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『カポーティ』-フィリップ・シーモア・ホフマン文句なし!
Capote

カンサスのだだっ広い平野が映し出され、ぽつんと建っている一軒家のドアをノックする女の子。返事がないので、訪ねてきた友達の名前を呼びながら家の中に入る。バック・グランド・ミュージックがないので、風の音や木の床に靴がこつこつ当たる音がやけに大きく響く。

カポーティ コレクターズ・エディション
dvd on amazon.com
CAST & CREDITS
Produced: 2005
Directed by: Bennett Miller
Writing credits: Dan Futterman, Gerald Clarke
Cast:
Truman Capote: Philip Seymour Hoffman
Nelle Harper Lee: Catherine Keener
Clifton Collins Jr.: Perry Edward Smith
Alvin Dewey: Chris Cooper
William Shawn: Bob Balaban
Jack Dunphy: Bruce Greenwood
二階に上がり、友達の部屋を覗くと、手を背中で縛られ、頭を撃ちぬかれた友達を見つける。一瞬何を見たかわからない女の子は、次の瞬間泣き崩れる・・・・・。

この冒頭の場面は『ツイン・ピークス』以前のデヴィット・リンチを彷彿とさせた。音楽がないと、なんでもないカンサスの平野やその風の音、床に響く靴の音が何故かいやに不気味。こういう世界嫌いじゃないんで、一気に引き込まれてしまった。

実在のトゥルーマン・カポーティが書いた『冷血』の裏表紙に本人の写真が載っていて、フィリップ・シーモア・ホフマンの演じるカポーティは、その写真にそっくりなのだそうだ。しかし私は実在のカポーティを見たこともないし、彼が『ティファニーで朝食を』の著者であることも知らなかった。だから映画のカポーティは私からすると非常に個性的な、実際私の周りにはいないようなタイプ。こういう型破りなタイプのキャラクターをリアルに演じてしまったところが、フィリップ・シーモア・ホフマンが大絶賛された理由ではなかろうか。

カポーティが、出版関係のパーティではいつも他人や自分をこき下ろしたりしながら笑いをとるのが大好きなエンターティナーであった様子や、殺人犯のペリー・スミスの話を聞いているときの哀れみの表情。頭や顔を撃たれて殺された一家の死体を葬儀屋で見た後、がっくり落ち込んで恋人に電話をかけるときのしょぼんとした姿や話し振り。どれを取っても絶妙に上手い。

カポーティの幼馴染で、彼の取材を手伝うことになったネル・ハーパー・リーを演じたキャサリン・キーナーも非常にリアルで秀逸だった。特にホフマンとの絡みは最高で、本当の幼馴染のように息が合っていた。二人が取材している事件を担当した刑事のアルビン(クリス・クーパー)の家に招かれ、またカポーティがいつものエンターティメント性を発揮しておしゃべりをするのだが、ネルが絡んでくると輪をかけて可笑しい。また、カポーティは一風変わった人なので、普通の人がビックリするようなことをすると目でたしなめるネルなのだが、このキャサリン・キーナーの演技が、セリフもなく本当に目だけ、ボディ・ランゲージだけで非常に多くを表現しているところがさすがである。

他の脇役たち、例えば刑事・アルビン役のクリス・クーパー、カポーティの恋人役のブルース・グリーンウッド、ニューヨーク・タイムスの編集者のボブ・バラバン、そして殺人犯のペリー・スミスを演じたクリフトン・コリンズJr.と、みんな上手くキャスティングされていて、雰囲気がバッチリ合っているし、実力もあるという、こういう映画は最近あまり見ない。

しかし、『ブロークバック・マウンテン』のようにDVDも買うか、絶賛するかと言われたら、ちょっと「?」である。なぜだろう。場面場面はいい、役者の表現力も秀逸である。しかし、何らかのケミストリーがない。私の中でパーンとはじけるものがない。もっともっと引き込まれて観たかったのだけど、そこまでぐいぐい引っ張っていく、吸引力のある映画ではなかった。

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■映画偉人伝 キャサリン・キーナー
■映画偉人伝 フィリップ・シーモア・ホフマン

トゥルーマン・カポーティの本
ジェラルド・クラーク著の、映画の原作本はこちら


【5/12/06】
映画かってに評論ww | コメント(9) | 【2006/09/24 23:37】
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コメント
>しかし、何らかのケミストリーがない。
>私の中でパーンとはじけるものがない。
>もっともっと引き込まれて観たかったのだけど、そこまでぐいぐい引っ張っていく、吸引力のある映画ではなかった。

↑これにとっても共感。
といっても、私はこの作品を観ていないのですが。
いい映画なんだけど、がーっとつっこんでまで語りたい!と思わせるような「何か」が欠けている、ってやつですよね。
人間でもそういう人います。
良い人だし、これといって欠点もなく、好きだけど、ニュアンスがねぇ・・・って。

してみると、やっぱり「ブローク・・・」はものすごく吸引力のある作品ですね。
【2006/05/17 06:24】 URL | ウナ ノチェ #0uwWg0JQ[ 編集] | page top↑
una noche さん、
えええ!観てないのになんでわかるんですか?!

超能力!

冗談はさておき、なぜそう思われるのでしょうか?プレヴューとか観て?
【2006/05/17 08:54】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
あ、いやいや、この映画が、じゃなく、チュチュさんのそういう感じ方?というか、思い入れをもってしまう映画に共通する魅力は「いわく言いがたし」の部分ではないかと。
名作だとは思っても、思い入れをもてるかどうかはまた別でしょ?
「ケミストリー」っていうのはまさにそういう「何か」をうまく言い表してるよなと、思ったわけです。
【2006/05/17 14:24】 URL | ウナ ノチェ #0uwWg0JQ[ 編集] | page top↑
ウナ・ノチェさん、
ああ、そういう意味ですか。超能力じゃなかったんですね!
いや、マジで、英語だと「Hit the spot」などという表現をしますが、まさにそのときの自分の気分や感情にビン!と合ってしまうものなんかには、品質云々じゃなくて魅かれてしまうときがありますよね。『カポーティ』は、品質はいいんだけど、可愛がれない感じです。
【2006/05/17 21:08】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
こんにちは~。
昨夜この映画観ました。
フィリップの演技は素晴らしかったですね。
それだけで最後まで引っ張られてしまった私です。
私はちょっと前に映画「冷血」を観た事もあってか
この映画にはかなり引き込まれましたよ。
あのペリーの人柄や心の中の苦悩がよく解ったので・・・。
カポーティと言う才能ある作家が「冷血」を出版した後の後生が
とても気になってしまいました。
TBさせてくださいね~。
【2006/06/11 03:48】 URL | ショウメイ #XIPVe1s6[ 編集] | page top↑
ショウメイさん、
んー、やっぱ『冷血』チェックしてからの方が面白かったかなあ。いや、ホフマンの演技だけでも儲けモンではありましたが。
【2006/06/12 06:13】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
観て来ました。
私も同感です。(ておこがましいですね。ごめんなさい。)
この作品、どこも悪いところはないんだけれど、ここが凄く良い!!ぜひ観に行って!と私は人様に薦められないのです。
ホフマンは、やっぱり上手いし、上映時間中飽きさせることもないんですけど、これが!という美点もナシ。
でも、お金払って観ても損はしないかな。
余談ですが、カポーティ本人の写真を何点か見たことありますけど、ホフマンよりもうちょっと、可愛らしい風貌だと、私は思っております。
【2006/10/06 16:18】 URL | まーちゃん #.17RNwB.[ 編集] | page top↑
>実在のトゥルーマン・カポーティが書いた『冷血』の裏表紙に本人の写真が載っていて

これ劇中にもチラっと出てましたね。
似て…るかな
フィリップのほうが、チトぷっくりしてますね(笑
TBありがとうございました。
【2006/11/28 08:28】 URL | とりこぷてら #9K64Lzaw[ 編集] | page top↑
>フィリップのほうが、チトぷっくり
この役柄のためにダイエットしたそうですよ・・・ああそれなのに・・・
【2006/11/28 09:20】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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