
【2006/10/04 23:49】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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