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『ファーゴ』-『ノー・カントリー』とコインの裏表みたいな
Fargo

この映画、タイトルが「ファーゴ」なんですけど、ファーゴではジェリー(ウィリアム・H・メイシー)とカール(スティーヴ・ブシェミ)、グリムスラッド(ピーター・ストーメア)のコンビが密会するだけで、実際の事件が起きるのはマージの住むブレイナーとミネアポリス。それに始めに「この物語は実際に起きた事件に基づいており、関係者のプライバシーを守るために仮名にしてある他は、実話に忠実に描かれています」という字幕が出るんですけど、ウソなんですよね。

ファーゴ (ベストヒット・セレクション) [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 1996
Director: Joel Coen
Writing Credits: Joel Coen, Ethan Coen
Cast:
Jerry Lundegaard: William H. Macy
Carl Showalter: Steve Buscemi
Gaear Grimsrud: Peter Stormare
Marge Gunderson: Frances McDormand
Norm Gunderson: John Carroll Lynch
Mike Yanagita: Steve Park
この映画、何回か観てたから、「え~、これって実話だったっけ?!」なんて今回マジに驚いて特典のインタヴュー観てたらウィリアム・H・メイシーが、「実話じゃないのに実話だ、って言うのはマズイんじゃないの?」って言ったらコーエン・ブラザーズが「いいじゃん!それも映画の一部だから!」ってあっけらかーんと言ったつー話を聞いて関心するやら驚くやら。

でも、信じたよ、アタシは。材木を木くずにする機械に足突っ込んでるところとか観ても

「うわ~すげーなあ、こんなこと本当にあったのか!!」

なんて納得して観てました。

だってキャラがすごい真実味あるんだもーん。マージ(フランシス・マクドーマンド)とノーム(ジョン・キャロル・リンチ)の夫婦なんてサイコーだし、もちろんメイシー演じるジェリー・ランディガードも、その奥さんも、マージの高校の同級生のマイク・ヤナギダも、ダイナーのウエイトレスも、みんな本当に存在しそうなキャラだよー!うちの母が秋田なんだけど、『ファーゴ』のキャラたちは本当に東北の人を連想させる。方言が、普通にしゃべってんのになんとなくコミカルで、その間延びのしたしゃべり方がすごく平和で人が良さ気で!あとさ、マージと一緒に働いてるおまわりさんがいるじゃん?すっげー彫りが深くてむちゃくちゃいい男なんだけど、あの方言でしゃべってると超可笑しい。東北の人も彫りが深い人が多いので、あのキャラは笑いました。

でも、あとで良く考えてみると、みんなものすごい誇張されてんだよね。その誇張が可笑しいんだけどイヤミじゃないのは、やっぱコーエン・ブラザーズが実際にミネソタ出身で、こういうキャラたちを良く知っているし、愛情があるからなのかな。(でもメイシーは、あのしゃべり方で「俺たちをバカにしてるんだろう!」ってミネソタ出身の人に絡まれたことがる、というような話をインタヴューでしていたけど!)

あと可笑しいのは、マージとノームっていっつもなんか食べてるんだよね。最初は事件の朝、早朝に呼び出されたマージのためにノームが朝ごはんを作って、マージが「じゃあ、行ってくるわ」って出て行くと、ノームがマージの皿を引き寄せて残ったのを食う(笑)。次のシーンはランチで、マージが事務所に戻ってくるとノームが「ランチ持って来たよ」と言いながらアービーズを食べている。次は、食べ放題のレストランで大盛りにした皿を二人でつついているシーン。で、最後は、二人でベッドに入ってTV観ながらぼけーっとして、マージが「もう寝るわ」と言うと、ノームはポテチの袋に手を突っ込んだまま寝ている!

二人の生活には特にエキサイティングなこともなく、痩せようとか健康に生きようとか、食べ物に気をつけようとかあくせく生きるでもなく、平凡に結婚して平凡な家に住んで、絵に描いたようなミッド・ウエストの平凡な夫婦なんだけど、なんだかとっても幸せそうに見える。もうすぐ子供が生まれるし、ノームの絵が3セント切手のデザインに選ばれたし(「3セントなんて誰も使わないよ」「そんなことないよ。郵便料金が上がったときに、小さい額の切手が必要になるときがあるもん」「そうかな」「そうだよ」)。

対して何をやっても上手く行かないジェリー。ジェリーの奥さんって、本当にいるよな~こういうタイプ。なんか落ち着きがなくていつもしゃかしゃかしてて、ブスじゃないんだけどなんだか垢抜けなくて、所帯じみてもーなんつーか痛いくらい平凡な。で、ジェリーは多分、自分以上のものになろうとしたせいで、こんなにゴロゴロと雪だるま式に悪い方へ、悪い方へ、と行っちゃったんじゃないかなあ。メイシーはこの役どうしても演じたくて、3回も本読みしてコーエン・ブラザーズを説得したっていうくらいだったらしいので、本当に上手いよね。あの、駐車場で、フロントガラスの氷はがしながら段々ヒステリーになるところなんて最高!何も悩みなんかなくても、あのフロントガラスの氷はがすのってイライラすんだよね~良くわかる!

ブシェミとピーター・ストーメアが演じるワルの二人組みも説得力あるよね。このキャラたちにちゃんと役名があったの?!って思ったくらい、チンケでどーしょうもないチンピラたちで、特にブシェミって、こういうチンケな役上手いよね。もう一人のシルバー・ブロンドのピーター・ストーメアのキャラは、なんか『ノーカントリー』のシガーを思い出させた。両方ともコーエン・ブラザーズのオリジナル脚本でしょ?この全くしゃべらない、目つきのわるーい、でもものすごい残酷な、人を殺すことをなんとも思わないようなキャラって、コーエン・ブラザーズなんか思い入れあるのだろうか。

『ノーカントリー』では、マージのキャラを彷彿とさせたトミー・リー・ジョーンズ演じる保安官が、「悪」に対して悲観的というか、結局「悪」には適わない、人間に対して悲観的なのかなあ、そんな感じなのに対して、『ファーゴ』はひどい話なのにも関わらず、マージとその周りにいる人たちのキャラのせいか、人間の性善説を信じたくなってしまうようなほのぼのした話になっていると思う。この二つの作品て、似て非なるものって感じで面白い。そういえば、『ノーカントリー』ってすっごい暑いところの話なんだよね。こっちは豪雪だし。

key Word 映画 ジョエル・コーエン イーサン・コーエン フランシス・マクドーマンド スティーヴ・ブシェミ ウィリアム・H・メイシー ピーター・ストーメア ジョン・キャロル・リンチ
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色あせない名作 | コメント(0) | 【2008/12/21 21:48】
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『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』-2回観れちゃう面白さ!
Tropic Thunder

すっごい面白くて2回観ちゃったくらいなんですけど、何が面白かったのか書け!と言われるとすっごい難しい。最初から最後まで戦争映画のオマージュ、パロディ、裏話満載、登場人物一人一人が色んなタイプの人間を的確に描写しているし、その行動や言動の一つ一つが微に入り細に渡ってそのキャラを表しているし、無駄なものが一つもなくて、はしょれない!実際、ストーリーの最初から綿綿と書いたのですが、余りに長過ぎるし。

tropic thunder
dvd on amazon.com
Produced: 2008
Director: Ben Stiller
Writing Credits: Ben Stiller, Justin Theroux
Cast:
Kirk Lazarus: Robert Downey Jr.
Jeff Portnoy: Jack Black
Kevin Sandusky: Jay Baruchel
Alpa Chino: Brandon T. Jackson
Tugg Speedman: Ben Stiller
Damien Cockburn: Steve Coogan
Cody: Danny R. McBride
Rob Slolom: Bill Hader
Four Leaf Tayback: Nick Nolte
Rick Peck: Matthew McConaughey
Tran: Brandon Soo Hoo
Les Grossman: Tom Cruise
さすがベン・スティラーが15年間構想を練っただけのことはある。しかしどの辺をそんなに練りまくったんだろう?『太陽の帝国』は観ていないのでわかりませんが、この映画に出たときのベン・スティラーは、大物俳優がいかに我がままで、台本も読まないし、監督がみんなをまとめられなくてキレたり、映画だから自分は死なないからって、現実よりクレイジーなことをやる俳優とかを見て「うわー!」と思って、それ以来「こういう映画の裏側を撮ってみたい」と思い続けてきたのかなあ。

とにかく出演者の性格描写が上手いよね。スティラー本人が演じるタグ・スピードマンは、アクション映画のシークエンスだけで有名なマッチョ俳優。映画のクライマックスで泣くこともできない。こういう人のパロディって好きだよねー、ベン・スティラー。『ドッジボール』のボディ・ビルダーとかさ。この人が、監督が地雷踏んで吹っ飛んでも、ゴールデン・トライアングルの麻薬密売組織に捕まって拷問されても、「映画の1シーンに違いない」って絶対疑わないところが超可笑しい。あと、パンダ殺してその毛皮着て出てくるところすげー笑った。こういうマッチョな人に限って、どんどん映画の世界と現実の区別が付かなくなってくるのかなあ。

その正反対なのが、ロバダウJr.が演じるカーク・ラザラス。オーストラリア出身の、オスカー5回も取ってる演技派で、今回も黒人の軍曹を演じるために肌の色までかえるという徹底振り。これって、役作りのために外見変えちゃう俳優のパロディなんだろうけど、最近の、明らかにアメリカ人の役なのにイギリスやアイルランドの俳優が演じる映画が多いことを暗にパロってるんじゃないかと思う。元々のスクリプトではこの役アイルランド人って設定だったっていうのと、本物の黒人であるアルパ・チーノが、カークのジャイヴ・トーク(黒人特有のしゃべり)にカチンときて

「あんたはオーストラリア人なんだから、オーストラリア人らしく振舞え!」

って言うくだりで、「あ」と思った。映画的には、国が違っても、白人が白人の役を演じる、ってのはインパクト薄いので、あえて黒人にしたんじゃないかなあ。ベン・スティラーって、クリスチャン・ベイル嫌いなのかな?『太陽の帝国』で我がままだった俳優がクリスチャン・ベイルで、それが『バットマン』を演じているのが気に入らないとか?ちょっと深読みし過ぎ?

で、そのアルパ・チーノ(ブランドン・T・ジャクソン)は、ヒップホップのヒット・メーカーで、これもこの手の人の究極のパロディ。このバカげた名前、Booty Sweatというエナジー・ドリンクを発売して2ミリオンも儲けちゃったというバックグランド、ヒット曲のタイトルがI Love Tha Pussyだっけ?で、ものすごい女好きであることを強調して置きながら、実はゲイだった、というオチが結構深い!!

あと、ジャック・ブラックのジェフ・ポートノイっていうキャラがすごいよね。デブネタ・屁ネタで有名になっちゃって、だけどそういう知性のかけらもないことが自尊心を傷つけ、ヘロイン中毒になっちゃってるというコメディアン。でまた、ヘロインの禁断症状が超上手い、ってか、ヘロインの禁断症状がどんなもんかなんて知らないんだけど

「絶対こうに違いない!」

と思わせない?でそれがまた可笑しいの。

それと、若手俳優で無名の大抜擢、ケヴィン・サンダスキー(ジェイ・バルチェル)。この人が『太陽の帝国』でのベン・スティラーを反映しているのかなーと思った。端役だったらしいから役柄は違うかもしれないけど、共演者から名前を覚えて貰えなかったり、スクリプトや原作をきちんと読んで、撮影前のブートキャンプに参加したのは自分だけ、大物俳優の力争いになんとなく巻き込まれる、映画ヲタ丸出しでみんなに煙たがられる、とかそういう立場が。

で、この5人をまとめられないイギリス出身の監督(スティーヴ・クーガン)、映画の出来よりも爆発物が大好きな爆弾担当の戦争ヲタ(ダニー・マクブライド)、映画のネタになっているのがヴェトナム戦争のノンフィクションなのに、実はアメリカから一歩も出たことがなかった著者(ニック・ノルティ)とか、こういうのって映画作りの裏側に必ず存在しそうなキャラたちですよね。

そして忘れてはならないのがトム・クルーズ演じる、制作会社のエギュゼキュティヴ、レス・グロスマン。『マグノリア』の伝道師に引き続きすごいハマってましたね。デブ・スーツを着てハゲのかつら被ってるのが話題になったけど、役作りも完璧だよ。この人も「おれはトム・クルーズだ!」と主張しながらも、役ごとにしっかりなりきってくれて、侮れない!こんな富も名声もあり、いい男で外見なんかめちゃくちゃ気を遣っているだろうに、役となると全く羞恥心もなく、イメージに囚われることもなく、なんでも演じちゃうところがすごい。ブラピとかジョニデとかはここまで自分を捨てられないんだよね。サイエントロジーとか悪い噂も色々あるけど、役者としては尊敬に値するものがあるな。

あとさ、悪役の麻薬密売組織のリーダーの子供、すっごい可愛いね。あんな可愛い子が始終怖い顔しているから面白い。あれってさ、子供をリーダーにしたのって、

アジア人のワルい組織のリーダーって、「え?こんな奴が?」って思うほど小さくて可愛い。でも、すっげー残酷で、マーシャル・アーツとかも出来てすげー怖い

というイメージを体現するために本当の子供にしたんじゃないかなあ。で、『シンプル・ジャック』のファンだ、って言うところなんか、子供のいたいけな顔に戻っちゃって、それがまた可愛い!この子がRPG持って出てくるところなんか、サイコーに可笑しいもんね。

あと、タグを洗脳する小さい子供!!この子も笑うとすっごいキュートで、抱きしめたくなっちゃう!『シンプル・ジャック』のお芝居観ながらこぶしを振り上げているところとかすっごい面白いし。こういうところを中途半端にしないで、もう「これでもか!」というくらい可愛いので、最後にタグのクビをグサグサ刺して、川に投げ込まれちゃうところがむちゃくちゃ可笑しいのよ。こういうところ手を抜かなかったのがまたいい。

コレだけ密度が濃かったらやっぱり構想15年かかるのかね。ギャグと外見とか、笑わすところはシンプルで余り考えなくても笑えて、でも意味を見出そうと思えば全ての設定についてディスカッションできてしまうという、全く良く出来た作品で、こういう映画は2回観ても面白いんだよね。

key Word
映画 トロピック・サンダー/史上最低の作戦 ベン・スティラー ジャック・ブラック ロバート・ダウニー・Jr ブランドン・T・ジャクソン ジェイ・バルチェル ダニー・マクブライド スティーヴ・クーガン ビル・ヘイダー ニック・ノルティ ブランドン・スー・フー
この映画がすごい!! | コメント(7) | 【2008/11/26 00:58】
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『Black Sheep』-イマサンだけど、テーマに共感
Black Sheep

幸せのレシピ』のレヴューで、「やっぱり、こういう(安易な)映画ばっかり観てちゃダメだな。怖そうでも、辛そうでも、観た後何かが心に残るような映画を観なくちゃと心に決めました」って書いて、観た映画がこれかよ!と自分でもトホホなB級映画です。だって、DVDのカバーに書いてあった

「There are 40 million sheep in New Zealand, and they're pissed off!」


Black Sheep
Produced: 2006
Director: Jonathan King
Writing Credits: Jonathan King
Cast:
Henry: nathan Meister
Grant: Oliver Driver
Experience: Danielle Mason
Angus: Peter Feeney
Mrs. Mac: Glenis Levestam
Tucker: Tammy Davis
っていうのに爆笑しちゃったんだもーん。しかもカバーのの写真が最高!普通の大人しそうななのに、なんだかおどろおどろしい!

プロットはですね、ニュージーランド農場を地道に経営してたお父さんが死んで、その後を継いだ長男がとんでもないヤツで、金儲けのために様々な遺伝子操作をして新種のを作るが、その過程でできた有害廃棄物が原因で、大人しいたちが凶暴になり、人間を襲いに来る、というホラー/コメディ

かなりグログロなのを覚悟していたのですが、そっちの方は、全然平気でした。『プライベート・ライアン』以降の戦争映画を観れる人なら、こんなのちゃちでウソ臭いので気持ち悪くもなんともない。B級ファンの人はこの安っぽさがたまらないのかな~とか思いながら観てました。

映画としてどうよ?!と言われたら、うーん、イマサンくらいなんですけど、やろうとしていることには好感持てました。要するに、利益のための動物虐待を皮肉っているのだと思うのですが、ねえ。もっと上手い人がやったらものすごい可笑しくて、しかもゾッとして、最高な作品になったんじゃないかなあ、なんて思いました。コーエン・ブラザーズとかさ。

つーのは、私としては、人間がに対して行っている極悪非道をめちゃくちゃグロに描いて欲しかったのよ。一つだけ、逆さ吊りにされた羊が、生きたまま皮をはがれ、身体を開かれて、ドクドク言っている生きた心臓が見える、という図があって、

「うわー、グロい~良く考えつくなあ、こんなの!」

とキモいので笑ってしまう、という映画的な楽しみも味わいつつ、

「もしかしたらこれってマジで起こっていることなのかもしれない」

と漠然と頭に浮かんできて、ゾワっとする・・・・そして実際にこういう出来事に興味を持つようになる・・・・という映画の醍醐味!というのにはちょっと程遠い。

羊たちが凶暴になるのも、そういう実験を人間たちがしているのを目撃して、それで怒ったところに凶暴になる薬品を摂取してしまい暴れる!っていう感じにしてもらえたら良かったんだけど、結構闇雲に暴れてるしなあ。でも、つぶらな瞳にふかふかの毛玉のような可愛い羊が、その愛くるしい容貌のままで人間を食っているところとか結構笑うけどね。

観てる最中ずっと、「なんでアタシこんな映画観てるだろ~でへへ」と自分で自分を笑っちゃうような映画でした。

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key Word 映画 ニュージーランド 羊 ホラー コメディ
B級映画 | コメント(0) | 【2008/09/24 02:31】
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『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』-ヲタはディティールにこだわります
Hot Fuzz

この邦題・・・・いい加減「俺たちなんちゃら」っての止めて欲しいな~と思うのですが。『Hot Fuzz』って言うくらいだから、「熱血」とかそういう言葉を使って欲しかったなあ。『熱血ポリス!ホット・ファズ』とかさ!

hot fuzz
Produced: 2007
Directed by: Edgar Wright
Writing Credits: Edgar Wright, Simon Pegg
Cast:
Nicholas Angel: Simon Pegg
Danny Butterman: Nick Frost
Frank Butterman: Jim Broadbent
Met Chief Inspector: Bill Nighy
ま、んなこたどーでもいいのですが、この映画は、その筋のヲタクさんたちには堪んない、アクション映画に対するオマージュ満載ということでかなり話題になっているようなのですが、DVDの特典に付いている、FAZZ-O-METER(TRIVIA TRACK)っていうのをオンにすると、映画丸々一本に字幕で、このシーンはどこそこの映画から取った、とか、このセリフはダーティ・ハリーで言われていたセリフだとか、ヲタ必見の特典が付いています。

私はさすがに全部は観れなくて、だって時々一時停止にしないと読み切らないくらい、画面いっぱいに説明がついてたりするんだもん。でも、2/3くらいは観たんですけど、やはりアクション映画ヲタではないので余りわかるところはなかった。

しかし、これは他のアクション映画に対するレフェレンスだけでなく、このセリフはラスト・シーンの伏線だとか、スタンフォードの町の看板にあるスローガンは何々を示唆しているとかそういう説明もあって、良く、映画って実は登場人物の名前一つ一つに至るまで意味があるんだよといいますが、それがしみじみわかったりして面白かったです。

さらに、この映画を作るにあたって本物の警察官たちにインタヴューしたらしいのですが、そのインタヴューで学んだことを反映したシーンの解説が面白いんですね。

まず、この映画には事件が起こった後のペーパーワークをするシーンが随所に出てくるのですが、これは本物の警官たちが

「刑事モンの映画は、あれだけ人が死んだり物がぶっ壊れたりしたら、どれだけ報告書を書かされるか、その辺に言及しているものが一つもない」

と言ったことから挿入したシーンなのだそうなのですが、それがこの、ニコラス・エンジェルという警察官の杓子定規で大真面目な性格を強調していて、効果的でした。

それから、白鳥が脱走したという電話通報を受けるが、通報してきた民間人の名前がP.I. Stakerで「piss taker(おしっこを受ける人、要するにこれをくらえ、みたいな意)」と聞こえることからイタズラ電話だと判断、相手にしなかったら本当で大恥かいたとか、地元の人の訛りがわからなくて地元の警官に通訳してもらったとか、こういうエピソードは警官たちが語った実話が元だそうです。あと、ダニーが酔っ払い運転でニコラスに捕まった罰でみんなにチョコレート・ケーキを買ったというのも、警官がペーパーワークを間違えたときに本当にケーキやアイス・クリームを罰として買わされる、という話が元だとか。

あ、あと、最後みんなが報告書を書いているときに、一人残った悪の残党がライフルを持って現れると、

「忘れられたキャラが出てきて、またひと悶着起こす、というのは、アクション系TVゲームに見られる、"隠された最終ステージ"を意味している」

とか、この人たち映画だけじゃなくて、アクションもののTVゲームまで好きなんだ!とほとんどあきれ返ってしまいます。

この製作者のアクション映画ヲタ振りは、ダニーという田舎の警察官に反映されていて、『Point Break(邦題:ハートブルー)』とか観ながら本物の拳銃振り回して興奮しているところとか笑う。またコイツがデブでのろそうなところが、さもありなんって感じでいい。

主役のニコラス・エンジェルも、見た目からしてモロ真面目そうな、堅そうな人で、しかも小柄で、アクション・ヒーローっぽくないところがパロディの王道って感じでいいですね。最後、完全武装して、楊枝をくわえて、馬でパカパカやってくるとこなんか超可笑しい。

しかも、デブでのろまのダニーがレイバンかけて、ニコラスを助けようとすると、銃を投げて渡すニコラスが

「That's what I'm talking about」

なんて言うと、なんか今までと違って声が低くなってて妙にカッコ良かったり、レイバンかけたダニーが

「Fuck yeah!」

なんて言うと、案外サマになっていたり、最後のアクション・シーンなんてワクワクしますよ。パロディでありながら、こういう人たちがカッコいいという「敗者復活戦」的なところがなかなか感動的なんだけど、冒頭で通報されて置きながら、全く捕獲できなかった白鳥がカーチェィスの真っ最中に現れて、それを保護したりとか、がんがん盛り上げておきながらまた落とす、というタイミングの良さとかに、製作者のセンスが感じられます。

で、最後に、夢を叶えてキアヌ・リーブスしちゃうダニーを見てやっぱり笑ってしまう。で、このシーンに関しては、ちゃんと中盤で本物のキアヌの場面を観客に見せて置いて、記憶があるヲタじゃなくても笑えるようにしてあるところとか、結構細かいのよね。そういうところが、ただドタバタやって笑わしときゃいいや、というようなコメディとは一線を画しています。

PS
今日、何気にYahoo Japanの映画ニュースをみていたら、お亡くなりになった水野晴郎さんが最後に観た映画がコレだったそうで、爆笑してしまいました。さすが偉大な映画評論家だけあって、「面白い編集をするね」と言って、絶賛されていたそうです。ご冥福をお祈りします。

key Word
映画 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! エドガー・ライト サイモン・ペッグ ニック・フロスト ビル・ナイ
DVDで見た映画 | コメント(5) | 【2008/06/17 05:29】
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『ボラット』-喜劇というより怒劇?!
Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan

この映画のキャッチ・コピーは、

バカには理解不能なバカです。

borat.jpg
dvd on amazon.com
Produced: 2006
Directed by: Larry Charles
Writing Credits: Sacha Baron Cohen, Anthony Hines
Cast:
Borat: Sacha Baron Cohen
Azamat: Bagatov
Luenell: Luenell
なんだそうですけど、この映画を観て、知性うんぬんとか言われてもなあ。そもそも、半分くらいボラットのしゃべるブロークン・イングリッシュが可笑しいのに、英語圏じゃないところに住んでいる人たちはどうするのだろう。題名のCultural learnings of America for make benefit glorious nation of Kazakhstanからしていきなり間違っているんだけど、「間違っている」ということが解ったからといって、面白いわけではない。これは字幕やる人が相当心血注いでやらないと、日本ではコケるんじゃないだろうか。

それに、ボラットという、文化も言葉も全く異質の人をアメリカに持ってくることによって、アメリカ人の色んな面を暴きだしているという側面はあるかもしらんけど、こういう側面も、アメリカに興味があって知ってれば面白いけど、知らなかったら「なんなのこれ?」と思うのではないだろうか。そういうところが「バカには理解不能なバカです」というキャッチ・コピーが出てきた所以なのだろうけど、これは知性の問題じゃなくて知識の問題だし、英語と同様に、知っているからといって面白いとは限らないし。

だって、ボラットが、必要のないところに定冠詞の「a」とやたら使ったりとか、「I'm very exicite!」って連発するところとか、褒めているつもりでセクハラなこと言っているところとか、日本人の駐在員にもたくさんいて、笑いながらも恥ずかしいよ!私もあそこまでひどくはないにしても、ときどき唐突に相槌打っちゃったりしてるんだろうなあと思うと、「目くそ鼻くそを笑う」とはまさにこのことですよ。

この映画観て、マジでいや~な気持ちになる人も多いみたいね。ボラット自身も、ボラットの故郷のカザクスタンの人も、ボラットが出逢うアメリカ人も、その人たちに関する「正しい知識」は一切お構い無しに、一人残らずギャグにして怒らせているんだからさ。笑わせようというより、怒らせようとしているんだと思う。私がこういうエゲつないの笑っちゃうのは、ここまでやれちゃう度胸がすがすがしいからなんだけど、「これ笑えない」という人がいるのもわかる。別に理解できなくてもバカでもなんでもありませんので。

Key Word
映画 ボラット
洋画 | コメント(6) | 【2007/05/19 21:52】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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