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『セックス・アンド・ザ・シティ2』-アラフィフは人様々
Sex and the City 2

早く観たかったんですけど、DVDがなかなか出なくってこんな遅れてしまいました。前評判最悪だったので、もうものすごい期待して観たのですが、それほどインパクトなかったです。

セックス・アンド・ザ・シティ2 [ザ・ムービー] (1枚組) [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 2010
Director: Michael Patrick King
Writing Credits: Michael Patrick King, Candace Bushnell
Cast:
Carrie: Sarah Jessica Parker
Charlotte: Kristin Davis
Miranda: Cynthia Nixon
Samantha: Kim Carttrall
『ドット・コム・ラヴァーズーーネットで出会うアメリカの女と男』の著者として有名らしい、ハワイ大学アメリカ研究学部教授、吉原真里さんは自身のブログで、

『セックス・アンド・ザ・シティ2』はこれまでの『セックス・アンド・ザ・シティ』に対する冒涜である

というタイトルの記事を書いていてむちゃくちゃ怒っているのですが、それを読んでいたせいか、私はそれほど怒りは沸いてきませんでした。

つかさー、PMSなんだよねー。この一本前に書いた『ラブリー・ボーン』もあんまりどーでも良かったんだけど、具合悪くてぼけーっと観るためだけに借りてきた映画たちだから、身を入れて観ているわけではないのかも。

吉原真里さんは、下記のようなことを言ってます。

「そんなことより、私が冒涜だというのは、この映画が、この年代の女性が直面する現実を、愛情とユーモアをもって、かつ真剣に正面から取り組もうとするSATCの本来の姿勢が少しも感じられない、ということです!(なぜかここで「です」に戻る。)結婚生活2年を経て、相手への愛情が減るわけではなくても、日常生活のマンネリ化や刺激の減少は避けられないというキャリーの現実。望んで家庭の主婦の道を選びながらも、2人の子供の子育てのストレスに疲れ果て、また、若いナニーを性的脅威として見てしまうシャーロットの現実。弁護士としての仕事と家庭生活を両立させるべく馬車馬のように動き回りながら、職場では男性に抜かれ、子供は自分から離れていって、すべてが指と指のあいだからこぼれ落ちてしまうような気持ちになるミランダの現実。そして、独身を通し、50を迎えてもなんの恥じらいもなく性を謳歌するサマンサを容赦なく襲う、更年期障害という身体的現実。物語がアブダビに移るまでは、そういった現実を、それなりのリアリティをもって描いているので、いい映画にするポテンシャルはあったにもかかわらず、なにを血迷ってか脚本家が舞台をアブダビに移してしまったために、話はまったくのドタバタ茶劇以外のなにものでもなくなってしまうのであります。」

ホント、一字一句おっしゃるとおりで、『セックス・アンド・ザ・シティ』の良さっていうのは、女性の現実を、女性の目から見て、男性にも他の女性にも社会にも媚びることなくズバリ表現しているところだと思います。で、4人の主人公たちが直面する現実は、吉原さんが説明する通り、私も「これズバリあるなあ~」って感じですごく共感しました。

キャリーはMr.ビッグがあんまり遊びに行かなくなって、家でくつろぐばっかでつまんない、って設定なんだけど、私はどちらかというとMr.ビッグのタイプなので、相手につまらない人って思われたらどうしようって思った。

シャーロットのケースもズキズキきちゃって、何でかって言うと、結婚したいとか、家庭を作りたいとか、自分で望んでいても大変で、欲しいものが手に入ったのに自分のキャパでは維持できないって感じる、ってどうだろって思った。相手が悪くて離婚するとかならまだしも、自分が耐えられなくなって別れざるをえないとなったら、

「私に手に入るものではなかったんだ」

っていう、それこそ「負け組」感覚になっちゃうし、夫や子供に対する罪の意識で超落ち込むと思う。

ミランダも可哀想で、ずーっと弁護士やってきたんだから経験もあるし、自分の仕事に自負があるのに、自分を嫌う人と仕事しなくちゃならなくて、しかもそれを覆そうと躍起になればなるほど家族も離れて行っちゃうという。これって女じゃなくても、男でも共感できると思う。

ミランダが仕事も自分の一部なのに対して、セックスが自分の一部なサマンサは、自分がトシを取っていくってことを性的に受け入れることが出来ない。薬とかでアンチ・エイジングするのって「悪あがき」とも取れるけど、諦めてしょんぼりしているくらいだったら「悪あがき」の方がいいな。一番いいのは現在の自分をポジティブに受け入れて行くことだけど、そこに至るまでに悪あがきがあってもいいと思うし。

で、吉原さんは何を怒っているかというと、

この映画において、4人の女性がそれぞれの抱える問題の「解決」への道筋には、なんの格闘も深みもない。論理も説得力もまるでない

ということなんです。例えば、

「・・・・キャリーの一時の気の迷いは、夫のまったくもって不可思議な理解と寛容(妻が他の男とキスをして、その妻にダイアの指輪をプレゼントする夫がどこにいるのじゃ?)によって解決し、夫に告白することによって自分の罪悪感をはらすといういう以外に、キャリー自身が自分の気の迷いについて真剣に悩み苦しんだ様子は見られない」

私はビッグは、「やっべー、俺が粗末に扱ったから、他の男とキスしちゃった!大事にしなくちゃ・・・・」って思って、それを示すために指輪を買ったんじゃないかと思ったんだがなあ。キャリーは元々アホって言うか、昔からこんな感じだったので、感想なし。

「子育てに疲れたシャーロットの解決策は、ナニーに子供をまかせてときには友達がもっているマンションでひとりの贅沢な時間を過ごすという、現実に子育てでてんてこまいしている庶民の女性が見たら画面にトマトでも投げつけたくなるのではないかと思うような答」

確かにコレってすごく贅沢なことだと思うんだけど、思い切ってコレをすれば?!とアタシは思うのよね。「現実に子育てでてんてこまいしている庶民の女性」って言うけど、まあ本当にギリギリの生活をしている人でもない限り、例えば親に子守を頼むとか、夫に頼むとか、何か方策はあると思うのだが。時にはお金を遣って人を雇ってもいいし。なんというか、コレに関しては、「現実的に不可能ではない」んだけど、「妻として、母として、そんなことしていいんだろうか?」っていう、女性自身が心の葛藤を乗り越えられないことの方が、お金とか時間よりも大きな問題だと思うんだ。

「男中心の職場に腹を立て仕事を辞めてしまう(現実的なことを言えば、大手弁護士事務所でも次々に弁護士を解雇しているような状況のなか、この選択は無謀としか言いようがない)ミランダは、やはり子育てだけでは満足できないことに気づき、どうやって見つけたのだか知らないが、自分のやりがいと周囲の評価がともに手に入るすてきな仕事を見つける」

これは確かにこの不況の中で仕事辞めるってどうよ、って思うんだけど、これもシャーロットと同じで、精神的な葛藤を乗り越えて「自分がハッピーじゃない仕事を思い切って辞められるか否か」ってところが最大の問題で、それさえ出来てしまえば、次の仕事を見つけることはそれほど難しくないと思う(不況であっても)。

「そしてサマンサは、女性そして性を抑圧する中東から自由の国アメリカに戻って、思う存分セックスをする」

まーこれは確かに何が言いたいのか良くわからん。サマンサ大好きなんだけどさ~。サマンサの話は、中東の女性や性に対する考え方にチャレンジしているような形になってて、そのコンテクストの中での「中東の文化」の描き方が差別的だとか色々言われているんだけど、まあ、こういう風に見えないこともないって、アタシはあんまり気にならなかったなあ。アブダビの女の人たちが、シークレット・ソサエティみたいのを作ってて、アメリカの本を読んだり、ブランド物の洋服を着ているってのがあったけど、日本が舞台だったら「こんなの誤解もはなはだしい」ってやっぱムカついたのかな。アメリカの本読んでいるのに誰もキャリーの本について言及しないのが笑ったけど。

そんな感じで、吉原さんが怒ってるところはアタシは最初から期待してなかったのか、どーでも良かったんですが、映画として質が良くないと思った。物語りがブツ切れっていうかまとまりがないし、シャーロットとミランダが子育て談義をするところとかも、演出っていう意味でシラケた。

あと、ファッション、ゴージャス!っていうのがないとSATCじゃない!って思ったのかも知れないけど、今回は現実離れし過ぎ。冒頭のスタンフォードの結婚式なんて、いくら19歳の時からお金貯めてたってあり得ないし、アブダビの豪華な旅行も、いくら招待とはいえ、ないだろ~。昔はキャリーが、400ドルの靴買うのに「ああ~またお金遣っちゃった~」って悩んだり、家にいる時はスエットとか着てたり、贅沢とは言ってもそれほどウソ臭くなかったけど、今はMr.ビッグと家にいるのにドレスみたいの着てるしさ~。いくら金あってもアレはないだろう。あと、いくら派手ったって、観光行くのにバルーン・スカートはいてくか?!って思った。

みんな年取ったしね。トシとるのはいいのよ、それが観たいんだからさ。でも服とかメイクとか、「若い時のままでありたい」って言う感じじゃなくて、センスとか落ち着きが「若い女には敵わない」っていうその世代での魅力にして欲しかったなあって思う。TVシリーズも含めて、今までずーっと観てきて思ったのは、私一番キレイだって思うのはミランダだなあ。顔の作りが一番可愛くない?シャーロットも可愛いけど、この人意外に男顔だし。それにミランダってすっごい背が高いんだよね。サマンサより高いかも。で着ている服がいつも一番シックでカッコいい。今回のスタンフォードのウェディングで着てたドレス、いいなあ!欲しい!

まあ要するに、アラフォー・アラフィフの葛藤や現実を、全ての女性が納得行くように描くのは簡単じゃないってことかなあ。そのくらいのトシになると、本当に多種多様な生き方やものの見方があるもんね。

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■セックス・アンド・ザ・シティ全シリーズ
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映画レビュー | コメント(2) | 【2010/10/31 04:49】
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『ラブリー・ボーンズ』-天国へ行っていいすか?
The Lovely Bones

前から気になってたんですけど、◎俺のオススメ映画を越えてゆけ◎で「スッキリしねぇぇぇぇぇぇぇよぉぉぉ!!!!」って書いてあったので、「やっぱ観なくっちゃ!」と思いました。

ラブリーボーン [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: Peter Jackson
Writing Credits: Fran Walsh, Philippa Boyens
Cast:
Jack Salmon: Mark Wahlberg
Abigail Salmon: Rachel Weisz
Grandma Lynn: Susan Sarandon
George Harvey: Stanley Tucci
Len Fenerman: Michael Imperioli
Susie Salmon: Saoirse Ronan
Lindsey Salmon: Rose McIver
「勧善懲悪ではない」とか、「救いのない物語かもしれない」ってのは、Cさんのブログで散々ネタバレ読みまくった上でみたので、ほとんど「え~~~~!!!!」って言うのはなくって、

「うーん、これが現実なのかもなあ」と冷静に観れました。Cさんのネタバレ読まないで観たら、「え?コレだけ?」とか、「ふざけんな~!!!」とか、なんか色々リアクションがあったのかもしれんのですが。

Cさんは、「家族が自分の死を受け入れたら成仏できるモノなのか?死体が見つからなければ成仏できないのでは?」と言ってたんですけど、その辺確かに考えちゃいますね。

私の意見では、自分の愛する人達が自分を「天国へ行っていいよ」って解き放ってくれたら、行けるのかな~って思った。でもアタシは自分が強いから、みんながアタシのことを忘れて行くなんて、辛くて辛くてしょうがないけど。

特に好きな男の子が、あの霊感の強い子と、自分の死によって仲良くなって行くところなんてもう、心が引き裂かれました。霊感の強い子が、ここぞとばかりに男の子に迫ったんならまだしも、彼女も殺された女の子の理解者なので(つか、霊感強いからわかってしまう)、もう虚しさのぶつけ先がないって言うか。

まあ~でもあれか。いかな自己中の私だって、自分の愛する人たちが自分の死に捕らわれていつまでもウジウジしているのを見ているくらいだったら、自分の方からスッパリ身を退く覚悟もできるかもな。

それにしてもアレだよね。好きな男の子とキスするために生きた人間の身体に乗り移れるんだったら、お父さんを救うためとか、自分を殺した男に復讐のためとかに、人の身体には乗り移れなかったんかいな、と思った。

本当に、心から叶えたいことじゃないと、乗り移れないのかもね。

Cさんが言ってたように、もう一度観ようと思うような映画じゃないですね。確かに何が言いたいのかわからない。キレイなエンディングではあるし、現実ってこんなものなんだろうな、って思うけど、じゃあ面白いかって言ったら面白くない。「現実ってこんなもの」って思うのに、物語りに納得行かないってどうだろう。説得力がないってことなのかな。

追記:

しかしアレですよね~、スーザン・サランドンがお婆ちゃん役なんだもんなあ。今でもキレイだけど、時の経つのは早いもんだ。『グッドフェローズ』でジョー・ペシに撃ち殺されてしまうスパイダーっていう少年を演じてた子が、この映画では刑事さん役だし。やれやれ。
今日観た映画 | コメント(2) | 【2010/10/30 22:36】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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