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『ニューヨーク・ドール』-コレを観て以来、ドールズにはまっていく・・・
New York Doll

自分でもなぜこの映画をそれほど観たかったのか動機が不明。ニューヨーク・ドールズというバンドが存在したと言うことは知っていたけど、音楽は聞いたこともないし、メンバーの名前さえ知らなかったのに。

newyorkdoll.jpg
DVD on amazon.com
CAST & CREDITS
Produced: 2005
Directed by: Greg Whiteley
Cast:
Clem Burke, Bob Geldof, Chrissie Hynde, Frank Infante, Davis Johansen, Mick Jones, Arthur Kane, Don Letts, Steven Patrick Morrissey, Iggy Pop, Sammy Yaffa, Sylvain Sylvain
映画紹介には「現在図書館員をして細々と生活している、元ニューヨーク・ドールズのべーシスト、アーサー“キラー”ケーンがドールズ解散後アルコール中毒、モルモン教改宗を経た30年後に再結成コンサートを行うまでの足取り」とか書いてあったんだけど、ありがちなロック回想録的。しかし、DVD宅配サービスが配達されてくるやいなや、DVDプレイヤーに入れるのももどかしく、DVD落っことしちゃったりするほどコーフンしていたワタクシ。こういうの第六感って言うのかな?

前半は、「ニューヨーク・ドールズの歴史101」って感じで、ドールズとはなんぞや、アーサー“キラー”ケーンとは何者だ、という説明が、たくさんの大物ミュージシャンや、アーサーの友達、そしてアーサー自身のインタビューを交えて見せられている。なぜ「キラー」というあだ名が付いたのか、というくだりでは、初期の頃、ライブ評かなんかで、「Killer base line」と言われたのが始まりで、この場合「Killer」って言うのは、「凄い」とかまー、日本語的に言うと「シビレル~」とか(古いか)のような意味で、要するに「ドールズのベース・ラインがすげえ」と書かれたか言われたかしたのが始まりなんだそうだが、それをわざわざ「だからこのKillerってのは、形容詞として使っているわけなんだナァ」なんて説明しちゃうアーサーが可笑しい。

これを観てなぜ自分がドールズ知らないのか良くわかったよ。このインタヴューに登場するモリッシーボブ・ゲルドフクリッシー・ハインドミック・ジョーンズ
イギー・ポップ、フランク・インファンテ、クレム・バーク(ともにブロンディ)、ドン・レッツなんてメンツ*は、メタラーだった私にはとんと興味のないパンク系の人たちだったから。向こうも向こうでメタルを嫌っているようで、ゲルドフなんか「ロックは死んだ。特にあの・・・へヴィー・メタルが出てきてからは・・・」とのたまっていた。モリッシーはそれほど辛辣ではなく、80年代のヘア・メタルご一行様(モトリー・クルーポイズンシンデレラ)のことを「ドールズの物マネだ」としながらも、「彼らの音楽はよく知らないけど」とツッコミは避けていました。

この前半は、アーサーがドールズでベース弾いてた頃の写真と、今の姿を見て、「うー、年はとりたくねーな」とか「哀しいなあ~」とか思ったね。ドールズの頃のアーサー、あんまり動かないんだけど、超カッコいい。特に手拍子してるところ!それが禿げるし太るし、なんか悲壮感漂ってたな。ところが後半、ドールズが2004年のメルトダウン・フェスティバルで再結成ライブをやるらしいというところから俄然面白くなってくる。

ニューヨークでリハした後、ロンドンでライブすることが決まると、アーサーのモルモン教の同僚達がお金を出し合って、アーサーのベースを質屋から出すお金をくれる。この、質屋のシステムが良くわからなかったんだけど、アーサーは、質屋が自分のベースを売っぱらわないように、年間170ドルだかを質屋に払っていたらしい。ベース自体は260ドルくらいで買い戻すことが出来るので、なんで買い戻さなかったのか意味不明なのだが、どうやらアーサーは一辺に260ドルのお金が手元にあったためしがなかったほど貧乏だったため、買い戻すというアイデアは浮かんでこなかったということ。こういう哀しいエピソード満載なんすよ。

ゲルドフがインタビューで、自分の子供達がドールズの大ファンで、(父親=ゲルドフのレコード・コレクションからドールズを発見してファンになったという、微笑ましいエピソード)今回のメルトダウン・フェスのチケットを購入してあげたら、「行かない」とあっさり断られたそう。「だって、今、見た目も変わっちゃってるし、レコード聴きながらポスター見ている方がいい」と言われてしまったんだそうだ。このフェスでドールズ再結成を自ら企てたモリッシーも「最高になるか、最悪になるか、五分五分だね。かつてあんなに素晴らしい音楽を創った人たちが、今はアホみたいに見えるってことはあり得るから」と。

私も「そんなにオリジナル・メンバーって大事かね」と思いつつ、ドールズの30年ぶりのニュー・ヨークでのリハのシーンを観ていた。オリジナル・メンバーっつったって、リード・ギターとドラムはもう死んじゃってて、助っ人入っているんだし、アーサーなんて30年間、ほとんど演奏していないんですよ。しかも姿形は全く別人のようだしさ。生き残った方のギタリスト、シルベインっていうの?その人も背がちっちゃくて小太りで、いつもバンダナや帽子を被っているところを見ると、ハゲているに違いないし、ボーカルのデヴィッド・ジョハンソンは・・・この人、公平に見て全くいい男じゃないと思うのですが(若い頃は近所のおばさんみたいだし、年取ってからは・・・ブサイクなロック評論家みたい)、でもなんだかカリスマチックな魅力のある人・・・ミック・ジャガーやスティーブン・タイラー系のシワシワだけど、痩せてる派手なおっさんって感じ。とにかく、私は大好きなツェッペリンでさえ再結成後は聴いてないし見てないし、ゲルドフのお子さんたちと同じ意見なわけよ。

ワン・デイ・イット・ウィル・プリーズ・アス・トゥ・リメンバー・イヴン・ディス(初回限定盤)(DVD付)
結局、このイベントで再結成となったニューヨーク・ドールズの最新アルバム『One Day It will Please Us to Remember Even This』サミー・ヤッファも参加しています。
*追記:ハノイ・ロックスのサミー・ヤッファもワン・シーンだけ、インタビューに答えています。旧友・K姉妹がハノイかぶれてたので、ツッコミ入りそうだから、一応書いておくぜぃ。

http://www.newyorkdollmovie.com/
■英語版の本家アメリカのオフィシャルサイト。「Rock Trivia Question」をパスしました、ワタクシは!君もトライしてみてくれ!
だから、ライブ・シーンは正直、観たくなかったね。モトリー・クルーだって観たかないのに、間が持たねーよ!とか思っちゃった。ところがどっこい、むちゃくちゃカッコいいわけよ!小太りハゲ(らしい)のシルベインが、ギター持ち上げてむんむんって揺するとことかさ、ボーカルのジョハンソンのおっさんも、マジでミック・ジャガーに負けないショウマンで、ああいう人は年でもシワシワでも、ステージに上がるとハマるなあ。アーサーも、昔同様にというか昔以上に動かないんだけど、そこがまたいい。今回のギグに参加したキーボードの人が「サウンドは、当時のレコードより今の方がいいねえ。それがいいことか悪いことかわかんないけど」と言っていたけど、確かに、すごくいい演奏だった。私は当時の音というのはこのフィルムの中でしかわからないけど、きっと当時ドラッグ、アルコール漬けでヘロヘロになって演奏してた頃より、いい演奏をしようと思って演った今の方がいいのかもしれない。

アーサーがほとんど偏執狂的にドールズ再結成を夢見ていたと言うのは結局、彼の人生のピークはドルーズだったと言うことなのかな、と思うと辛いね。解散が75年、アーサーが25、6の時でしょう。多くのロック・スター達が27歳で自殺及びドラッグ・オーバードーズで死んでいることを考えると、アーサーの人生も実はこの時終わっていたのかも。ロック・ミュージシャンでなくてもこの年齢って、子供時代の終結というか、クサイ言葉で言うと青春の終わりなのよね。でも、普通はみんな新しい価値観を自分に見出して行くのだけど・・・。堅気の仕事も悪くないと思ったり、子供を可愛いと思ったり、お金が出来て趣味に没頭できるようになって、それはそれで悪くないと思ったり、親にガタが来て、面倒見るのに忙しくてあんまり考えなかったなんてケースもあるかもしれないけどさ。

でもドールズ解散後の30年間アーサーは、元ドールズのメンバーが、ドールズのイメージぶち壊しちゃうような仕事してお金を稼いでいることに嘆き、自分達のモノマネをし始めた若いバンドが大金を稼いでいるのに怒り、自分のバンドが上手く行かないことにがっかりし、結婚生活が破綻してしまいモルモン教徒になった今でも「ロック・スターから降格されて、バスで仕事に通うただの人」になってしまったとしか思えないでいる。

アーサーは、ドールズの博物館みたいに自分のアパートを飾り、ドールズの話を30分以上しないでいられない人だって、監督のグレッグ・ホワイトレイさんが言ってた。友達もいないし、家族もいない、お金もないし、何もない。ドールズの思い出しかない。

この映画の凄いところは、単なるロック物のドキュメンタリーを越えて、喜怒哀楽がいい具合にミックスされていて、心を揺るがされるところだな。ロンドンに行ったアーサーが楽しそうにしているところは、本当にこっちも嬉しくなってくるし、ライブのシーンはカッコええ~!とか叫びながら観れちゃうし、でも行く前と帰ってきてからのアーサーの生活がまたガクーンと落ちちゃうところは哀しいし。でも全編とても客観的に撮ってあって、お涙頂戴じゃないところが、逆にものすごく心に染みて、私は泣いてしまいましたよ。

そして、アーサーが30年間、夢見てきた再結成コンサートが運良くフィルムに収められたところが凄いよね。そこが他のロック物と違うところなのかも知れない。だって本当に偶然の産物なんだもの。普通は再結成するから、その経緯を撮るためにプロダクションが編成されるものだけど、これは企画したものじゃないんだもん。ホワイトレイ監督はたまたまアーサーの個人的な知り合いで、アーサーがドールズ再結成を夢見て暮らしていることを知っていて、それが本当に叶うと知ったとき、映画として物にならなくても、アーサーへのプレゼントになれば良いと思って撮ったんだって。他の、映画に参加した人たちは、ホワイトレイ監督が手伝ってくれないかと話を持ちかけたら、アーサーの人生にすごく興味を持って、自分達の堅気の仕事から休暇を取って手伝ってくれたらしい。メルトダウン・フェスティバルにも、撮影許可は取っていなかったし、先ほどの大物ミュージシャンのインタヴューも、メルトダウンの会場でアーサーの名前を出すと、みんな快くカメラの前に座ってくれたそうだ。

やっぱり、こういう情熱や愛情に溢れている映画はいい。DVDが出たら、是非そちらも観てください。ボーナスの、監督の話や、モリッシーのインタビューなんか、すごくいいから。

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■フィルムでは断片的にしか見られないメルトダウン・フェスでのライブの全貌はこちらで
■30年前当時のドールズはこちらで『オール・ドールド・アップ
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New York Dolls
こんなカッコいいバンド知らずに来たとは・・・私ってボケナス
気になるアーティスト | コメント(4) | 【2006/06/12 00:19】
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コメント
NewYork Dollsは音源も映像も知っていて、パンクロックの元祖と言われていることに個人的にはかなり違和感があった。だってPOPだし、IggyPopと比べたら全然お子様ロックだもん・・・と思いつつこのレビュー読んだんだけど。
なんか妙に気になる。無性に見たくなった。渋谷で公開中か・・・いってみるかな。
【2006/06/11 12:07】 URL | sino #-[ 編集] | page top↑
Sinoさん、
私はこっち方面、とんと知らないんですが、モリッシー以下、皆さんのインタビュー聞いていると、自分らの音楽を「良質なポップ・ミュージック」という風に思っているようです。で、モリッシーなんて、ドールズ命だったそうですよ。

それと、これ、絶対観て!すっごいいいから。マジで。音楽に関わった人なら絶対染みるよ。
【2006/06/11 20:27】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
どうも~30男のローリーです。
この映画に対する感動がすごく伝わってくる記事ですね。

>やっぱり、こういう情熱や愛情に溢れている映画はいい。

同感です!僕は観ている間すごく幸せな気分に浸っていました。でも最後はちょっと泣けちゃいましたけど。
ホント人に薦めたくなる映画ですね!
【2006/07/13 14:50】 URL | ローリー #H8EIww.w[ 編集] | page top↑
ローリーさん、
初TB、サンクスです!コレの評書いてる人ってあんまりいないみたいですね。いい映画なのに・・・
【2006/07/13 21:22】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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