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Day Night Day Night
スーサイド・ボマーになろうとした19歳の女の子の48時間、つー前振りが「面白そう!」と思って借りました。
で、覆面の男たちは不思議ちゃんに偽造の身分証明書をやり、その内容、名前、住所、誕生日などを何度も言わせて記憶させたり、ミリタリー・ルックにマシンガン持たせて犯行声明の(と思われる)ビデオ撮ったり、タイムズ・スクエアをぶっ放すときに不思議ちゃんが着ていく服を調達してきたり、針で不思議ちゃんの手を突いて、「これくらいしか感じないから。余りにことが起こるのが早過ぎて」とスーサイド・ボミングって痛くないのよ、と教えたりする。 その後、文字通り地下に住む地下組織に連れて行かれ、爆弾の入ったバックパックを貰う。ウォークマンのヘッドフォンについてる再生スイッチが爆弾と直結していて、それを押すと爆発する。何度もスイッチを押す練習をする。 で、色々準備が出来ると不思議ちゃんは、一人でまたバスに乗ってタイムズ・スクエアまで行く。で、ニューヨークを歩きながら、やたらと色んなものを買って食うのだが、死ぬ前に食うものにしてはセンスがない。まず、マスタード付きの巨大プレッツェル。しかも2個。その後、きれいなキャンディがたくさん並ぶキャンディ屋さんに行って買うのが、よりによってりんごのカラメル焼き。チョコレートとか、ケーキとか、最低でもマックとか、なんかもう少しマシなもん食え!とか言いたくなる。 いよいよタイムズ・スクエアの交差点でウォークマンの再生スイッチを押そうとする不思議ちゃん。この時の彼女の心境を、絵的/音的に映画として見せようとしている。まあまあドキドキする。が、不思議ちゃんは押せなくて、パニくって走り出してしまう。 おしっこもらしちゃった不思議ちゃんは、ファスト・フード店のトイレで拭いて、もう一度タイムズ・スクエアに戻る。ものすごい数の人が信号を待つ中、不思議ちゃんは再生スイッチを押す・・・・・ とまあ、延々コレだけの映画なんですけど、それなりに面白かったです。監督さんは、ロシアのなんとかっていう広場で、爆弾を抱えた女の人がうろうろしていて捕まった、という新聞記事を読み、それがたまたま、自分がそのなんちゃら広場に観光に行った1週間後だったことでスーサイド・ボマーになることにした人たちに興味を持ち、色々とリサーチした結果を集大成したのがこの映画ってことらしいです。 コレだけの映画、って言いましたけど、一応オチもあるんですよ。あるんですけど、それほどざっくりは捻ってないので「あ〜あ」って感じなのですが。 key Word 映画 スーサイド・ボマー テロリスト ヒューマン・人間ドラマ
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The Dark Knight
公開と同時に観たかったんですけど、一緒に行く人がいなくてさ〜。一人で映画館行くのってイヤなのよ!しかしブログ友達の方々もレヴュー書き始めてるし、町山智浩さんもラジオで話し始めてるし、読みたい、聴きたい、しかしこの目で観るまではっ!とか思ってたので耐えられなくなり、今月の生活費赤字覚悟で劇場に行ってきました。 映画を語る前に言わせてくれ。クリスチャン・ベイル、カッコ良過ぎだ!誰かさらって来て〜! 『バットマン・ビギンズ』の時もこんなスケコマシ風の男だったっけ、ブルース・ウェインって?しょっちゅう違う女連れているのだが、もー『アメリカン・サイコ』のときみたいにビシ〜っとスーツ/タキシード決まってるよな〜。顔いい!身体いい!落ち着いてるし〜!声もいい!欲しい! ああ、それに加えてキリアン・マーフィーも出てるし。最初ちょこっとだけだけど、やっぱ可愛い!!この二人むっさ好きなのですが、あえてキリアンはちょびっとで、クリべー・フィーチャーというのがそそりますなあ。 しかもアーロン・エッカートですよ。この人もいいよね〜。クリべー、キリアンよりは妖艶さにかけるのですが、非常にわかりやすい白人のいい男って感じで。この人をホワイト・ナイト、ハーヴェイ・デントとして、クリべーのダーク・ナイトの対抗馬として持ってきたセンスがいい。 で、ものすご評価されていたヒース・レッジャー演じるジョーカーなのですが、うん、ウワサどおりすっげかったです。ヤクザが集まっている集会にどかどか入って行って、鉛筆を机にぶっさして、 「この鉛筆を消して見せる」 って言って、怒ったヤクザが近寄って行くと、そいつの頭を一瞬でバン!っと鉛筆の上に叩きつけ、そいつが倒れると、鉛筆もない・・・・・ 「ほらね!」 みたいな感じで、狂気と笑いが入り混じって「うおおおお!」と言った後にゲラゲラ笑ってしまった。ものすごいインパクト強いシーンでした。赤姫さんが「ジョーカーなんだから、鬼気迫っちゃいけない、あくまで楽しそうじゃないと」って書いてたんだけど、その通りずーっとむちゃくちゃテンション高くて、良くあんだけ維持したなあと言う。町山智浩さんが、ヒースが薬物中毒になって結果死んだのは、この役をやったせいだって言い切ってましたけど、あながち本当かも。ウィキかなんかで読んだら、このジョーカーの役作りのために1ヶ月くらいホテルに籠もって研究し、ジョーカーの狂った人格に関してノートを取り、日記をつけ・・・・みたいな生活をしてたらしいから。尊敬に値する役者根性ですね。 マギー・ジレンホールはねー、ぶっちゃけキライ。この人環境とか人権とかの活動家なんだよねー。そういうのを役者としての評価に入れちゃいけないと思うんですけど、どの映画観ても結構そういう自分の主義主張に合うような役柄選んで演ってるみたいなのよね。今回も、正義感溢れる地方検事補なんだけどさー、小林よしりん言うところの「純粋真っ直ぐ君」でなんかいけ好かない。「小さい女の子のお手本になれるような女性を演じたい」みたいなさー。私もフェミニストだけど、私は女性を解放して欲しいんであって、品行方正になって欲しいんじゃないんで。そんでコイツの歩き方がキライだよ。なんかエラソーに腰振って歩くんだな、どの映画でも!でもトムちんの女房の代わりとしては雰囲気似ているからいいんじゃない、と思った。このキャスティングの人上手いよね。 そしてお約束と言えどもやはり出てきてくれると嬉しいマイケル・ケインとモーガン・フリーマン。まー偉人伝のアップデートするだけで超忙しいオールスターです。意外なところで「お」っと思ったのがエリック・ロバーツ。あれ?これって、ジュリア・ロバーツのお兄さんじゃなかったっけ?確かに、エリック・ロバーツなんだよね〜。トシ取ったからわかんなかった。妹の影に隠れてあんまり有名じゃなかったから、「すげえじゃん、大抜擢じゃん」とか思った。 あと気になったのは、やっぱり、イラク戦争の影が落ちてるなあってこと。ジョーカーが自分が殺す人をハンディ・カムで撮影して、CNNならぬGCN(ゴッサムだからG?)で流すんだけど、モロ、テロリストの処刑のときの映像なんだよね。人質に取られた人たちが黒い目隠しされているのとかさ、やっぱタリバンとかあの辺を連想する。『クローバーフィールド』もそうだったし、映画って本当にその時代を映す鏡なんだなあと思った。 んでストーリーなんですけどさー、バットマンの苦悩、ジョーカーの極端なクレイジーさ、そして善と悪は意外にも隣り合わせというのを体現するハーヴェイ、と設定はすっごくいいんだけど、私的にはバットマンの苦悩って良く理解できないんだよね。 人間だから肉体的に限界があるし、一人でがんばっても悪は撲滅できない・・・・と悩むバットマン。でもさ、香港の悪人を自家用ジェットでゴッサムまで連れてきて監獄に入れるくらいの財力があったら、立派な警察学校でも作って優秀な警察組織を作ることなんか可能じゃないの?なんでバットマンとしての「裏家業」にこだわるのか良くわかんない。ブルース・ウェインとして、その財力にもの言わせていいこといっぱいできるじゃん。バット・スーツ新調したり、高級レストランで我がまま言うとか以上のことが。できないような設定になってるんでしたっけ? あとさ、Two-Faceすごい魅力的なキャラなのに、中途半端だよー。ハーヴェィがジョーカーにTwo-Faceにさせられちゃうところをもっともっとねちっこく描いて欲しかったんだけど、それでなくても上映時間長かったから、今回はジョーカー前面に出して、ハーベイがTwo-Faceになっちゃうのは前振りだけにして、3作目の悪役として送った方が良かったんじゃないかなあ。ハーヴェイとレイチェルを陥れた刑事を殺して姿を消し、3作目に続く!って感じで。バットマンも追われる人となって終わるんだから調度いいじゃーん。そしたらこの映画も少し短くなったかもしんないし。 とまあ色々不満もあったんだけど、総体的に見て非常にクリエィティヴに一生懸命作った映画って感じでしたね。やっぱクリストファー・ノーラン、ちゃんとしてます。 Related Article ■アーロン・エッカートがグーな『サンキュー・スモーキング』と『ブラック・ダリア』 key Word 映画 ダークナイト ゲイリー・オールドマン アーロン・エッカート エリック・ロバーツ ダークナイト−バットマン−
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This Is England
背景は1983年、イギリスのとある町。12歳のショーンは、パンク全盛期のご時勢にベルボトムを穿いていると学校でからかわれる。からかいが前年のフォークランド戦争で死んだ父親のことに触れると、ショーンはブチ切れて、ケンカをしてしまう。校長室から開放された帰路の途中、近所のスキンヘッズがたむろしているところに通りかかる。スキンヘッズたちはショーンをからかおうとするが、ショーンが学校で馴染めず、今日もケンカしたばかりだと言うと、スキンヘッズのリーダー格であるウディは、ショーンを傍らに座らせ、話を聞いてくれる。 スキンヘッズたちと仲良くなったショーンは、お母さんに頼んでスリムのシーンズと、Dr.マーチンのブーツを買ってくれとせがむ。Dr.マーチンは子供用のサイズがなかったので似たようなブーツを買い、スリムのジーンズを穿いて、ウディの家に行き、ウディの彼女ロルに頭を剃ってもらう。 「これで仲間の一員にしてくれるんでしょ?」と聞くショーンにウディは、 「ダメだよ。ベン・シャーマンのシャツがなくっちゃ」と冷たく言う。ショーンがしょんぼりしていると、 「サプラーイズ!」 って感じで、ロルがシャツとサスペンダーをプレゼントしてくれる。 この映画すごくいいの〜!あんまり良過ぎて、レヴューが書けない。もう5、6回書いてる。言いたい事が多過ぎて、端折れないんだけど、なんとかがんばって、短くまとめます。 何がそんなにいいかって、登場人物の気持ちがすごく良くわかるところなんです。スキンヘッズたちはいわゆる町の不良なんだけど、彼らが独特のファッションをしてつるんでいるのは、仲間が欲しいからなんだなあ、と言うのが良くわかる。12歳のショーンは、父親を失くし、悲しみから内に籠もり、何者ともコネクトできないのだけど、このスキンヘッズたちは十代後半なのに、ずっと年下のショーンを優しく迎えてくれる。そういう人たちに仲間と認めてもらいたくて、Dr.マーチンを買ってくれと母親にせがむショーンが愛おしいと思った。 きっと他のスキンヘッズの子たちも、同じような気持ちを持っていて、自分と唯一つながることの出来る仲間をすごく大事にしている。こういうのを見ると、若い子たちの過激なファッションや行動で、色々なレッテルを貼るのは間違いだなあとしみじみ思う。ウディもロルもショーンも、スメルもミルキィもみんなすごくいい子なのよ。 と、ほのぼのしているところへ、コンボというちょっと年上の、20代後半くらいのスキンヘッドが3年半のお勤めを終えてムショから帰ってくる。それを迎えるウディは、コンボはオレをかばってムショへ行き、絶対にオレを売らなかった、と仲間に紹介する。 しかし話をしているうちに、コンボはかなりマズイ、とわかってくるんですね。彼はマジにWhite Power系の白人至上主義のスキンヘッドで、ジェイルで黒人に意地悪されたこととか、ものすごい敵意のあるジョークを使って面白おかしく話す。ウディの親友・ミルキィは黒人(ジャマイカン)の男の子なので、みんないやーな顔をしているのですが、コンボは、イギリスの失業者が多いのは移民のせいだ、もともとイギリス人である白人が手が出ないようないいアパートに、大勢のパキ(「ジャップ」みたいな、パキスタン人に対する差別用語)が住んでいる。 「This is England、俺たちの国を取り戻すんだ!そのための戦争をするんだ!Are you ready!」 とウディたちをアジるわけなんです。 で、ウディとロルはコンボと決別するのですが、ショーンはコンボに感化されて、白人至上主義のグループにハマって行き、観ているこちら側としては非常にハラハラする。でも製作者は、このコンボさえ悪者には描かない。コンボはショーンの痛みがわかる。怒りがわかる。それは悲しみから出てくる苦い感情で、どこにも行き場のない、ぶつけどころのない感情。 でさ、コンボが白人至上主義になってしまう気持ちさえも、見ている側にわからせてしまうところがすごいのよね。コンボのバックグランドは全く説明されないんだけど、ショーンや、他のスキンヘッズとの絡みの中でなんとなく想像できる。きっと崩壊家庭から来た、孤独な少年だったんだろうと思う。そして、人一倍、誰かに愛して欲しいと思っているのに、そういうものがみつからなかったのかな・・・・その悲しみから出る怒りをぶつける先が、人種差別だったのではないか。 でも、コンボみたいなキャラを悪者にしないからといって、「みんないい人です」みたいな日和見な話じゃないの。なぜ不良になる若者がいるのか、なぜ人種差別はあるのか、ということが良くわかる。私は自分も結構不良だったのに、このスキンヘッズたちを「大丈夫かね、この子たちは」と偏見で見てしまった。でもこの映画の製作者は、この子たちが本当はどんな子たちで、何を考えて、感じて生きているのか、良くわかっている。その真実をまっすぐ描いている姿勢と、キャラたちに対する愛情が、ものすごく私の心の琴線に触れました。 しかも1983年と言ったら、自分もこの世代で、ファッションや音楽を通してイギリスと言う国に対しても憧憬があったから、Dr.マーチンやスリムのジーンズとか懐かしかったんだけど、同時にフォークランド戦争や、サッチャー政権下のフラストレーションがあの頃のパンクやメタルに反映されていたと気付かされて、ハッとなったりもした。 最後はハッピーエンドじゃないのね。事の結末、と言う意味では。でも、10代の頃の出来事って、誰にとってもその後の人生に与えるインパクトが強いじゃない。そういう意味では良かったと思う。最後、ショーンが海に白人至上主義の旗を捨てるシーンで、『Please, Please, Please, Let Me Get What I Want』がかかるんだけど、この歌って、『ニューヨーク・ドール』で初めて聴いたときから切ない曲だなと思っていたんだけど、きっとこの曲を歌っている人は、自分が本当に、心底欲しいものを手に入れられないか、手に入れられないことがわかっているんだと思うのね。そんな胸が締め付けられるような曲なんだけど、でもすごく美しい曲で、欲しい物が実際に手に入らなかったことよりも、そのことによって湧き出た感情が美し過ぎる、って感じの曲で、この映画も、同じような美しい映画だと思ったわ。 key Word 映画 スキンヘッズ 白人至上主義 この映画がすごい!!
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Dixie Chicks: Shut Up and Sing
ディキシー・チックスって日本で知名度どの程度なのかわからないので説明しますと、女3人のカントリー・バンドで、グラミー賞何度も取っていて、スタジアム級のツアーやって、CD売り上げの記録を持っているという、超ビッグ・バンドであります。私はカントリー聴かないのですが、チックスがデヴューしたとき、若くて可愛い女の子がちゃんと自分たちで演奏できて、流行のポップスとかじゃなくカントリーを演る、というのはかなり話題になったので知っていました。
まず、2003年、アメリカがイラクに侵攻する10日前、ディキシー・チックスは反戦ムード絶好調のロンドンでコンサートを演り、この公演で、 「私たちも同じ気持ちよ。この戦争はやりたくない。アメリカ大統領が私と同じテキサス出身なのを恥ずかしく思う」 と言う。これはメディアに載ってアメリカに届き、カントリーのファン層である保守派の人たちの怒りを買い、チックス・ファンたちが自らチックスのCDをゴミ箱に捨てたり、焼き払ったりし出す。カントリー系のラジオ局は、リスナーを失うのを恐れてチックスの曲を流さなくなり、結果チックスはバンドとして食って行けなくなるんじゃないかという危機にさらされる。 何が怖いって、自分の言ったことが一人歩きして行っちゃうことが怖いですね。コレを実際に言ったリード・シンガーのナタリーは、ほんの軽い冗談のつもりで言っただけなのに、受け取ったアメリカの愛国主義者たちは、 「戦争しようって時に、大統領の悪口を言うとは非国民だ」 と大騒ぎするんですね。別にイラク侵攻がなくても、あんな英語が出来ない人と同郷だっていうのだけで恥ずかしいと思うのですが、あれよあれよと言う間におおごとになって行き、バンド関係者はすぐに会議を開いてどう対処するか話し合い、謝罪もしたし、インタヴューにも応えた。しかし、怒る大衆は止められない。 このDVDはたまたまこの事件があったから撮っただけのようなんですが、ディキシー・チックスというバンドの人となりを良く伝えていて、バンドの自叙伝的なフィルムとしても楽しめます。彼女たちはみんな結婚していて子持ちで、バックステージにいつも旦那や子供がいる。マネージャーとも仲が良く、ツアーや新しいアルバムの戦略など、必ずメンバー全員とマネージャーが集まって話し合う。良くあるロックバンドのフィルムのように、しょっちゅう酔っ払ってパーティ三昧ではないし、レコーディングでエゴがぶつかり合うような場面もない。みんな民主的に仕事をしていて、好感が持てる。 笑っちゃったのは、バンドのメンバー3人が全然セレブでもなんでもない普通の女性たちで、 「なんかさー、双子生んでから老け込んだわよー。朝起きるのが辛いの。」 「あたしもよー。旦那に1000ドルやるから起こさないでって言っちゃった」 「あたしなんか、おふぇらしてあげるから寝かせてって言ったわよ」 とか言ってぎゃははは!と笑ったり。彼女たちはなにかと言うとこのおふぇらジョークが出るところが笑える。 それとか、テキサスでのコンサートのとき、ナタリーを暗殺する、という脅迫状が届くんですね。で、メンバー3人とマネージャーが真剣に、セキュリティをどうするか話し合っているんですけど、 「銃を股間に隠されたらどうするの!股間はチェックしないじゃない!」 とか真顔で言いながら、みんなサンドイッチ食ってんですよね。なんかショウの直前か直後みたいで、すげえファンキーな衣装にヘアスタイルで、すごいお腹すいているらしく、むしゃむしゃサンドイッチ食いながら真顔でどうやって股間に隠した拳銃をボディ・チェックするか話し合ってて、なんか怖がってるくせに腹も減ってるし、って結構リアルなんでしょうけど、端から見てるとむちゃくちゃ可笑しいです。 あと、この人たちは、本当に音楽が好きなんだなあ、というのが良くわかって、そこが好感持てましたね。特に、一番おとなしそうなマーティって言う人。彼女は、もう一人のメンバー・エミリーと姉妹で、二人は10か12くらいでもうバンドを始め、それからずーっと今までやってきた。 「だからこれは仕事じゃない。もうライフスタイルなのよ」 と、今回の政治的な事件に巻き込まれたことで仕事を干されたらどうしよう、という不安をいつも持っている。だけど、実際に「大統領がテキサス出身なのを恥ずかしく思う」と言ったナタリーを責めるようなことはせず、自分たちはバンドなんだ、お互いをサポートし合うのは当たり前だ、という姿勢を崩さないのはすごい。終わりの方でマーティは、 「ナタリーは自分のせいでこんなことになっちゃった、とすごく責任を感じているみたい。いつもそんなことない、あなたは間違ったことなんかしていない、とクビしめてやりたいくらいなんだけど、でも、ナタリーは一人で責任を背負い込んじゃって、すごく辛そうなの・・・。だから、もし、彼女がもう止めたい、バンドも辞めたい、って言ったら、辛いけど、アタシも一緒に止める!」 って言って、泣き出しちゃうんですね。なんかそれって、本当に身近な友達が感極まって泣いちゃったのを見ているようで、もらい泣きしちゃいました。 でも実際、爆弾発言のせいでカントリー系のラジオ局に干されてからは、ラジオでかけてもらえるような曲を作る必要がなくなり、音楽的にはものすごい自由に飛躍することが出来たようです。レッチリのプロデューサーとして有名なリック・リュービンを向かえ、そのつながりでレッチリのデトロイト出身ドラマー、チャド・スミスをゲストに、ロックっぽい曲にもチャレンジ。チャドがドラム・セットに座っているのを見て どっかで見たことあるな〜ウィル・フェレルそっくり!チャドに違いない などと思っていたら、リック・リューベンも出てきて、なんだなんだと思ってたら、これが新しいアルバムの製作風景だったのですた。 で、その曲の歌詞が、やはりブッシュ発言問題に対する解答みたいな内容になっていて、ああ、本人たちにその気がなくても、結局まわりに「政治的な発言だ」と受け取られてからは、政治的な曲を書くハメになるのだなあ、と思いました。ナタリーが「好むと好まざるとに関わらず、今チックスはそういうバンド(言論の自由の象徴)になってしまった」と言っているように。 そもそもさあ、「アメリカ大統領が私と同じテキサス出身なのを恥ずかしく思う」って、政治的発言なのかよ。こんなの、普通の人が街角や職場や家庭でしている会話と変わらないじゃない。それをことさら取り立ててぎゃあぎゃあ言う右翼系の人たちの頭の堅さ、違う意見を受け入れない閉鎖性。アメリカって開放的で自由な国じゃなかったの? 特にムカついたのが、このDVDの題名になっている「Shut up and sing」と実際に言ったLaura Ingrahamというコメンテーター。ミュージシャンは自分の意見を言わず、ただ歌だけ歌ってろってこと?私は個人的に、余り音楽が政治的になるのは好きじゃないのですが、ミュージシャンとかがが政治のことに口出すな、ってのはどうよ。こういう公の人たちが率直に自分の意見を言えて、それを聞いた一般の人たちが常に政治や社会問題を身近に感じられるのが民主主義の国ってもんじゃないですか。しかもこのコメンテーターはさらに、「言論の自由ってのは、公共の場でやってはいけない」って言ったそうです。そういうのをファシズムって言うんじゃないの?!自分で言ってることわかってんのかね、この人。 でもね、このDVDの教訓はね、「言論の自由と言うのは保証されているものではない。勝ち取るものだ」と思いましたね。ブッシュがこの件について、 「言論の自由は2ウェイ・ストリートだ。言いたいことを言って、だからお前らのCDを買わない、というのも自由だ」 と言うんだけど、まさにその通りなんだよね。言論の自由を貫くことによって仕事を失ったり、殺されたり、色々な犠牲を払うかもしれない。ディキシー・チックスは、そんなつもりは毛頭もなく発言しちゃったわけなんですが、戦わなきゃならない、と決めた後は潔く戦った。そこが偉いと思ったね。自分が言ったことは、失礼だったかもしれないけど間違っているとは思わないし、あの程度の発言で、私たちの音楽をボイコットしたりする方がおかしい、という姿勢を曲げなかった。 しかも、問題発言をしたロンドンの同じ会場で再びコンサートを開いた2006年だったかな、言うんだよ。 「犯罪現場に戻って来たわ・・・何を言おうかしら、とか全く考えてこなかったのだけど、やっぱりアメリカ大統領が私と同じテキサス出身なのを恥ずかしいと思うって言っちゃおうっと!」 だって!もーすごいコイツ。お客さんも拍手喝采していました。 そして新しいアルバムは2007年のグラミー賞で5部門受賞。マーティがバンド辞める必要なくなって良かった!と思ったけど、本当に素晴らしいのは、アメリカはまだ大丈夫だ、良心的な人たちがたくさんいる、って思えたことだよね。本当にあのままチックスが闇に葬り去られていたら、この国に対する不信感がどんどん募るところだった。だって、ブッシュ一家が石油のために戦争起こしちゃえるんだから、アメリカがサウジやアフガンみたいに、一部の王侯貴族だけめちゃくちゃ裕福で、他の99%の人民が奴隷のように扱われている、なんて国にならないとは言い切れないんだよ。だから言論の自由って大事だし、普通の人々が政治に関心を持つって言うのも大事だと思う。その両方のために戦ったチックスこそが本当の愛国者だよ。 key Word 映画 ディキシー・チックス ブッシュ カントリー 言論の自由 考えさせられた映画
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Tenacious D in The Pick of Destiny
バカだ・・・・なんてバカなんだ。ロックのマスター・ピースを書くために、伝説のピックを手に入れようとする、デブでぶさいくな二人のハードロッカー・・・・・伝説のピックは悪魔の牙から出来ていて、悪魔もそれを取り戻そうと追っかけてくる・・・・・ ジャック・ブラックって感性合わねーなと思ったのですが、なにがイヤかって、デブねたが多過ぎるんだよ。『ナチョ・リブレ』でも散々言っちゃったけどさ、デブのガキを連れてきて面白可笑しく撮るのとか、私には哀れにしか見えない、要するに面白くないのよね。今回も、冒頭に出てきたジャック・ブラックの子供のときのキャラとか、ジャック・ブラックとコンビを組む、デブで不細工でトシで、しかも金ないKGとか、なんだかなー。 でもKGはむちゃくちゃギターが上手いという設定なんだけど、アタシ、ああいうクラッシクがベースのギターとかってちっともいいと思わないのよね。ジャック・ブラックってすっごいロックとか好きなのはいいなと思うんだけど、この人の趣味ってヲタクというか、本当に一昔前のロック、そうねえ、ハートが『バラクーダ』とか演ってた頃の、デジタル前の、もっさりした、垢抜けない、やたら劇的な、一言でいうとだっさいロックなのよね。 もちろん、そういうものの中にもいいものはあるよ。出演もしてるディオなんて、その最たるもんよね。もっさりして、垢抜けなくて、劇的で恥ずかしくて、禿でオヤジ顔でがに股で、だっさいロックなんだけど、ちょおおおおおカッコいい。 でもこの人たちの世界って、セックス・アピール無さ過ぎなんだよ。本当に男の世界、男のギャグ、うんこネタ、屁ネタ、禿げ、デブネタ、魔界だの様式美だの、精液くせーよ!って感じで。なんかさー、私が「カッコいい〜」とか思っているロック・ミュージシャンも、一皮剥けばこうなんだろうなあと思うと、男性不信に陥りそう。自分の愛した男がこの映画観て、本当に楽しそうにウケていたら、もうセックスできないよー!って感じ? でも、オールスターなのよね、この映画。ジャック・ブラックがラリって見る夢でゴリラみたいな(もしかしたら、アメ人は知ってるなんかのキャラ?)動物の役がジョン・C・ライリーでしょ。あと、こういうの結構ノン・クレジットで出るの好きなティム・ロビンズがホームレスのオヤジの役(好きだよなー、この人、と思ったら、ジャック・ブラックとUCLAの演劇部で一緒だったんだそうです)、気が付かなかったけど悪魔の役がディヴ・グロール、ダイナーのスレたウェイトレスが、『俺達フィギュア・スケーター』で抜群に可笑しかったエイミー・ポーラー(この人最高)、あと、ジャック・ブラックのお父さん役がミートローフだっとりとか。 一番気に入ったキャラは、ベン・スティラー演じる、ギター・センターの店員。長髪なんだけどちりちりで、薄くて、すっげーかっこ悪くて、トシで、目つき悪い!「もうやめろよ、長髪!」って感じの、こういう人、いつの時代になってもいなくならないなー、という。老眼鏡かけてんだぜ!で、この人が実は、エディ・ヴァンヘイレン、アンガス・ヤング、あと誰だっけ?がみんな使ってた、というピックの「伝説」を解き明かすことに人生かけて、いい年こいてまだギター・センターでバイトしているという素晴らしいキャラです。ベン・スティラー、最高に上手い! あ!そいでこの映画、ロック・ミュージカルなんだよね。それがまた萎えるんだ。しかも、マスター・ピースを書きたい理由ってのが、地元の小さなバーのコンテストで優勝して、賞金でアパートの家賃を払うためという小ささ・・・・・。ピックをめぐって悪魔と対決、ピックは取られてしまうが、代わりに悪魔の角を手に入れる。で、その角で作ったマリファナ・パイプでハイになる二人で映画は終わってしまう・・・・・ 最後有名になるわけでもなく、金持ちになるわけでもなく、マスター・ピースも書けず、ぶっちゃけコンテストにも勝ってないと思うのですが(もう憶えてねーよ)、ここまで行き場がないと、却ってすがすがしいけどね。ベタなお約束の「ださいヤツでも、やれば出来る」的なエンディングにしなかったところはなかなか考えてると思う。色々文句言いつつ結構きちんと観ちまったな。 key Word 映画 テネイシャスD 運命のピックをさがせ!リアム・リンチ ジャック・ブラック カイル・ガス ベン・スティラー ロニー・ジェイムス・ディオ エイミー・ポーラー ティム・ロビンス デイヴ・グロール ミート・ローフ ジョン・C・ライリー ミニシアター系
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Charlie Wilson's War
しかし、トム・ハンクスって、貫禄付きましたよね。『ビッグ』とか演ってた人が、遊び人の国会議員なんか演じられるようになってしまったんだからなあ。でも、トム・ハンクスだから、遊び人だけどなんだかおおらかで愛すべきキャラである、このチャーリー・ウィルソンって人の人柄が表現できたのかもね。これがアレック・ボールドウィンだったら、単なるスケベ親爺になってしまうよ。 そんなチャーリー・ウィルソンがほのかに好きらしい、テキサスで6番目に金持ってる女、ジョアンをジュリア・ロバーツが演ってます。会ったその日にやっちゃうチャーリーとジョアンなのだが、その後ものすげー豪奢なジョアンのバスルームで、ジョアンが化粧をしているんだけど、ジュリア・ロバーツ、お前、顔の部品が一つ一つデカいな!そんな派手な顔しているのに、そんなマスカラ塗るなよ。しかも、マスカラで固まったまつげをほどくのに安全ピンを使うのが怖い。 この人は、こんな金持ってんだから、そうとうなお嬢様で育ったと思われるんだけど、なんでこんな政治とか詳しいのだろう?よだれ垂らしてぼーっとしてたって、生活して行けるんどろうにさ。それともやっぱ金持ちだと、政治家がらみになってくるから、逆に自然にそういう環境に放り出されるんだろうか。 で、この2人に絡む、やさぐれCIA、ガストにフィリップ・シーモア・ホフマン。これはいつものフィリップ・シーモア・ホフマンでしたね。なぜかこの人はいつもはぐれ者なんだなあ。この役も、なんか重要なプロジェクトから降ろされて、怒ってボスのところに怒鳴り込み、ボスのオフィスのガラスかち割っちゃう役どころで、デブでダサくて変わり者な上に 「俺の父親が駄菓子屋経営してるからか?!」 と育ちも悪いらしい。(お父さんは、ソーダ・ポップのセールスマンとかって言ってたと思うんだけど、それって私のイメージでは駄菓子屋かなと。違うかもしれませんが)。実際、80年代のCIAでは、家柄や出身大学がいい人が幅を利かせていて、そうじゃないガストみたいな人が干されてしまうという時代があったんだって。だからガストがオフィス中の人が注目している中、ボスにファック連発しガラスかち割って大股に去っていくとき、タイピストの女の人がサムズアップしたんだね。 DVDの特典で出演者のインタヴューがあったんだけど、誰一人として、このソビエト・ユニオン崩壊のきっかけを作ったチャーリー・ウィルソンという人の存在を知らなかったんだそうだ。フィリップ・シーモア・ホフマンは、「自分はそういうの、結構興味を持って読んだりするけど・・・・全然知らなかった」と。ソビエトに侵攻されたアフガニスタンを支援することは映画の中でCovert Warと呼ばれていて、要するにUSが関わっていることは内緒になってる、USにとっては隠密(Covert)な作戦だったのだ。 お金を調達し、武器のスペシャリストに会って支援に最適な武器は何かを調べたり、テキパキと仕事をこなすチャーリー・ウィルソンは「さすが国会議員」と思ったのだが、持ち前の屈託のなさで、お互い憎み合っているエジプトとパキスタンとアフガニスタンとイスラエル(だっけ?)を協力関係に持ってってしまうところが一番「へえええ〜」と思ったね。こういうことが出来る人っていうのは、こういう一見なーんも考えてなさそうな、まあ裏表がない人なんだろうな。 で、当初5ミリオンだった支援金を1ビリオンまで引っ張り上げ、最新鋭の武器をアフガニスタンのレジスタンスに買ってあげて、その後ソビエトのヘリコプターが一機、また一機と落とされて行くところは不謹慎と知りつつ 「ハレルヤ〜」 って感じだったね。この映画はロシアでは公開されなかったらしい。ネットで映画を見たロシアの人が、 「これはロシア人が血も涙もない殺人鬼のように描かれている」 と怒ったらしいけど、そりゃアフガニスタンの人たちにとか、惨状を目の当たりにしたチャーリー・ウィルソンにしてみればそうだったんだろうなあ。そういう他人の目から見た自分たちが醜いと感じるのがイヤ、という気持ちはわかるのだけど、映画ってのは劇中のキャラの視点をを反映するものだから、しょうがないよね。「これは違う!」と思うのなら、自分たちも自分の視点や意見を、積極的に発表して行くしかないよね。 最後、ソビエトがアフガニスタンから撤退していくのをCNNで観ながらお祝いしているとき、ガストがチャーリーに言う中国の話。これ、他の映画でも聞いた気がするのだが、『How Harry Became a Tree』だったかな? 「中国のある村で馬を捕まえた男がいた(だったよな)。村人たちは『ラッキーね〜』と言ったが、男は『さあ、どうなるかな』と言った。 数日後、男の息子がこの馬から落ちて足の骨を折った。村人たちは『お気の毒に』と言った。男は『さあ、どうですかね』と言った。 数日後、戦争が始まり、村の若者は徴兵されて行ったが、男の息子は足が骨折してたために戦争に行かないで済んだ・・・・」 というような内容で、要するに、アフガニスタンの人たちを助けようとしたことが結局はオサマ・ビン・ラディンのようなテロリストを生み出すことに繋がった、ということを示唆しているのだな。 特典のDVDを観ると、チャーリー・ウィルソンて人は、このままではテロリストがアフガニスタンを牛耳るようになってしまう、と実際に予想して、映画にあるように色々がんばったけど、結果は現在のイラク戦争をみればわかるよね。私はこういうのめっさ弱いので、なんでUSが恨まれるようになったのかが今一ピンと来ないんだけど。 これを観て思ったのは、第二次世界大戦のあとアメリカが日本に入ってきて、日本人を洗脳した、と『ゴーマニズム宣言』で読んで「なんかムカつく!」とか思ってたけど、アフガニスタンみたいに放って置かれて、 「アメリカ憎し」 で育たなくて良かったのかな、と思った。ほいほい洗脳された日本人てバカ、とか思ったけど、人を憎んで生きるんだったら、ボケーっとバカやってた方がいいかなと。もし、チャーリーがアフガニスタンに学校を建てるお金を調達できたら、きっとその学校では 「アメリカは、私たちを救ってくれたいい国なんですよ。この学校も、アメリカが建ててくれたのよ」 と親米的なことを教えないわけないんだし、それこそさっきの中国の逸話じゃないけど、これでアフガニスタンが親米になっていたら、またそれはそれで違う問題を生み出して行ったかもしれないしね。こういうどうにでも転んでしまう可能性があって非常に難しいから、私って政治関係のことうっちゃってるんでしょうが。 でもま、あれですよね。予想が付かないからこそ、今最善と思われることを精一杯やって行くしかない、ってことね。 Related Link ■アタシなんかよりずっと的を得ている極楽三十路生活賛歌 Evolutionさんのレヴュー key Word 映画 チャーリー・ウィルソンズ・ウォー マイク・ニコルズ トム・ハンクス ジュリア・ロバーツ フィリップ・シーモア・ホフマン エイミー・アダムス 見た映画の感想
| トラックバック(0) | コメント(3) | ブログ・レポ | 【2008/05/31 19:43】
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