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『マグノリア』-理解なんてしなくていいの、感じてくれれば・・・
Magnolia

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品を観るのは『ブギーナイツ』に引き続き2本目だけど、今回も「すごい物を見たけど、それがなんだかわからない」状態に陥っている。

magnolia.jpg
dvd on amazon.com
CAST & CREDITS
Produced: 1999
Directed by: Paul Thomas Anderson
Writing credits: Paul Thomas Anderson
Cast:
Linda: Julianne Moore
Donnie Smith: William Macy
Jim: John C. Reilly
Frank T.J. Mackey: Tom Cruise
Jimmy Gator: Philip Baker Hall
Phil: Philip Seymour Hoffman
Earl: Jason Robards
Solomon Solomon: Alfred Molina
Claudia: Melora Walters
Stanley: Jeremy Blackman
Gwenovier: April Grace
マグノリア
sound track on amazon.com

音楽もすごい良かったよ
ただ今回は、観終わった後に「んー、あたしの人生もそう悪くない」的な、ポジティヴな感覚を味わった。元々この作品を観れ観れと勧めてくれたアノラックとスノトレのGOさんが『ブギーナイツ』の評に残してくれたコメントに「ダメな人への暖かい視線がたまらない」とあったけど、それは『マグノリア』にも当てはまるのかもしれない。

GOさんはさらにこの映画と『クラッシュ』の、群像劇であり、それぞれのキャラがどこかで繋がっているという手法の類似性を指摘していたけど、『クラッシュ』では様々な人種の視点から見た人種差別を描いていたけど、『マグノリア』は父、母、娘、息子、夫、妻など家族の視点が多かった。

それだけの共通項でこの2つの映画を比べて語っちゃうってのは乱暴だし、しかも『クラッシュ』観たのは大分前なんでフェアじゃないけど、どっちの映画の方が出来がいいとかそーいうことでなく、ワタクシ、チュチュ自身がどういう映画が好きで、どういう映画に関心しないかということを知る基準にはなるな。

まずね、『クラッシュ』にはあんまりユーモアを感じなかった。ただひたすら深刻な印象を受けた。『マグノリア』もかなりきっちー状況ではあるんだが、爆笑名セリフがあるんだな。私が大好きなのが、ガンの末期で死にかけてる、アール(ジェイソン・ロバーズ)というおっさん。この人が、看護士であるフィル(フィリップ・シーモア・ホフマン)に悪態つくところが最高!特にこの会話;

"Do you know that every other word you use is either 'shit', 'fuck', 'balls' or 'cocksucker'? "

"Could you do me a personal favor?"

"Go fuck myself?"

"You got it."

私はこれの可笑しさを正確に翻訳できない。日本語訳ではどうなっていたのだろう?まあ『イジワルばあさん』的な可笑しさと言えば日本語圏の人にもわかると思うが、日本語ってこういう言い回しないよな。fuckとかshitもそうだけど、cocksuckerの可笑しさって特別なものがあるよ。響きといい。Go fuck youeselfは究極のキツイ言い回しであるが故に、それを言っちゃうこと自体がもう可笑しいという・・・。

それと、トム・クルーズ演じる、胡散臭い説教師!「れっすぺくとざかーっく、てぃむざかんっ」って、ああいうトム・クルーズ大好き!あの説教のシーンがこのフランク・TJ・マッキーという人物の胡散臭さを表現するとともに、すっげー笑えるじゃない。

それでいて、憎んでいた父親の死に際のシーンでのあの憎しみと悲しみと、色々な感情が爆出してしまう、ああいう演技もきっちり決めたりして、『M:I:III』がピーマンでもトム・クルーズって侮れないのは、こういう役やっちゃうところなんだよ。

もちろん看護士のフィル役のフィリップ・シーモア・ホフマンは、思いやりのあるところが魅力的な反面、TV見ているときのマヌケ顔とか彼女がいないこととか、街とかで見かけたら全く魅力のない男として写るんだろうなーという、全然美化されていないところがいい。でもさ、一番最初にフィルが登場するシーンで、サングラスをパカっと上げるしぐさとか、ドキッとするほどイカスんだよね、この人は。

そして、『ブギーナイツ』に引き続き、ジョン・C・ライリー がいいんだよなあ、この監督の作品では。この実直で誠実でありながらダメ警官であるジム。質素なアパートでコーヒー飲みながら朝番組見て笑っているところがめちゃくちゃいいし、出かける前に十字架の前でまるーくちっちゃくなってお祈りしているところなんか超キュート!でも結構背が高くてガタイが良くて、警官の制服着ているとすらっとして格好いい。顔がとぼけているんだな。

とにかくさ、こういう人物描写の中にあるユーモアってのは、GOさん言うところのダメ人間に対する暖かい視線なのかもしれん。ダメ人間であることを描くのに容赦はない。ジュリアン・ムーアが浮気して歩いた自分を表現するのに「他の男のちんぽ咥えた」とか言っちゃったり、その後悔の念から目をそむけられないくらい真っ直ぐ突き出してくる。そこに散りばめられるユーモアは、その問題を軽くしてはいないけど、暖かくはあるんだな。

そこへ行くと『クラッシュ』は、「人間色々事情があるということをお前らオーディエンスに教えてやるよ」的な説教臭さがあるので、「お前に言われたくねーよ」って感じになっちゃうんだよね。

それから、私があんまり『クラッシュ』の人種差別の逸話がうそ臭い、うそ臭いと言うもんでGOさんが「作り話でもいいもんはあるよ」みたいなことを言っていたんでそれも考えてみたんだけど、それって、例えば、最後にカエルが降ってくることとかかなあ?あれって、「雨降って、地固まる」のもっと隠喩的な表現じゃないのかな。「カエルが降っても、人生は続く・・・」みたいな。人種差別のエピソードを殊更強調して見せるっていう「作り物」と、隠喩にして見せる「作り物」の違いはでかいと思うよ。

ま、どっちにしろさ、わかんないわけよ、すっきりとはね。この監督の映画はさ。大体なんでタイトルが『マグノリア』なのかもわかんないし。でもそれでいいす、とりあえず。魅力的なキャラがたくさん出てきて、それぞれの俳優の演技も秀逸、しかも最後、なんとなくポジティヴにさせてくれる映画なんて、いいじゃん?! 一つだけ難を言えば178分という長さだな。飽きるとかダレると言う意味ではなくて、逆に面白いから、長いと困る。色々忙しかったりすると、通しで観れないじゃない。

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■さんざん比較されている『クラッシュ』はこちら
■それと『ブギーナイツ
フィリップ・シーモア・ホフマンの映画偉人伝
ジョン・C・ライリーの映画偉人伝もあるよ

Key Words
ポール・トーマス・アンダーソン マグノリア 爆笑名セリフ フィリップ・シーモア・ホフマン トム・クルーズ ジョン・C・ライリー 映画
心に残る映画 | コメント(8) | 【2006/08/20 01:18】
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コメント
ちゅちゅさん こんにちは
群像劇って高評価されることが多いですよね。「マグノリア」「トラフィック」「ラブ・アクチュアリー」「クラッシュ」など、自分は、苦手なんですがマクロ的視点が受けてるんでしょうか
【2006/08/20 09:12】 URL | hiro #-[ 編集] | page top↑
hiroさん、
場面がぱっぱか変わるってのは、エキサイティングなんじゃないでしょうかね。また、なんの関係も無いシーンが繋がったりするのもスリリングなのでは?
【2006/08/20 09:40】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
あと、あれですよ、結末のつけ方も”雪”か”カエル”かという。雪にしたクラッシュはきれいごと感が強くなりましたが。
【2006/08/20 10:13】 URL | GO #-[ 編集] | page top↑
こんにちは、お久しぶりです。
群像劇の収束方法を比較すれば、「クラッシュ」の奇跡的なエピソードも確かに似通った点はあるかもしれませんね。ただ「クラッシュ」のモチーフは人種差別でテーマも「マグノリア」とは違うのであまり似てるとは感じませんでした。
この作品は「クラッシュ」よりむしろアルトマン監督の傑作「ショートカッツ」の焼き直しバージョンに感じました、かなりテーマも似てると思います。でもカエル降らせるラストの驚愕度合いはやっぱり「マグノリア」が断トツですねw
【2006/08/20 10:54】 URL | lin #XHLKTYlo[ 編集] | page top↑
GOさん、
そうすね、きっと『クラッシュ』の製作はA型で、『マグノリア』はB型なんですよ。

冗談です。
でも、『クラッシュ』の製作が一本気でまじめな人、『マグノリア』はおちゃらけている人かもしれないという想像はできますね。PTA監督とのみに行ったら面白そうだなあとか。
【2006/08/20 20:38】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
Linさん、
お久しぶりです。みんなお盆とかで忙しかったのか、最近訪問が少なくて、さみしーです。

皆さんのコメントや評読んで思うのは、PTA監督とはウマが合いそうってこと。どんなテーマで撮っても、その料理の仕方が好きかも知れないなという。わけわかんなくても観て嬉しくなっちゃうんですよね。
【2006/08/20 20:41】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
チュチュ姫さん、こんにちは!
わーい、『マグノリア』をご覧になっていたとは!喜びいさんでコメントさせていただきます!
友人はこの映画のことを‘汚い言葉使いすぎてて好きじゃない’と申しておりましたが(そしてそれは正しいんだろうけど)、でもこんなに愛に溢れた映画なんだからこの際そこんとこは大目に見てくれと言いたいです(言ってないけど)。
オープニングでそれぞれの現在の状況をぶわーっと見せていくところとか、みんなが『Save Me』を歌うところとか、最後のクローディアの笑顔とか、音楽も作り方も、最初から最後までとにかく大好きな映画です。いつか記事を書けたらTBさせてくださいませ。
それではこの辺で。
【2006/08/25 22:18】 URL | かいろ #-[ 編集] | page top↑
かいろさん、
私は、汚い言葉がだーい好きです!
【2006/08/25 22:49】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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「マグノリア」 by NUMB
 マグノリア「マグノリア」 ★★★ MAGNOLIA(1999年アメリカ)監督:ポール・トーマス・アンダーソンキャスト:トム・クルーズ、ジェレミー・ブラックマン、ウィリアム・H・メイシー、フィリップ・シーモ NUMB【2006/08/20 10 : 40】


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