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マイケル・ムーア、コーポレート・アメリカに宣戦布告!『The Big One』
The Big One

マイケル・ムーアの魅力って、親しみやすいところですよね。売れてお金が儲かろうが、オスカーを受賞しようが、ビシッとしたスーツなんか似合わない。いつもバーゲン・セールで買ったみたいなジーンズに野球帽、しかも全然いい男じゃないところがまたいい。全世界の「イケてない」男性諸君、マイケル・ムーアの魅力を研究しよう!

マイケル・ムーア
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さがしたんですが、『The Big One』は日本では出ていない?『Stupid White men』と『Downsize This!』はとても面白かったです。『Stupid...』の方は翻訳も出ていますが、洋書でもかなり読みやすいので、英語を習っている人にはいい教材になると思います!

と言うわけで、今回のフィルムの中核になるイベントは、著書『Downsize This!』のプロモーションで全米の各都市を廻り、本屋でサイン会するムーアさんをドキュメンタリーで追っていく、というもの。著書発行元が決めた都市は、ニュー・ヨークやシカゴなどの大都市なんですが、そこはムーアさん、イリノイのロックフォード、ミズーリのセントラリアなど、自身の故郷であるミシガンのフリントと同様、「有名人が絶対行かない」町も訪ねて行きます。

これらの「無名」な町では、ムーアさんは閉鎖された工場を訪ね、職を失った人たちの話を聞いたり、工場の経営側に突撃インタビューしたりします。『ロジャー&ミー』ではフリントで大規模な工場閉鎖をしたジェネラル・モータースに挑戦状を叩き付けた感がありましたが、今回は間口を大きく広げて、利益一辺倒で労働者のことを考えないコーポレート・アメリカ全般に対する宣戦布告というところでしょうか。 大企業が田舎に大規模な工場を建て、近所の人みんながそこで働き、町の経済が完全にその企業の存続に関わっているのに、賃金の安いメキシコに工場を移してしまう企業。それが経営が傾いているからやむなくやるのではなく、従業員が一生懸命働いたおかげで既に多額の利益が出ているのに、更なる利益のためにやるのです。しかもメキシコでは物凄い低い賃金で人を雇って、ほとんど搾取の状態。どこまで儲ければ満足するんだ?と、いつもの通り企業の偉いさんに突撃インタビューを申し込む。

そして、大都市に行った際には、これら大企業の本社に突撃、警察まで出てくる騒ぎにまでなるのですが、マイケル・ムーアという人は、なんか憎めないキャラなんですよね。突撃取材に行っても、相手は物凄い警戒して緊張しているけど、自分は「ハイ!マイケル・ムーアです」っていつもニコニコしているし、言いづらいことを言う時でも、結して声を荒げたり、興奮したりしない。本屋でのサイン会のトークなんかもめちゃめちゃ面白くて、スタンダップ・コメディでも充分食っていけるんじゃないかという程でした。

私はアメリカで一度リストラされたことがあるので、今でもいつ首を切られるかと思うと不安です。こちらのリストラは誰が対象になるか全くわからない。仕事が出来ても、たいした給料を貰ってなくても、上司に気に入られていても、切られるときは切られるのです。それを「自由競争」と思って受け止めてきたけど、このフィルムを見て、そして『Downsize This!』を読んでみると、企業の強欲さにあきれかえります。

一番開いた口が塞がらなかったのは、TWAという航空会社が、電話での航空券の予約のオペレーターに刑務所の囚人を使っていること。囚人は自給が2ドルとか、破格に安いのはわかるけど、航空券の予約には名前やクレジットカードの番号が必要で、そういうのを詐欺の罪で服役している人に教えているかも知れないんですよ!マイケル・ムーアがトークの席で、「これから、電話での予約でオペレーターの対応がモタモタしてるからって、怒ってひどいことなんか言わない方がいいですよ。殺人やレイプで入ってる人たちが、釈放後に訪ねてくるかもしれませんからね。」

ほとんどの企業のエライさんがインタビューに出てこなかったのに、なぜかナイキの創立者であるフィル・ナイトという人がインタヴューを快く受けていました。この人は、黒のビジネス・カジュアル(黒のジャケットにノータイで、黒いTシャツ。で、着ている物はみんな高価そう)でビシビシ!と決めて、レストランなんかで気さくにウエイトレスに話しかけ、チップもがんがん上げるんじゃないかと思われるような、いわばコーポレート・アメリカのいい例なんだろうなーと思いました。

ナイキは、一足もアメリカでは作られておらず、全てインドネシアの工場で作られています。そこでは自給が40セント(40円)とか考えられない給料で、しかも子供も働かせている。マイケルが、「12才の子供を働かせて罪の意識を感じないの?」と言うとフィルは「年齢制限は14才だから、12才の子供はいないよ」って、14才でもかわんねーよ!

そのようにビジネス倫理が非常に低いフィルさんは、年間6兆円もの利益を出していながら、ムーアさんが提案するいかなる寄付もなんだかんだ言い訳して断り続け、やっとしぶしぶ同意したのは百万円をフリントの学校に寄付するってことだけ。6兆円稼いで、百万よ!しぶしぶよ、しかも。お金持ちになると返ってケチになると言うのは本当なんだな。

というかきっと、利益が出ないことにお金かけたくないんじゃないかしら。この人たちは、いかにお金を増やすかが目的になっちゃってるんだよね、きっと。それこそ切手収集とかと同じノリで、集めることに意義があるという。

それに対してマイケル・ムーアは、このフィルムの収益の半分をフリントの人に寄付しているそうです。ムーアさんはフィルムが売れるようになってからは、いつもリムジンで移動してて、自分で車を運転するって事がなくなっちゃったって言っているくらいだから、別に修行僧みたいに切り詰めた生活をしてまで寄付とかしているわけではないのです。でも彼はきっと、お金と言うものは使ってなんぼ、使えないほどはいらないと思っているんだろうな。余っているものは人に惜しみなくあげちゃえと。そういうところがマイケル・ムーアの信用できるところだよね。

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映画レビュー | コメント(4) | 【2006/03/19 06:52】
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コメント
ああ~、この映画好きだぁ。
「ボウリング」や「華氏」より好きです。

フィル・ナイトの思想や理念も理解できるけど(だって商売ですから)、
自ら1万ドル払ってでもカネをださせたムーア監督に感動。
ドキュメントだけどエンターテインメントなんですよね、この監督は。
【2006/03/19 12:09】 URL | メタル馬鹿一代 #KYvhgCNg[ 編集] | page top↑
メタバカさん、
この映画、アマゾンで探したんですけど、日本版みつからないんですよ。

フィル・ナイトの考えは私はわからないです。というか、私は、必要なだけの金や物は欲しいけど、金も物も「集める」と言うことに喜びを感じない。フィル・ナイトの場合、必要と思ってるというより、コレクターだよね、お金の。
【2006/03/19 12:57】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
おれはWOWOWでみたんですよ。
GOO映画にものってないし、なんでだろ?

フィル・ナイトですけど、彼はNIKEというデカい会社の経営者で、
会社ってのは利益を出してなんぼですから。
利益をださなきゃ企業は成立しないし、そうなったら従業員だって路頭に迷うし、
信じられないようなリストラだって敢行されるだろうし、
だから、人間としての彼は問題があるかもしれないけど、
経営者としては当然の行為なのかな、と。
【2006/03/19 17:16】 URL | メタル馬鹿一代 #KYvhgCNg[ 編集] | page top↑
メタバカさん、
いや、でもね、このフィルムでムーアが糾弾してるのは、既にものすごい利益が出ているのに、もっと利益を出すために、従業員を路頭に迷わしてもなんとも思わないアメリカの企業体質なんですよ。
【2006/03/21 09:43】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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