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『ザ・ファイター』-本気で感動しちゃいました
The Fighter

今、エリカ様が離婚騒動やってるけど、あの娘のマネジメントって相当ヒドイとしか思えない。あんな24歳の女の子に好き勝手にしゃべらせて置いたらまとまるもんもまとまらない。誰かビシ!としたマネージャーが付かなくちゃダメじゃん。・・・・ってことが良くわかる映画でした、『ザ・ファイター』。

Fighter, the
Produced:2010
Director: David O. Russell
Writing Credits: Scott Silver, Paul Tamasy
Cast (voices):
Micky Ward: Mark Wallberg
Dicky Eklund: Christian Bale
charlene Fleming: Amy Adams
Alice Ward: Melissa Leo
George Ward: Jack McGee
ボクサーは結構貧しい出の人が多くて、「身体一つで」ってイメージがあるのですが、この映画を観ると、色々裏方仕事も」大変なんだと思いました。対戦相手を探して試合をセットアップしたりするんだけど、相手の力がどの位で、対戦することに意義があるのかとか色々算段しなくちゃならない。弱い相手とばかり戦っていても強くもなれなきゃ金にもならない。でも、金を稼ごうと人気のあるボクサーに挑戦したら、強いんだろうからボコボコにされる可能性もある。

特にボクシングってのはフィジカルだから、ただ「あー試合に負けちゃった」ってだけじゃなくて、死ぬ可能性だってある。その位大変なことなのに、マネジメントの人が親身になってくれなかったら、ヒドイ試合ばかりやらされるんだよね~。

映画の中でミッキー(マーク・ウォールバーグ)がその立場で、殺されるかもしれないってくらい重量の違うヤツを試合を迫られて、断ることも出来たのに「戦わなくてもいいけど、棄権するならお金は一銭も出ないよ」って言われたら、マネジメントが「あ、やるやる」って(笑)。しかもそのマネジメントが実の母親と兄!!

この家族カソリックのせいなのかすっごい兄弟姉妹が多くて、しかも誰一人まともな職を持っていない!!で、ミッキーが試合で稼いでる金だけで生活してるんだろうな~って感じ。

アタシだったらあっさり家を出ちゃうところなんだろうけど、アイリッシュでカソリックって言ったら、家族の絆は絶対、そんなの許されないことなんだって。

でもミッキーにとってボクシングは喰うためだけじゃなくて夢でもあるのに、怠け者の家族を食わせるためだけに意義のない試合をさせられるって相当辛いだろうと思った。

でさ~、助演男優賞獲る!って言われてるクリスチャン・ベイルが演じる、ミッキーのしょ~もない兄貴・ディッキー。これ獲るよ!すごいよ、もう。カッパ禿げ!クリスチャン・ベイルだよ!クラック中毒だからすっげえ痩せてるし。この人さ、役作りのためにすっごい痩せることで盛り上がっちゃう人なんじゃないかなあ。

そんでさ、こういうヤツ、アメリカに一杯いるんだよね~。正直な話、前にちょっとデートしてたヤツそっくりで冷や汗出てきた。見た目もそんない悪くなくて、調子良くて人当たりはいい。才能も結構あって、頭も馬鹿じゃない。でも何が欠けてるって、責任感とかそういうのがゼロ!

この人も伝説のボクサーとマッチしたくらいなんだから、才能はあるんだろうけど、結局はその才能を上手く導いてくれるマネジメントやトレーナーに恵まれなかったんだなあと思う。でもディッキーとミッキーの違いは、ベタだけど「マジメさ」なんだなあと思う。ディッキーは才能あるんだけどコツコツ努力するってタイプじゃないんだよね。

で、家族の犠牲になっている内にどんどんボクシングキライになって行くミッキーを救ってくれるのが、しがないバーのねーちゃんシャーリーンなんだけど、これを演じるエイミー・アダムスもいい。「ホワイト・トラッシーなバーで毎日ガンガン飲みながら働いている女」って身体しているの!タンクトップから出るぶよっとした腕!ジーパンのベルトの上のハミ肉!セックスシーンの腰の周りの脂肪がむぎゅ!ってしてるとことか、リアル過ぎる。こういう役を、いかにもジムで鍛えてますみたいな女優がやるとウソ臭いけど、産後の肥立ちもいいエイミー・アダムスは超ハマり役だった。

アタシが個人的にこの映画すっごく感動したのは、ミッキーを苦しめる家族が悪役、救うガールフレンドのシャーリーンが善玉、って言うのを最後ひっくり返すところなんだよね(ここからネタバレ)。

シャーリーンは、母親とバカ兄貴がミッキーをダメにするからと、近づけたくない。でもミッキーの家族は自分達に権利があるみたいに振舞う。そういう綱引きの中で「アナタがはっきりしないからいけないのよ!」みたいな追い詰め方をするのは良くないんだな~と思った。ミッキーは、ディッキーがどんなにボンクラでも、小さい時見上げていた兄でありボクサーであり、やっぱり才能があるって思うし、一緒に夢を目指したい。それが面白くないシャーリーンは、だんだんミッキーの母親みたいになって行く。

ハタから観ていると、「ああ~、ここで周りがケンカしてちゃダメじゃん。みんながぐっと自分を殺して、ミッキーを勝たせるために一致団結するべきなんだよ」と思うけど、当事者になったらこれは難しいことだよ。

でさ、その難しいことを実際にやってのけるのが、このボンクラにーちゃんなんだよ!

ミッキーがまたディッキーにトレーナーになって欲しいと言うと、今まで助けてくれていた人はみんな立ち去る。シャーリーンも立ち去る。するとディッキーは、シャーリーンの家まで訪ねて行って、

「ミッキーはあんたが必要なんだ。ミッキーは俺のことも必要なんだ。だったら俺達両方ともミッキーと一緒にがんばらなきゃいけない!」

って言うんだよ!

で、その後、気持を入れ替えて、ヤクも辞めて、ミッキーと本当に真剣にトレーニングを始める。ここがさ~!!!なんかすごい深いのよ。軽くもなり得る、なんつの、「なんだよ~こんなボンクラが都合良く更正するわけないじゃん」って感じになってもおかしくない展開なんだけど、そこはやっぱ、クリスチャン・ベイルの鬼気迫る演技なのかなあ、信じられちゃって、マジ感動するんだよ!

タイトルマッチでは、コーナーにディッキーが付いて、シャーリーンと母親が一番前で観戦しているんだけど、母親がさ、それまでは安っぽい派手~な服ばっかり着ていたのに、少しスタイリッシュに変わっているのよ。それがなんか、母親も成長したんだな~って感じが良く出てた。その服装だけのことなのに。

で、もちろん、最後ミッキーが勝つんだけど、それが本当に感動的なんだよね。さっきも書いたように、「都合いいよな~」とか「そりゃ勝つよな~」って思わせない、本当に泣けるの!

それってきっと、登場人物がみんな、映画の中で成長して行く過程が良く描かれていたからだと思う。これに比べたら『ソーシャル・ネットワーク』なんて☆んこ☆だと思うのだが。

追記:
もちろん、母親役のメリッサ・レオもすごかったです。この人、ホワイト・トラッシュのおばさんやらせたら一番なんじゃ。あのシワとか、肌のたるんだ感じ・・・・。でもこういう人が、「女優」であって「セレブ」じゃない人なんだなと思った。整形でお直しとかしてないんだろうなって。

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■メリッサ・レオのもう一つのはまり役『フローズン・リバー
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第83回アカデミー賞 | コメント(3) | 【2011/01/25 06:26】
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『ブラック・スワン』-アーティストとして生き残るには・・・
Black Swan

アロノフスキーが、この作品は『ザ・レスラー』と対だって言ってるって聞いてはいたのですが、最後、観客が、「ニーナ!ニーナ!ニーナ!ニーナ!」って歓声を送るとこ、「コレ『レスラー』だよ!」って爆笑しそうになりました。ウィキで読んだんだけど、監督は、「おハイソな芸術とされるバレエ」と「下衆な大衆芸術(もし、芸術に区分されるならば)とされるレスリング」が、実は肉体を酷使することによって成り立っているところが共通していて面白いと思ったらしく、元々はレスラーとバレリーナが恋に落ちるというプロットに仕立てたんだけど、一つの映画に入れるにはてんこ盛り過ぎて出来ないとあきらめ、二つの作品に分けたんだって。すごく面白い発想だよね。

Black Swan
Produced:2010
Director: Darren Aronofsky
Writing Credits: Mark Heyman, Andres Heinz, John McLaughlin
Cast:
Nina Sayers: Natalie Portman
Lily: Mila Kunis
Thomas Leroy: Vincent Cassel
Erica Sayers: Barbara Hershey
Beth MacIntyre: Winona Ryder
小さい時からバレエやってて、品行方正で恥ずかしがりの少女が、苦難を通して成長する・・・・という非常に月並みな題材なのに、こんなに面白い映画になっちゃうってのは、やっぱ、その「苦難」をサイコ・スリラー風に味付けしたのが当ったんだろうね!

映画を作るにあたって、本物のバレリーナから聞いたエピソードを実際に使ったらしいので、現実味あったよ~。トゥ・シューズとか、新しいまんまだとダメだから、使いはじめる前にベリベリ底はいで慣らして、自分仕様に縫い直したり、紐の端っこがほつれないように(だと思う)ライターであぶったり、練習するからすぐダメになっちゃうのか、何足も何足も一気にこの作業していたり、練習前のテーピングとか、割れたつま先の爪とかさ。ああ、こういうところもモロ『レスラー』でした。

そういったエピソードの中でも一番怖かったのは、足の指と指の間の皮がくっついちゃって、それを離そうとするところ。指と指を反対方向にひっぱると、間の皮が「びよ~ん」って伸びて、千切れそうでハラハラした。で、反対側の足はもうくっついて一本になっちゃってるの。それってもうニーナがオカシくなり始めていたところだったので、彼女の幻覚なのか実際そういう足になっちゃったのかわかんないけど、いつもぎゅーっと締め付けられていると、足の指って本当にくっついちゃうらしいよ。なんか昔、女の人の足は小さい方がいいって縛ってた頃なんて、くっついてる人たくさんいたらしい。

そんな感じで、美しく華やかで繊細なバレエの裏側が、もう怖いの怖くないのって、その辺のギャップが本当に上手かったと思う。最初に書いたように、アーティストって言うのはこういう醜い残酷な過程を経て成長していくのだろうけど、チュチュなんか着てちょいこまか踊る可愛らしい女の子がそれを体験するってのがインパクトあるのだと思う。

体験といえば、ナタポとミラ・キュニスのレズ・シーンとかもあるしね。ミラ・キュニスがナタポをクンニした後、髪ボサボサで唇をぬぐうところなんか、露骨でやーらしくて、中途半端にやらなかったところが「エライ!」って、関係者全員に拍手を送りたかったけど、私の彼はこのシーン、真剣にトギマギしたみたいよ。だから男の人は雑誌等、前を隠せる物を持って行った方がいいかも(まあ、くっついた足指とか見ているうちに萎えてくるかもしんない)。

この映画のお目当てはミラ・キュニスだったんだけど、品行方正なニーナのカウンター・パートとして好演してたね~。基本的に『寝取られ男のラブ♂バカンス』の時のキャラで、「ハイソな芸術」であるバレリーナでありながら、下衆な大衆的な感じが良く出てた。多分、バレリーナだって普通の若い娘なんだから、実際こんな感じなんじゃないの?って言う雰囲気が良かったね。この娘すっごい可愛くて大好きなんだけど、年取ったらキャサリン・ゼタ・ジョーンズみたいになっちゃうかなあって今回ちょっと不安になったけど(でもキャサリン・ゼタ・ジョーンズって、今モトリー・クルーのニッキー・シックスと付き合ってるんだよね~。ああいうのが好みなのか、ニッキーは)。

ナタポはもちろん好演で、『宮廷画家ゴヤは見た』に匹敵するくらい良くやってたね。痩せ方も尋常じゃなかったし。キャラのニーナと一緒で、ナタポもなんでもマジメに取り組む人だからなあ。だからレズシーンとかオナニーシーンとか、別にナタポだったら照れとかなんとか言わないで、プロ根性でやるんだろうって思っていたのでそれほどインパクトなかったけど、男の人にしてみると「清純な」「ナタポが」って思うみたいね。清純だろうがなんだろうが、ナタポは意志がきっちりある娘だから、この位のことはしますよ。全く男ってのは清純な外見に弱い。

バレエ団のディレクター役のバンサン・カッセルも良かったね~!この人は『イースタン・プロミス』でいいな~と思ってたけど、今回もすごい上手かった。「バレエ団のディレクター」っていったらこんな感じ、って想像するののそのまま!この人も本当、名脇役というか、すっごく個性的でウマイ。

プリマドンナに抜擢されたプレッシャーでこんなになって行っちゃうお話しを「こわーい」って思う人もいると思うんだけど、私はこれって、アーティストなら何らかの形で通り過ぎなくちゃいけないプロセスなんだと思ったなあ。アーティストってのは、これまでの自分を殺してアーティストとして新たに生まれ変われなければ生き残れないんじゃないのかな。

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■ミラ・キュニス出演作品一覧
■落ちぶれた中年プリマドンナを好演したウィノナ・ライダーがまだ可愛い頃!『リアリティ・バイツ
第83回アカデミー賞 | コメント(2) | 【2011/01/18 05:32】
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『フォース・カインド』-超怖いけど「ん?」
The Fourth Kind

夫が何者かによって殺害された、心理学者のアビー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は同僚のアベルに頼んで催眠術を受ける。夫を殺した者の顔を見ているのに思い出せないからだ。しかし催眠術でも顔はわからない。アビーの住むアラスカのノームでは、不眠症に悩まされるひとが多く、アビーも何人かそういう患者がいる。その人たちは共通して、白いフクロウを見ることに気付いたアビーは、一人を催眠術にかけて潜在意識を探り出そうとするのだが、その患者は、自分が思い出したことが恐ろしすぎてアビーに告げられない。その夜この患者は自分の家族を全員射殺し、自分も自殺する・・・・・。

THE 4TH KIND フォース・カインド 特別版 [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 2009
Director: Olatunde Osunsanmi
Writing Credits: Olatunde Osunsanmi
Cast:
Abbey Tyler: Milla Jovovich
Sheriff August: Will Patton
Awalowa Odusami: Hakeem Kae-kazim
Abel Campos: Elias Koteas
すっげー怖かったよう。特に、実際の催眠のヴィデオ・テープと、俳優がそれを演じている映画のシーンを並べて見せるところがすっごーい怖い!あとからウィキとか色々読んだら、「実在する」と言われているヴィデオ・テープも作り物だってわかっったからアレだけど、でも観ている時はすっごい怖くて、映画の手法としては上手い!

冒頭に主人公のアビゲイル(アビー)・タイラーを演じるミラ・ジョヴォヴィッチが出てきて、「ハロー。タイラー先生を演じるミラです。この映画は実話に基づいています・・・」とかって言うので、ヴィデオの信憑性とか疑わないで観れちゃうので、本当に怖い。まあ、疑い深い人なら「うそだよ~」って思いながら観るんだろうけど、私は単純なので、マジ怖がってた。一緒に観た友達は「絶対アラスカのノームには近づかない!」って言ってた。

でも、この話って、あながちウソじゃないんじゃない?つーのは、設定がすごい『ツイン・ピークス』に似ているんだよ。夢の中でフクロウを見るとかさ。『ツイン・ピークス』は、場所がシアトルに近い町だけど、あの辺って本当にFBIがしょっちゅう出入りしてて、行方不明とかすごい多くて、『ツイン・ピークス』はそういう噂(事実かどうかは知らん)を下敷きにして作った話ってのを聞いたことがある。

でまあ、すっげービビってたのですが、後から考えてみると、お話はちょっと「ん?」って思ったりする。(ネタバレかわかんないけど、映画を楽しみたかったらなるべく詳細は知らない方か面白いかも)

私としてはですねー、宇宙人がSumarianだっけ?という人間が太古の昔に使っていた言葉を使う、ってのがなんかなー、って思った。多分、言いたいのは、この太古の文明が残したものを見ると、(壁画とか)、宇宙人と交信していたと受け取れる描写があるので、彼らの言語も宇宙人から教わったものだ、みたくも取れるんだけどさ。

それに、宇宙人に誘拐された人が宇宙人の言葉でしゃべるってのがウソくさい。そりゃあ、誘拐されたことを記憶から消されてるとか、宇宙人が高度な科学を持ってるんだったら何でも有りなんだろうけどさ。でも、アビーが宇宙人に誘拐された娘を取り戻すために宇宙人と直接交信するとか言って、アベルに催眠術にかけてもらい、催眠に陥った状態で宇宙人と自分両方の声で会話するんだけど、それってにわかに信じがたい。そもそもなんのために人間を誘拐してるんだろ。なんで誘拐した人間を通して、人間と交信するんだろ。交信したいなら、なんで催眠術かけないと交信できないんだろ。

でもこのシーン、むちゃくちゃ怖いんだけどね!!観ている時はそんな屁理屈なんか考えてないし、「実在するヴィデオ・テープ」だと信じているからすっげー怖い。

でも「I am God」って宇宙人が言うかよ!とか、脳の裏側で思ってたけど。

とか言いながら、この映画を観た後、テツを散歩に連れて行かなくちゃならなかったんだけど、怖くて行きたくなかった(笑)。夜のお散歩は、いつも星がすっごいきれいで、星を見上げながら歩いてるのね。で、うちは空港が近いので、赤や緑のライトをつけた飛行機がバンバン飛び回っているし、そういう中には「これって普通の飛行機?」って思うようなものもあるの。流れ星を見た事も何度もあるし、ぶっちゃけ空気がきれいだから、星の色も、白っぽいのや黄色っぽいのや、色々あったりしてさ。

ご近所も安全だし、星に願い事なんかしながら、犬とふらふら歩いてたんだけど、しばらくは宇宙船に連れて行かれたらどーしよーとか思うんだろうなあ。星が自分を守ってくれてるとか勝手に思ってたんだけど、この映画を観ると異星人は敵なのね。なんか夢を壊されました・・・・。
今日見たDVD | コメント(2) | 【2010/03/21 22:43】
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『プレシャス』-お母さんの方がインパクトある
Precious: Based on the Novel Push by Sapphire

思ったほど悲惨な話じゃなくて良かった。というか、充分可哀想なんですけど、100%絶望てんじゃなくて。

precious
Produced: 2009
Director: Lee Daniels
Writing Credits: Geoffrey Fletcher, Sapphire
Cast:
Precious: Gabourey Sidibe
Mary: Mo'Nique
Ms. Rain: Paulra Patton
Mrs. Weis: Mariah Carey
Nurse John: Lenny Kravitz
助演女優賞をモニークが獲ったけど、主人公のプレシャスより、このモニーク演じるお母さんの方が主演じゃないかってくらい、インパクトあったねー。またそのキャラを、モニークがものすごリアルに演じている。

このお母さんを見ると、愛せない人は愛してもらえない、愛せない人は幸せになれないんだ、ってしみじみ思った。(こっからネタバレっつーか、エンディングに触れます)最後の方で、ソーシャル・ワーカー(マライヤ・キャリー)が、プレシャスが実父にレイプされていたことを突き止めて、お母さんを呼んで本当に何があったのか尋ねるシーンがあるんだけど、3歳のプレシャスを傍らに寝かせて、夫婦がセックスし始めたのに、夫は自分じゃなくてプレッシャスを犯し始めた、って言うんだよね。

それってもう「何事?!」って感じで、ビックリしちゃうんだけど、お母さんはそんなプレシャスを可哀想と思うどころか、

「アタシがメイク・ラヴしてもらうハズなのに、夫はアタシじゃなくてプレシャスを抱いた。それ以来この娘が憎い」

って泣き出すんだよね。このモニークの演技がまたすごいんだけど。

で、なんかコレを聞くと、プレシャスに辛く当ったのは、自分も辛かったからなんだな、って言うのはわかるんだけど、でもこのお母さんて「愛して、愛して」って求めるばっかりで、相手を愛することが出来ないんじゃないかと思った。

妻の目の前で3歳の実娘を犯す父親もどんな人間なんだよ、って思うけど、こういう男に捕まって逃げられない女っていうのは、やっぱ女の方にも問題あるなって言うか。

例えば、愛されるために努力するとか、そういう気概がないからまともな男に出逢えないし、愛されないんだろうなあって。

実父に犯された我が娘に焼もち焼くんじゃなくて、「可哀想だ」って思って、「アタシが幸せにしてあげよう」って思っていたら、貧しくても2人でお互い思いやって生きていけたかもしれないし、そうやって優しい気持ちで生きていたら、いつかはいい人(男じゃなくても、友達とかさ)にめぐり合えて、自分も愛される存在になったんだろうに。

プレシャス自身はこういう境遇にありながらも頭はいいし、自分を持っているんだけど(たから余計辛いと思うけど)、このお母さんは本当に、救いようがない。

で、このすごいお母さんをモニークが完璧に演じているよ。これは助演女優賞ナットクだなあ。

お話としては、最初に言ったように、もう悲惨で悲惨で目を背けたくなるって程じゃなくて良かったと思う。プレシャスは頭いいし、友達も出来るし、全く孤独って訳じゃなくて。

プレシャスを助けてくれる読み書きの先生、Ms. Rainを演じたポーラ・パットンもなかなか好演。キレイだしさ~。

あと、スッピン出演が話題になったマライヤ・キャリー。誰かが「俺はこういう自然なマライヤの方が好きだ」って言ってたけど、確かに悪くない。中学の時クラスに一人はいた、「アラレちゃん」みたいな、全然美人じゃないけど可愛らしい女の子みたいな感じ。

看護士役のレニー・クラヴィッツも、お前ロックスターかよ!ってくらいおっさんでフツーで、あたしゃこっちの方が驚いた。でもやっぱ男の人はそういうの、たいして話題にならないんだろうね~。

Ms. Rainはすごく重要な役どころとしてプレシャスに絡んでくるんだけど、マライヤ演じるソーシャル・ワーカーと、レニー・クラヴィッツの役は、なんかイマイチ生かされてないような気がした。マライヤは、プレシャスのお母さんに近親相姦について突っ込む重要な役柄なのはわかるんだけど、プレシャスとの絡みとしてわからない。レニー・クラヴィッツも、優しくしてくれた看護士という以上になんかある?って感じで。

キレイな女性も華やかな恋愛も、アクション、セックス、なんにもなくて、むさーい、貧しい、冴えない人間ばっかり出てくる映画でも、何かすごく重要なことを表現しているのであれば映画として充分成り立つのだなあ、と思わせてくれる映画でした。

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■モニークが「プレシャス」という役名で出てる『シャドーボクサー』。同じリー・ダニエルズ監督作品で、モニーク抜擢もこのルートだと思われる。マライヤ・キャリーのソーシャル・ワーカー役は、最初、やはり『シャドーボクサー』に主演してたヘレン・ミレンに頼んだんだけど、蹴られたらしい。この映画観たときは「なんだコレ!」って思ったけど、今、こうなってみると、観て置いて良かったじゃん!なんて思った。
見た映画の感想 | コメント(0) | 【2010/03/16 23:14】
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『Food, Inc.』-でもやっぱりチキンはおいしそう
Food, Inc.

昔、私のバンドでギター弾いてた男の子が、小さいときに鶏がクビをはねられて血をぴゅーぴゅー噴出しながら走り回っているのを見て、それ以来肉が食えなくなったって言ってたんですけど、この映画では、漏斗みたいなものに鶏を逆さに突っ込んで、首だけちょこんと出ているところを切り取ってた。

Food Inc
Produced: 2008
Director: Robert Kenner
Cast:
Michael Pollan
Eric Schlosser
これが、一番、残酷でない殺し方なんだって。後方にはかごの中にたくさんの鶏がいて、漏斗に入れられたヤツがクビを切られるのを見ながら、自分の番を待っている・・・・。それってすっごい可哀想、って思うのでうが、羽をむしられて、つるんとした「とりはだ」になって出てきたら「旨そ~!!」とか思っちゃった!!

この映画のいいところは、環境問題や動物愛護を描きながらも、「動物を殺すのは可哀想だ」的な、お涙頂戴なアプローチじゃないところですね。というか、主旨はそこではなくて、「安かろう、悪かろう、という食べ物を供給して大金を稼ぐ企業を野放しにするな!消費者一人一人がこういう悪行を変えていける力があることを知れ!」という非常に硬派な映画です。

ファーストフード・ネイション』ですでに、食肉産業の酷さは描かれていて、基本的に内容は一緒ですが、『ファースト』はドラマ仕立て、今回はドキュメンタリーになってます。こういう内容のものをドラマ仕立てにして、信じられない産業の裏側を、「他人事」から観ている人たちの目の高さに持ってきたのはすごいなと思っていたのですが、今回はドキュメンタリーにしたため、実際の農家の人の現状が描いてあって、これがまたインパクトありました。

自営の農家を営んでいた人たちは、大企業の絶大な資本に押され、組織に組み込まれて行かなければ生活出来なくなってくる。要するに、自分が育てた鶏だの牛だの肉を買ってくれる「お客様」が大企業なんだから、言うとおりにするしかない。鶏にホルモン剤を打って短期間で成長させることで生産量を増やし、暗い納屋にぎゅうぎゅうに閉じ込めて運動させずに太らせる。急激な成長に心臓がついていけない鶏は、痙攣しながら死んでいく。そういうの、「こんなの間違ってるよ!」って思っても、やらなかったら大企業との契約を結べない。他に仕事もない田舎では、そんなチョイスはない。

でも、ある農家の女の人は、こういうやり方が余りにも酷すぎると思い、暗い納屋で鳥を育てることを拒否したら、契約を解除された。彼女の契約を解除した大企業は、映画とのインタヴューを拒否。
肉だけでなく野菜も、季節はずれに出回っているものは成長促進するクスリを使ってたり、もちろん農薬も使っている。大豆なんか、組織組み換えとか話題になりましたよね?でもね、農家のおじさんが言ってた。

「俺達も生活があるから、こうせざるを得ないけど、消費者が企業に圧力をかけて、正しい農業を促進してくれたら、俺達はがんばって、消費者が望むものを一生懸命作るよ」って。

昔はさー、オーガニックって言ったって、大して変わらないよ!高いし!って思ってたけど、最近はちょっと買っちゃうね。オーガニックの野菜も質が良くなってきたっていうのもあるし、サラダとかそのまま食べているとやっぱコワイ。でも、オーガニックじゃなくても大丈夫な野菜もあるんだって。アメリカのウェブサイトで見たんだけど、害虫に強い野菜は余り農薬使う必要ないし、皮が厚いものは剥けばOKだから、余り心配しなくて良いと。成長促進のクスリも、季節のものはそんなの上げなくても勝手に育つから要らないし。ただ、私は皮も全部食べたい人なので、にんじんとかりんごはオーガニックにしてるけど。

でもさ、オーガニックの「お菓子」とか、ああいうのって怪しいな~と思わん?ポテチは身体に悪いけど、オーガニックの野菜をスライスしてあげたお菓子とか「ヘルシー!」って売ってるけど、ヘルシーじゃねえだろう!って。あと、豆乳で作ったなんちゃらとかさ。

って思ってたら、っこの映画でやってた!オーガニック・フードのエクスポみたいので、オーガニック製品の展示・販売をやっている会場にカメラが入って行くのだけど、オーガニック製品で有名な会社が実は大企業に既に買収されていたってことがわかる。ナチュラルな歯磨き粉を作っているって有名なTom'sって会社は、すでにコルゲートに買収されているらしい。だからってナチュラルじゃないとは言わないけど、どーなのかね。

特にこういう、人間の身体に触れるものは、動物テストしてるかしてないかも問題なんだよね。私も、犬を飼う前までは動物実験って「しょうがないじゃん」って思ったけど、自分の犬が使われたらって思うと、やっぱりいやだ。『イヤー・オブ・ザ・ドッグ』を観た時、「えー!ペット好きが嵩じて、動物愛護とかっつって、牛だのブタだのまで気の毒とか思うか?!」って思ったけど、思うよ。

昨日もさ、町内のクリスマスの催しもので、本物のトナカイが街に来て、子供と触れ合う、ってのがあったんだけど、アレ見て可哀想になっちゃった。一日中人目に晒されて、触られて、自分だったらすっごい疲れると思わない?トナカイにしてみたら、自分を観に来ている人たちが愛好的なのか敵対的なのかもわからない。自分の全く知らない土地で見世物になって、すごいストレス溜まると思う。

ちょっと話がずれましたが、化粧品とかも、自分の顔がただれたくないからって、動物の顔をただれさせんな!とか言いたくなると思わん?そんな実験してみないとわかんないようなもの、最初から使うなよ!

で、映画は最後、いいこと言うの。スーパーに行って、日常的に買い物することがすでに「投票」になっているって。つまり、スーパーとかは、客が何を買っているのかモニターしていて、それに沿って入荷するものを決めているから、みんなが正しい知識を持って買い物すれば、それは結果的に大企業の姿勢を変えることになると。安かろう悪かろうで悪名高かったウォールマートの購買の人が、客の要望に応えてオーガニックの製品を入荷するためにオーガニックの農家に視察に行って、そこの人に「十年前、あんたたちの商品をボイコットする運動してたよ!」って嫌味言われてたのが笑った。でも、「あの」ウォールマートでさえそうなってきたんだから、客一人一人がちゃんと影響力あるって言うのは本当かもしれない、と思える。

でも一つだけ心残りなのは、貧しい人たちなんだよね。ギリギリの生活している人たちは、オーガニックだの、健康的な食生活だのって言ってられない。野菜や肉を安全な正規な方法で作ったら生産量は下がるし、そうしたら価格は上がると思う。そうすると打撃を受けるのは、貧しい人たちなんだよね。「多少価格が上がっても、安全なものを」っていうのは、ある種「金持ちの道楽」みたいなモンで、生活のために必要だから車を買うとか服を買うんじゃなくて、ポルシェやヴィトンを買うのとあんまり変わんない。

でもやっぱりこれは必要なことだと思う。だいたい、大企業の市場独占っていうのをさせないようにすれば、貧しい人たちが正当なお金を稼げる環境も出来上がっていくと思うし。その過程で色んな波に飲み込まれていっちゃう人達もいるかもしれないけど、それは避けられないことだもんなあ。

まあ、とにかく、個人レベルで自分が信じる一番正しいことをする努力をしよう!と思わせてくれる映画でした。
映画レビュー | コメント(10) | 【2009/12/14 00:29】
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『ブルーノ』-ボラットより更に居心地悪い!
Brüno

サシャ・バロン・コーエンて、天才だ~。しかもかなり頭も良くて、しかもいいヤツかもしれない。それにすっごいカッコいい!顔いいし、背がむちゃくちゃ高い!すっげえ好みです!

この映画では、ゲイでファッションに精通していて、有名人になりたい『ブルーノ』になりきっているんですけど・・・・『ボラット』でも書いたけど、この人、人を笑わそうとしているんじゃなくて、居心地悪くしたい人なのよ!

bruno
dvd on amazon.com

「完全ノーカット豪華版」だそうです・・・
Produced: 2009
Director: Larry Charles
Writing Credits: Sacha Baron Cohen, Anthony Hines
Cast:
Brüno: Sacha Baron Cohen
Lutz: Gustaf Hammarsten
Diesel: Clifford Banagale
この人さ、本当に、抱腹絶倒の、最初から最後まで腹がよじれるほど可笑しい映画を作れる人なんだと思うんだけど、敢えてそれをせず、こういう映画を作ってるんだと思う。だってさ、ほんのちょこっと出てくるセリフとか、すっごい可笑しくてゲラゲラ笑っちゃうところがいくつかあって、そういうところの連続にしようと思えば出来るわけよ。でも、敢えてしない。

で、その理由っていうのは、私が思うに、この人は、すごく物の見方が公平な人なんじゃないかと思うんだよね。今回も、ゲイの人を演じているんだけど、ゲイだけを笑い者にしてるんじゃない。ゲイの人、ゲイを嫌う人、ゲイの対極にいる人、ゲイに理解の無い人、ファッション・デザイナー、モデル、アート系の人、そうじゃない人、世界を救いたい人、有名になりたい人、人種差別、要するに全ての人?!の「あんた、おかしいんじゃん?!」ってところをブルーノを通して容赦なく暴き出しているため、観ている方は、むちゃくちゃ居心地悪い。

なんか、ブルーノが、サイキックに昔の彼氏だかなんだかを呼び出してもらうシーンがあって、その、呼び出した霊?かなんかに「キスしてもいいですか?」って言って、霊能者が厳粛に、「いいですよ」って言うと、空気相手にキスし始めて、それがものすごいやらしいんだけど、段々下に下りていって、ズボンのジッパーを開け、・・・・ってさー、もーすっげー露骨に、パントマイムしてて、これが上手いんだけど、もーすっげー居心地悪い!

で、見ている霊能者も居心地悪そうなんだけど、この人本当に素人さんなのかな?だってカメラあるのわかってるんだし。『ボラット』の時も、どこまで本当に事情を知らない人なのか良くわからなかったけど、訴えられたりしてたから、みんなマジ素人なのかも。

あとさ、わざわざ中東に行って、テロリストの人に「アルカイダに連絡取って、私を誘拐してください」って言いに行くんだけど、テロリストになんて言ったっけな、

「オサマ・ビンラディンは、汚い魔法使いみたい。でなかったらホームレスのサンタ・クロース」

なんて言っちゃうんだよ!テロリストの人が「出て行け!」って言ったから却って良かったけど。これも、本物のテロリストなんだろうか。

で、この人、裸になるのとかも厭わない人なんだけど、すっごいキレイなの!背が高いし、顔いいし、スタイルすごいいいし。ちんちんデカイし!ちょっと萌えるぜ~。でも、自分のおちんちんのおしっこ出る穴にズームインしたり、かなり居心地悪いんだけど、とにかくそこまでやる神経がすごい。

そういう人だから、最後に「ストレート万歳!」みたいな集会で、マッチョにモロ、ゲイとか嫌ってる大観衆の前で男同士でキスし始めて、どんどん脱いでいってさ、相手のパンツまで来たとき

「あ!この人、ホントに、ホントに、おふぇらしてしまうかも!!」

って、かなり怖かったよ~!ものすごいスリルだった!いや~、アレだけでも見る価値あるよ、この映画。

で、最後、有名になったブルーノが、自分の曲をレコーディングするシーンで、ボノスティングスラッシュエルトン・ジョンが一緒に演奏しているんだけど、ああいううるさそな人たちが好意的にこの映画に出てるってことは、サシャ・コーエンってよっぽど人当たりいいか、彼の主旨がこういう人たちに受け入れられているからとしか思えない。(スヌープも出てたけど、コイツは元々、洒落の塊みたいな人だから、こういう映画に喜んで出そうだけど)

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Key Words
ラリー・チャールズ サシャ・バロン・コーエン エラン・バロン・コーエン ボノ スティング エルトン・ジョン スラッシュ スヌープ・ドギー・ドッグ
映画紹介 | コメント(0) | 【2009/11/28 00:43】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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