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『ハリウッドランド』-映画好きの人には興味深い一作
Hollywoodland

最近、選んでいるわけではないのに実在した人物に関する映画が多くて、物知りになったような錯覚がウレシーです。1960年~70年代にサンフランシスコの住人を恐怖に落とし入れた連続殺人犯のゾディアック、1910年代のイタリア人画家モディリアーニ、1960年代に活躍したニューヨーク生まれの女性写真家、ディアン・アーバスそして今回は初代TVスーパーマンのジョージ・リーヴス。

Produced: 2006
Directed by: Allen Coulter
Writing Credits: Paul Bernbaum
Cast:
Louis Simo: Adrian Brody
Toni Mannix: Diane Lane
George Reeves: Ben Afleck
Eddie Mannix: Bob Hoskins
Leonore Lemmon: Robin Tunney
この人は、1958年だったかな?に自宅のベッドルームでこめかみに銃弾を受け死亡。公式には自殺と言うことになっていますが、彼の母親を始め、近しい友人達の中には殺されたのでは、と疑う人も多く、映画の中ではエイドリアン・ブロディが演じるルイス・シモという架空の探偵を登場させ、ジョージ・リーブスの死の謎に迫る。

このジョージ・リーヴスという人は男前でとても魅力的であるにも関わらず、なかなか役者として芽が出ない。喰っていくためにいろんな端役を演るのですが、『スーパーマン』もその一つに過ぎなかった。オーディションの時も、こんなアホな役をやるくらいなら、悪役の方がいいとがんばるのですが、なぜかそういうヤル気のないときほど合格しちゃったりする。

この人は、この役がハマり役だったのか、『スーパーマン』は大当たりする。ジョージは映画界を牛耳るエディ・マニックスの妻、トニ・マニックスの公式の「若いツバメ」であり、お金もありTVシリーズも当たってウハウハなはずなのですが、クラーク・ゲーブルのような二枚目に憧れてこの世界へ入ったジョージは、マントにぴちぴちパンツ(しかも赤)をはいた自分を鏡で見て「I look like a damn fool(バカみたいだ)」と落ち込む。

スーパーマンで名が知れた後も、様々な映画のオーディションに行き、やっと一つ映画に出演するのですが、公開前の試写会の時に、ジョージが出ているシーンになると観客が「スーパーマンだ!」「機関車より早い!」と茶化したり、笑ったりするので、監督がジョージの出ているシーンを全部カットしてしまう。

このシーンは可哀想だなと思いましたよ。今でも俳優さんてイメージは大事だけど、スーパーマンやスパイダーマンやバットマンを演じたからといって、俳優として軽んじられるなんてことないですよね?

また、トニ・マノックスが、若いジョージが自分から離れて行かないようにと、役者としての成功をそこはかとなく阻んだことを、映画では示唆しています。スーパーマンがTV放映を終え、やっとこの仕事から解放されたので、自分のやりたいことをやりたいと、2週間だけニューヨークに行って、映画を監督する話かなんかをしてくると言うと、トニはものすごいだだをこねる。しかし、この時点でジョージは既にトニと別れたかったのでしょう。ニューヨークで出会ったレオノアとすぐに深い仲になり、トニと別れる。

トニと別れる時の口論も哀しいものがありました。「レオノアといると若返える」という言葉は、ジョージよりかなり年上のトニにはぐさりと来る言葉でしょうが、返すトニも「あなた自分の姿を鏡で見た?顔なんか行っちゃってるし(とアゴに触ろうとする)、お腹の回りなんかぶよぶよじゃない」と、白髪交じりになってきたジョージにかなり痛烈。また、「悪い噂を立てて、絶対に成功できないようにしてやる」などと脅しもかける。

で、この頃のハリウッドはマフィアがらみでもあったので、トニのだんなのエディはかなりダーティなこともしてきたようで、この人がトニのことを不憫に思って、ジョージを殺させたという説、トニがやったという説、また、ジョージが仕事が見つからず、金銭的に困っていたため、レオノアとケンカが絶えず、レオノアがやったという説もある。

私の感想としては、映画はやはりジョージは自殺したのだ、というスタンスを取っていると思いました。ハリウッドはスキャンダルを恐れて色々嗅ぎまわるシモを脅したり妨害したりする上、元々シモに捜査を頼んできたジョージの母親は、ジョージの銅像がチャイニーズ・シアターの前に立つと知ると捜査を打ち切ると言う。どうしても真実を知りたいシモは、トニに話を聞こうとするがエディに阻まれ、最後にたどり着いたのは、マネージャーだった人。

この人は、ジョージがいかにチャーミングだったか、スターの顔をしていたかを熱烈に語り「じゃあどうして彼がスターになれなかったかって?それはわからないよ・・・」と言い、「参考になるか、わからないけど」と、一本のフィルムをシモにくれる。

それは、誰か有名な人とスーパーマンのレスリング・マッチという企画があり、ジョージが肉体的にその仕事を請けられるかどうかを証明するために撮ったフィルムで、柔道着を着たジョージが、柔道らしきものをやっているのですが、白髪交じりで、ちょっと大変な動きをすると腰をおさえて顔をゆがめたりしているところがすごく哀れだった。もうそういうトシでもないのに、未だにスーパーマンがらみの仕事しかなく、やっと来た仕事も、もうトシで出来そうもない。ジョージが自宅で死んだのはこのフィルムを撮った直後だった・・・。

この人がスターになれなかったのは、スーパーマンで付いたイメージがその後のキャリアの妨げになったのか、トニが若いツバメを手放したくなくて妨害したのか、それともジョージ自身に才能がなかったのか?この役をベン・アフレックに配役したのがすごいなと思った。ベン・アフレック自身が二流の役者としてトシを取って行きそうな雰囲気なので、かなり身に詰まされて迫真の演技が出来ると思ったのでしょうか。

また、めっさ老け顔になってしまったダイアン・レインがトニ・マノックスに配役されたのもすごい。女優にとっても年を取るということはかなり辛いだろうに、まさに自分の不安を体現するような役を演らされるって、どうなんだろう。

このトニ・マノックスという人の境遇と、ジョージ・リーヴスの境遇をシンクロさせたことが、この映画で唯一映画的にいいな、と思ったところでした。トニはジョージを囲って手放さないようにし、何不自由ない生活をさせるけれども、結局は彼をかごの鳥状態にしてしまうわけなんですが、若い頃は相当美しかったと思われるトニも、女優になりたくてハリウッドに来て、ジョージがトニと出逢ったようにエディと出逢い、かごの鳥にされてしまったのかもしれない。

映画的なデキという面では特に大騒ぎするほどのことはないとは思いますが、映画界の裏側や、俳優であるということの心理学みたいな洞察が見られ、映画とかエンタメ好きの人には色々と考えさせられる、大変興味深い一作だと思います。

Key Word
映画 ハリウッドランド エイドリアン・ブロディ ダイアン・レイン ベン・アフレック ボブ・ホスキンズ
気になる映画 | コメント(0) | 【2007/05/28 10:32】
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