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28 Days Later...
これすごく評判良かったんだけど、「ゾンビ映画なんて怖くて観られないよ〜」と敬遠していたのですが、キリアン出てるし、勇気を出して観てみたら、いい映画じゃないですか!とりあえず最初のキリアンのオール・ヌードで全部許す!って感じですか。
悪の元凶になっているのがウィルスというところが一緒なのですが、『28日後・・・』の方は、動物保護活動家が、怒りを抑制するウィルスを開発しているラボを襲い、感染していたサルを開放してしまったため、というのがウィルスが広まってしまった理由。実験に使われているサルが非常に不憫なのだけど、まだ大学生くらいの動物保護家の、あんまり考えなしに「とにかく可哀想な動物を開放する」という理想ばかりの無知さ。動物実験と動物保護活動家と、両方一遍に批判しているというブリリアントなオープニング。 で、キリアン・マーフィー演じるジムは、この大騒動が起こっている間、交通事故かなんかで意識不明に陥っていたらしく、病院のベッドで全裸で目覚める。ベッドに横たわるキリアンを天井から撮っているのですが、その生まれたままのお姿、 「うそ〜うそ〜!!!信じられない〜」 ってもう、ここまででなんてありがたい映画かと。 このジムが『・・・レジェンド』のウィル・スミスの役の人と一緒で、他の生存者を探してさすらうのですが、ジムはなぜ世界がこんな状態になっているのかわからない、というところが『・・・レジェンド』よりさらにハラハラさせて良かったですね。 んで、両作品とも、どこかに生存者の砦があり、そこに安全を求めて行く、という設定は同じなのですが、『・・・レジェンド』はそこへ到達したところで「ああ、良かったね」って終わっちゃうんだけど、『20日後・・・』は、到達した後もう一捻りあって、それがねえ、「ああ、あり得るなあ〜」という、非常に納得行く設定で、上手いんですよね。 あと、『28日後・・・』には、ジムの両親がどうしたか確認しに行ってみると、状況を判断して自殺したらしく、ベッドに二人で横たわって死んでいたりとか、生存者の砦に行く途中で子供のゾンビを殺さざるを得なかったジムがちょっとウツになったりとか、『・・・レジェンド』では全くカバーされなかったディティールが描かれていて良かった。これ観てから考えてみると、『・・・レジェンド』でウィル・スミスが食料をさがして入っていく他人の家に、全く死体とかないつーのもおかしいよね。 それと、こういうプロットには絶対にかかせない、「いい人が感染しちゃう」っていう下りも、『・・・レジェンド』では犬なんだけど、『28日後・・・』では、女の子のお父さんなんだよね。個人的には犬の方がおっさんより可哀想だけど、このお父さんが感染するくだりって言うのが、イライラしてキレたお父さんが暴れて、ものを叩いたりしていたために死体から血のしずくが落ちてきて、目に「ぽっとん」と入ってしまう。で、「感染した」と自覚したお父さんが娘に「近寄るな!」と言いながら豹変し、撃たれて死ぬ。この、自分が怒りをコントロールできなかったために感染してしまったという、ここまで来れたのにこんな小さな馬鹿げた過ちで!という無念さ。なんかこういう細かい設定がすごく上手いよね。 まー、ラストがにわかに信じ難いというか、これまでの色々な上手いエピソードに比べて弱い気がするのですが、全体として良くまとまったいい映画でした。シークエンスの『28週間後』は最悪、というウワサなので観ませんが(キリアンも出てないしね)。 Related Article ■キリアン・マーフィーの映画偉人伝 key Word 映画 28日後・・・ ダニー・ボイル キリアン・マーフィ ナオミ・ハリス クリストファー・エクルストン ミーガン・バーンズ ブレンダン・グリーソン いい映画
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Knocked Up
「Knocked up」というのは「妊娠させられちゃった」という意味なんだそうです。いやー、英語は奥深い。そのスラングそのままタイトルにしちゃったこの映画、製作が2007年なので当然『ジュノ』と比べられちゃうのですが、お察しのとおり私はこっちの方が好きです。
翌朝、自分のベッドにベンが寝ているのを見てサイコーに後悔するアリソンなのですが(ああ〜わかるなこの気持ち)、一応一緒に朝飯なんか食べに行くと、ベンはええ年して無職。4、5人の男友達とむさくるしい共同生活をしていて、そいつらと映画に関するウエッブ・サイトを運営し、本気でそれで生計立てようとしているという、とんでもない男なのでした。 で、二度とコイツと会いたくないと思うのだが、妊娠してしまったことを発見・・・・・仕方なくベンに連絡を取る・・・・・ このアリソンのやってることっていうのが全て私には理解できてしまう!酔っ払って超イケテない男と寝てしまう・・・・。コンドームを使わなきゃ、と思っているのに、快楽に流されてついなしでやってしまう・・・・・・。白昼夢で「こんな男と寝たのかアタシは!」と突然脳裏に浮かんできて、周りに人がいるにもかかわらず一人で「ちっくそっ」とか言ってしまう・・・・・。わかる!わかるぜ!アリソン!! で、妊娠が発覚した後、パニくって泣いて、でも自分で自分を奮い立たせてベンに電話し、「あなたの子なんだから協力してもらうわよ」と言いながら、ベンにプロポーズされると断ってしまったり、町で友達に会うと、大きいおなかの自分と冴えないベンが恥ずかしいとか、子供が欲しいと思わないのに妊娠するっていうのは、女の人にとってそれこそ世界の終焉なのよ。でも何が正しいかと考えてみると、生んだ方がいいなと決断して、そうなったらそうなったで今度は赤ちゃんの服とか買うのが結構楽しいという、この矛盾! こういう複雑な思考回路が『ジュノ』ではあんまり見られなかったんだよな。まあ、25歳くらいになると自分の仕事を持っていたり色々あって、16歳の人生の方が物事が単純なのかもしれないけどね。 あと面白いのは、ベンが一緒に住んでるむさくるしい男友達。みんな可笑しいんだけど、中の一人が『スーパーバッド』のジョナ・ヒル。この人は今売れっ子だよねえ。私でさえすでにこの人の出てる映画4、5本観てるもん。とにかく、こいつらみんな映画ヲタで、作ろうとしているウエッブ・サイトが、「普通の映画に出てくるエロシーン」に関するサイトなのだな。例えば、女優の名前で検索すると、その女優がどの映画で何分間乳を出しているかがわかる、とか。だもんで、会話の端はしに映画ネタが出てくるので、そういうところでも楽しめる。 それから、アリソンがレポーターをやってる『E!』というのは実在の芸能番組で、アカデミー賞のときなんか取材に来ちゃったりしているのだけど、この映画でもアリソンが2006年のアカデミー賞のレッドカーペットでセレブたちに 「E!最高!」 とか言わせようとマイクを向けるシーンが実際にあって(待てよ、特典映像だったかも)、その中には、スティーブ・カレルとか、あと、なんだっけ、あの鼻の曲がってるいい男、ウィルソン?自殺未遂したヤツ。あいつとか、あとこれは特典映像で、エヴァ・メンデスとか『デスパレート・ワイブス』の女優とかが『E!』に出演して、アリソンとビッチ合戦を繰り返す、という場面もあった。映画の中で、映画ファンであるベンたちが有名役者たちをこき下ろすシーンとかたくさんあるのに、こうやってカメオ出演しちゃう人たちは、洒落心があるつーかなんつーか。 これだけでも十分楽しめるのですが、さらにアリソンのお姉さんデビーとその夫ピート(ポール・ラッド)の結婚生活が冷え切っていて、ピートがベンと仲良くなって色々、結婚生活に対する洞察を話し始めるあたりなんかもなかなか深くて(もちろんギャグ連発なのですが)結構いい映画です。 これ、日本で出てないでしょ?!信じられない!こんなユニバーサルなストーリーで、しかもアメリカでは結構有名で、良く出来た映画なのに。IMDbによると、スティーブン・スピルバーグがわざわざ「いい映画ですね」と言う為に監督のジャド・アパトーに電話してきたってくらいなんだから。 PS:百さんのコメによると、今年公開されるそうです。おかしいなあ、最近、検索しても出てこないんだよ。検索の方法を変えないといけませんかね。まーそんな一生懸命検索してるわけでもないんだけどさ〜 Related Article ■ジャド・アパトーのもう一つの当たり映画『40歳の童貞』 key Word 映画 ジャド・アパトー キャサリン・ヘイグル セス・ローゲン レスリー・マン ポール・ラッド ジョナ・ヒル 気になる映画
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No Country for Old Man
と、とにかくですね、殺し屋のAnton Chigurh(「アントン・シュガー」と翻訳されているけど、劇中に「シュガーじゃない」というくだりが出てくるので、英語そのまま使います。はっきり言って、「シュガー」とどう違う発音だったか憶えてない)、が怖い〜〜〜!!!この人が出てくるだけで、身体中の筋肉が緊張します。
この殺し屋に追いかけられてしまう、気の毒なルウェリン。 しかし教訓: 大金を拾うな! そんな大金持ち歩いているのは犯罪者しかいないから、拾ったが最後、返すまで追いかけられる。いや、返しても殺されるかも。 しかし意を決して拾ってしまったら・・・・・ のこのこ現場に戻るんじゃないっ ルウェリンは、仕事もせんとテキサスの砂漠で狩りをしていると、撃ち合いで何人もの男が死んでいる現場にたどり着く。この死体とか、車にマシンガンで開けられた穴とか、撃たれて死んだ犬とか、現場の雰囲気がありありと伝わってくるすごいシーン。車のドアをルウェリンが開けていくと、撃たれて瀕死の状態のメキシコ人が 「あぐあ(水)・・・・」 と懇願するだが、これは麻薬取引きがこじれた撃ち合いだと気付いたルウェリンは、気の毒なメキシコ人に水を持ってきてやるより、金を持って逃げたヤツがいるんじゃないかとあたりを探す。案の定、金を持って逃げたヤツは、少し離れたところで死んでいて、ルウェリンは$2ミリオンの入ったかばんを家に持ち帰る。 で、夜寝る前・・・・。瀕死のメキシコ人に水をあげなかった罪の意識のために眠れず、水を持って行ってあげることにするルウェリン・・・・。 アホか!お前はっ! 生きてるわけないだろう、すでに!しかも夜中にあんな現場に戻って、麻薬取引きの仲間に見つかる、ってわかりそうなもんじゃん!ルウェリンがのほほんと現場をウロウロしているのを見ながら、心臓がドックンドックン言ってたよ、あたしゃ。 で、このルウェリンを助けようとする、トミー・リー・ジョーンズ演ずるエド・トム・ベル保安官。ちょっとこのキャラは、コーエン・ブラザーズの名作『ファーゴ』の主人公、マージを彷彿とさせる。田舎の保安官で、ほのぼのとして、とぼけているのだけど、真理を持っているキャラ。でもこのベル保安官は特に、「悪」というものに対してものすごい恐怖を感じているように見える。なんというか、「悪」の前には何者も敵わない、ある意味真理、ある意味超悲観的な。ベル保安官が朝食の席で奥さんに、昨夜見た夢を語るとき、日常的な明るいキッチン、落ち着いたいい感じの奥さん、夢の内容も恐ろしいものではなく、誰でも見るような意味不明な夢なのだけど、それを語るベル保安官から、「いつか悪が自分を捕まえに来るに違いない」という恐怖感が感じられる。 今思うと、この映画、一切音楽を使ってなかったと思う。音楽があるシーンが思い出せない。特に、撃ち合いで何人もの男が死んでいる現場のシーンは、丁寧にゆっくりと現場を隅々まで見せていくのだが、全く音がなかったと思う。だから怖いんだな! アメリカのカリスマ映画評論家、ロジャー・イバートさんは、ご自分のサイトrogerebert.suntimes.comで、この映画は、時間、場所、キャラ、道徳、道徳が通用しない世界があること、人間性、運命などを改めて考えさせる秀作、しかも『ファーゴ』を超えた、と大絶賛しているが、私はとにかくAnton Chigurhの緊張感、ルウェリンの恐怖感、エド・トム・ベル保安官のいいようのない絶望感、Anton Chigurhと関わった人達が感じる不安感(賞金稼ぎ役のウディ・ハレルソンとか、ルウェリンの奥さん役のケリー・マクドナルドとか、ガソリン・スタンドのおっさんとか)といった様々なエモーションにいちいち反応してしまって、とにかく疲れた。 ロジャー・イバートさんはまた、この映画は、ロジャー・ディーキンスの映像、コーエン・ブラザーズの編集、カーター・バーウェルの音楽によって息を呑むほど美しく、不毛で、寂れた感じに仕上がっている、と言っている。音楽があったのか!もー全然憶えてないもん。よっぽど緊迫していたのだなあ。 Kay Words ジョエル・コーエン イーサン・コーエン トミー・リー・ジョーンズ ハビエル・バルデム ジョシュ・ブローリン ウディ・ハレルソン ケリー・マクドナルド 映画を楽しむ
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Nine 1/2 Weeks
モロすけこましとわかる男・ジョン(ミッキー・ローク)に「贈り物攻撃」プラス「無邪気になれるデート作戦」プラス「精神的誘導」でどんどん絡め取られていく女・エリザベス(キム・ベイシンジャー)を、「この女、馬鹿じゃん!」とか思いながら観てしまった。
んで、その数日後だかなんだか知らんけど、蚤の市で買い物していたら、また背後に立って(しかもすごい近くに)ニタニタしながら人のことじーーーーーっと見てるんだよ。怖いよ! で、なんかイタリアンのレストランに連れて行かれて、「あそこの席ではパパ・ヴィーノが撃たれて死んだ、こっちではヴァデリカンティが毒を盛られた」とかエラソーに語っているんだけど、作ってねーかその話?って感じでさ。 で、さっきの蚤の市で、エリザベスが欲しかったけど高くて買わなかったスカーフ(肩掛け?なんて呼ぶの、ああいうの)を颯爽と紙袋から出して「君のだよ」なんて後ろから抱きしめるようにかけてあげたりとか、なんて明け透けな・・・。 んで、川沿いの家だかなんだかに連れて行き、女が「ステキね」とか言って家を見ていると、そそくさとベッドにシーツとかかけてるし!あれって「うわっ、大胆な男、ドキドキドキ・・・」とかするべきなのですか。『タケちゃんマン』のさんまちゃんのギャグみたい、とか思ってゲラゲラ笑ってしまいましたが。 遊ばれてんのをわかっていながら、少女のようにとぎまぎするんぢゃないっ しかし、そこがこの物語のツボらしい。原作はノンフィクションで、ニューヨークでCorporate Executiveやってる女の人(要するに超バリバリのキャリア・ウーマンってことね)がある男に出会い、刺激的かつ屈辱的なSMの世界へ引きずり込まれてしまうという・・・ 小説ではボンデージやらなにやらすごいらしいのだが、映画の中ではSMらしきシーンは出てこない。途中馬具屋で、エリザベスをサドルに座らせてジョンがムチを選んでいるシーンがあるのだが、それを使っているシーンは出てこないので、「SM」というのを知らないで観ていた私には「???」なシーンだった。 SMの描写は、映像にするのに腰が引けてしまったか、はたまた一般の人の「ロマンス」という観念から余りにもかけ離れているせいで、はしょったのだろう。変わりに目隠しや、氷であちこちなぜまわす技とか、公共の場でのセックスなど、大胆で刺激的な描写が、ジョンがエリザベスを操るサイコロジーを上手く表現している映画として高い評価をしている人も多い。映画が撮られたのが86年(原作は70年代に書かれている)なので、今見るとそれほど「おお!」ってシーンではないけど。 実際に読んだわけじゃないから本当の所はわからないが、多分原作では、男と対等に張り合って仕事をしているような女が、自分がいとも簡単にセックス奴隷になっていく様を赤裸々に描いているのだと思う。しかし映画の方は男が撮っているので、女に目をつぶらせてゼリーやイチゴを食べさせるところとか、かなり男目線で解釈されているように感じる。原作のエリザベスがバリバリのキャリア・ウーマンなのに対して、映画ではアート・ギャラリーのオーナー(アシスタントと書いている評もあった)という、キャリアはキャリアでもソフトな設定で、仕事をしている様もバリバリ働いているというのではなく、女らしいたっぷりセーターとか着て、人が良い、というか可愛らしい女というスタンスなのも、『フラッシュダンス』を撮った監督が、自分のタイプの女をエリザベスのキャラに反映しているのかもしれない。 こういった男目線の女の描写が、エリザベスをバカ女に見せている要因かなと思う。でも別に男を責めているわけではない。だって本当に企業戦士化している女に対するバッシングは実際、女達の方が率先してやっていたように思うし。要するに時代がまだ、そういう女を受け入れられなかったのだろう。しかし、エリザベスの人となりからセックス描写までマイルドにしてしまったことによって、「セックスに溺れた女が欲情が冷めたところではたと我に返り、本物の愛を得られないと知り泣く泣く男のところを去る」というハーレクィーン・ロマンスみたいな話になってしまったんじゃないかと思う。原作は多分、「わー、人間てこんな風になってしまうのか!」というかなり深層な心理描写だったんじゃないかなあ。今の価値観で作りなおしたら面白いかも。 Key Word 映画 ナインハーフ キム・ベイシンジャー ミッキー・ローク 余談ですが、この『ナインハーフ』っていう邦題、訳わかんない+日本の配給元の怠慢の先駆けって感じですね。 セクシー
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Nacho Libre
結果から言うと、面白くない。ジャック・ブラックだから、結構期待していたのだがなあ。しかも、ホンを書いたのが『スクール・オブ・ロック』を書いた人だし、ディレクターは『ナポレオン・ダイナマイト(邦題:バス男。この邦題大嫌い)』やった人だしさ。こういうのどのように面白くないか、GOさんだったら上手く説明しそうなもんだけど、わたしゃ良くわからないよ。うんこジョークとか、きったねー系のジョークとかもマイルドだし、思ったより子供向けという印象。 ジャック・ブラック)は、孤児としてメキシコの小さな村の教会で育てられ、成人した今もこの教会で自分と同じ孤児たちのために食事係として働いている。小さいときからプロレスに情熱を燃やし、自分でマスクやマントを作って遊んでいたイグナシオは、ひょんなことからナチョという名でリングに上がるようになり、レスリングでお金を稼げることを知って、プロになろうとするのだが・・・・・。 唯一面白かったのは、ナチョが最初、負け専門みたく戦うレスリングのシーン。対戦相手は、本物のレスラーなんじゃないかなあと思ったら、やっぱりそうだった。メキシコにはLucha Libre っていうすごい人気のあるプロレスがあって、レスラー達はそこの人たちらしい。で、ナチョのキャラにもモデルがいて、本当に教会の牧師さんがレスリングをやっているんだって。ここは日本のプロレスを彷彿とさせる面白さだったけど(特に小人の二人組みが笑う)、きっとこのLucha Libreを観てすっごい可笑しくて、これで映画作ったら面白いに違いないと過信しちゃったんではないかという気がする。 とにかく、キャラがイマイチ!『スクール・オブ・ロック』では、子供がめちゃくちゃ面白かったし、子供だからこそホロリときちゃうところがあったんだけど、こちらの孤児院の子供達はほとんど活躍がない。GOさん的に言うと、「もったいない使われ方をしておる」。厳格な教会のファーザー達とか、ナチョのパートナーとか、他のレスラー達とか、立てようと思えばいくらでも立つおいしいキャラばかりなのに、みんなはじけてないっ。ヒロインであるシスター・エンカーネシオンも、ペネロペ・クルスをもっと無垢にしたような美人なのだが、活躍しないんだよなー。それに尼のくせにまつげが90度に立っちゃってるのもおかしいしさ。 それに普通こういうルーザーものって、お笑いでありながらも「ナチョ、がんばれ!」なんて思うじゃない?そういう風に思わせてくれないんだよね。なんでこういうの可笑しいかってっていうと、主人公が大好きなものを一生懸命やるのにカッコ悪い、っていうところだと思うんだけど、なぜそんなに一生懸命なのかも良くわかんないし、ファイト・マネーで食材買って、子供達においしいもの食べさせてやろうとかするんだけど、全然感動的じゃないんだよなー。最後お約束の、一番強い奴と戦うところとかも冷めた目で見てしまったわ。 私は普段は面白ければ差別ネタもOKなんですが、今回は「もうデブネタやめよーぜ」とか思っちゃったよ。小さいときの太ったナチョが、マスクしてマントはおって、半ズボンから半ケツ出して一人で走り回ってるシーンとかえらく哀れだしさ、成人してからも、ジャック・ブラックがデブで赤パンにタイツ履いているだけで笑えって言われてもなあ、って感じよ。 あと、舞台がメキシコなのに、英語しゃべってるもんだから、ジャック・ブラックがここぞとばかりにそっち系の人のなまりのある英語でしゃべってさ、メキシコの方から来て、今ではアメリカ国民になってる人なんかどう思ってんのかね、この映画。小学校のときとかにさんざんそうやって馬鹿にされたのを見せられているような気がしないかね(って想像ですが)。それに生活の水準とかも低く描かれているしさ。面白かったら、どんなにギャグが辛辣でもメキシコ系の人に「まー、堅いこと言わずに!」なんて調子良く言っちゃうアタクシなんだけど、面白くないんで結構目に付く。これが日本が舞台で「ジス イズ ア ペン!!」みたいな英語しゃべる人ばっか出てきたら(それも本当の日本人ならまだしも、アジア系アメリカ人がやってたらなおさら)結構ムカつくだろうな。でも、ヒマつぶしに観たメイキングなんかでは、メキシコのスタッフ、小道具とかヘア・メイクの人がスペイン語で「これはずっごくいい映画よ!」なんて言ってるから、やっぱハリウッドと一緒に仕事できるだけでうれしいのかなあ。 んまーそんな感じで久々に大笑いしようかと思って借りてきたんだけど肩透かし〜って感じでした。誰か「これ観たら死ぬほど笑えるぜ!」ってもの知らない?!ツェッペリンの『熱狂のライブ』以外に・・・。 Key Words 映画 ナチョ・リブレ 覆面の神様 ジャック・ブラック なんとなく映画
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The Cronicle of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe
いやね、原作も世界的に有名だし、多分熱狂的なファンの人は今か今かと公開を待っていることだろうからあんまりキツイことは言いたくないんだけどさ、私はね、だめなのよ、こういうご都合主義のお話は。
最初から色々なエピソードの描き方が散漫でイライラしていたが、クライマックスのところで完全にキレた。アスランがエドモンドの罪のために、自らを氷の魔女に差し出しに行くとき、ルーシーとスーザンはわざわざ後をつけて行ったくせに、リンチされて殺されかかっているアスランを助けることもできず、物陰から見てメソメソ泣いている。スーザンは、サンタクロースに「信じて撃てば絶対に当たる」魔法の弓矢をもらったんだから、氷の魔女に一発くれてやれば良かったんだっ。 そんで敵がアスランの死体を野ざらしにして消えた後、コソコソ出てきて、「アスラ〜ン!よよよよ」なんてひとしきり泣いた後、ルーシーがサンタクロースからもらった「死人が蘇る」だか「どんな傷でも癒す」秘薬をアスランに使おうとすると、スーザンが「もう手遅れよ」と止める。冷たい女だなあ。いいじゃないか、一滴でいいんだから、試してみれば。だいたい「手遅れ」って、お前が秘薬の何を知ってるって言うんですよ。 そんで、アスランが死んだことを、ピーターとエドモンドがいるナルニア国の軍隊に伝えなければと思うんだけど、アスランの亡骸を離れるのは忍びなく、森の木々たちにこの悲報を伝えてくれと頼む。ニュースは森を駆け抜け、やがてピーターとエドモンドの所に届く。二人は、亡きアスランに成り代わってナルニア軍を率いて、氷の魔女軍と戦う。 自分の兄貴と軍隊がこの死闘をしているときに、スーザンとルーシーは、アスランの亡骸に寄りかかってガーガー寝てるんだぜい!んで目が覚めて、「ここにいてもしょうがない、帰ろう」って一体何のためにここにいたのよ?アスラン埋めてやるとかなんとかないわけ?とか思っていたら、アスラン蘇っちゃうし。まー、そんなことだろうと思ってたけど、生き返ったアスランは、「他人の罪のために自分を捧げた人は蘇るというのを、氷の魔女は知らなかったんだ、さ、急いで行こう!」って、そいじゃ別に死ぬ覚悟して来たってわけでもないわけね。最初から助かるとわかってたんなら、伝言残してから行けよと思いません?今や全面戦争になってるんですよ! 戦場では、今まさにナルニア国のプリンスとなるべきピーターが、氷の魔女に殺されかかっている!なんと氷の魔女は二刀流だ!かっこわるぅ〜。だいたい自分で剣を持って戦うなど、肉体労働しちゃいけないよ。魔女のクセに魔法全然使ってないじゃない。それにね、このティルダ・スゥイントンが演じる魔女の衣装とか化粧とか、言動とか、みんなひっくるめてセンスが悪くてジョークにしか見えないんだよな! でまあ、あと魔女の一振りでピーターはあの世行き、っていうところにアスランが走ってきて「がおおおおおおっ」とかいいつつ魔女に飛び掛り、ガブリ!! 次のシーンでは魔女が倒れていて、アスランが長男に「It's finished(終った)」って・・・・そんだけ?! それで済むなら軍隊いらねーだろ。 まだある。次男のエドモンドが長男を救おうとして氷の魔女に刺されて瀕死の状態なのだが、もちろんルーシーの秘薬で蘇る。このときはスーザンも「手遅れだ」なんて言わない。現金な女だ。そしてルーシーは、戦場で殺された全ての戦士達にこれを使うことにする・・・・・みんな生き返るんだったら、命の重みなんてないじゃん。 ファンタジーだからいいじゃないかって言う人があるかと思いますが、ファンタジーだからって何でも許されるわけではない!特に、子供が観るものをこんなご都合主義にしちゃっていいんかい?! 映画だからかなり端折っちゃっているんだと思うけど、「対立」とか「争い」を持ってくるなら、こういう中途半端な描き方しちゃいけないよ。第二次世界大戦中で、希望もなくどんより暗い気持ちを少しでもやわらげるために書いたんだから、というのであれば、クローゼットの中に争いがなく、みんなが仲良く暮らしているところがありましたでいいんじゃないかと思うんだけど。【2005/12/24】 ■『ヘドウィク&アングリー・インチ』でも素晴らしい洞察を示してくれた映画じたばたのKentaroさんのナルニア評。本文もいいですが、アフォのアタクシに丁寧に説明してくださっているコメント欄もわかりやすい。ナルニア・ファンを自称する皆様、このくらい詳しく反論してくださいよ! ■第78回アカデミー賞のヴィジュアル・エフェクト賞にノミネートされていましたが、『キング・コング』に持って行かれてしまいましたが、ベスト・メイクアップ賞は受賞しました。サウンド・ミキシング賞はノミネートされたものの、これも『キング・コング』に負けた! DVD情報
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