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ジェット・リーの『スピリット』-武術とテーマは悪くないが!
Jet Li's Fearless (Huo Yuan Jia)

香港の英語タイトルが『Fearless』だったので、IMDbアメリカで検索してみると出てこない!やっと見つけたのは『Huo Yuan Jia』というタイトル。おまけに邦題は『スピリット』。ややこしい。(追記:先日、『ダヴィンチ・コード』を劇場に観に行ったら、この映画はこれから公開になるらしく、『Jet Li's Fearless』と言うのがUSタイトルになる模様【5/22/06】)

fearless.jpg
dvd on amazon.com
CAST & CREDITS
Produced: 2006
Directed by: Ronny Yu
Writing credits: No Credit
Cast:
Huo Yuan Jia: Jet Li
Nong Jingun: Dong Yong
Mr. Mita: Masato Harada
Hercules O'Brien: Nathan Jones
Anno Tanaka: Shido Nakamura
しかも今回の話は実在した武道家のお話なので、『フォ・ユアンジア伝』で良かったんじゃないか。私のPCはこの漢字ないから使えないが、漢字表記でこう読ませても、日本人には浸透したと思うのだが。

ジェット・リーは、この映画でマーシャル・アーツ物は最後にすると宣言したらしい。ジャッキー・チェンも昔そんなこと言っていたなあ。「50歳過ぎてアクション映画は身体がキツイ。もっと演技に力を入れたい」とか。カンフー・スターと言うのは究極のタイプ・キャスト(同じような役にばかりキャストされること)だから、何年も演じていれば飽きるなというのは理解できるが、それではこの後、本当に演技派俳優として生き残れるのか、疑問。

とにかく、最後だからと思ったのかどうかわからないが、気合の入ったカンフー・シーンが目白押し。前半、主人公のフォが天津を去り、放浪する前がとにかくすごい。特に凄いのは、宿敵チンさんとの死闘での剣対決。Nine Rings を使ったチンさんも凄いが、ジェット・リーは武器の方が素手より凄いんじゃないか。冒頭の槍の戦いもかなり良かったし、クライマックスでの日本人・田中安野(中村獅童)との対決で使っていた棒が3本つなげてあるやつ(『Shaolin Master Killer』の主人公(Gordon Liu)が、竹がしなるのを見て思いついた武器。名前忘れた)の使い方もすごい。これぞアート、これぞ古武道である。

しかしもちろんジェット・リーがワイヤーを使わない訳がなく、それに関してはいつもぶーたれている私であるが、今回を以って、ジェット・リーのワイヤー使いには言及しないことにした。なぜかと言うと、ジェット・リーはワイヤーを使うことに美学を感じているのではないかと気がついたからだ。ワイヤーを使ういこなすのもカンフーの芸の内と思っている人に何を言っても無駄なんである。

わざわざバトルのリングを空中に持ってきて、囲いのロープもなく、投げられたり倒れたりして転落しそうになるところをひらりとかわすなど、ワイヤー使いに持って来いのシチュエーションを演出するのだから、常に効果的にワイヤー使うことを考えているのである、この人は。

でも「ワイヤーあれば誰でも出来る」ことをやっているわけでなく、やはりかなりの肉体的資質がないと出来ないことをやっているわけなんで、ワイヤー使いは許そう。しかし、しかしである。ワイヤー使ってないように見せられないものか?! 他のB級カンフー映画と違い、ハリウッド級のバジェットで、衣装やセット、カメラワークや特撮などが素晴らしいのに、なぜ「あ、ワイヤーで吊ってる」ってわかるような見せ方するのだろう?しかもワイヤー使ったところをスローモーションにするとは意図が全くわからない。ばればれで興ざめである。

物語のテーマには共感するものがる。武道家たるもの、精神が肉体に伴っていなくてはならない、強いことにおぼれてはならない、普段の生活がきちんとしていなければ、強いことにはなんの意味もない・・・。主人公のフォが成人し、負け知らずなためどんどんうぬぼれていく様はなかなか見ごたえがあって良かった。

しかしその後、家族を失って放浪するあたりから、描き方が超メロドラマチックで、かなり引く。家族を失い、傷つき抜け殻みたいになって、見知らぬ老婆とその孫娘にに世話になる。『ダニー・ザ・ドッグ』では老人とその養女で、老人の方が盲目だったが、今回は若い娘の方が盲目。この設定に何らかの美学を感じるのであろうか、段々パターン化してきている。

カンフーを始めとするマーシャル・アーツは、見た目の派手さからゲーム感覚で捉われがちだし、特に近年のマーシャル・アーツ映画はCGの発展にともなって、ビデオゲーム感覚の肉体的な秀逸さばかりがクローズ・アップされている傾向があるから、精神性を問う題材を取り上げたことは評価したいが、「名もない小さな村で、老婆と娘との牧歌的な生活を通して自分の傲慢さに気付いたフォ」というくだりは陳腐。フォの幼馴染であるノンさんとの友情や、国は違っても武道という媒体を通して、田中安野と心を通わせて行く過程などを中心に男臭いドラマに仕上げていたら渋かったと思うのだが。【05/12/06】



Key Words
映画 アクション スピリット ジェット・リー 中村獅童

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ジェット・リーの代表作


特に、『レジェンド・オブ・レッド・ドラゴン』でジェット・リーの息子役を演じる子供のカンフーが凄い。これぞ古(子?)武道。
映画の席 | コメント(7) | 【2006/07/13 03:49】
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コメント
チュチュ姫さま、お久しぶりでございます。ご記憶ですとよろしいのですが・・・。
「SPIRIT」には、私もイロイロと不満なところはありますが、ジェット・リーファンとして彼の為に少し弁解?をさせてくださいませ。
ワイヤー使いに関しては、私もさりげなく使ってほしい派ですので、姫さまのご意見にまったく同感です。
で、ジェット自身も若い頃からワイヤーは好きではないらしく、できれば使わないアクションをやりたいそうです。そのせいか、本作と「HERO」以外の近年の作品は、ワイヤー部分はほとんどスタンド・ダブルがやっているように思います。
が、ワイヤーを使わないリアルなアクションですと、ウケが悪い国があるようで、映画を作る以上、興行上の問題を無視はできないので、ジェット自身、毎回どこで妥協するかかなり悩んでいるようです。
また、村での話は、本来あった大きな事件(甲元が真の強さというものを理解する)がまるごとカットされているようですので、少々単純な展開になってしまっています。(カットされないで上映された国もあったようです。)
あと、最後のマーシャル・アーツ作品というのは、こういう形の自らの哲学や思想を込めて作るマーシャル・アーツ作品は、これでやりきったからもう今後作る必要はないということで、アクション映画には今後も出演予定とのことです。現在撮影中の07年公開予定作品「ROGUE」では、すごーく暴力的な殺し屋の役のようです。
と、少々長くなってしまい大変失礼いたしました。
【2006/05/14 02:07】 URL | けろにあ #tnzvu2vM[ 編集] | page top↑
>棒が3本つなげてあるやつ
映像観てないので分からないのですが
もしかして三節棍?
【2006/05/14 04:19】 URL | かるまじろ #Bsu68Wb.[ 編集] | page top↑
けろにあさん、
お久しぶりです。
>村での話は、本来あった大きな事件(甲元が真の強さというものを理解する)がまるごとカットされているようですので、少々単純な展開になってしまっています。

やはりそうですか。あのあとの展開がなんだか異常に納得行かなかったのは、そのせいだったのですね!

まあ、アクション大作、しかもカンフー映画で、アクションも物語りもどちらにも重みを持たせ、しかも万人受けする作品を作るというのは大変なことでしょうね。しかし、今やトニー・ジャーも出てきてしまったし、私に言わせるとジェット・リーはもう相当お金稼いだんだろうから、これからはヒットしなくても自分の主旨にあった作品を地道に作って行けばいいのにと思っちゃいますけどね。
【2006/05/14 10:57】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
かるまじろさん、
漢字をみるとズバリそれだと思うんですけど、私基本的に英語名でしか習ってないんで自信ないです。

でもまあ、あなたが言うなら間違いないとおもいますが。
【2006/05/14 11:01】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
西洋だと「flail」の一種になるのかな?
【2006/05/16 20:27】 URL | かるまじろ #Bsu68Wb.[ 編集] | page top↑
ううう、そんな名前だったっけかな・・・
【2006/05/16 23:28】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
なんか最近のアジア映画ってワイヤーアクションが流行りなんですかね?
チュチュ姫さんの言うようにあからさまに使われると興ざめします。
使うならもう少し人間らしい動きをしてほしい物です。

あと勝手にリンク貼らせていただきました。
一応報告までに。
【2006/10/14 18:24】 URL | トオル #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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SPIRIT 2006-15 by 観たよ~ん~
「SPIRIT」を観てきました~♪19世紀末の天津、天才武術家・霍元甲【フォ・ユァンジア】(ジェット・リー)は、天津一の武道家を目指し他流試合で連戦連勝を記録していた。或る日、弟子に大怪我をさせた秦【チン】という武道家と拳を交え、壮絶な戦いの後に殺してし 観たよ~ん~【2006/07/13 07 : 37】


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