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Speed
この映画、長いね〜!こんなに長い映画だとは記憶してませんでした。最初のエレベーターのエピソードなんて全く記憶になくて、エレベーターが降下していくところをバックに延々3分ものオープニング・ロールが続いている間、間違った映画借りてきたんじゃないかと不安になった。
可愛い!! あの頃は、キアヌが五部刈にするなんて!とか思ったけど、今見ると似合う!しかも『ハートブルー』のときより銃を撃つ姿もサマになっているし、熱血爆弾処理班・ジャック役はなかなかハマりですね。このエレベーター事件で人質を救出してメダルを貰い、それがTVで放映されて、毎朝行くコーヒー・ショップで会うバスの運転手さんに、 「昨日、TV見たよ!太ってみえたぜ!」 と冗談かまされて、「ははっ」っと笑うキアヌの演技がすっごい自然でいい。でもその後、バスに向かって「Have a good day」とかなんとか言うところはセリフ棒読みで、不思議なバランス悪さは健在でしたが。 でもなんといってもこの映画で一番いいのはサンドラ・ブロックなんだよ。この人が演じるアニーがバスに乗り遅れて、 「きゃー!待って!止まって!サーム!!」 と運転手の名前を叫びながら走ってるところ、最高!レーヨンみたいなヒラヒラしたスカートに、アンクル丈のブーツ、そこからちらっと覗かせたヨレヨレソックス。今観てもすっげえ可愛い。 で、運転手さんが止めてくれて、バスに乗って、「You're a good man!」って言うところとか、ホントこの人ってナチュラルな感じがいい!で、座席に座って前の人に「Hi」って言うときの顔! ちょおおおおお可愛い! 間違いなく、この映画がサンドラ・ブロックの一番旬じゃないかと思う。 しかしタイトルが『スピード』というのは、今考えるとヘン。バスに仕掛けられた爆弾が、時速50マイルを超えると作動し、その後は50マイル以下になったら爆発する、ゆえにずーっと50マイルで走ってなきゃいけないんだけど、50マイルって、速くないよ。遅くもないけど。まあ、曲がるときとかもスピード落とせないってのは辛いけどさ。特に大型バスだから、この速度で曲がったら倒れちゃうし。この場面のサンドラ・ブロックもいいんだよなー。ミニスカなのに、なかなか筋肉質な足丸出しで、ダッシュボードに踏ん張って、 「Here we gooooooo!!!!!!!!」 と叫びながらカーブを曲がる!この、「ひあ・うぃ・ごおおおおおおおおおお」って言うところすごい印象に残ってるもんなあ。 他の役者さんたちもこの頃の映画に良く出てた人たちで、印象深い人がいるんだよね。バス運転手のサムを演じてるハウソーン・ジェイムスっての?この人は『セブン』で図書館の警備員の役をやってた人で、セブン・デッドリー・シンのことを調べにきたサマセット(モーガン・フリーマン)との絡みで、あのものすごい印象的な『G線上のアリア』を流す役なんだよね。それから、スワット隊長のマクマホン役のジョー・モートンは、『ターミネーター2』でターミネーターを研究した科学者の役をやった人で、この人が一般人なのに瀕死の状態で爆弾のスイッチ持たされて、「だめだ、もう支えられない」と言って落っことしちゃうとこの演技がすごい印象に残ってる人。 で、あとは怒涛のアクション連発なのですが、それなりに必然性もあってやり過ぎ感もないし、ハラハラ・ドキドキしながら見れます。多少納得いかないところもあるんだけど(救出された後のアニーがすぐに病院に連れて行かれないで、ジャックが職務に戻っちゃった間救急車に残されたままなんてあり得ない、とか)、そういうの「どーでもいいです!」と思わせるパワーがある。 それに何度も言うようだけど、サンドラ・ブロックが良くて、このあり得ねーとことスレスレのアクション映画にリアリティを添えてくれてます。乗客の女の人が死んじゃったあと、鼻を真っ赤にしてぐずってる表情とか、最後に爆弾つけられて、そのスイッチを持たされてパニくって落としそうになるところとか、この人の天然な演技がすごく普通っぽくていいんだなア。 でさあ、最後、キアヌとサンドラ・ブロックがキスするシーンが意外にいいのよ!『ハートブルー』でも書いたけど、キアヌって本当に愛おしいって眼差しで相手のこと見るんだよね。当時はキアヌってなんてラブ・シーンに説得力ない俳優なんだ!と思っていたんだけど、今見るとなかなかいい。演技じゃなくて、地なのかもしれないけど、そうだったらもっと萌えるなあ! キアヌにはアクション・スターになって欲しくなかったのですが、良く考えると、シュワちゃんとか、スライとか、メルギブとかブルース・ウィリスとかとは一線を画しているよね。年齢が一回り若いってこともあるし、キアヌのジェネレーションの個性とか若さみたいなものを反映しててさ。やっぱこれと『ハートブルー』があったからこそ、『マトリックス』は存在し得たのだと思う。 key Word 映画 スピード ヤン・デ・ボン キアヌ・リーヴス デニス・ホッパー サンドラ・ブロック ジョー・モートン ジェフ・ダニエルズ 映画レビュー
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The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford
ちょおおおお退屈な映画で、10分くらい観てるとすぐ寝てしまう、というのを繰り返して、何日もかけてやっと見終わった。映画好きの友達がすっごいイチオシだった割りにはつまんねー映画だなと思っていたら、どーやらこのジェシー・ジェームスという人物は、アメリカでは伝説の人らしく、友達は小さい時から知っているけど、どんな人だったのかイマイチわからなかったこの人のことを知ることができて、面白かったと。
でもともかく、カルチャー的に知らないのもあるし、あと、英語が南部の古い英語で聞いてるだけだとイマイチぴんと来ないし、字幕で出して読んでもそれほどアピールして来ない、というのも私的には面白くない原因かなと思いました。 それから、ブラッド・ピットがこういう役演るのも、好きじゃないんだよなーあたし。『トロイ』とかこれとか、ブラピって結構ヒーロー演るの好きだよねー。なんかこう、ニヒルな、強い、冷酷な、かっこいい男。まー男に生まれたらそういう役演りたい!っていう気持ちは汲んであげますが、 似合わんのだよ!!! やっぱどーしてもブラピは、『12モンキーズ』のバカとか、『カリフォルニア』の異常人格者とか、『セブン』のズレた刑事とか、なんかちょっとあさっての方にイってしまってる役がいいなあと思ってしまう。ジェシー・ジェームスというキャラは、強盗で、たくさんの人を殺し、たくさんのお金や物を盗み、またそれを悪いともなんとも思ってない人だったんだって。あ、あとミズーリ出身なので、ブラピと同郷だから、そういう思い入れもあるのかもね。で、後年は首に賞金かけられて逃亡暮らしをし、映画の中でもジェシーが昔の仲間にさえ首を狙われているんじゃないかと神経症っぽくなっているところも描かれているんだけど・・・・・なんか、ブラピが演ると、オーバーアクトというか、かっこつけ過ぎというか・・・・そう感じるのって、私だけかしら?『トロイ』でも書いたけど、ブラピはプランBという製作会社も持ってるし、自分も製作にかかわって、思い通りに映画が作れるわけじゃん?だから「俺のなりたい俺」色が出過ぎなのかもね。 しかも長いんだよねーこの映画。2時間40分だっけか?元は4時間くらいあって、ヴェネチア映画祭かなんかでは4時間バージョンを上映したらしいけど、大絶賛だったんだって。みんな良く寝なかったなあ。でも逆に、もっと背景が詳しく描かれていた方が興味を惹かれたかもな。なんかさっと一回観ただけでは意味不明だったもん。 ま、でも、こういうブラピ好き!って人も多いかと思うので、そういう人にはすっごいアピールする映画なのかもしれません。 key Word 映画 ブラッド・ピット ケイシー・アフレック ジェレミー・レナー ポール・シュナイダー アメリカ映画
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The Savages
「野蛮人」と名付けられ、主演がローラ・リニーとフィリップ・シーモア・ホフマンと来ちゃあ観ないわけには行きません。 ローラ・リニーとフィリップ・シーモア・ホフマンが兄妹だ!フィリップ・シーモア・ホフマンは、『Before the Devil Knows You're Dead』ではイーサン・ホークと兄弟だったし、なんか縁があるなあ。 ウェンディ(ローラ・リニー)とジョン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は非常に疎遠な兄妹で、お父さんもお母さんも別々の人と同棲していて、はっきりどこにいるかもわからない。お父さんのレニー(フィリップ・ボスコ)が同棲している女性の娘から電話があり、その女性が突然亡くなり、お父さんはボケたらしいと聞く。ジョンとウェンディが行ってみると、お父さんは入院中、しかも二人が住んでた家を家族が売却するので、お父さんには出て行ってもらわなければならないという。 で、お互いも疎遠だったジョンとウェンディがなんとか協力し合って、ボケたお父さんを養老院に入れるのだが、冷静で感情を差し込まないジョンと、20年もほとんどコンタクトのなかった父親に深く同情してしまうウェンディのズレ加減が可笑しくもあり、悲しくもある。 いや、しかし、可笑しいかも!特にフィリップ・シーモア・ホフマンは持ち味全開で、『ポリー MY LOVE』の時の「アイスマーン!」とかあの辺の、最高に笑えるフィリップ・シーモア・ホフマンです。例えば、ウェンディが、ジョンの家に泊まりこむことになり、リビングのカウチで寝てもらうことにしたのだが、大学でドラマを教えているジョンのカウチには、本が山済み。それをまずどかさないと寝られないので二人で本を動かすのだが、ジョンは「それはそっちに置くな」とか結構うるさい。 「そうは見えないかもしれないけど、これにはちゃんとシステムってものがあるんだ」 というジョンをウェンディが鼻で笑っていると、ジョンが、やはり本やらで汚いコーヒー・テーブルの上にあった、シリアルを食べたボールとスプーンを片付けるべく持ち上げるのだが、そのあとどうしていいのかわからなくて、結局またコーヒー・テーブルの上に置いちゃう。そのタイミングがもう絶妙で、ソファから落っこちて笑ってしまった。 それとか、二人がテニスをするんだけど、ウェンディの最初のサーブは網にひっかかり、二度目のサーブをバック・ハンドで打ち返そうとしたジョンが「あううう!!」とか言っていきなり肩をだか首だか捻ってしまい、「大丈夫?」というウェンディに 「No!大丈夫じゃないよ、ファック!!!」 って言うところとかもう爆笑!で、その後、頭の重みから来るプレッシャーを取る装置に繋がれたジョンを見て笑うウェンディに「笑うな」とか言いながら自分も笑っちゃうとことかも、異常に可笑しい。 この映画は、昨日レヴューを書いた『ジュノ』とおんなじ頃に公開されたらしく、オリジナル脚本賞かなんかで、『ジュノ』とともにノミネートされてたでしょ?アカデミーで。で『ジュノ』が取っちゃうんだもんなー、全く。 まあさ、この映画の方が年齢層的に感情移入できちゃうし、いくらエレン・ペイジが悪くない役者だと言っても、こういう人間の心のひだみたいなの演らせたら、ローラ・リニーとフィリップ・シーモア・ホフマンには適わないだろうしさ、比べるのもどうかと思うんだけど。 でもね、『ジュノ』も『ザ・サヴェジズ』も、何かやんごとなき状況に直面させられた人間を描いているという側面で切れば、同じわけじゃない。『ザ・サヴェジズ』の監督で脚本も書いたタマラ・ジェンキンスは、自分のお母さん(だったと思う)が実際にボケてから死ぬまでの様子を記録した日記を元にこのお話を書き、それを「ドキュメンタリー風に録りたかった」とDVDのインタヴューで言ってたんだけど、そこが、私が『ジュノ』イマイチだなーと思った原因かな、と思った。 お父さんがボケちゃって、「親父のおしめなんて換えたくないだろう?」とあっさり老人ホームに入れてしまおうとするジョンと、そんなところで死ぬなんて可哀想、と同情してしまうウェンディ。お父さんをサンクス・ギビングのショッピングに連れ出してあげながら、兄妹ゲンカを始めて、お父さんが補聴器のスイッチを切って寂しげにしている。そんな可哀想なお父さんも、昔は子供たちを見捨てて家を出て行った。みんなみんな、どこかしらダメ人間。人が一人死のうっていうときだって、特に素晴らしいことができるわけでもない。『ザ・サヴェジズ』は、そういう人たちを正確に描写しているんだけど、その人たちに良い・悪いというレッテルは貼ってない。「ドキュメンタリー風」と監督が言っているとおり、ひたすら描写するだけだ。 でも『ジュノ』は、「この娘、いい娘でしょ?彼女は正しい判断をしたでしょ?こうでなくっちゃね!」っていうようなオーラがあるんだよな。なんか保健体育の時間に見せたくなるような映画じゃない?それとさ、さっき「心のひだ」って言ったけど、『ジュノ』の方は、役者は悪くなくても、そういう細かい心の動きってあんまり見せなかったように思う。ティーンエイジャーの生態とか、そういう方に力入れちゃってて。 とにかく、最後は、お父さんの死をきっかけに少し兄妹間に交流ができて、おおきな起承転結!があるわけじゃないんだけど、それなりにハッピー・エンドというか。私は、人間の死って、結構重みないなあと思った。つか、この家族、疎遠だったから、お父さんが可哀想とか思う心はもちろんあるけど、死んじゃったからって余り自分たちの生活とか精神状態に影響ないっていうか。「遠くの血縁より近くの他人」って言うけど、しょっちゅう会って話したりしてる人が死ぬ方が、喪失感あるのだろうな、と思った。だってさ、ウェンディが不倫している相手の飼い犬が年取ってきて、安楽死させようというくだりの方が、よっぽど感情的になってたもん。毎日一緒にいる犬が死ぬ方が落ち込むよな。 映画 ザ・ヴェジズ タマラ・ジェンキンス ローラ・リニー フィリップ・シーモア・ホフマン フィリップ・ボスコ ★おすすめ映画★
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Juno
この娘、大人過ぎてイヤ!自分が16歳の時のバカ度が高すぎたので、こんな落ち着いた16歳じゃ共感できないよー!なんか「大人が描く理想の子供」みたいな娘。大人、と言っても、30代半ばくらいの、自分も大人だか子供だかわかんないくらいの人たちの理想の思春期、って感じ。いい例なのが、ジュノの子供を養子にしようとしているカップルの旦那、マーク。93年が最高のロックを聴かせる、なんて言ってるってことはモロ、グランジ世代じゃん。
16歳で9ヶ月妊娠しているのってすっごい長い時間だと思うし、学校で好奇の目にさらされたり色々あってさ、生むことにしたけど、やっぱ堕ろした方がいいかなとか、少し悩めよ!お腹の中にいるモノに対して個人的な愛情とか感じているようには見えないんだけど、「この子にいい両親を与えてあげたい」みたいなこと言うし、なんかアタシにはいい子ちゃん過ぎてだめだ。 冒頭でジュノと友達が会話してるとことか、もうティーン・スラング出まくりだし、コンビニであの赤いひもみたいな砂糖のかたまり買ったり(うー、なんて言うんだっけ、あのお菓子!)とか、スーパーサイズの舌が真っ青になるドリンク飲んだりとか、ハンバーガーの形の電話持ってたりとか、かなり「今時の高校生」を研究して描いているんだろうけど、だからこそ逆に「大人の目で良く観察して描いた子供です!」って感じがして、うそ臭いのだよな。ジュノのボーイ・フレンドのブリーカーのベッドがスポーツカーの形だったりとか!16歳だとまだそういうの引き続き持ってるもんなのか? まーさ、ここに描かれている高校生が真実味があるかどうかは、議論しません。アタシはそんなに高校生と付き合いあるわけじゃないので、この映画作った人の方がよっぽど知ってるんだろうしさ。でも印象としては、『SAYURI』とか『ラスト・サムライ』観て、「ああ〜、これがアメリカ人が思い描く日本人だな〜」と思うのと一緒で、間違ってはいないけど、ビミョーに美化されていたり、ことさら強調されている部分があったりして、すんなり受け入れられないのだよな。 私はモロ80年代のメタラーなので、80年代のメタルを散々けなしてくれたグランジには根深い恨みがあるんだけど、そのグランジ世代であるマークが、ミッドライフ・クライシスに陥っているのを観るのは楽しかったけどね。当時は自分たちの音楽は本物だ!産業ロックじゃないんだぜ!なんて格好つけて置きながら、コマーシャル・ソングの作曲家になって大金稼ぎ、ヤッピーとして悠々自適に暮らしているくせに、未だにロックTシャツなんか着て奥さんに「そのTシャツ、バカみたい」なんて言われちゃうところなんか「ざまあみろ!」なんて叫んじゃったりして。 映画としては悪くないと思うけど、というのは「この先、どうなるのかなー」と思いながら観れるし、途中で眠くなったり、飽きちゃったりしないから、という意味だけど、テーマに対するアプローチが私好みじゃないというか。巷ではこの映画は、中絶に対する批判だ、とか、やれフェミニストの映画だ、とか、いろんなイデオロギーで切られているようだけど、私はそんな隠れたプロパガンダみたいのは感じなかったね。単なる「グランジ世代の理想郷」的青春映画だ!ってそればっかり考えてた。 映画 ジュノ ジェイソン・ライトマン エレン・ペイジ マイケル・セラ ジェニファー・ガーナー ジェイソン・ベイトマン ミニシアター系
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There Will Be Blood
最初の30分くらい、なんかぼーっと観ていて、どってことなかったのですが、ポール・ダノ演ずるイーライ牧師の説教で、すっかり眼が覚めました。すげえ!ポール・ダノは、最初キャストされてなくて、やってくれ、って言われたのが撮影の3、4日前だったんだそうです。で、急いでエヴァンジェリストのリサーチして、ビデオ見て、役に挑んだらしいんですけど、すごい良くできでたよ〜。この人上手いね。ここから一気に観る気にさせられました。 PTA監督作品だって知らなくて、観終わった後、「どーりで音楽が変!」とか思ってわろた。『パンチ-ドランク・ラブ』でも思ったけど、今回も知らないで見てるのに「変わってる音楽だなー」と思いながら観てたよ。場面にそぐわない、というのではないんだけど、要するに一般的な映画音楽じゃないんだよね。石油掘り起こしてるのが爆発して、吹っ飛ばされた息子、H.W.を抱えてダニエル(ダニエル・デイ=ルイス)が走っているバックに流れている音楽とか、すごい印象に残る。 で、その主人公のダニエル・・・・この人はなんだか良くわからないよ、私は。いろんなもの掘り起こして一攫千金を狙っている一匹狼で、その情熱ゆえにとうとう石油掘り起こしちゃった。石油があるらしい土地に行って調べまわる緻密さとか、出会う人に対する礼儀正しさとか、まあ、ビジネス・マンだから金にならないことはやらないにしても、それほど腹黒い人でもなさそうだ。石油掘ってるときに死んじゃった同僚の孤児を引き取って育ててやって、この子のこと、けっこう愛しているみたいにも見えるし。 かと思うと、油田を買う交渉に来た人が「俺たちに売って、引退して、息子の面倒を見てやれば」と言うと急にキレて、「俺が自分の息子をどう育てるかに口出しすると、殺すで」ぐらいのこと言っちゃうし、腹違いの弟、ヘンリー(ケヴィン・J・オコナー)に「俺はすごく競争心が強くて、他の人が成功するのは耐えられない」とか言ってるし、なんだか掴めないキャラだ。そこがPTAたる所以なのかな。 ネタバレに入りま〜す。 で、この腹違いの弟ヘンリーが実は偽者だとわかると、あっさり殺してしまう。これも意外だったなあ。で、よよと泣くのだが、何、これは、エゴが強くて、自分をだましたり、自分のすることに口出ししたりする人は絶対に許せないのだけど、やっぱり心が許せる人が欲しい、孤独だ、という「よよ泣き」なのかしら。 息子H.W.が大きくなって結婚し、自分の会社を立ち上げたいから、パートナーシップを解消してくれ、と言ってきたときも、「俺の競合になるつもりか」と責めて、「お前は俺の息子じゃない。お前は天涯孤独だ、バスタード以下だ」と、なんかヒドイ人になってしまう。 これって、あれか、自分のイエスマンで、なんでも言うこと聞いて、ペットのように自分の側にはべってなついている人はいいけど、自分の意見を真っ直ぐ言うような人はダメ、ってこと?さらに息子に「お前は俺の"息子"というイメージをぶち壊した」と言うんだけど、小さい頃のH.W.は、ダニエルの言うことを良く聞いて、利発そうだったから、それが大きくなってきて自我を持ち始めたから気に入らないんだろうなあ。やはり、自分以外は嫌いな人なのか。 で、ラストにイーライを殺したときは目が点になってしまいました。確かに、あの、教会での洗礼のシーン、あの時、「私は子供を見離した」って何度も言わせてるイーライが意地悪だな〜って思うよね。あのダニエルの屈辱感!すっげームカついて、イーライのことを睨むシーン見た?あれは名演技だったよね。とにかく、あれを根に持ってて、それで「私は偽の預言者です。神の存在は迷信だ」って何度も言わせるというのはわかるのだけど、殺すか! このイーライとダニエルの対立がかなり大きな比重を占めているようなのだが、なんの対立なんだろう?PTAの映画って、面白いんだけど良くわかんねーんだよね。あとさ、最初に油田がある、と情報を持ってきた、イーライの双子の片割れ、ポール(ポール・ダノのダブル・キャスト)、コイツはどーなったんだろう?ダニエルがイーライに「ポールは自分で油田を掘り起こして、週に5千ドル稼いでいる」って言ってるけど、多分作り話じゃないかと思うし。コイツの存在意義も、イマイチ掴めねーしなあ。 物語の教訓がないところがPTA作品の特徴なのだろうか。 Key Words 映画 ポール・トーマス・アンダーソン ダニエル・デイ=ルイス ポール・ダノ ケヴィン・J・オコナー 映画レビュー
| トラックバック(0) | コメント(2) | ブログ・レポ | 【2008/04/14 00:27】
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3:10 to Yuma
やっぱ、クリべーはかっこいい。片足を失くした元軍人で、今は家畜を育てて細々と生きてて、14歳の息子に「あんたみたいになりたくない」なんて言われちゃうお父さんで、お金が無くて大地主(?)に命乞いに行かなくちゃならない男でも、かっこいい。顔がいいよな、顔が。 (ことによってはネタバレかも。注意して進んでおくんなまし) ラッセル・クロウはねー、あのやらしい感じがキライなんすけど、この役柄には合ってた。冷酷非道で命知らずな西部のギャング。現金輸送車を襲い、ベン・ウェイドと言ったら知らない人はいない、というくらい有名な悪党。 このクリべー演ずるエヴァンズがお金のために、ベン・ウェイドを3時10分のユマの監獄へ送る列車に乗せる護送を引き受けるのだが、ベン・ウェイドのこれまた極悪非道な命知らずの子分たちが追ってくるのをかわしながらの大冒険なわけなのですな。 このベン・ウェイドの一番の子分、チャーリー・プリンスを演じたベン・フォスター、この人も良かったね。なんか頭狂ってんじゃないの、ってくらいの怖いヤツで、目の焦点合ってないもん。で、ベン・ウェイドが御用になって、ユマに送られる時、必死に助け出そうとするのだけど、これが私には解せなくてさ。だって、チャーリーは、ベンより更に更に極悪非道なんだから、「捕まったのは自分が馬鹿だからだ」って置いて行きそうなもんじゃん。ボス救出にあんだけ労力注ぐんだったら、現金輸送車もう一台くらい襲えっての。 んで、エヴァンズが他の有志達と共にベンを護送していく間に、寝食を共にし、馬でパカパカ旅をしながら言葉を交わしたりしている内に友情が芽生えてしまうわけなんですが、まーその辺はしゃあないわな。きっと、昔って、本当にこんな感じだったのだろうなあと思うもん。 でもさー、最後、ユマ行きの電車に乗る手前、逃げようと思えば逃げられたのに、エヴァンズの正義感に感銘を受けて、自らユマ行きの列車に乗ろうとするベンが、ううーん、イマイチわかりましぇん。それどころか、列車に乗ったベンが、エヴァンズと冗談でも交わそうと思ったところに、さっきの頭狂ったチャーリーが来て、エヴァンズを蜂の巣にして殺してしまう。 こんときチャーリーが言う台詞・・・ 「For a one-leg rancher... he's one tough son of a bitch....」 (片足の牧場主のくせに・・・タフな野郎だったぜ) がこの弱肉強食の時代の最高の褒め言葉だと思うのだが、ベンはものすごい目でチャーリーを睨み付け、チャーリー以下、自分の子分を皆殺しにしてしまう。 これってわからんなあ。ボスを慕って、ボスのためにここまでやってきてさ、チャーリーとしてはすべきことをして、しかも完璧にやってのけて、更に敵に対する賛辞までしたのに、殺されるんかい。 でも一応、ベン・ウェイドと言う人は、善人は殺さないと言う設定になってるわけよ。親や兄弟を殺されて、ベンを恨んでいる人はたくさんいるのだけど、色々聞いてみると殺される人達も他人にヒドイことをしていたと言う。実際、ベンが襲った現金輸送車も、エヴァンズを土地から追い出して鉄道を敷こうとしている人のお金だしね。 まーそれにしたってさ、あんた、部下を大事にしなさいよ。いい部下じゃないの。忠実で。 あ!そいでさ、部下を皆殺しにしたベンは、自らユマ行きの列車に乗って、おとなしく護送されて行くのであります。エヴァンズに敬意を表して。・・・・・ これはどうやら、1957年の『決断の3時10分』という作品のリメイクだと後から知ったのですが、うわー、50年前なんだね。普通リメイクって、今の価値観に少し調整して作るんじゃないかと思うのだけど、この映画は逆に、古き良き西部劇の、「勧善懲悪」を前面に押し出そうと思ったのか、すごく面白い反面、頭ぽりぽり掻いちゃったりしました。 でもこういう正義感とか、命を懸けてでも正義を突き通すとか、古くさいけど、こういうの弱いんだな、アタシ。命より大切なものってあると思う。そういう男の意地ってか、それが上手かったなあ、クリべー。やっぱこの人はいい役者さんだ。それに感銘を受けるラッセル・クロウの方がイマイチ真実味に欠けてたかも。でもベン・ウェイドの役は難しいよ。悪党なのだけど根っからのワルじゃなく、極悪非道なのに人間味があるという。これは真実味を出すのは難しい役柄だよね。だっておいしいもん取りじゃない? Key Word 映画 ラッセル・クロウ クリスチャン・ベイル 心に残る映画
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