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『裸の天使』-ヒップホップを背景に描かれるアメリカの典型的ユース・カルチャー
Havocシェアブログ1571に投稿

ブロークバック・マウンテン』『プラダを着た悪魔』で好演していたアン・ハサウェイと、『ミステリアス・スキン』『ブリック』などなかなかチャレンジングなキャラで注目していたジョセフ・ゴードン-レヴィットが、LA近郊に住む裕福な家庭のお坊ちゃん、お嬢ちゃん役で共演しています。

アン・ハサウェイ 裸の天使

dvd on amazon.com
Produced: 2005
Directed by: Barbara Kopple
Writing credits: Stephen Gaghan, Jessica Kaplan
Cast:
Allison: Anne Hathaway
Emily: Bijou Phillips
Sam: Joseph Gordon-Levitt
Eric: Matt O'Leary
Hector: Freddy Rodriguez
Toby: Mike Vogel
Joanna: Laura San Giacomo
この子たちは郊外の私立高校に通い、ヒップホップの影響を受け、ギャングスタのライフスタイルをマネして、「よまだふぁか」とかそーいうしゃべり方をし、モールの駐車場とかで他の高校生ギャングスタ・グループとけんかをし、パーティで酒、タバコ、ドラッグ、セックスは当たり前という楽しい高校生活を送っている。

ある日、アリソン(アン・ハサウェイ)と彼氏でギャングスタ・グループの番長トビー(マイク・ヴォゲル)、アリソンの親友エミリー(ビジョー・フィリップス)とその彼氏サム(ジョセフ・ゴードン-レヴィット)が車で出かけたとき、典型的なマッチョでガキ大将タイプのトビーが、危険なことで名高いイーストLAに行くと言い出す。

そこでラティーノのホンマモンのギャングスタのへクター(フレディ・ロドリゲス)からドラッグを買うのだが、最初からナメられているのでぼったくられ、よせばいいのにかっこつけたトビーが文句を言いに行き、拳銃でおどかされておしっこ漏らしてしまう。

この事件のあと、男の子達はもう一度イーストLAに行って報復するとかって言ってるんだけど、良くある口ばっかりのパターン。女の子達の方が肝が据わっているというか大胆で、本物のギャングスタから刺激を受けたくて、何度も戻って行くのであるが・・・・・。

もーこのバカ娘達が無防備にダウンタウンに戻って行くたびにハラハラさせられたよ。BMWのコンパーティブルとか平気でダウンタウンの街角に止めておいたり、高そう+セクシーなドレス来て、夜のゲットーに行ってしまう無神経さ加減!ギャングスタの人たちがこの娘達をいきなり輪姦とかしなかったことで逆に好感持ったくらいだ。

実際、最後まで主人公であるはずの金持ちの高校生達が、バカで格好悪くて同情に値しないキャラとして描かれていて、それが逆にリアルだなーと思った。舞台がLAになっているけど、事情はデトロイトでも全く一緒だし、アメリカの都市部ではたいがい裕福なウエスト・エンドと貧しいイースト・サイドに分れていて、ウエスト・エンドのガキどもは、みんなこのくらいナイーヴなんじゃないかなあ。

しかし、この年頃の子供を持つ親は大変だよ。子供のために環境のいい郊外に引っ越すわけなんだけど、そういうライフ・スタイルを維持するには、おとっつあんはせっせと働いて家にいない、おっかさんは旦那も子供も家に寄り付かないんで退屈してキッチン・ドリンカーになってしまいアル中、そうして結婚生活が破綻していくことが家庭崩壊に繋がり、子供はどんどん親から離れていく・・・・。

原題の「Havoc」ってなんなんだろうと調べてみたら、暴力的かつ意味の無い騒ぎ、とかいう意味で、且つ、90年代中期にリリースされたハードコア・ラップの悪名高いアルバムとタイトルでもあるらしい。

ヒップホップは今やアメリカのユース・カルチャーの中心なので、アン・ハサウェイ演じるアリソンや、ジョセフ・ゴードン-レヴィットのサムなんかはうちの近くでも良くみかける。しかし、それが「最近の若者は」という「現在」だけを切り取った感覚ではなく、私も私の親の世代も潜り抜けて来たであろう、「ポップ・ミュージックと若者文化の関係」として観ると面白い。ロックンロールでもヘビメタでもラップでも、最初に革新的なシーンが登場してくるのは貧しいゲットーで、それがいわゆる「音楽産業」として何百ミリオンも稼げるようになるのは、アリソンたちのような裕福な家の子供達がそれを買うようになるからなんである。

そんできっと、こういう子たちが大学へ通うようになると、そこで今度は大学生達がこの手のバンドを始めるようになり、最初シーンが登場してきたときの「アティテュード」はそぎ落とされ、単なる音楽のカテゴリーとして薄められていき、猫も杓子もバンド・ワゴンに乗っかり出す・・・。

そうやってシーンが飽和状態になってくると、また社会の底辺からムーヴメントが起こり、同じサイクルが繰り返されていく・・・・・。

ある意味ヘルシー?!

そういうことをつらつら考えながら見ていたもんで、この超完全おバカな娘達に同情できないとは言え、自分も音楽やそのときのユース・カルチャーの波に飲み込まれて結局アメリカにたどり着いたわけだし、「うーん、自分もこの娘達を笑えるほど偉くねーな」と、全く共感できないことが逆にいろいろ考えさせられたね。ぶっちゃけ言えば、私がアメリカに来たのも、アリソンがゲットーのギャングスタのメンバーになりたいと思ったのも、リアルなものに憧れるという同じ動機から出ていると思うし。恥ずかしながら。



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■ジョセフ・ゴードン-レヴィットの映画偉人伝

Key Words 映画 Havoc 裸の天使 Hip hop アン・ハサウェイ ジョセフ・ゴードン-レヴィット
映画感想 | コメント(4) | 【2006/10/01 00:17】
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コメント
記事読んで、ちょっとくすぐられる映画です。
この手の映画には滅法弱い。底辺から始まるとか、そんな言葉に弱いのです・・・・・。
音楽がRapに置き換わっただけで、本質は変わらないというところ、本当に繰り返されるんですね。
しかし、アメリカで子供育てるのは、本当に大変そうです・・・・。
【2006/10/01 07:07】 URL | リュウ #-[ 編集] | page top↑
リュウさん、
これって、日本で発売されるのか、疑問。アン・ハサウェイの人気が上がれば、出るかもね。でも誤解のないように言っておくと、「底辺うんぬん」は私の感想であって、映画はおバカなティーンエージャー中心の話です。それでも興味深い話ではありますが。
【2006/10/02 21:36】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
裸の天使に使用されている曲はHIPHOPだけではないですよ。むしろCHICANORAP等の曲の方が沢山使われていると思いますが。
【2009/04/14 16:35】 URL | Just being a dick #nlnTgiQk[ 編集] | page top↑
解説に同感しました。退屈で死にそうな学生生活の中でアナーキーなリアルさ、HABOCに憧れる米国中流家庭の子女たちの気分がよく描かれていると思いました。いまどきの若い子うんぬんと切り捨てはできない危険な青春と社会背景をテーマにした映画ですね。
【2013/02/28 09:56】 URL | jo #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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