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『25時』-やるせないですお~!
25th Hour

これ、昔観たとき、ものすごいやるせない気持ちになったのですが、今観ても本当にやるせないです。麻薬売買で逮捕されたモンティ(エドワード・ノートン)は、明日の朝、刑務所に送られる。今日がシャバでの最後の日。父親の経営するレストランに食事に行き、その後幼馴染みのジェイク(フィリップ・シーモア・ホフマン)、フランク(バリー・ペッパー)、そしてガールフレンドのナチュレル(ロザリオ・ドーソン)とクラブで一夜を過ごすことにする。

25th hour
dvd on amazon.com
Produced: 2002
Director: Spike Lee
Writing Credits: David Benioff
Cast:
Monty Brogan: Edward Norton
Jacob Elinsky: Philip Seymour Hoffman
Frank Slaughtery: Barry Pepper
Naturalle Riviera: Rosario Dawson
モンティは7年間刑務所に入れられるのですが、それが何を意味するか、ということが、最初私にはわからず、登場人物の会話から段々わかってくると、背筋が寒くなります。モンティのような華奢で可愛い男、しかもムショに知り合いもいないような男は、屈強な他の囚人たちに女のようにレイプされ、弄ばれる。クラブでフランクとモンティがしゃべっているシーンでモンティが、

「多分、最初の夜に歯を全部折られるだろう。そうすれば一晩中フェラチオさせても、噛まれる心配ないだろうから・・・・」

なんて自分で言ってるのを聞くと、どよ~んと重くなってしまいます。フランクは、7年経って出てきたら、また希望が開けるよ、みたいなことを口では言うのですが、この前のシーンで、ジェイクと二人っきりの時に

「モンティは終わりだ。7年ムショに入れられるってのがどういうことかわかるか?」

とか言ってるわけですよ。その含みが、もしかしたら殺されてもおかしくないんじゃないかと思われるような口ぶり。

そんなところに放り込まれるとわかって過ごす日々って・・・・。やだろうなあ。

このフランクが住む、ニューヨークの高級アパートは、911のグランド・ゼロが見下ろせる場所にあり、まだ作業員が片づけをしているところを見ながら、フランクとジェイクが話をしているシーンがあります。それとか、密告によって逮捕されたことに対して「なんで俺が」と思った鏡の中のモンティが、ニューヨークに住む様々な人種に対して文句を言うシーン。スパイク・リーは、この一人のドラッグ・ディラーの物語りを通して、現代のニューヨークを描きたかったのかなあと漠然と思ったのですが、ウィキを見たら、時期的に911が起こった直後だったので、原作にはない911のリフェレンスをリー監督が挿入したんだって。

「様々な人種」の方は、目的はわからないけど、なんか、「自分ばっかり損をしている」なんて感じる時には、どいつもこいつも憎くなる、っていう気持ちがあるでしょ?それを現してるという意味では良かった。韓国人、中東、南米の移民、ユダヤ人、アイリッシュ、イタリアン、本当にニューヨークには色んな人がいる。

フランクが言うとおり、モンティは他人をドラッグ中毒にして金持ちになったんだから、仕方ないんだけど、いやにモンティに肩入れしちゃう設定になっているんですよね。肩入れっていうか、やだよな~って。『シャウシャンクの空に』でもあったじゃん。刑務所でリンチされたり、レイプされたり。そこを見せないで、そういうところに送り込まれる前の日、っていう設定がもう、どよ~んですよ。最後、モンティを車で刑務所まで送っていくお父さんが、

「お前が逃げたかったら、どこか遠いところへ連れてってやるぞ」

といい、どこか名もない街にモンティを下ろし、「帰ってくるな・・・」と言い残して去る。で、モンティはそこでひっそりと暮らし、何年か後にはナチュレルと連絡を取り、結婚し、子供もでき・・・・・

ってなんか上手い話だな、と思っていたら、車の中で居眠りしているモンティの夢だった・・・・という、最後もめちゃくちゃやるせない~!!!


Key Words スパイク・リー デイヴィッド・ベニオフ アンナ・パキン ブライアン・コックス トニー・シラグサ コースチャ・ヴァネッサ・フェルリト イザイア・ウィットロック・ジュニア

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映画を見て、思ったこと | コメント(2) | 【2009/10/23 02:54】
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ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ - こんな日がこようとは・・・・
Them Crooked Vultures @ the Fillmore Detorit, Michigan October 8th, 2009

Tehm Crooked Vulture


今年、有給が異常にあまってて、年内に取りきれないと思い、お誕生日(10月5日)の前に一週間ほど休んで、6日の火曜日に会社に来てみたら、映画/音楽友達のSさんが朝一にすっ飛んできて、

「どこ行ってたんだよぉ~~!!!すげえバンドが来るから教えようと思ってたのに!」

・・・この人いい人なんだけど、この人が言う「すごいバンド」ってな~・・・・

「誰が来るの?」

「デイヴ・グロールと・・・・・」

・・・・うーん。ニルヴァーナはまだしも、フーファイはあんまり聴いたことないしなあ。PVで三つ編みやってる時点で萎えたし。

「クィーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョッシュ・オムと・・・」

ストーン・ヘンジ?スパイナル・タップか?!知らねー。

「・・・・と、ジョン・ポール・ジョーンズ!!」

「え」

ここで10秒くらい思いっきり空白に。

「いつ?!」

「あさって」

マジかよ~。それから2時間くらい、仕事もしないでネットでチケット購入に奮闘。一緒に行ってくれる人もなく、面倒くさいデトロイトまで車で行ってきました。

なぜかライブって、行くまでは面倒くさくて面倒くさくて、思い腰が上がらない。フィルモアは、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーの時にひでえ目に会った記憶があるハコなので、今回は2階席でゆっくり座って観ることにした。曲知らないし、目当てはジョンジーだけだもん。

でもすごい後悔した。モッシュ・ピットで2時間立ちっ放しもイヤだけど、ピットにいたら1メートルくらいのところで観れたなあ・・・・。ああ、ジョンジーの生プレイを、この目で観る日がこようとは・・・・。

まあ見た目は老けたけど、弾いてる御姿のカッコ良さはハンパじゃない!!!!それにやっぱこの人の独特のオカズとか、どんな曲で聴いても、それが「ちょろ」っと入っただけで脳内モルヒネがどくどく出まくる!曲は、クィーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのファンのジェニーによると、「かなりストーン・エイジしてる」ってことなんだけど、アタシは

「あ!ツェッペリンが聴こえる!!!」

とかなり萌えたので、スーパーグループといえども、昔の栄光に浴してツアーで金稼ごうとか姑息な考えじゃなくて、かなり時間かけてリハして、それぞれのサウンドを融合させた、真摯なバンドだと思った。だってモロツェッペリンとかそー言うんでなく、まあ今風の、グランジ以降のオルタネティヴの重々しい重厚なサウンドの曲なんだけど、ツェッペリンぽさが垣間見えていたり、コラボレーションと言う言葉がピッタリなバンドだ。

それにボーナスだったのは、デイヴ・グロールがドラムだったこと。私はニルバーナ、なんたってこの人のドラムが大好きだったのだ。これを観られる日がこようとは。しかもジョンジーとのカップリングで。長生きするものだ。

ストーン・エイジの子も、全然知らないけど、なかなか良かった。最初はボーカル弱いと思ったけど、後半に行くに従って「この人、すごい歌えるじゃん」って感じになってきた。

でも、かなり露骨にジョンジーをフィーチャーしてましたけどね。普通、ボーカルってど真ん中にいるものだけど、右側にかなり寄って、ドラムを叩くデイヴ・グロールが見えるようになってて、ジョンジーは左側にいるんだけど、ステージ中央寄り。で、ギターの人なんか、右側のかなり隅に追いやられてた。アレだったらもう素直にジョンジーとグロールを真ん中に置いて、ボーカル右、ギター左に置けば良かったのに、と思った。

メンバー紹介も、まず「ドラムス、デイヴ・グロール」、ギターが誰、自分は誰、で、一息置いて、

「・・・・・・ジョン・ポール・ジョーンズ」

って。「ベースは」とかわざわざ言わないし、もーなんつの、「わかってんだろ!」みたいなさ。

2階席はさすがに「このトシになってモッシュしたくありません」という、年配の人が多かった。若い女の子が一人いて、その子は周りの人に「立ちましょう!」とか行ってるんだけど、1階に行けよ、ウザってーな!係員にも「座ってください」とか言われてた。あと、30後半くらいの5人連れの男たち。ビール飲んで、はしゃぎ過ぎ。見た目とか、態度とか、どー見ても

「ああ~昔は良く、こうしてライブで大騒ぎしたよなあ。懐かしいなあ」

みたいのがミエミエでみっともね~。格好とか見ても、いかにもがんばってソレ風にしているというか、音楽とか別に特別好きじゃなくて、「若かった頃みたいに振舞いたい」だけの理由だったら、ジョン・ポール・ジョーンズじゃない人のライブに行ってくれ!

あと、私の周りにいた人たちは一体何しに来たのだろう?しょっちゅうビール買いに行っては席を立つ。そのたびに私も立たされる。そんなビール飲むなっ!アタシの前にいたおっさんなんか、どー見ても50がらみなんだけど、連れてる女が20代にしか見えない。援交かよ!で、この女がウザい。あのうるさい音楽の中で、身体思いっきり男の方に向けて、ぺらぺらぺらぺらしゃべってる!ジョンジーの素晴らしいオルガンソロで、スポットライトまで当たってるのに、見てないし聴いてない!

「で、どうぉ、今のところ?いいショウ?」

ってお前!まさに今が見せ場なんだよ!ステージを見てみなさい。明らかに音楽わかんねーなこの女。しかも男の方はいい年して、携帯でステージの写真を撮っては友達に送っている。この人たち、自分の観ているものがなんだかわかってんのかね?ジョン・ポール・ジョーンズですよ!!

ああ~やっぱモッシュ・ピットにすれば良かった。ジョンジーを見れる機会なんてもう2度とやって来ないだろうなあ。やっぱりレイジーになっちゃいかん。いつまでも立ち見でOKな体力をつけよう。さらに精進します。

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■超萌えまくってます!!!レッド・ツェッペリンDVD Disc 1

key Word
音楽 Them Crooked Vultures ジョン・ポール・ジョーンズ デイヴ・グロール クィーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ
ライヴレポ・感想 | コメント(6) | 【2009/10/18 01:04】
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『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』-底辺でがんばるアーティストたち
Anvil! The Story of Anvil


まず最初に言わせてもらいたいんですけど、メタリカのラーズ、クリストファー・ウォーケンに似てないか?!インタヴュー見て、誰かと思ったよ、ホント。しかしこの人はアレですね、エンターティナーと言うかなんと言うか、DVDの特典でラーズのインタヴューがノンカットで入っているんですけど、だらだらしゃべっている中でディレクターのサーシャ・ガヴァシが、「あ、それ、いい。それについてしゃべってください」って言うと、カメラ向きの顔になって、最初からもう一度しゃべり始めたりとか。

anvil
dvd on amazon.com
Produced: 2008
Director: Sacha Gervasi
Cast:
Steve "Lips" Kudlow
Robb Reiner
Lemmy
Slash
Lars Ulrich
その特典のインタヴューでラーズが言ってた。「成功する、しない、とか、成功してないのに、あんなトシになるまで演っててすごい、とか、そこばっかり強調されるのは、どうかなあ。成功したから続ける、っていう問題じゃなくて、続ける人はどんなレベルでも続けるものなんだよ。成功する、しないということにウエイトを置き過ぎて、デヴュー前と後の音楽が著しく変わったバンドもあるし・・・・」

なんかこれ聞いていると『ザ・レスラー』を思い出すよね。ほとんど同じ感じだったよ、内容的には。給食のケータリングやって、時々小さなクラブで演奏してさ。でもさー、アンヴィルの人たちは、周りが協力的じゃん。結婚もしているし、子供もいるし、家も持ってる。あれって何、奥さんが稼いでいるの?ドラムの人の家なんかなかなかいい家じゃん。

ギターのリップスの奥さんなんて、「私は彼の音楽が好きだし、彼の才能は、もっと世の中に認められた方がいいと思うの。それに私は80sが好きなのよ。未だにこんな頭してるし」と、当時流行った「ヘア・メタル」スタイルの頭を指さして自分で笑ってた。いい奥さんじゃないですか。

映画自体は、擬似ロキュメンタリーの伝説、『スパイナル・タップ』そのものだと言われてますが、確かにその通りで、『スパイナル・タップ』という映画がいかに鋭い洞察力で作られたのかがわかる。レコーディング中にケンカしたりとか、売れなくても日本では歓迎されるとか(爆)。あ、でもヨーロッパまでツアーに行って、お金払ってもらえないってのは辛かったなあ。しかも、エンディングで「結局払ってもらいました。」って出て「良かったじゃーん。いくら貰ったんだろ」と思ったら100ユーロだって。はした金じゃーん・・・・とほほ、って感じです。

ほとんどのところは感動的でもあり、またどよ~んと重かったりもするのですが、リップスって正直怖いよ、アタシ。この人普段はニコニコして、良くいる「気のいいメタルにーちゃん」なんだけど、キレると超コワイ。ロックスターになる夢について語っているときなんて、唇ブルブル震わして、涙目になりながら、こぶしでテーブル叩いて熱弁ふるってるの見てて怖かった。まあ、あのくらい情熱があるからこそ続けてきたんだろうけど、個人的にあんまり親しくなりたくないなあ・・・。

最後、日本に来て、ロック・フェスに出るんだけど、朝の11:30かなんかにブッキングされてしまい、「こんな早くに客来るわけないよ・・・」ってすごく落ち込んでたけど、来るんですね~、日本人のお客さんは!昔は、日本人のマナーの良さが好きじゃなくて、もっと白人みたいにブチ切れろよ!とか思ったけど、来日アーティストが「日本のお客さん最高!」って言うのが良くわかった。バンドに敬意を払ってるよね。アメリカ人って、バンドを観るためにきていない、って人多いもん。マリファナ吸ってハイになったりとか、ただ暴れるためにとか、他の目的のために来てたりとか。日本人は少なくとも、純粋にバンドを観よう!って姿勢があって、まあそこが型にハマってるちゃあハマってて面白味がないけど、演奏しているバンドにしてみれば、嬉しいことだし、そういう「Respect」の気持ちがあるってすばらしいことだと思うよ。

この映画は、マイケル・ムーアが「近年で観たもっとも素晴らしいドキュメンタリー」って言ってたり、オスカー・ノミニーの候補に上がったりとかすごい評価されているってウィキで読んだけど、映画がそういう話題性を持ってても、アンヴィル自体がブレイクすることはないんだろうなあ。初期の頃のモトリーとかメイデンと何が違うのよ、って思うんだけど、当時こういうバンドはそれこそ有象無象にいて、アンヴィルだけじゃないんだよ、こういう運命を辿ったバンドって。アタシが青春時代を一緒に過ごした元カレだってまだバンド演ってるし、別にバンドとか演らなくたってギターを弾き続ける人、音楽を聴き続ける人はラーズの言うとおり、アンヴィルみたいに報われなくても続けるし、そういう「底辺」があるからこそ、「頂点」にまで駆け上っていく人たちもいるんだもんね・・・・・。

Key Words サーシャ・ガヴァシ スティーヴ・“リップス”・クドロー アンヴィル ロブ・ライナー ラーズ・ウルリッヒ レミー スラッシュ トム・アラヤ スコット・イアン
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映画を見て、思ったこと | コメント(4) | 【2009/10/12 08:29】
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『路上のソリスト』-真摯ながらも力及ばず・・・
The Soloist

DVDで観たんですけど、映画の前に原作を書いた本物のスティーヴ・ロペスが出てきて、「ホームレスになる人は皆、それぞれ色々な事情を抱えているんだ。そんなホームレスの実態をみんなに知ってもらいたい」みたいなこと言ってたんですけど、ホント、酷かったです。

soloist
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: Joe Wright
Writing Credits: Susannah Grant, Steve Lopez
Cast:
Nathaniel Ayers: Jamie Foxx
Steve Lopez: Robert Downey Jr.
Mary Weston: Catherine Keener
良くさ、世捨て人としてあえてホームレスになる人もいるって言うじゃない?家も要らないし、お金も要らないって人。それはわかるのですが、あまりにもプロテクションがなくて怖くないかなあ、と思ったの。私なんか犬がいるじゃない。この状態でホームレスになったら、犬を守って上げられるか不安。

ナサナエル(ジェイミー・フォックス)もさんざんひったくりに合ったらしく、スティーブ(ロバート・ダウニー・Jr.)が中古のチェロをくれたときも、盗まれないようにしっかり足の下に敷いて寝たり。あんな何も持ってないような人同士でひったくり合うというのも悲しい。

で、多分、ホームレスの人たちを助けるシェルターみたいなものだと思うんですけど、スティーブが、チェロを上げるから、そこへ来て演奏しろって言うわけよ。ストリートに住んでいると車とか危ないから、と思ってそう言うんだけど、ナサナエルは嫌がる。スティーブは、それにイライラするんだけど、実際に自分で行ってみたら・・・・

シェルターの前にすっごいたくさんのホームレスがたむろしてて、怖い!しかもホームレスったってタフなヤツもいるわけで、まさに弱肉強食の世界。きっとこづきまわされていじめられたり、物を盗られたりするんだろうなあ。しかも時々警察が手入れにやってきて、ミルク・カートンを不法に所持していたという、意味不明な理由でホームレスを逮捕していく。

ナサナエルは精神障害も抱えていて、それがそもそも、かれが才能あるにも関わらずジュリアード音楽院を辞めてホームレスになっちゃった理由で、そういう不幸な境遇に深く同情したスティーブはナサナエルを救おうとするのだけど、上手く行かない。

誰かのために何かをしてあげることより、ただそこにいてあげることの方が難しいってのを聞いたことがあります。スティーブのケースってまさにコレで、ナサナエルは精神障害ゆえに、アパートを無償で与えてやっても、コンサートを開く機会を与えてやっても、こなせない。少しずつ良くはなるんでしょうけど、それは亀の歩みで、ものすごい忍耐力がいる。しかし、「自分は誰かの友達なんだ」という気持ちがナサナエルの支えになるので、見ていて辛くても、そばにいてあげるべきだし、そばにいてあげることしかできない。まーでも、別に精神障害がなくても、友達とか子供とか同僚とか、そばにいて、話を聞いてあげて、支えてあげることしかできないもんね。

で一見、スティーブがナサナエルを救ってあげているように見えるんだけど、実はスティーブも、ナサナエルの存在によって救われているんだよ、という、美しい話なんですが、映画的には全然感動しなかったなあ。私って、ジェイミー・フォックスって苦手かも。『レイ』でも思ったんだけど、「大変だなあ、でもすごいなあ」とか、頭では思うんだけど、心で感じられないと言うか。

ロバダウはすごい演技派なんでしょうけど、この人ってリアリティがゼロじゃない?しゃべり方とかしぐさとか、わざとらしいっていう表現が適切かわからないけど、自然じゃないよね。この映画でも、ナサナエルをアパートに連れて行ったとき、タバコの吸殻がベッドの脇に落ちているのを見つかる前に取ってしまおうとしてベッドにダイブ、吸殻を隠してから「ちょこん」とベッドサイドのランプを点ける、という動きがコミカルで、正に昔演じたチャップリンみたいな可笑しみがあるんだけど、現実感に乏しい。

ホームレスの人たちの事情を知ってもらいたいと言う、真摯な気持ちで書いたコラムの映画化ということで、マジメな作品ではあるのですが、やっぱりコラムっていうのは物語性に欠けると言うか、深みがない気がする。脚本に落とす時に、もっとこなれた「物語り」にすることができれば、映画的にも面白かったのかもしれません。

Key Words ジョー・ライト ジェイミー・フォックス トム・ホランダー

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映画を見て、思ったこと | コメント(1) | 【2009/10/08 02:49】
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『ウォッチメン』-アタシにはわかりません
Watchmen

なにこれ~全然わかんないよ~!!1985年なのに、雰囲気が60年代みたい。ニクソンが大統領なの?え?え?あ、そうか、このお話の中の年代なんだな。紛らわしいから止めてくれ!

watchmen
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Produced: 2009
Director: Zack Snyder
Writing Credits: David Hayter, Alex Tse
Cast:
Laurie: Malin Akeman
Dr. Manhattan: Billy Crudup
Ozymandias: Matthew Goode
Rorschach: Jackie Earle Haley
The Comedian: Jeffrey Dean Morgan
Night Owl II: Patrick Wilson
このスーパーヒーローたちはさあ、バットマンとかアイアンマンみたいに独立してなくて、このお話の中にしか存在しないのね?OK、OK。なんか段々わかってきたぞ。しかしアレだよ、これってモロ、大人のためのコミックだよね~。『シン・シティ』の時も書いたと思うけど、『ゴルゴ13』だよ。あのシルク・スペクターとナイトオウルのファック・シーンなんか、このアタシでさえこっ恥ずかしくなっちゃいました。

ナイトオウルがパトリック・ウィルソンなのには笑った!この人、太ったの?それとも髪型のせい?『リトル・チルドレン』とか『ハード・キャンディ』の時と印象違い過ぎる。あとコメディアン役のジェフリー・ディーン・モーガン・・・『P.S. アイラヴユー』ではやたらいい感じだったのに、観るたびに印象悪くなって行く人です・・・。

とか思いつつ、最初の1時間半くらい「暗い、スローな映画だ~」って眠りと覚醒の間を行き来しながら観てたのですが、ロールシャッハがマスクをとったところで目が覚めた。

「あ!小児愛好者だ!」

この人さ、『リトル・チルドレン』で性犯罪者の役やってたときから、キモいながらもまつげが長くて、結構可愛い顔してんじゃん、って思ってたんだけど、今回なかなかカッコいいじゃないですか。しかも、この人がマスクをとった後のシーンは、みんなすっごい良かった。ロールシャッハ・テストのシーンも、刑務所でケンカするシーンも。

そうそう、セックスもすげかったけど、暴力描写もすごいね。刑務所のケンカシーンなんて、フライする油を顔にかけるんだよ~!あれはインパクト強過ぎ。あと、鉄格子に縛った両腕を電動のこぎりで切るとか。でも油のインパクトにはかなわないけど。

ストーリーはさあ、んー、なんか単に興味ない、こういう話。地球滅亡とか。てかさ、なんか作り過ぎで面白くない。そもそも「スーパーヒーローが集まってチームを作る」みたいなのがアホくさい。「二代目」がいるってのもアホくさいし、だいたい紛らわしいよ!

コミック・ヒーローたちの素顔も、元々フィクションなんだから「あり得ない」って言えないけど、初代シルク・スペクターが、「アタシは昔ヒーローだったのよ!」って夫婦喧嘩で言うところとか、そういう発想?みたいな。スーパーヒーローがヴェトナム行って、地元の女の子妊娠させて殺すとかさー。

唯一おお!って思ったのは、ロールシャッハが刑務所に入れられた時だよ。スーパーヒーローとしてたくさんの犯罪者を刑務所に送り込んだから、そこへ入れられるって、コワイ!

で、その核戦争がどーとか、スーパーヒーローを次々暗殺している人の正体とか、最後、オジマンディアスが全部説明しちゃうじゃん、戦いながら。口頭で。あれもカッコ悪かったなー。

でもこれってすごい人気あるコミックなんだから、こういう世界観が「ピン」と来る人もたくさんいるんだろうけどさー。アタシにはわかりません。

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■出演者良く見たら、Dr.マンハッタンって『あの頃ペニー・レインと』でギタリスト役を好演したビリー・クラダップじゃんか!

Key Words ザック・スナイダー マリン・アッカーマン ビリー・クラダップ マシュー・グード カーラ・グギーノ ジャッキー・アール・ヘイリー ジェフリー・ディーン・モーガン パトリック・ウィルソン
映画レビュー | コメント(0) | 【2009/10/04 22:24】
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『サイドウェイ』-ジアマッティって私はイマイチ
Sideways

ポール・ジアマッティっていうとみんな「サイドウェイ、サイドウェイ」って言うので観たんですけど、前半ちょ~退屈で死ぬかと思った。ジアマッティ演じるマイルズという冴えない男が、冴えない洋服、冴えない車で冴えないサン・ディエゴのアパートを後にするところから始まる。LAに向かっているんだけど、どうしてなのかとか一切説明はない。「サン・ディエゴからLAって車でどのくらいかかるのかな~」とか思いながら観てた。

サイドウェイ (特別編) (ベストヒット・セレクション) [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 2004
Director: Alexander Payne
Writing Credits: Rex Picket, Alexander Payne
Cast:
Miles: Paul Giamatti
Jack: Thomas Haden Church
Maya: Virginia Madsen
Stephanie: Sandra Oh
着いた先は、いかにもビバリー・ヒルズって感じのいい家で、挨拶とかしてるんだけど、マイルズとこの家の人との関係もわからない。着いていきなりケーキとか食わされてるし。朝ぱらからケーキかよ?それともコレって朝早くないの?なんて思っていたらマイルズが、「チョコレートもホワイトもおいしいけど、個人的にはチョコレートの方がいい」と言うと、みんなが若い女に「ほら、やっぱり」って言うのを聞いて初めて「ああ、この女が結婚するのだな」とわかる。

で、この女が結婚する相手と言うのがマイルズの親友・ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)で、マイルズは結婚を一週間後に控えた親友を独身最後の旅に連れて行こうと、ジャックのフィアンセの家にジャックを迎えにきたのだった。

この会話の端々や、立ち寄ったマイルズのお母さんの家での会話で、マイルズが小説家志望だとか、離婚暦があるとか、ジャックが昔TVに出てた役者だとか、色々なことがわかる。

旅行先は、カリフォルニアの、ワイン作りで有名な町かなんかで、これはマイルズがワイン好きなためのようである。車で小さなワイナリーに立ち寄っては試飲し、マイルズが長々とウンチクをたれるとジャックが必ず「ふーん。結構おいしいじゃん」と言う。

ジャックは結婚前に最後のランデブーをしたいと、行く先々でナンパしまくり、結局男女2:2で出かけることになるんですけど、マイルズとカップルになったマヤの会話は全てワインに基づいている。二人ともワインにハマっていて、なんか二人の言語みたく。

コレ観てて思ったんだけど、なんでワインって特別なんだろう?年代とかどこで作られたとかさ。あ、でも考えてみれば、ビールもウィスキーも日本酒もみんな一緒か。食べ物だってそうだよなあ。私は余りグルメじゃないので、ワインうんちく聞いてるとうんざりするけど、マイルズとマヤがワインを飲みながら「コレは、フルーツの風味をアルコールが台無しにしている」って言うところがあって、「ああ、それってわかる」と思った。安いワインって時々すごい酒臭いのよね。で、赤ワインなんか、時々、マジで「チーズ食べたい」って思わせる味ってあったりしてさ、ワインに関するウンチクって、あながちカッコだけじゃないんだなと思った。

しかし、この映画は外食のシーンが多い。マイルズとジャックが旅行中だから仕方ないんだけど、胸焼けがしてくる。3食外食して、毎日ワイン飲んでさー。あ、でも、ワンシーンだけ、4人がピクニックみたいに外で、くつくつ笑いながらワイン飲んでて。太陽の光がさんさんと降り注いでいるところは、すっごい平和で楽しそうだった。

ストーリーはねえ、最初に言ったけど、うーん。個々のエピソードとかキャラとか、悪くないんだけど特に面白いとか思わなかったなあ。ジャックが、ひっかけたステファニー(サンドラ・オー)のこと本気で好きになっちゃった、ヴィクトリアとの結婚を取り消そうかと思う、って言い出したときだけが唯一「おお!この先どうなるんだろう?!」ってエキサイトしたところで、それ以外はただぼーっと観ていた。

このサンドラ・オーさんは良かったですよ。カナダ生まれだそうだけど、カリフォルニアのワイナリーにいきなりアジア人が当たり前のようにいるのか、しかも地元の人みたいで、多分、カリフォルニアなんかそういうの当たり前なんだろうけど、ほら、『ラスベガスをぶっつぶせ』とかで、基になった話は中国人とかアジア系の人が主人公なのに、映画化に当たっては白人にすり替えられたり、とかあるじゃない?だから「カリフォルニアのワイナリーにいきなりアジア人」の方がよりアメリカの現実に近いハズなのに、そう見えないところが面白いなと思った。余談だけど、サンドラさんって韓国系ですよね?するとこの「オー」っていうラスト・ネームって、王選手の「オー」かな?!なんて思いながら観てた。

PS
今調べたら、サンドラさんて監督の元妻だって!


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Key Words
トーマス・ヘイデン・チャーチ ヴァージニア・マドセン サンドラ・オー メアリールイーズ・バーク
見た映画 | コメント(4) | 【2009/10/03 20:41】
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『ラリー・フリント』-まるでボラットのような人
The People vs. Larry Flynt

エロくてしかも悪趣味で有名なあの『ハスラー』誌を創刊したラリー・フリントが、「言論の自由」をかけて世間と戦う様を描いた映画です!当時はコートニー・ラヴの大抜擢とか、『真実の行方』で彗星のように出てきたエドワード・ノートンとかで盛り上がったこの映画なんすけど、プロデューサーがオリバー・ストーンなんだよね~。いかにもストーンがやりたがりそうですよね、こういう話。

ラリー・フリント [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 1996
Director: Milos Forman
Writing Credits: Scott Alexander, Larry Karaszewski
Cast:
Larry Flynt: Woody Harrelson
Althea Leasure Flynt: Courtney Love
Alan Isaacman: Edward Norton
Jimmy Flynt: Brett Harrelson
なんかコレ観るとさ、「言論の自由」とか「民主主義」とかつって、人間の思考が公的に開放的になってきたのって、本当につい最近なんだなって思うね。最初、ラリー・フリントがオハイオの田舎で「ザ・ハスラー」って言うナイトクラブを経営していて、ソレのプロモーションとして小冊子を発行するのね。店のストリッパーの紹介とかさ。それが嵩じてハスラー誌になり、コンビニとかで堂々と売られる様になってくるとみんなが騒ぎ始めて(特に教会)裁判になるんですけど、もう裁判官も陪審員も何もかもみんなグルで、公平に裁こうなんて気はなく、最初から有罪!って感じで、刑務所に入れられてしまう。これが60年代か70年代くらいだよ。今から30、40年前って、アメリカでもこんなにガチガチだったんだよね~。

一応、言論の自由は掲げられているので、こういう雑誌を作るなとは言えず、「売ったらお仕置きします」という法律を作る州が出てきたりすると、ラリー・フリントはその州へジェットで飛んで行って、地元の本屋でわざわざそれを売り、警察に捕まっては裁判をやる。

でもこの人もホント酷い人なのよ~。サンタクロースが手でちんこ持ち上げてる漫画を載せたり、『オズの魔法使い』の登場人物をエロい設定にしてギャグにしたり、アメリカの夢のあるもの全てをメタメタに穢しまくる。ちょっとボラットみたいな人ですね。

で、エドワード・ノートン演じる、若年弁護士のアランくんは、ラリー・フリントの弁護を申し出る。なぜかと言うと、彼の専門は「人権」関係なのよね。アランは、ハスラー誌って最低!って思うけど、「言論の自由」を勝ち取るという観点に関しては、ラリーに賛成なわけなのです。

で、ラリー・フリントはしょっちゅうクスリでラリってるんで、弁護士アランくんが「言論の自由」の裁判シーンとかですっげえ見せ場が多いです。特に最後、最高裁まで行って、そこでの質疑応答?なんかすっごくいい。なんかね、このシーンは、実際の裁判の模様を録音したテープを研究して、ほとんどその通りに演じてもらっているらしいんだけど、エド・ノートンも、他の裁判官役の人たちも、すごい自然でいい。

で、もちろんこの裁判で勝つんですけど、要するに、ハスラー誌に載ってるギャグやポルノは確かに趣味が悪い。しかし、「趣味が悪い」ということを裁くことはできない、みたいなこと言うんだよね。なるほど~なんて思いながら観てた。エドワード・ノートンも、あんな長いセリフ、良く憶えたよな~とか。

コートニー・ラブはねえ、昔観た時は、「すげえ!ちゃんと演技できるじゃん!」って思ったんだけど、今観ると、まああんなもんかー、みたいな。当時、この映画で認められていきなり女優気取り、とかって批判されてたけど、まあ、これ以降何もなかったね~。オリバー・ストーンは、特典のインタヴューで「この役は絶対コートニーしかいないと思ってた」ってすごい押してるんだけど。

でも、これは当たり役だったかも。演技上手いとか下手とかいうことより、ラリー・フリントの奥さんが、本当にこの映画で描かれるような人だったのなら、この人を1996年の感覚で一言で表せる人って言ったらコートニー・ラブしかいなかったんじゃないかなあ。知らないことを説明されるとき、ズバリ一言で言い表してくれると「ああ!」って「ぴーん」と来ることあるじゃない?そんな感じで。

でまあ、内容はなかなかいいんですけど、ちょっと映画的にはカタルシスがないというか・・・。ラリー・フリントが関わった数々の裁判を、彼の人生の時間軸そのままに並べただけ、っていうか、小さい裁判がいくつかあり、そして最後の最高裁で一気に盛り上がる~!みたいに段々凝縮されて行く、みたいのなくて、最後「うーん、大変だったね、あんた」みたいな。何度も刑務所には入れられるわ、精神病院には入れられるわ、その傍ら、ハスラー誌で億万長者になるわ、半身不随になるわ、奥さんエイズで死ぬわ、すっごい人生なんですよ!でもなんか「うっわ~~~すっげ~~~」って思わなかったなあ。

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映画レビュー | コメント(5) | 【2009/10/02 09:27】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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