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存在価値の「証明」なんて必要ない?『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』
Proof

最初、観た時は、なんてことないなと思ったのですが、2回目に観てみたら、これはなかなか複雑なメッセージが込められているなあと思ったのですが、さすがに3回観る気にはなれなかったので、わかったことだけ書き留めておこうかなと思います。

proof.jpg
dvd on amazon.com
CAST & CREDITS
Produced: 2005
Directed by: John Madden
Writing credits: David Auburn, Rebecca Miller
Cast:
Catherine: Gwyneth Paltrow
Robert: Anthony Hopkins
Hal: Jake Gyllenhaal
Claire: Hope Davis
まず、一番最初に目に付いたのは、主人公キャサリン(グイネス・パルトロウ)のお姉さんのクレア(ホープ・デイヴィス)。二人のお父さんロバート(アンソニー・ホプキンス)は、数学界に物凄い発表をした数学者なのですが、20代で発病してからずっと精神病を患い、宇宙人がコンタクトしてくると信じていたり、1日12時間もぶっ通しで意味のないことをノートに書き付けたりして生活して来た。最後の数年間は、キャサリンが大学を辞めてまで付き添い、シカゴの自宅で息を引き取る。お葬式を挙げるためにニュー・ヨークから里帰りしてきたクレアは、父の死に意気消沈しているに違いない妹を励まそうとしているのはわかるのですが、キャサリンの気持ちは全く介さない。

キャサリンが、コーヒーをブラックで飲むと言っているのに、「ミルクも入れなさい(身体にいいから)」と勝手にミルクを入れたり、キャサリンが気にしてもいないのに「(あなたの髪はぼさぼさだから)私のお気に入りのコンディショナー使って!」と言ったり、キャサリンはシカゴに残りたがっているのに「ニュー・ヨークに来なさいよ、シカゴなんて死んでるわ」と言うクレア。キャサリンも劇中で言っているように「猫なで声で『大丈夫?』とか言われると、余計ムカつく」女です。

クレアは、キャサリンがお父さんの才能と共にその狂気も受け継いでいると思っているようなのですが、なぜなんでしょう?確かにキャサリンは、警察に電話したこととか、ハロルド・ドブスという人物が存在することとか、クレアにとってはつじつまの合わないことを言いますが、私達オーディエンスは、キャサリンが本当のことを言っているのを知っているので、クレアが最初からキャサリンはおかしいと決め付けて話をしているから信じられないんだな、と思う。

クレアを見ていると、「アメリカ的成功者だなぁ~」と思います。リストを作ってやるべきことを後回しにしない。一日も一秒も無駄なく生きる。常に生活向上のために努力する。前向きに、前向きに。クレアから見ると、キャサリンは負け犬なのです。頭のおかしい父親なんか施設に入れちゃって、きちんと大学を卒業したら良かったのに。友達もいないし、人付き合いも好まないし、外見も気にしない。心配して色々言ってあげているのに、エラク感情的になっている妹。この子も、お父さんみたいに少し頭がおかしいに違いない。

ジェイク・ジレンホール演じるハルも、成功者です。数学者として博士課程を修了し、有名大学で教える傍ら研究をし、だからといって完全な数学オタクではなく、ロック・バンドでドラムも演奏するし、子供にホッケーも教える。趣味も充実。友達もいる。毎日忙しい。

ハルは、クレアのように押し付けがましくはないにしろ、やはり自分の幸せの形でしかキャサリンを測れない。僕のロック・バンドを観に来ない?一緒に早朝のジョギングに行かない?そういうことをしないキャサリンは、幸せではないはずだと思っている。そして決定的なのは、キャサリンが女だから(?)もしくは二流大学を中退した身分で(?)自分が理解できないような数学的な証明(Proof)が書けるはずはないと思っている。

キャサリンがその証明を書いたことを信じないハルに言った言葉が印象的でした。「私が書いたとしたら、あなたの自尊心が傷付くんじゃないの?やっとの思いで博士課程を修了しても、無意味なリサーチで暇つぶしして、コンフェレンスに行った自慢話してるだけ。ロックバンドなんか作って遊んでるくせに、たった26才で知的才能がピークを過ぎたなんて泣き事言ってるのは、本当に過ぎてるのを思い知らされるのが怖いからでしょ!」

キャサリンが狂った父親の面倒を見ていた数年間は無駄だったどころか、ハルが「大学院で習ったことよりよっぽど勉強になった」というほどのものを成し遂げた期間だった。だけどキャサリンは、自分の成し遂げた功績を、父親への愛情から誰にも見せなかったというのは、常に自分の存在価値を他人や社会に「証明」するために努力しているクレアやハルの生き方を痛烈に批判しているのだと私には感じられました。

映画を見ている間は、主人公であるキャサリンに肩入れしてしまうのですが、実際こういう人たちが側にいたら、きっとクレアやハルと同じように、キャサリンを疑ってしまうんだろうなあ。私達も、社会で自分を「証明」しなくちゃと思い、「証明」できないと非常に情けなく感じる。多分この映画は、そういう生き方を選んじゃってる私達に、「証明できること」と「真実」はイコールではない、ということを言いたいのかなと思いました。




グイネス・パルトロウ出演作品
やはりグイネスがこの映画を引っ張っていますよね。


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Key Words
映画 プルーフ・オブ・マイ・ライフ ジェイク・ジレンホール グイネス・パルトロウ ホープ・デイヴィス アンソニー・ホプキンス
映画 | コメント(5) | 【2006/08/02 03:32】
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コメント
コメントありがとうございました!
天才とかのストーリーは大好きなのですが、グイネス・パルトロウの年齢設定がおかしい、というコメントが気になって結局見てません・・・
DVDがでたら見ようと思います!
【2006/02/19 19:29】 URL | ロイ from 週末に!この映画! #SFo5/nok[ 編集] | page top↑
TBありがとうございました。
見てるときに感じてたお姉さんへの違和感を、
こんなに分かりやすくまとめていらっしゃって、さすがです。
【2006/02/19 19:35】 URL | にこ #-[ 編集] | page top↑
コメントとTBありがとうございました。
なるほど、深いですね。
自分の存在価値の証明ですか。言われてみるとなるほどなぁ~と思います。
主人公ばっかり見てしまっていた私ですが、本作で見るべきところは脇役の人々だったのかもしれませんね。
う~む?でもやっぱり難しいと言うか、解らん映画です(笑)
【2006/02/20 02:32】 URL | トチオ #SsWvqQvU[ 編集] | page top↑
うんうん、同感です。人それぞれ幸せの形は違うって分かっているけど、それを受け入れるのってむずかしかったりますね。特に肉親の場合は。
でもやっぱりラストは尻切れトンボでいやでした~。
【2006/02/20 21:49】 URL | myums #-[ 編集] | page top↑
興味深くブログを拝見させていただきました。
また来ます。
【2010/05/28 21:05】 URL | 埼玉 葬儀 越谷 家族葬 三郷 #dq1BtA8s[ 編集] | page top↑
コメント、サンクスです!












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