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幸せは歩いてこない!だから歩いて行くんだね!-アバウト・シュミッド

About Shmidt


aboutschmidt.jpgシュミッドさんは地道に勤めてきた会社を無事定年退職するが、妻に突然死され、娘には疎ましがられ、旅に出てみるが自分の思ったようなものは見つけられず、ただひたすら孤独で、この先どうなってしまうんだろうと観ていて不安になのですが、なんとなく心底共感して「かわいそう」と思えないところがある。娘に邪魔にされるのがなんとも哀れな気がするけども、会話の端々からこぼれてくる、「シュミッドさんはこんなお父さんだった」像を考えてみると、娘にとってはシュミッドさんはそれほど大切な人じゃないんだなというのも、納得してしまう。

その辺の気持ち悪さが、ロジャー・イバートが書いた映画評の冒頭を読んでクリアになり、この映画のコアなメッセージが、意外にも人生を語るに重要なものだなあと思いました。

"Warren Schmidt is a man without resources. He has no intellectual curiosity. May never have read a book for pleasure. Lives in a home "decorated" with sets of collector's items accumulated by his wife, each in the display case that came with the items. On his retirement day, he is left with nothing but time on his empty hands. He has spent his entire life working at a job that could have been done by anybody, or, apparently, nobody. He goes to the office to see if he can answer any questions that the new guy might have, but the new guy doesn't. In a lifetime of work, Warren Schmidt has not accumulated even one piece of information that is needed by his replacement."

「ウォレン・シュミッドは知的好奇心にかけていて、多分、娯楽のための読書なんてしたことがないのだろう。女房の趣味の悪いコレクションで飾られた家に住み、定年退職後はただひたすら空虚な時間が残るのみ。彼が生涯かけてしてきた仕事は誰でも出来たような仕事で彼が辞めても困る人は一人もなく、後釜に座った若い社員が彼に教えを請うようなこともない」

CAST & CREDITS
Produced: 2002
Directed by: Alexander Payne
Writing credits:
Louis Begley, Alexander Payne, Jim Taylor
Cast:
Jack Nicholson, Kathy Bates, Hope Davis, Howard Hesseman
シュミッドさんの状況に同情しながらも共感できないというのはまさにこの「知的好奇心 (Intellectual Curiousity)」 がかけているためなのです。娯楽のために本を読む、すなわち、全く生活の役に立たない、もしくは全然お金にならないことを、ただ「下手の横好き」みたいにすることがいかに人生、大事なことか、シュミッドさんを見ているとわかります。

私はアメリカに来てからは、大学時代は勉強、勉強、それこそ、教科書を読むのに精一杯で、文字通り娯楽で本を読む時間がなかったくらいです。春も夏も授業を取っていたので、短い冬休みが唯一のお休み。そのときは朝から晩までごろごろして、日本語の小説を心置きなく時間を気にせず読むのが楽しみでした。その後就職してからは、別にたいした仕事をしていたわけでもなく、一度リストラされたせいもあり、資格を取ったりもっと高度な教育を受け、「金や時間を使うなら自分への投資になること」と、アメリカ式成功者の論理で自分を奮い立たせようとして来ましたが、なんとなくそれに「??」と感じていたことも確か。言語学なんて企業ではなんの意味も持たないから、ビジネス・スクールに通おうかと思いつつ、ズルズル先送りにして来たのも、結局、役に立つことだと分かっていても、興味がないんですね。

私のような与太者が週休2日でブログなんざ書いているヒマがあるのも、「企業」の傘下に入って充分な給料もらっているからであって、これが週7日びっちり働いても生活楽にならない人もいる世の中では本当にありがたいことなのです。それに、会社という共同体の中で一日の3分の1を過ごしてるんですから、そこで認められ、出世し、収入も増え、ということに充実感を覚えるのは当然だと思うのです。

でもね。

この映画を観ると、それだけでは人は生きていけないんだということが良くわかります。社会的に貢献しているという充実感や、生活の心配をしなくていいくらいのお金。それはそれで大切なことなのでしょうが、やっぱり一番大事なのは、自分で自分を楽しませることができることだと思います。定年退職後はトレーラーを買って一緒に旅をし、「第二の人生を楽しみましょうよ」と言ってくれていた奥さんの方が、例えババアでワキガが強かろうと、よっぽど充実した人生を送ったのではないでしょうか。

シュミッドさんは独白の中で何度か「私が影響を与えた人生があるのだろうか?私が存在したことによって世界が少しでも良くなったのだろうか?」というようなことを言うのですが、そんなこと言ってるからあんたは不幸なんだよと思いました。他人や世界に影響を与える前に、自分で自分の面倒を見れるような人だったら、身近にいる人達の存在に感謝できるような人だったら、シュミッドさんの老後はもうちょっとましになっていたのでは? 私も人のこと批判できるほどできた人間ではないので、この映画を教訓に、幸せな婆さんになれるよう精進しようと思いました。

追記:ご興味がありましたら、こちらが全米で超有名な映画評論家、ロジャー・イバートさんのサイトです。


さすが変わった役ばっかり?!
ジャック・ニコルソンのDVD
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人生の一本 | コメント(17) | 【2005/10/30 01:42】
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英国上流階級を背景に描く、抑圧された性と孤独-『モーリス』

Maurice


同性愛って、良く理解できないなあといつも思っていたのだけど、これを見たら私が自分の彼のことを思うのとなんら変わりはないんだなということがわかった。というか、多分そうなんだろうと思っていたけど、上手くイメージできなかったのよ、男同士、女同士っていうのが。でも、クライブの髪をなでたり、おでこにキスしたりするモーリスは、本当にクライブのことを愛しているんだなと共感できる。

CAST & CREDITS
Produced: 1987
Directed by: James Ivory
Writing credits:
E.M. Forster, Kit Hesketh-Harvey
Cast:
James Wilby, Hugh Grant, Rupert Graves, Denholm Elliot
これは1910年、第一次世界大戦の直前のイギリス。名門ケンブリッジに通う青年、モーリスとクライブが恋に落ちてしまうお話です。当時ホモは違法で、捕まると懲役刑にされてしまうんです!ゲイ・パレードとか散々見ている現代では考えられないことです。

モーリスは、上流中産階級のストック・ブローカーの息子で、どちらかというと保守的なタイプ。クライブはバリバリ上流階級の、土地持ち、資産持ちの家の息子。こういう子はお金の心配もないのでリベラルを気取り、大学に通っているのでそこそこ頭はいいし、「自分は特別」という鼻持ちならないキャラクターです。この二人が、こちらも鼻持ちならないレズリーという先輩によって引き合わされます。

私はクライブというキャラクターが結構嫌いです。クライブは自分の方からモーリスに迫ったクセに身体は許さず、モーリスにプラトニックな関係を要求する。そうやって激しく肉体的な繋がりを求めるモーリスをコントロールしておきながら、ケンブリッジ卒業後それぞれ仕事に就いたあと、レズリーがホモで有罪になり、地位も名誉も失うのを見てびびっちゃって、モーリスと別れ、女と結婚する。女の腐ったようなヤローです。

私が同性愛者だったら、自分と別れて異性と結婚されるのって、同性愛者同士で心変わりされるより嫌だな。同性愛者同士っていうのは愛だけでなく、周りから変人扱いされたり、「自分たちは変かもしれない」という苦しみや不安も分かち合っているのだから、片方が「ストレート」に戻っちゃったら「自分はやっぱり変なのか?!」と思ってしまうじゃあないですか。それに、同性愛者の方がストレートの人たちより確実に総数が少ないと考えられるので、一度別れたら次の人を見つけるのが大変じゃない?しかも違法なんですよ、この時代は。そもそも、逮捕されちゃったカマ友達のレズリーは、バーで男を引っ掛けてキスしようとしたら、それがホモを取り締まる「おとり捜査」で(!)捕まっちゃうんですから。クライブに別れ話を持ち出されて、自分で自分を抱きしめてさめざめと泣くモーリス。なんかその「痛さ」、良くわかります。

ここから先はモーリスに深く同情。結婚したクライブの家に客人として招かれて週末を過ごす、英国的な風景が続きます(クリケットをしたりとか・・・)。かわいそうよね、自分は一人身でさあ、一番愛している人がすっかりストレートに変っちゃって幸せそうに暮らしているのを見るのは。私は別れた男と友達として付き合うなんて考えられない。そういう人一杯いるけど、やだよ、私は。ま、それはともかく、モーリスは今でもクライブが好きなのに、それを知ってか知らずか、クライブは夜、モーリスの客間を訪ねてきて、「ボクも過去のことを完全に忘れたわけじゃないんだ・・・」とかっつって、手の甲にキスしたりとかさあ。なに、こういうことする人って、良かれと思ってやってるわけ?!自己満足じゃな~い?なんかいけ好かねーな。それによって、モーリスがもっと辛い気持ちになるってわかんないのかなぁ~。

mauriceAlec.jpg
モーリスとアレック
そんなこんなしているうちに、モーリスはクライブの家の使用人として働くアレックとかいう若者に魅かれ、アレックもそれに気づき、二人は肉体関係を持ってしまう。・・・あのさ、違法だとか言われている割にすぐ見つかるね、こういう趣味の人が。それとも類友で磁石のように引きつけられてしまうのでしょうか。この他にも、モーリスが通勤電車のなかでハゲのおっさんに迫られるシーンがあるんだけど、「おいおい、捕まるぞ~!」と気が気じゃありませんでした。

で、結局モーリスは、アレックのことを本気で愛しているということに気づき、地位も名誉も投げ打ってアレックとホモ道を生きることに決めるのですが、うーん。

モーリスのアレックに対する思いは、長い間抑圧されていた性を開放することができたという喜びと、ずーっと自分をわかってくれる人がいないという孤独を癒してくれたことに対する感謝で、愛じゃないと思うなあ。自分が自分を偽らずに生きる、つまりホモとして生きるためにはアレックが必要で、そういう意味では大切な人なんだけど、本当に好きな人は、あのケンブリッジの頃のクライブなのよ。

MauriceCliveAlec.jpg
モーリス、アレック、クライブのスリー・ショット。アレック可愛く見えますが、ホントは結構しもぶくれ

だけどクライブは、モーリスより社会的地位やお金を選んだ。E.M.フォスターの書いた原作では、クライブは青年期を過ぎて大人になるに従って、男の肉体に嫌悪感を感じるようになり、自然と女に魅かれて行くのだそうですが、映画では一応ホモなんだけど、世間体を考えてストレートに戻る、「イギリス上流階級の欺瞞」の象徴として大変重要な役どころです。

maurice.jpg
このクライブを演じるのは、あのヒュー・グラントなんですよ!記憶がおぼろだけど、ヒュー・グラントって、売春婦を買ったとか、子供とやったとか、なんか性的なスキャンダルがあって人気暴落し、その後ラブコメ専門みたいな感じで役者生命を繋いだんだと記憶しているけど、「モーリス」に出てた頃は「元祖・美青年」って感じだったんです!ちょっとタレ目の甘いマスクってやつで(言っておきますが、私のタイプではありません)。このやーらしいクライブの役を見事に演じていて、モーリス役のジェイムス・ウェルビーとともにヴェネチア映画祭銀獅子賞、最優秀男優演技賞を受賞されたそうで。

それにしてもこんなにイチモツを見た映画も始めてだ。4本は見ました。みんなブラブラさせたまま歩いているのですが、日本ではボカシ入るんでしょうか。絶対ボカシた方がやらしいと思うよ。ブラブラさせているとびっくりはしますけど、インビな感じはしないもん。それより、モーリスとアレックがハダカで一緒にベッドに入っていちゃいちゃしているシーン、見えないからパンツは穿いてるのかなと思ったら、起き上がってシーツから出てきた二人は全裸で、ベッドの中で☆☆☆をフルフルと触れ合わせながら演技していたのかと思うと、なんともあっぱれな男優さんたちだなあと思いました。

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モーリスのDVDはアマゾンにないようです!


DVDで見た映画 | コメント(34) | 【2005/10/29 22:14】
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今回はハズしました!子熊のプーさん

Pooh's Heffalump Movie


先にお断りしておきますが、観始めて15分くらいで寝てしまいました。なんでこんなもの借りたんだろう?先日の記事でもふれましたが、私はDVDの宅配サービスを使っていますので、勝手に届けられてくるんですけど、私の「観たい映画リスト」にこれが載っていたらしい・・・。

あ、思い出した!これは我がカンフーの師、Mr.G に「きっとあの映画は好きだと思うよ」と言われたのを真に受けたのだった!つーことは、Mr.G は観たんかい?!

pooh.jpg私は良く、プーさんのグリーティング・カードを送るので、私がプーさん好きだと思っている人は多いようです。もちろん、好きですけど、グリーティング・カードに関しては、すごく可愛いから買っちゃうんですけどね。ただ可愛いだけでなく、結構アートぽく仕上げてあったり、なかなか趣向を凝らしたカードが多いんです、プー・シリーズには。

だから、映画の絵がずさんなのには驚きました。ディズニーですからね、なんたって。「シンデレラ」とか「人魚姫」とか、絵がすごくきれいで、話は子供向けでも、映像美みたいなものは楽しめるじゃないですか。でも、この映画は絵も汚いし、物語・描写等あまり大人の鑑賞に堪えられるものではありませんでした。かなり小さい幼児向けなのかもしれません。

それともう1つ許せなかったのは、なんでプーさんの声って、おっさんの声なの?!なんか45歳くらいで未婚の太ったおっさんみたいな声なんですけど。別に45歳の太った未婚のおっさんが悪いと言っているのではありませんが、プーのイメージと全然合わないんですが。プーだけならまだしも、ピグレットも、ティガーもみんなおっさん声で、あんなの観て子供泣かないか?!

色んな意味でがっかりのプーさんムービー・・・

まあ時にははずれもある。


ハリー・ポッターシリーズ | コメント(7) | 【2005/10/22 07:18】
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シュペルズ・ショウ-神経症でシーズン3はおあずけか?!
Chappelle's Show - Season 2 Disc 2

シュペルズ・ショウのシーズン2の2枚目のDVDが届きました。私は貸ビデオ屋とかに行くのは止めて、宅配サービスを利用しているので、郵送されて来るんですよ。これは結構便利!インターネットで自分のアカウントに観たいDVDのリストを作っておき、郵便で届いたら好きなだけ観て、送り返すと次のが送られてくる。これで月々9ドル99セント!だいたい週一本観ても、一本2ドルから3ドルくらいでしょ?ブロックバスターとかで借りると一本5ドルだから、それを考えるとお得よね。しかも、送られてくるのが早いので、とっても気に入っています。

さてそんなことはいいとして今回の見所は、「Black Bush」もし、ブッシュが黒人だったらというスキット。ブッシュがイラクを攻め込む理由として「フセインは私の父を殺そうとした男だ」と言ったことを誇張してパロったり、イラクで大量破壊兵器が見つからなかったら、攻め込んだことが正当化されないことに対して行った記者会見で「UNが気に入らないなら、米国に立ち向かってくれば?あれ、UNって軍隊ないんだっけ?」と言ってしまったり、この戦争が間違っていると指摘されたくないために「今は火星に行く事を真剣に考えるべきだ」なんていきなり言い出したこともパロっています。

このスキットの本当の面白さは、ブッシュの言ったことを黒人特有のしゃべりでパロってしまうところなんですが、残念ながらその面白さは文章で表現できません。「If you don't have an army, SHUT THE FXXK UP!」って言ったとか、「Mars, bitches, Mars!」って言ったとか書けるけど、読んでも面白くないでしょう?関西弁の面白さをアメリカ人に説明するようなものです。すんません。

あともう1つ面白かったのは、デイブ・シュペルが「俺は1日20時間も働いて、燃え尽きてしまった」とテレビ局に訴えてクビになり、代わりに雇われたのがウェイン・ブレイディというコメディアンだった、というスキット。なんでこれが面白いかというと、ウェイン・ブレイディは黒人のコメディアンで、なかなか人気のあるショウをやっていたのですが、なぜか黒人のカルチャーに全く馴染みのない、一般の白人にだけエラくウケたため、黒人からは「いい子ちゃんイメージのコメディアン」とバカにされていた人なんだそうで。

その本人を連れてきて、ショウのオープニングも「ブレイディ・ショウ」と書き換えて、まるで本当にブレイディがショウを乗っ取ったかのように演出しています。そして、挿入される逸話のなかで、ブレイディが本当はアクがない黒人ではなく、彼を馬鹿にした人を銃で撃ちまくったり、売春婦のヒモだったりと、ブレイディの本当のイメージを知っている人が見たら相当可笑しいんだろうなと思いながら私も笑ってしまいました。このブレイディ本人も、自分のパロディを真剣にやっていて、なんて懐の広い人かと思いました。

この他にも、デイブがオプラ(オプラを知らない人はこちらへを妊娠させて、「これで俺は億万長者だ!シュペルズ・ショウなんかやめてやる~!」って内容のスキットもあったのですが、この後、実生活でデイブ・シュペルがショウの人気を保って行くことが重荷すぎて神経症気味になり、サウス・アフリカへ治療に行ったために、シーズン3は中止になったってことを考えると、シーズン2から早くもその兆候は見えていたらしい。この人面白いので、なんとか復帰してもらいたいです。

このショウに出るゲスト・ミュージシャンはヒップホップ系の人ばかりで私は全く興味がなかったんですけど、やはり人間慣れってのは大事で、何度か見ているうちに「これはいい」「これは嫌い」なんて、好き嫌いも出てきちゃうから不思議です!今回は、結構気に入ったバンドがあって、自分でも驚いちゃいました。Outkast と言うバンドで、普通のヒップ・ホップやラップに比べて、この人たちはファンキーで、かっこいいんです!

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なんとなく映画 | コメント(4) | 【2005/10/17 01:06】
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ハロルドとクマール、ホワイト・キャッスルへ行く!
Harold and Kumar Go to White Castle

日本の皆さんは、White Castle ってご存知なんでしょうか?White Castle とは、ハンバーガー屋さんなのですが、マクドナルドよりももっと健康に悪い、「スライダー」と呼ばれるハンバーガーを売っている、悪名高いレストランなのです。

harold_and_kumar_go_to_white_castle.jpg
dvd on amazon.com
Produced: 2004
Directed by: Danny Leiner
Writing Credits: Jon Hureitz, Hayden Schlossberg
Cast:
Harild: Jon Cho
Kumar: Kal Penn
Maria: Paula Garces
Neil: Neil Patrick Harris
Goldstein: David Krumholtz
スライダーとは、喉を滑って(スライドして)行くハンバーガー、という意味で命名された、普通よりかなり小ぶりの、油っこ~い、身体にわる~い、ハンバーガーなのです。これを何個も何個もいっぱい買って、あまり良く咀嚼しないで、コーラとかで流し込みながら食う、というのがスライダーの醍醐味なのです。

ハロルドは韓国系アメリカ人。アジア系は気が弱いと思われているのか、白人の遊び人の同僚に仕事を押し付けられることもしばしば。週末だというのに残業させられて、くさってうちに帰ってくると、ルームメイトのクマールが、ハロルドの部屋で裸で陰毛を整えているところ・・・・・。「見て見て、盆栽みたいだよ」「なんで自分の部屋でやんないの?」「鏡がないから・・・・・」

二人はいつも通り、TVのチャンネル・サーフィングをしながら草をやってハイになり、またもや無益なフライディ・ナイトが終わろうとしていた。腹が減ってきた二人が「何かこう、ツボにハマッたモノが食べたい・・・・」と思っていた矢先、TVで White Castle のCMが・・・・・。

はっきりした場所はわからないが、だいたいどこら辺にあるかはわかる。ハロルドの車で出かける二人。しかしそこは4年前に「バーガーシャック」に変わっていた!二人は「ぜってー White Castle を食う!」と決心し・・・。

この映画の笑いどころは、人種がらみのものが多い。ハロルドは韓国系、クマールはインド系。この二人にからむ白人の不良たちやハロルドの同僚の白人、二人がパンクしたときに助けてくれたホワイト・トラッシュのクリスチャンのおっさん(キモい)など、イグノラント(無教養)な白人がたくさん出てくる。韓国人のハロルドに、「あちゃー」とか、ブルース・リーの真似してからかったり。

私が日本食のレストランでバイトしてたときも、毎週彼女と来て寿司を食って行く、この手の白人マッチョのお兄さんがいた。ある日、隣の席に座った年配の、日本食初めてのアメリカ人夫婦が「すごいですねえ、お寿司が食べられるなんて」なんて話しかけたもんだから、もーエラソーに、寿司講釈が始まってしまったよ。「俺のオススメは、カリフォルニア・ロール、スパイシーツナ・ロール、ドラゴン・ロール、レインボー・ロールだな」って、あんた、それって、「アメリカ製」寿司ばっかりじゃん!

余談はさておき、もうひとつ笑ったのが、ハロルドと監獄で一緒になる、黒人のおじさん!「どうして監獄に入れられてるの」とハロルドが聞くと、「本屋から出てきたところをいきなり職務質問されて、XXという町で強盗があったといわれた。私はXXには行ったことがないと言ったのに、ここに入れられたんだよ」と言いながら、エライ高尚な本を読んでいる。その後、クマールがハロルドを助けようと、監獄の扉に鍵を差し込んだままいなくなってしまったとき、それを見つけた警官が、「牢屋破りだ!」と叫びながら、明らかに動揺しているハロルドは無視して、寝転んで本を読んでいる黒人のおじさんをまず押さえ込む。これが、一般の警察官が黒人に対してナーバスなのを良くパロッっていて、可笑しかった。

こういうく~だらない映画、アンちゃんが「見たい」っていうと、「えー、くだらない~」とか言って避けちゃうけど、案外おもしろいモノがたくさんあって、やはり食わず嫌いはいかんなと思います。
映画情報 | コメント(5) | 【2005/10/16 00:27】
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マイケル・ムーアの問いかけに、あなたはなんと答えますか?!-華氏911
Fahrenheit 911


チュチュ姫のお城や、「戦争論 3」の書評なんかでも何度も書いたとおり、911テロが起こったとき私は既にアメリカに住んで、デトロイトで働いていました。デトロイトからNYまでは車で10時間と結構ご近所のノリである上に、私の友達はその頃マンハッタンのど真ん中に住んでいて、そういった意味で911テロの恐怖はとても身近でありました。


それに加えて、911テロが私の心に残っている一番の理由は、あの時私は始めて「自分が住んでいる国を攻撃される」ことの恐怖を感じ、「私」を捨て「公」のために自分が戦争に行って、この手でテロリストに一撃加えてやりたいと思ったほどの怒りを感じたことです。日本にいたときはやはり「アメリカがやってくれる」と潜在的に思い込んでいたので、自分が戦わなければ自分も自分の友達も標的にされているという危機感を感じることがなかったし、みんなで国を守っていこうという気持ちを持ったことはなかった。「愛国心」という言葉が、今までとは違う真摯な響きを持った、特別な日だったわけです。


ですから!! この映画で語られていることが真実ならば、これは由々しき問題です!! 私は完全に裏切られた気分です。しかし考えてみれば、ブッシュとビンラディンの癒着を示唆している証拠や、アメリカの軍事産業がイラクで儲けている話は、新聞記事やテレビで公開されたことで、別にわざわざCIAとかの極秘文書から入手した話でもないわけで。それを考えると「馬鹿は私?」とちょっと悲しくなりました。私は自分1人が意見を持ったってどうにもなるもんじゃないし、大統領が誰でも基本的に何も変わりゃーしねーだろ、とタカをくくっていたのです。

しかも、私は当時この戦争始める、始めないで、日本にいる友達と電話で大論争を展開し、全く~、このどアホの日本人~、おまいらみんな自分が攻撃されるわけじゃねーし、自分が戦争行くわけじゃないからそんなのんきなこと言ってられるんだよぉぉぉぉ~と思ったことがあったのですが、この映画によって、私は1つ、とても重要なことを忘れていたのを思い知らされました。


映画の中で取り上げられている、マイケル・ムーアの故郷でもあるミシガンのフリント。私はミシガンに住んでいますが、フリントと聞いて頭に浮かぶのは、道路標識によく「Flint」って載ってるなあということと、名古屋へのビジネスクラスのアップグレードのフライトが、デトロイトではなくフリント発だ、ということくらいの印象しかありませんでした。


だから、この街の映像を見て、なぜこの街がこんなに印象の薄いところなのかわかりました。マイケル・ムーアは「経済発展の犠牲になった街」と描写していましたが、良くあるアメリカの、貧しい田舎。なんだか人から取り残されたような地域。こういう産業もなく、つまり仕事のないところでは、アーミーに入るのが一番、夢のある選択なのです。大学にもいける、給料もたくさんもらえる、ここの貧しい暮らしから抜け出せる唯一の方法。

マイケル・ムーアがここで指摘しているのは、こういう「階級」がアメリカには歴然とあり、だから徴兵制度がなくてもこんな巨大な軍隊を維持していけるということ。そして「最悪の地域に住み、最悪の学校に行っていた人がいつも一番に国を守ることを志願する」、つまり、ホントに戦争に行って危ない目にあうのは、こういう貧しいアメリカ人なのです。


私は、「日本の人は何とでも言える。戦争賛成でも、反対でも。自分が行くわけじゃないから。自分の夫や、彼氏や、友達が行くわけじゃないからね」と書いたことがありますが、それは、永住権を持っているだけでアメリカ国民ではない私とて同じことだし、しかも私はフリントに住んでいる人たちよりは明らかに恵まれているし、また皮肉なことにアメリカ国民ではないことによっていわば「特権階級」に属していることになるわけです。要するにアメリカの軍隊に守られて、自分は戦争に行かずぬくぬくしていられるのは日本に住む人たちとなんら変わらぬ状況なわけで、そういう基本的なことに気づかず上記のようなことを考えてしまったことを恥ずかしいと思っています。


この映画でも、小林よしのり氏の戦争論シリーズでもそうですが、こういった政治的なテーマをエンターテイメントの世界に持ってくると、必ず知識のある人たちが「漫画で政治を学ぶような人には面白いのかもしれないが・・・」とか、「こういう重大な問題をエンターテイメントという形でしか興味が持てないとは嘆かわしい」とか、製作者側や観客の意識が高くないことに言及しているのを良く見ますが、私にしてみれば「じゃあお前ら何やってるんだ?!」と言いたくなります。確かにこういう問題に真剣に興味を持てない現代の人たちが嘆かわしいのは事実ですが、知識のある人や問題意識の強い人たちは、自分の知識や意識が高いことをひけらかすのみで、周りに「伝えよう」という意識がないと思います。


911.jpg
君はどう思う?!
だから私はマイケル・ムーアのように、こういった問題に興味があり、リサーチするほどのバイタリティもあり、エラソーな知識人たちの批判も受け止める度量があり、オーソリティからマークされてもビビらない勇気があり、その上一般の人の目の高さでこういった問題を見つめ、描写できる人がいることは素晴らしいと思います。「私見だ」「かなり偏ったものの見方だ」というような感想を言う人が多いんですけど、マイケル・ムーアが作ってるんだから、マイケル・ムーアの私見で描かれているのは当たり前なんであって、「僕はこう思うんだけど、君はどう思う?」とこの映画は問いかけているんだと思うんですよ。それに対して、自分はどう答えることが出来るのか、ということを考えさせられた一本でした。

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■映画偉人伝~マイケル・ムーア~


マイケル・ムーアの関連アイテム

『ロジャー&ミー』も面白かったし、この人結構はずれないね。ここまで来たら『ボウリング・フォー・コロンバイン』も観なくっちゃ。前評判はいいですし。



映画の席 | コメント(8) | 【2005/10/08 19:03】
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悲観的戦争描写の極みかなぁ・・・コールドマウンテン
Cold Mountain


20051005081625.jpg「平和の反対は、無秩序だ」と、かの小林よしのり先生が戦争論でおっしゃっていましたが、この映画で描かれる南北戦争時の南部は、まさにそのいい例です。働き盛りの男はみんな戦争に行ってしまい、残っているのは女子供と老人ばかり。戦争で仕事もなく、お金もなく、食べるものさえない状態で、脱走兵や北軍の兵士が弱いものから平気で略奪をする世界。私は、主人公達のロマンスや、悲しく描かれているピッツバーグの戦闘シーンより、戦争で男達を失い、孤独で心細い女達にすごく感情移入してしまいました。

ニコール・キッドマンが演じるアイダは、父親が急逝してしてしまった上、戦争のせいで財産も奴隷も失ってしまう。お嬢様育ちで、自活していくたくましさがないアイダは、すぐ食べ物にも困るようになり、話す人もなく、守ってくれる人もなく、1人寂しく大きな家に住んでいるのがとても可哀相でした。

そんなアイダとは対照的に、ルビー(レニー・ゼルウィガー)は男勝りで、小さいときから飲んだくれの父親に苦労させられなが自分で自分の面倒を見てきた女丈夫で、この人を見ていると少し救われる気がしますが、ルビーもやはり心の奥底には不安を抱えて生きている。

そして、一番私の印象に残ったのは、アイダに会うために軍を脱走して、コールドマウンテンに帰る苦しい旅の途中に、インマン(ジュード・ロウ)が出会う、サラという女の人。これ、あの、「スターウォーズ エピ3でクイーン・アミダラを演っていたナタリー・ポートマンが演じていると言えば、感じがわかってもらえるかと思いますが、まだ子供に毛が生えた位の若い人妻。こんな子供みたいな女の子が、乳飲み子を抱え、夫は戦争に取られ、明日の食べ物があるかどうかもわからない、いつ飢えた兵隊達に襲われるかもわからないような状況で、たった一人ぼっちで暮らすのって、どれほど心細いでしょうか。インマンが一夜の宿を頼んだとき、最初は納屋に寝かせるんですが、そのあと自分の寝室に呼び「ただ横に一緒に寝てください。それ以上のことは何もしないで。」といって、一緒にベッドに入り、インマンの手を握り締めて、泣いてしまう。20051005081657.jpgずっと1人で辛かったのだろうなと思うと、自分が1人暮らしをしていたときのことを思い出してしまいました。私は別にひもじくもなかったし、安全なところにいたけど、それでも1人は寂しいものでした。それが、食べ物もない、外は無秩序な世界、明日を生き延びられるかわからないような状況で一人ぼっちで暮らすと言うのは、見ず知らずの男の人でも隣にただ一緒に寝て欲しいと思うような状況なんだろうなあと思うと、身につまされました。

そんな暗く悲しい物語りの中で、一つだけ「いいなあ」と思ったのが、アイダとルビーが、秋の夜長に一緒にベッドに寝転がって、ランプの明かりで小説を朗読しているところ。アイダが本を朗読し、頭の中いっぱいに登場人物のイメージをふくらませて、わくわくしながら聞いているルビー。読み疲れたアイダが「続きは明日」というと、ルビーは「明日まで待てない!」と言って本をひったくり、自分で読み始めてしまう。きっと現代の私達が映画を観るのと同じ感覚なのでしょうが、ランプの淡い光の中で天井を見つめながら誰かが本を読んでくれるのを聞く方が、もっと楽しそうな感じがしました。

20051005081641.jpgそもそもこの映画を観ようと思ったのは、ホワイト・ストライプスの記事を書くためにいろいろリサーチしていたときに、ジャック・ホワイトがこの映画にミュージシャン役で出ていて、音楽も担当していると書いてあったから。ジャックくんは、若く屈託のないミュージシャンを、なかなか好演していました。前から思っていたけど、この映画で見ると特に、若き日のジョニー・デップを彷彿とさせていました。


同じ戦争を背景にした超ロマン大作だけど、パールハーバーよりはよっぽど魂入ってました。でもやはり、インマンとアイダのロマンスには共感を覚えなかった。何ゆえそんなに惹かれあうのかわからなかった。でもあんな夢も希望もない時代だから、誰かがどこかで自分のことを想ってくれているとでも思わなければ、生きるのは相当辛かったのだろうなあ。


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デトロイトが生んだ、「腐れ縁」ロック・デュオ!! ホワイト・ストライプス【Concert Report】
The White Stripes @ Masonic Temple, Detroit

あのガリガリ・ぶいぶい言っているジャック・ホワイトくんのギターがエライ印象的で聞き始めたThe White Stripesなんですが、ギターだけでなく、バンドそのものが荒いというか、妙に原始的な感じがするなあと思ったら、このバンドは、ギターとドラムしかいない、ロック・デュオだそうで。

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なんかエラク画期的なバンドが出てきたもんだと思います。あんな騒々しい音楽をやっているのにあっさりベースなんかいらねえやっていう発想がそもそも画期的。ドラムも必要最小限「これはないと」っていうものしか叩いてないし。基本8ビートの「どん たっ どど たっ」の「どど」もないよ。「ど たっ ど たっ」しか聞こえない。てか最悪リフと全く同じリズムをバスドラ、フロア、スネア、みんないっぺんにどどどんどん!なんて叩いちゃうし。なんかそれが逆に異様なグルーブ感を生み出しているから、すごいんです、このバンドは。

アルバムでも一応ワタクシが聞いた限りでは、助っ人は一切入っていないのだけど、ホントにライブも二人だけでやるのかよと思ったら、ホントに二人でやったよ。フロントマンは、ジャックくん1人でギター弾きながら暴れる暴れる。一人であの存在感はすごい。曲間とかも、しゃべるわけでもなく、なんか黙々とギターとっかえて、いきなりぐしゃぁ~ん!とか始めちゃうし。一応曲目リストあるのだろうけど、見ているとなんか一人で「さー次はこれをやろっと」ってやっているように見えるのですが。客をあおるでもなく、完全に自分だけの世界・・・。でもこれが案外、自己満足ではなくって見せてくれるんですが。

VH1でバンドの履歴等をしらべたら、この人達はMinimalistなんだってさ。「最小限主義者」とでも訳しましょうか。日本の公式ウェッブサイトにも最小限でシンプルな音楽をやる、と決めてこういうユニットにしたと言うようなことが書いてありましたが、自由奔放に「あーしよう、こーしよう」とやってしまうジャック君についてこれる人が、現ドラマーのメグたんしかいなかったんでないの、と思うんですけど。

この二人、ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトという名前なので、兄弟だ、いや、夫婦だといろいろ言われているそうですが、何でもその昔結婚していたらしいです(名前は芸名らしい)。いや、だからぁ、ジャックくんは才能ある分、自分勝手でワガママで、自分の本能の赴くままに突き進んで行っちゃうんで一緒にやってくれる人がいなくなっちゃって、当時妻であったメグたんに、「ちょっとドラム叩いて。いいよ、難しいことはやんないで。ね、ね」なんて引きずり込んだんですよ、きっと。だから、Minimalistが昂じてこういうユニットにしたんじゃなくて、こうならざるを得なかったんじゃないの?!

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でもこういうことって、あるんじゃない。自分の音楽やエゴを理解して一緒にやってくれる人っていうのは、そうそう見つかるものじゃない。別に音楽じゃなくても、そういう人とめぐり合えるのは奇跡のようなものですからね。確かにこの二人の間には、ケミストリーがあります。ジャックくんは、ステージ中央のメイン・マイクの他にも、キーボードの前やもっきんのとこにもマイクがあるんだけど、ドラムの前に、メグたんの方を向いて置かれているマイクがあって、メグたんと目を合わせながら演奏しているところなんて、ジャック君の方がかなりメグたんに精神的に支えられているように見えたし。また、メグたんがボーカルを取る曲の時はジャック君はメグたんを立てて、サポートするような優しさが感じられる。やっぱさ、付き合ってるときや結婚しているときも相当エモーショナルなやり取りがあり、その後もバンドが大きくなるたびに様々な場面を一緒に乗り越えてきたんだろうし、こういうの腐れ縁ていうんじゃないの。

最小限ユニットでありながらあれだけ重厚な音が出せる「腐れ縁」パワーがこのバンドの魅力ですが、ジャックくんのボーカルもとても表現力があっていい。なんか突然、オリビア・ニュートンジョン「ジョリーン」を演奏し始めたんだけど、エラく気合の入ったボーカルで、胸にぐっときましたよ。ジャックくんは、ギターも歌もものすごい魂入ってるし、またあれだけ自由に弾いたり歌ったりできたら相当楽しいんだろうなあと思わせるほど自然になりふりかまわずやってくれました。

ボーカルもギターもといえば、どっちもツェッペリン入ってんなあってか、それが私がThe Whiet Stripesを好きな理由かと思うんですが、多分ジャックくんに言ったら否定されそうですな。なんかもっと、ツェッペリンが影響受けちゃった人たちに直に影響受けているんだと言われそーな気がします。

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Key Word
音楽 ロック ホワイト・ストライプス
洋楽 | コメント(11) | 【2005/10/02 18:30】
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『ミリオンダラー・ベイビー』に見る、アメリカ下層級の実態
Million Dollar Baby

私はボクシングって嫌いです。怖いです。あんな生々しい戦いを、スポーツとして楽しんでしまうという神経が理解できません。それにそれを観て興奮してしまう観客の気持ちがわかりません。「ボクシングでは尊厳が全てだ。相手から尊厳を全て引っ剥がしてしまうこと」と映画で言われているとおり、殴られて血みどろになって必死の形相になっているボクサーを見て、私は怖くなってしまって楽しめない。

公式サイトに、かなりきちんとしたストーリーが載っているので、それはそちらを見ていただくとして、私が気になったのは、主人公の女性ボクサー・マギーの家族です。

お父さんは死に、弟はけちな犯罪で刑務所行き、妹とお母さんは、働きもしないで生活保護の世話になっている。マギーはそんな家庭で育ち、教育も受けられず、13歳のときからウエイトレスをして働いている。

マギーがボクシングで少し成功し、お母さんに小さな家を買ってあげる。いまどきない親孝行な娘です。しかしお母さんは、家を持っているなんて政府に知れたら、生活保護を打ち切られたり、国が出してる医療保険が降りなくなったりしてしまうと言って、感謝するどころか怒ります。

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この家族って、典型的なアメリカの「ホワイト・トラッシュ」、いわゆる貧しい白人の家庭のようです。アメリカ人が一般的に異常なくらい上昇志向なのに対する反動か、こういう人が結構多いのです。私でさえ、個人的に数人知っています。離婚して、その後生活保護と元夫からの扶養手当だけで生活している人が多い。その中の一人と、数ヶ月一緒に生活したことがあります。あの頃は、私の方が行くところがなくて、転がり込んだのは私の方なのですが。

彼女はリビングルームのソファに一日中座ってテレビやビデオを見ています。寝るのもそこで、テレビをつけっぱなしにして寝ます。彼女のベッドルームは、とうの昔に物置と化し、足の踏み場もありません。とにかく、家中、ものだらけで、掃除は全くしません。地下室の洗濯機の前には、6畳一部屋分くらい汚れた洋服が散乱していて、誰も洗濯しません。食べるものはファストフードか、冷凍食品かジャンクフード。なのになぜかキッチンには野菜や果物やミートソースの缶詰が、棚に納まりきらないほど溢れ帰り、フリーザーは冷凍してあるお肉でパンパンになり、なにも入れられない状態。流しの周りには洗っていないグラスがずらーっと並んでいる。本当に、マジで20個くらいあったんではないでしょうか。一度、彼女が自分の女友達の悪口を私に言って聞かせていたことがありました。その女友達は「本当にだらしない女で、そうじ一つしないのよ!」私は口にこそ出しませんでしたが、なんたってB型ですので、態度に出ていたのでしょう。黙ってじっと彼女を見つめる私に、「ここより汚いのよ!」といいました。

こういう人たちはお金がないとなげき、将来に対して非常に不安に思っていながら、マギーの母親のように、今、持っているものを失うのをとても怖がります。福祉や弱者を守る法律に関しては、いろいろ複雑な問題が絡んでくるのでばっさり白黒つけられませんが、こういうあきらかに自分でどうにかなる人たちから、自分の足で立つという気概を奪ってしまう側面はあるなと思いました。多分、この人たちが必死に働いても、生活保護を受けているのと同じレベルの生活しかできないかもしれないけど、心の張りが違うと思うのだけど・・・。

でも・・・・こういう人たちは、社会の制度の問題でなく、福祉がなくてもこういう人たちなのかもしれない。そう思うと、血のつながりとは、なんなんだろう、と思います。マギーは、あんな環境で育っていながら、家族とは全く違う価値観を見つけ、そんな彼女のことを思いやる家族は一人もいない。マギーのトレーナーのフランキーは、実の娘がいるのに全く連絡も取れなくて、一人で暮らしている。そんな二人が知り合って、ボクシングを通して信頼を築く。本当の家族よりよっぽどお互いを必要とし、大切にし合う。

社長の本音日記というブログで、この映画は「観終わった後も心に重くのしかかったものが取れない、そんな気持ちの映画」だという感想が書かれていました。(それがこれを観てみようと思ったきっかけなのですが)確かに、「あー良かった」というエンディングではありません。マギーとフランクは、心も身体も傷つき、苦悶して、哀しくて、失うものもとても多かった。でも二人が出会えたのは、すばらしいことだったのだと思います。タイトルの「ミリオンダラー・ベイビー」というのは、フランクにとってマギーがすばらしいボクサーだった、という意味ではなく、本当に大切な人だった、という意味でつけたタイトルなんだなと思いました。

いい映画です。一度観てみてください。

Key Words
ミリオンダラー・ベイビー クリント・イーストウッド ボクシング 映画
心に残る映画 | コメント(15) | 【2005/10/02 01:16】
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アメリカの楽器別・人種考察-シュペルズ・ショウ
Chappelle's Show - Season 2 Disc 1

Dave Chappelle さんは、日本での知名度はどんなもんなんでしょうか?こういうスタンダップ・コメディ系の人は、大きい映画に出ないと日本ではあまり有名になりませんよね。goo 映画で検索すると「デイブ・チャペル」という名でいくつかの映画に端役で出ているようなんですが、彼がほとんど主役とも言えるストーナー・ムービー、1998年の Half Baked は goo 映画の検索ではひっかかりません。

デイブ・シュペルさん
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それに「デイブ・チャペル」と発音されているようですが、聞いているとどうも「デイブ・シュペル」のようです。綴りからして「チャペル」と読むのは無理もないのですが、フランスとかが語源だったりすると、"ch"ってのはもうワタクシたち日本人の想像を超えた読みになったりするものです。その上母音は落ちてしまうことが多く、この人の名前も「シャペル」と「シュペル」の間くらいのビミョーな発音になっています。

ま、そんなことはどうでもいいですが、そういった理由でワタクシ個人的にはシュペルさんと表記させていただきますです。

Chappelle's Show (シュペルズ・ショウ)は、あのサウス・パークでもおなじみの、コメディ・セントラルというお笑い専門のケーブル・チャンネルで実際に放送されている番組なのですが、ワタクシはケーブルTVに月50ドルも60ドルも払う気はありませんので、人気番組はDVDで観ています。

コメディを英語で見るのは結構厳しいものがあり、大抵2回は観ないと英語がアタマに入ってこない。で、そのあと、どうしても面白くないなあと思ったら、90%はアメリカのサブ・カルチャーがわからないと英語がわかっても面白くない。例えば今回、シュペルさんが演っていた、ジョークが終ると最後にでかいハンマーでスイカを割るというハゲのコメディアンがエラクつまらなかったので、「なにがそんなに面白いんだ」とアンちゃんに聞いたら、あれは80年代にいたくだらないコメディアンで、ダサいやつに人気があったとのことで。

逆にサブ・カルチャー自体に精通していれば、英語がイマイチわからなくても、めちゃめちゃ面白い。今回バカ受けしたのは「Charlie Murphy's Hollywood True Story(チャーリー・マーフィーの実録!ハリウッド)」
真ん中がチャーリーさん
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ちょっと強面のエディ・マーフィーって感じでしょ?
名前でピンとくるかと思いますが、チャーリー・マーフィーさんは、エディ・マーフィーと実の兄弟だそうで("my brother"と連発するのですが、兄なのか弟なのかわかりません)、シュペルズ・ショウにレギュラー出演しているのですが、この人は80年代に、兄弟であるエディの人気にあやかって、ハリウッドでぶいぶい言わせていたそうなんです。んで、そのときに本当に起こったことがあまりにも可笑しいので、それをスキットにして番組でやっちゃえという、ほとんど「ひょうきん族」のノリ。

第一回目は、チャーリーさんが憧れていたリック・ジェームスがすごい居丈高なやな奴で、しょっちゅうチャーリーさんに暴力を働くのでチャーリーさんも殴り返したりとか、逸話自体はどうってことないのですが、シュペルさんのリック・ジェームスの変装がすごい可笑しい!! リック・ジェームスを知っていたらあれは笑えます。

こ、これがリック・ジェームス!
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第二回目は、チャーリーさんがエディとクラブにいたとき、あのプリンスザ・レボルーションを引き連れてやってきて、エディとそのクルー全員を自宅に招待した話。このスキットは、インタビューと再現フィルムを交えたドキュメンタリー形式になっていて、シュペルさんがプリンスの変装で出てくる再現フィルムのバックでチャーリーさんが語るには「あれは『パープル・レイン』が出たばっかで、プリンスっていったら "shit" (このコンテクストでは「すげえ」の意)だったからな。なんか、怪傑ゾロみたいなひらひらのブラウス着て、フィギュア・スケートの男みたいな格好をしていたよ」ってワタクシなこの時点で転げまわっていたわけなんですが、これは話自体が可笑しい。


プリンスのシュペルさん
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プリンスの家でパーティをすることになって行ったが、プリンスが「退屈なパーティだ。だれかバスケットボールをしたくないか」と言い出す。チャーリーさんたちは、あんなひらひらした衣装を着たプリンスとザ・レボルーションがスポーツなんてできる訳ないと笑う。するとプリンスはムキになって、それなら試合をしようという。それを受けてたったチャーリーさんとその友達は、パーティの服からTシャツと短パンに着替え、バスケットボール・コートに。プリンスとザ・レボルーションは、ひらひらの服装のままコートに現れ、チャーリーさんが「これじゃ、『Tシャツ』対『ブラウス』の戦いだな!」とからかうとプリンスが「ア、アン!」と良く曲の中でやる声で悔しがる・・・しかし、予想に反して、プリンスはバスケットが上手く、チャーリーさんたちは惨敗。プリンスが最後に「『ブラウス』の勝ち!」といって試合を終える・・・。

バスケットが題目だから、プリンスがちびだって言うのを散々からかうのかと思ったら、ちび発言は一度もありませんでした。この逸話は、半分くらい創作っぽいのですが、観るとすげー可笑しいです。

シュペルさんは、人種ネタも結構好きで、今回可笑しかったのは「White Men Can't Dance?!(白人はダンスができない?!)」っていうやつで、テーマは「白人はダンスができないというが、エレキ・ギターの音には弱い。エレキの音を聴くと、どんな状況でもダンスをしてしまうという事実を検証する」って感じで、今をときめくジョン・メイヤーくんをギタリストとして、ルポ形式で白人の働く大企業の会議に闖入、メイヤーくんにリバースばりばりのムーディなギター・ソロを弾かせると、今まで真顔で会議をやっていた白人が音に酔って踊り始め、カチッとしたスーツを着た女性がブラをはずしてメイヤーくんに投げたりします。

そのあと、エグゼクティブがビジネス・ランチを食べている高級レストランに闖入、パンク・オルタナ系のリフをかますと、白人のビジネスマン達がいきなり形相を変え、暴れだします。ウエイターがアタマで皿を割るところなんか、もー鼻水出ちゃいました。

これでは終らず、今度は下町の黒人とラテン系(シュペルさんは「ヒスパニック」という言葉を使わず、「Latino」を使う)ばかりの床屋に闖入。そこで、メタルの早弾きギターをかき鳴らす。すると、みんな一斉にいや~な顔をし、中の若い黒人に「Shut the fxxk up!(静かにしろ!)」と怒鳴られる。そこで、今度は「黒人はドラムの音に弱い」ということを検証するためにドラマーを連れてきて、リズムを刻み始めると、今までおとなしくバリカンかけたりヒゲそったりしていた人たちが、床屋も客もみんな踊り始めちゃう。そしてリズムに合わせてラップも始める、これがイジョーに可笑しかったのですが、シュペルさんとしては「ラテン系の反応がイマイチ鈍いな。そうか、これが足りなかったんだ!」といって、エレピ(エレクトリック・ピアノ)をドラムに絡ませ、熱くラテン音楽をかます!するとラテン系の床屋や客が、老若男女問わず、くるくるアイロンとか振り回しながら踊り始めます。これでは飽き足らないシュペルさんは自ら拡声器を持って登場、「見てろ~、ダメ押しだ!」と言いながら拡声器を使って「アイヤイヤイヤイヤ~~~!!!」と良くラテン・ミュージックで聞かれる合いの手を入れる。するとさらに激しく踊りだすラテン系の皆様! ワタクシはこれ10回くらい再生してしまったでしょうか。

このスキットには落ちがあって、シュペルさんとジョン・メイヤーくんが街角で「これで、白人はエレキに弱く、黒人はドラムに弱く、ラテン系はエレピとドラムのコンビネーション、そしてそれにかぶったわけのわからんスペイン語の合いの手に弱いことが証明されました」と番組のラップ・アップをしていると、白人と黒人の警官が近寄ってきて、「こらこら!こんなところで撮影しちゃだめだ!」といちゃもんをつけてくる。シュペルさんに「メイヤー、な、なんとかしろ!」と言われ、ジョン・メイヤーくんは「えー、えー、えー、ぶりろー はじっそぉ~ん」とポイズン"Every Rose Has It Thorn"を演奏し始めます。すると2人の警官は、あのアクセル・ローズの「クネクネ踊り」を始める。ポイズンやガンズなんて、白人カルチャーの極みですから、白人はともかく、なんで黒人が?!と怪訝に思ったシュペルさんが「ヘイ、ブラザー、なんでお前こんな曲知ってんの?」と聞くと黒人の警官が、「オレは郊外で育ったから、しょうがねえだろ」と言うと、シュペルさんも納得し、一緒にアクセルのクネクネ踊りをしてしまいます。

これちょっと意味わかんなかったのでアンちゃんに聞いたら、シティに住んでいる黒人の方が黒人としてのアイデンティティを強く持っていて、郊外に引っ越していった黒人は比較的金持ちで、白人のように振舞うことが多い、とのこと。言われてみれば・・・って感じで、勉強になりますなあ。

ジョン・メイヤーくんがお歌が上手いのにびっくり!ちょっとこの人のCDをチェックしてみましょう・・・・・。

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映画紹介 | コメント(4) | 【2005/10/01 20:48】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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