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アメリカ軍て、本当は弱いんじゃないか?『ブラックホーク・ダウン』
Black Hawk Down

オーランド・ブルームトム・サイズモアが一緒に出ている戦争映画ってのは一体どんなもんだろうかと、全く前知識なしに観てしまったこの映画だが、またアフリカものだったのは意外。最近の『ホテル・ルワンダ』や『ロード・オブ・ウォー』で、アフリカの悲惨さがやっと注目され出したのかなと思っていたら、2001年のこの映画で、しかも大物監督で既に取り上げられているとは。自分のほにゃららら加減にも驚くが、アメリカというのは戦争映画のネタが尽きない国だなと、改めて感心した。

blackHawk.jpg
DVD on amazon.com

CAST & CREDITS
Produced: 2001
Directed by: Ridley Scott
Writing credits: Mark Bowden, Ken Nolan
Cast:
Eversmann: Josh Harnet
Grims: Ewan McGregor
McKnight: Tom Sizemore
Hooten: Eric Bana
Blackburn: Orlando Bloom
世代ごとに、ベトナム、湾岸、アフリカ。そして現在のイラクと脈々と続いていく。今回気がついたのは、劇中で流れる『Voodoo Chile』が、ジミヘンではなく、スティーヴィー・レイボーンの演奏であるということと、『ジャーヘッド』とこの『ブラックホーク・ダウン』では両方ともニルヴァーナの曲が使われていたこと。ベトナム映画ではドアーズ、そして90年代以降の戦争モノではニルヴァーナと、戦争映画とロックの相関性は高い。

映画のしょっぱな、えらく長々と背景解説のシーンがあったけど、あれがこの映画の中で一番いいシーンだった。解説の文章が被る映像に説得力があったし、勉強になった。ソマリアがいかにひどい状態だったかということが一目でわかるような、良くまとまったシーンだった。

しかし一旦本編が始まってしまうと、もう完全にアメリカ風どたばた戦争映画になってしまう。一番腑に落ちないのはオーランド・ブルームの演じる若い兵隊、ブラックバーン。まず第一に、ブラックバーンはアメリカ人という設定なんだよね?なーんか、オーランド・ブルームの英語の発音が、アメリカ風にしてんだかそのまま英国なまりでしゃべってんだか良くわからなくて混乱。さすが「大根」の異名(?)を取るオーリーである。名前のブラックバーンというのと、題名のブラックホークというのが印象的に被っていたので、どんな重要な役なのかと思っていたら、戦う前に敢え無くヘリコプターから落っこちて重傷!ダ、ダサ過ぎる!その後、終わり近くにジョシュ・ハーネットの演じるヒューマニティの象徴みたいな「人のことばっか心配していて良く撃たれないな」イバートマンが、負傷した戦友に「ブラックバーンがこんなことを言った」みたいに語りかけるシーンがあるが、そのくらいしか出てこない。

映画の中でも連呼されていて、良く見たらDVDのカバーにも書かれている「Leave no man behind(誰も見捨てはしない)」というのをテーマに、狂気の中にあってもヒューマニズムを失わなかった男達を描く、という趣向なのだろうな、と思うのだが、金にモノを言わせた軍事力を鼻にかけていたら、見くびっていた相手にとことんまで追い詰められてしまう、「もしかして、弱い?!」アメリカが、意図に反してクローズ・アップされていた。戦闘開始からの時間経過が出るのだけど、一時間もかからないで終るはずだった戦闘が12時間、13時間とどんどん長くなって行くのだが、後半10時間位は、戦っているんじゃなくて、いかに負傷者を危険地域から助け出すか、すなわち「どうやって逃げよう」ということに費やされてるのである。もちろん、一番アメリカ人を敵視している区域に、怪我をしたまま残されるのは恐ろしいことだし、同情もするのだが、その中途半端なヒューマニティが負けの原因なんじゃないかと思えてならない。ソマリアの人たちは明日をも知れぬ思いで戦っているのだから、負傷して動けなくなったらどんどんおいて行かれるんじゃないだろうか。意識不明のパイロットを助けようとかしている人員とか時間を本来の目的である敵の頭(かしら)を取るということに集中させていたら、返って早く、犠牲者も最小限で済んだのでは?と思った。

加えて、冒頭で上手に見せていたソマリアの状況に呼応して、ソマリア側の視点などがもっと織り込まれていくのかと思ったら、物語はあくまでアメリカ軍がひーひー言っている様を中心に進む。多少、女も子供もマシンガンを持って戦い・・・というシーンも出てくるが、「故にアメリカ軍は苦戦した」という状況説明の域を超えていない。

しかし、物語のことをうんぬんするならば、この映画はどうやら事実に基づいているようなので、映画批判というより、アメリカの政策批判になってしまうのだが、あえて映画の批判をするとすれば、ヒューマニティをばさっと省いて、たった18人で敵の危険区域に残されてしまったその恐怖感というのを冷酷に描いた方が良かったんじゃないかと思う。

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リドリー・スコットの映画
アメリカ合衆国 | コメント(6) | 【2006/03/12 02:58】
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コメント
(/^・x・^)オイッス! まあ米軍もこのソマリアでの介入には失敗しましたな。●『アイディード将軍を亡き者にすればソマリアに“ 米国的民主主義”が定着するとでも思ったかい?』という民兵のリーダーの言葉がすべてでしょう(政治戦略の失敗)●デルタという特殊部隊とレンジャーという正規軍が混成チームとなったことも指揮系統の混乱を招いたのは戦術的失敗。なまじの秘密作戦だったために軽車輌で撤収などという愚挙も犯してますね。(そのくせパキスタン軍には泣きついてるし。)●たとえ死体の一部でも撤収というのは『ベトナム』以降の米軍の不文律でしょう。ベトナムでは最終的に遺体回収部隊まであったくらいですから。そのために作戦としては被害が飛躍的に広がりましたが。●ソマリアの現地ではRPG(本来は対戦車ロケット)の在庫が無くなるくらいまでヘリにむけてむやみに撃ち込んだようですな。●CNNで米兵の死体が弄ばれる様子が世界に配信されたのでクリントンさんが撤退を決めたとされてます。●『街じゅうが襲ってくるぞ』『我々は主導権を失ったな・・・・』中将の言葉がすべてです。
【2006/03/12 23:54】 URL | Dr.デュランデュラン #-[ 編集] | page top↑
博士、非常に良くまとまった解説、ありがとうございます。映画に対する理解がぐっと深まりました。
遺体回収にそんなに力を入れるというのは、やはり国内の批判を恐れているからに違いないと思うのですが、つー事は国民の意思に反して戦争を続けているということはわかっていてのカバーアップということになりますよね。そうやって兵隊さんたちの命を犠牲にしてまで戦争に行く(まさに「行く」ですよね、人のうちの争いに出て行くんだから)理由は、やはり権力のある人がそのことによって「儲かるから」というアメリカ拝金主義が背景にあると思えて仕方ないのですが、そこへ持って行ってはいけないんでしょうか?
【2006/03/13 01:58】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
(*^ー゚)b  “誰も言わないけど本当の事”それは大きな紛争は『ビッグビジネス』であるということです。中東あたりで規模の大きな紛争があると、出兵した米国内はもちろんフランス・ベルギー・スイス・ドイツ・オーストリアの各軍需産業が巨大な利益をゲットできますね。( ̄ー ̄)v  それは巨大な闇の勢力にとっては『大事な事』です。
【2006/03/13 03:01】 URL | Dr.デュランデュラン #-[ 編集] | page top↑
結局のところ、その「闇の勢力」というのは、誰なんでしょう?博士のお考えとしては?
【2006/03/13 05:09】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
(/^・x・^)オイッス! 民族系の起源を持つ「裏の勢力」ですな。古くは日本開国からロシア革命、太平洋戦争、ソ連の崩壊、パーレビ王朝の崩壊、東西ドイツの併合・・。すべては彼らの描いた“世界の歴史”であると言われてますが、そういう『表に出てくる歴史』ではなくて『巨大な利権を中心にした』影の勢力というのは形になってないだけで“歴然と存在し、歴然と覇権を握り、世界を思いのままに動かしている”のでしょう。●そういう組織がないにしても『紛争・戦争』はビッグビジネス。欧州諸国で中立をうちたてるベルギー・オーストリア・スイスは国家工尚を持ってますし、ドイツは結局のところ“世界標準の小火器”を造る国になっています(H&K)。フランスは紛争当事国の両方に武器を売却してるし・・まあそういうことです。世界平和などありえません。あったら困る勢力があるからです。
【2006/03/13 10:27】 URL | Dr.デュランデュラン #-[ 編集] | page top↑
博士
私もいろんな人がいるんだから「争いのない平和な世界」と言うのはあり得ないと思いますが、お金のために(しかも使えないほどの巨万の富のために)一般人が「争わされる」のはムカつきますね。

ああ~ムカつく。
【2006/03/13 21:57】 URL | チュチュ姫 #-[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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「ブラックホーク・ダウン」後日談 by 変態博士 Dr.デュランデュランの異常な愛情
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「ブラックホーク・ダウン」 by 変態博士 Dr.デュランデュランの異常な愛情
(^・x・^)y─┛~~~~ 1993年、飢餓にうめくソマリアには平和維持活動を展開していた国連と、国連に対立するアイディード将軍派の衝突が勃発していた。93年10月3日、米軍はアイディード将軍の拉致を計画、首都モガディシオ市街地での特殊作戦を展開した。30 変態博士 Dr.デュランデュランの異常な愛情【2006/03/12 23 : 36】


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