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『トニー滝谷』-もう邦画はあきらめました・・・
Tony Takitani

私は邦画って雰囲気だけで内容無い!って偏見があるのでほとんど観ないのですが、観るとやっぱり「雰囲気だけで内容がない」ので「やっぱり」って思わされる!!まあさ、こういう繊細な感じの映像って、邦画独特なものなんだろうし、そういうフワフワした雰囲気を楽しむためにあるんだよ!って言うのだったら、まあ私の好みじゃないんだろうなあ。

tony takitani
Produced:2004
Director: Jun Ichikawa
Writing Credits: Jun Ichikawa, Haruki Murakami
Cast (voices):
Tony Takitani: Issei Ogata
Konuma Eiko/Hisako: Rie Miyazawa
とにかく最初から最後まで一本調子で寝るかと思った。ピアノの「ぽろろん、ぽろろん」って音楽しかないんだもん。でもこの感じって『ブロークバック・マウンテン』に通ずるものがあるなあ。『ブロークバック』は、ギターの「ぽろろん、ぽろろん」がずーっと続くもんね。

あとどーしても許せない、邦画に出てくる女のしゃべり方!「アタシ・・・・わがまま・・・・なんです」あー!!!痒い!日本の女あんな風にしゃべらん!そもそもこれ観ようと思ったの、宮沢りえって今どうよって思ったからなんだけど、あんなほにゃららな役じゃなくて、もっとビシー!としたところ観たかったなあ。

でなんか、キャラ設定もどうなのよ、って感じ。トニーの生い立ちとか、なんで孤独になっちゃったとか、変わっているけど結構誰でも思いつきそうなアイデアで、その割には共感しないという、ほんっと雰囲気。アメリカとか戦後とかの。感情があまりないってのが、彼がメカニカル・デザイナーになった理由とか、小学生が作ったみたいなキャラだなーと思う。

で、そのトニーが惚れる女がブランド狂いの女で、「君のように服を着る人は見たことない」・・・なんだっけ、風のように?忘れちゃったけど、背筋が寒くなるようなフワフワしたこと言うのよ~!!!!でこの女がフィアンセが居て~苦悩して~って、本当に月並みな感じで。

ナレーションで語られていくところがまたウザい。だいたいこのナレーターが登場人物じゃないので、誰の目線でもないから、まさに演技とか演出で表現すべきところを全て説明されている気がして超つまらん。で時々登場人物が唐突にナレーションし始めるんだけど、これも「奇をてらった」って感じがして、狙っている効果がない、っつか、何を狙っているのかもわからんけど。

なんか素人が作った映画みたいって思うんだけど、市川準?ってすごい人なの?

あと、ストーリーもさ、フィアンセが居る女をとくとくと説得したら結婚できた、とか、ブランド狂いの女が返品した服のことを考えてて交通事故に会って死んだ、とか、なんか話を「こっちへ持っていく」ためにお膳立てしたエピソードって感じがして、必然性があまり感じられない。

必然性って言えばさ、奥さんが死んだ後、若い女の子を雇ってきて、妻の服を着て仕事をさせようと、妻の衣裳部屋に入れると、服を試着しながら女の子が泣くのよね。で、「どうしたの」って訊くと、

「すいません、すいません、きっと・・・・こんなキレイな服を一辺に見たことなかったから・・・・混乱したんだと思います」って言うんだけどさ。

意味不明!!デパート行ったらこの何百倍もの服を一度に見れるじゃん!!それにこのセリフ!何も示唆してないし、意味の無いセリフ。それとも、これがこの女の子がお金が無いってことを示唆しているとでも言うのか。それ示唆じゃないよ。泣くか?!なんで泣くの?わから~ん。

あと、終わりに男がこの女の子にもう一回電話をかけるんだけど、彼女は出なくて、出なかった理由が近所のおばはんに引き止められたせいなんだけど、これを演出するのに、おばはんがどーでもいい会話を女の子としているんだけど、この会話の内容もなんか、この程度の話しか浮かんでこないのかなあと思う。女の子が「そんなものもらわなくていいよ」って思う手袋の色が黄色と紫って言うのも、奇抜過ぎて普通買わない色だよなって位の理由しかない。この会話がなんか伏線になっているとか、話の始めの方で女の子がこの色が嫌いって言ったとか、なんにもないの。それとも私がそこを見逃している?

こういう風に書くと、この映画を好きな人が怒るんだろうけど、怒らなくていいです。アタシにこの映画を観る感性がないのよ。もう邦画はあきらめた!

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邦画 | コメント(6) | 【2011/02/15 01:28】
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『トゥルー・グリット』-最高に楽しい&美しい冒険活劇!
True Grit

殺された父親の死体確認・引取りにシティに来た14歳の女の子マティは、父の元で働いていながら父を撃ち殺し、カリフォルニア・ゴールドを2枚盗んで逃げたCoward(卑怯者)のトム・チェィニーの首をこの手で取ろうと、父の死体だけを母の元へ送り、自分は飲んだくれの保安官・ルースターを雇って父の敵討ちに行くことを決意する。

True Grit
Produced:2010
Director: Ethan Coen, Joel Coen
Writing Credits: Ethan Coen, Joel Coen
Cast (voices):
Rooster Cogburn: Jeff Bridges
Mattie Ross: Hailee Steinfeld
LaBoeuft: Matt Damon
Tom Chaney: Josh Brolin
Lucky Ned Pepper: Barry Pepper
このマティを演じるヘイリー・スタインフェルド、すごいよ!助演女優賞にノミネートされていますが、案外メリッサ・レオを抑えて獲るかもしれない。本当に感心する位上手いもん。ちょっとしぐさとか芸風がフランシス・マクダーマンドに似ているので、コーエン兄弟の演技指導の賜物かな?とにかく、14歳にして賢く、意志が強く、まさに「True Grit」な感じが良く出ていて、最初の2、30分は、この娘を観ているだけで面白かった。

で、彼女が雇う飲んだくれのルースター保安官を演じるジェフ・ブリッジズ、『ラバウスキー』→『クレイジー・ハート』路線の十八番のしょ~もないおっさん。こういう役を演ってこの人が上手くないわけがない。

さらにそこに加わるのが、トム・チェイニーを別件で追っているテキサス・レンジャーを演じるマット・デーモン。この人はちょっとコミカルな感じで、『インフォーマント!』に引き続き見直した。なんか、撃たれたり、石で頭殴られたり、いつも血だらけなんだけどケロっとしている(笑)。

保安官を信用していないマティは一緒に行くとがんばるのだが、子供だし女の子だしと全く相手にしてもらえず、おいてかれてしまう。でも、なんとしてでも一緒に行くと、馬ごと河に飛び込んだことでルースターに認められる(テキサス・レンジャーにはお尻ぺんぺんされてしまうが)。

テキサス・レンジャーは、保安官と口論になって、別の道を行くんだけど、ここから、マティと保安官の二人旅が、なんか「冒険!」って感じでいいのよ。木から吊るされている死体がチェイニーじゃないか、マティが木に登って確認したり、貧しいインディアンの家を訪ねたり、あと、熊の毛皮を着て出てくるおっさん!!もー最高にコーエン兄弟な演出で、ひっくり返って笑ってしまった。

そうやって追跡の旅の途中で色々な出来事があり、対決シーンとかは突然起こるのではなく、西部劇よろしく前振りがあるんだけど、それが「始まりますよ~!」って感じでワクワクするんだよね~!なんか、西部劇って男ムサくてオーバーなのかと思ってたけど、この映画はなんか、子供の冒険活劇みたいな、なんだかイノセントな面白さがある。マティがドロシーで、保安官がライオンで、テキサス・レンジャーがブリキマンみたいな。

だって、旅をしていく内に、この全く共通点のない3人が、お互いに対するレスペクトを育んでいく様子が良くわかるんだよね。そして、最後、チェイニーを見つけて対決するシーンでは、3人で助け合って切り抜ける。

チェイニーの役がジョシュ・ブローリンだったのにも驚いたんだけど、チェイニーの親分のネッドを演じるのがバリー・ペッパーだったのには驚き!あんな個性的な顔なのに、エンドロールで名前見るまでブシェーミだと思ってたよ!でもすっごい印象的な悪役演ってたよ~。

マティはチェイニーを撃ち殺すんだけど、銃の勢いで洞窟に落っこって、毒蛇に手を噛まれてしまう。医者に連れて行くために、ルースターは、マティの馬、ブラッキーを一晩中走らせる。ブラッキーは疲れて疲れて、これ以上走れない。でもルースターは、ブラッキーのお尻にナイフを突き立てて、無理やり走らせる。マティはブラッキーのこと大好きだから、「No!」と叫ぶ。

もうこのシーン、涙が止まらなかった。砂漠のすごいきれいな星空の下、汗だくになって走るブラッキー。疲れて疲れて、もう観ているだけで可哀想になる。でもブラッキーも、マティが一大事だとわかっているに違いない・・・・。力尽きて倒れたブラッキーを、非情にも撃ち殺すルースター・・・・

でもね、最初の方のシーンで、ルースターはインディアンの子供にいじめられている馬を救うんだよね。だから、ブラッキーがこれ以上苦しまないように、ってわかっているんだけど、「No!」と言いながら泣くマティを観るともう涙が止まらない。

最後は、もう40歳のおばさんになったマティが、今はサーカスでドサ周りしているルースターを尋ねてくるところで終わるんだけど、(ここからネタバレ)

ルースターはマティが訪ねて来る3日前に息を引き取っていた。で、マティのナレーションで、今、テキサス・レンジャーはどうしているかもわからないけど、生きていたら会いたいと思う、と言う。で、カメラが引いていくと、マティは片腕がなく、どうやら毒蛇に噛まれたところを切断しなくちゃいけなかったみたい。さらにマティは、自分は独身を貫き通し、周りから偏屈な女と思われていると言う。

私はこの映画、純粋に面白い冒険活劇だし、登場人物が成長していく過程が良く出ていて素晴らしいと思うんだけど、余りにも現実的過ぎて、子供には見せられないかなあ。もちろん、コーエン兄弟だから暴力描写がすごいんだけど、でも現実的なだけなんだよ。子供向けの映画だったら、テキサス・レンジャーが投げ縄で捕らえられて馬で引きずり回されても、すぐに立ち上がって「大丈夫!」って言うところを、まあ歯はもげるわ、肩は撃たれるわ、もうボロボロ(そのボロボロさ加減が大人には可笑しいんだけど)。

でもあれが現実に起こったことなんだろうなあと思った。私は、テキサス・レンジャーは、死んじゃったんだと思う。あんなに色んなキズを負って、長生きできるわけないもん。

そして、キャラがみんな成長しているのはいいことなんだけど、成長の仕方も現実的だよね。勇敢で賢かった14歳の女の子は、片腕失って偏屈ババアになって結婚も出来なかった(しなかったのかもしれないけど、この時代で片腕なくて、お父さんいない家で、かなり苦労したのでは)し、保安官は落ちぶれてサーカスのドサ周りやってた。冒険活劇の主人公たちの将来が、こんななんですよ、って見せちゃってる。

そんな人生の中で、唯一輝いていた時間が、この捕り物帖で、時間にしたらほんの何日間?それだけしか一緒に過ごさなかった人が、その後の人生の中で唯一自分と繋がっているって思って生きてきたのかもしれない。なのに、その相手と再会できる機会も逃してしまう。

なんか、コーエン兄弟の映画って、こういう無情な、すごい辛いというかブラックな物が多いんだけど、同時にユーモアがあって面白いっていうか、人間の温かみみたいなものがあるよね。『ファーゴ』もなんか救われない話なんだけど、保安官のマーゴと旦那さんがなんかほのぼのしていたり、『ノーカントリー』も、すごいブラックなんだけど、保安官の不安と言うか恐怖がすごく人間らしくて体温がある。

今回の『トゥルー・グリット』は、そこにさらにすごくイノセントで美しいものを感じた。14歳の女の子が主人公なんだから、その子のイノセンスとか初々しい感じを最大限に表現しようとして、本当にそれが良く出ている感じ。登場人物たちの将来がちょっと悲しいんだけど、だからこそあの冒険が鮮明に際立って見えるというか、ブラッキーが死んだ時の星空が「アラビアンナイト」みたいにきれいだったのとか、コーエン兄弟の映画って、人生は非情で無情で辛いけど、その中にユーモアもあれば美しいものもあるって思わせてくれると思った。

私的には『トゥルー・グリット』にベスト・ピクチャー上げたいけど、十中八九それはないと思うので、脚色賞は取って欲しいなあ。原作はどんなもんだか知らないけど、本当に美しい映画に仕上がったと思う。


第83回アカデミー賞 | コメント(4) | 【2011/02/02 10:03】
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『トイ・ストーリー3』-おもちゃだってツライんです!!
Toy Story 3

タランティーノがこの映画を2010年のベスト10に選んだって友達が言ってたんですが、町山さんも、マイミクのGOさんも、映画好きな人たちにはすこぶる評判がいい。

Toy Story 3
Produced:2010
Director: Lee Unkrich
Writing Credits: John Lasseter, Andrew Stanton, Lee Unkrich
Cast (voices):
Woody: Tom Hanks
Buzz Lightyear: Tim Allen
Jessie: Joan Cusack
Ken: Michael Keaton
私は1と2を観ないでいきなり3なので、トイ・ストーリー・ファンにとっては冒涜に近いものがあるんではと思うのですが、最後はポロポロ泣いてしまいましたよ。可哀想だなあ、おもちゃって。ある意味ペットより可哀想。生き物じゃないから、捨てるのに良心の呵責ゼロだし。おもちゃたちの生存は、ひとえに遊んでくれた「元子供」のアンディにかかっている。

アンディ君のようにカレッジに進学するために家を出る、っていうのは「子離れ・親離れ」のマイルストーンとしてアメリカ映画では果てしなく使われてますよね。そこに「おもちゃたちの生存」を絡ませてきたのはウマイ。アンディ君は、大人になる過程の一環としておもちゃたちに別れを告げなくちゃならない。でも、この映画の主人公であるおもちゃたちの運命はいかに!ってことですな。

この映画を観て思い出したけど、アタシも小さい時、クマのぬいぐるみをどこにでも連れて行ってたなあ。ほとんど24時間抱いていたので、ベージュだったのが茶色になり、目がなくなったので新しいボタンで縫いつけ、お茶こぼしてお腹のあたりがハゲになり、それでも持っていた。で、アタシが寝ている時クマちゃんは、他のぬいぐるみ達と何をしているんだろう?って思ったなあ。この映画もきっとそういう発想から出てきたんじゃないかしらん。

主人公のおもちゃたちはもちろんすっごい愛すべきキャラ達なのですが、私は悪役のおもちゃが好きですね~。赤ちゃんの人形を用心棒に持ってきたところがすっごいグッド!!横にすると目をつぶる、あの愛らしい赤ちゃんが、片目が半分開かなくなってて、赤ちゃんだからぷくぷく太ってて、「だーだー」とかしかしゃべらないじゃない?そういう赤ちゃんの可愛い特徴が、「身体だけはでかくて強いけど、ボンクラな用心棒」と同じ特徴なのがもー最高にブリリアント!これ見ただけで、この製作者の人たちってすっごいセンスある!って思っちゃいました。(写真探していたら、子供のいたずら書きがタトゥーみたいに見えるし、あのうす~い「赤ちゃんヘアー」がまたヤクザ感がある!)

悪役の長であるロッツォっていうクマのぬいぐるみもすごいハマり役。ふかふかして可愛らしいクマさんって、丸っこくて毛むくじゃらのヤクザの親分、一見すっごい温厚そうだけど、実はすげえ残虐、みたいの「あるある!!」って感じでニンマリしてしまいました。

あと、見張り役のチンパンジーのおもちゃ!!目がギラギラしているので、「見張ってる!」って感じがするし、なんか異常を見つけると「ぎゃあああああ~~~!パン!パン!パン!パン!」とシンバル叩いて大騒ぎするところとか爆笑。

ほとんどは、おもちゃ達が捨てられる・寄付される運命を乗り越えてアンディ君のところに帰るまでを描くアクション・アドベンチャーなんですが、そういうところは飽きずに一緒にハラハラしながら観れるし、子供だったらこの映画すっごく楽しいんだろうし、親も子供も同じに楽しめる映画って、親にとっては本当にありがたいことだと思う。

町山さんは、子供は子供とおもちゃに感情移入をして楽しめるし、親は子供が大きくなって巣立って行くってストーリーに感動して泣いちゃう、って言ってたけど、アタシは子供いないせいか、「親の気持」に訴えるのかな?って思いながら観てた。

でも最後、カレッジ行くのにウッディを置いて行こうアンディ君が決めるところは泣けたよ。おもちゃでもペットでも恋人でも、好きなのに別れなくちゃいけない状況ってもう無条件に胸が詰まるよね(くすん)。


映画の感想 | コメント(2) | 【2011/01/21 03:45】
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『隣の家の少女』-でもやっぱ観て置くべき・・・かも
The Girl Next Door

なんでこんなの観ちゃったかって言うと、「ひでー話なんだけど、最後が感動的」みたいなことを書いているサイトがあったせいなんだけど、今、探しても見つからない。これは神様が私に「観ておけ~」って授けたムービーなのかしらん・・・

girl next door
dvd on amazon.com
Produced: 2007
Director: Gregory Wilson
Writing Credits: Daniel Farrands, Philip Nutman
Cast:
Meg Loughlin: Blythe Auffarth
David Moran: Caniel Manche
Ruth Chandler: Balanche Baker
これを観ると、人や動物を虐待する人って、ヒマなんだと思う。他に楽しみがないか。この話の怖いところは、両親を失って引き取られてきた姉妹を、その家のお母さんと3人の息子たちが虐待し、それを知っている近所の子供たちも、悪いこととも思わずに一緒に虐待する、というところだんだと思うんだけど、冒頭にこの「近所の子供たち」を描くシーンがあって、なんか余りすることがなくて退屈というか、「刺激」みたいなものを常に求めているように描かれていた。

虐待を仕切るお母さんは、旦那に逃げられて、生活の保証もなく・・・だかなんだか、原作では色々説明されているらしいんだけど、映画ではなんでこんなに残虐になれるのか、余り良くわからない。そもそも、自分の息子たちやその友達を始終はべらせて、ビールとか飲ませてる、しょーもないお母さんなのだ。

子供たちは10歳から15歳くらいで、主人公のメグは12歳という設定らしい。妹のスーザンは9歳くらい?メグの拷問に加わらず、助けようとするデヴィッドはやっぱ10歳か、11歳くらい?

虐待はヒドイんだけど、特にショッキングな描き方をしていなかったのはありがたい。充分痛いですが。火であぶった針でメグの身体に字を書くところは、とても観ていられなくて早送りした。この話は実話に基づいているということで、ウィキで調べたけど、実際の拷問は、映画より酷かったようで、なんでこんなこと出来るんだろうと思った。

・・・んだけど、私も小学校の時、集団いじめってしたことあるよ。クラスでハブにされてた女の子がいたんだけど、ある日理科室の掃除の最中になんだか怪しい雰囲気になってきて。で、なんか忘れちゃったけど、土下座して謝らせたり、あれしろ、これしろ、ってみんなで色んなことさせて。あの心理って、なんなのかと思う。普段は、とてもじゃないけど邪悪過ぎて、他人には言えないような考えを、「みんなやっているからいいんだ」ってやらせちゃう、みたいな。同級生ですっごいおとなしくて控えめで、正しいことしかしない、みたいな女の子が、嬉々としてイジメをしていたのもビックリした。

メグの虐待に参加した子供たちは、大人が一緒にやってるんだから「いいんだ」ってことでやっているという描写だったけど、これも確かに、子供だったらそうだろうな。

あ、あと興味深いのは、メグって可愛くて魅力的で、周りの男の子たちはメグと知り合いになりたいのよ。で、青春モノに良くある、彼女の部屋を木に登って除いたりする。

そういうところって、男の子って可愛いなあと思うんだけど、この映画では、「結局手に入らない、高値の花過ぎる」っていうことで、男の子たちがメグを敵視しているんじゃないか、って感じの描写なんですよね。だから、後々メグの虐待に加わるときも、「あ、ボクの好きな女の子がピンチだ!」って心配するのはデヴィッドだけで、他の男の子は、なんていうか、「自分のレベルまで引き摺りおろしてやった」みたいな感じ?で観ている。

スティーブン・キングがこの映画を絶賛しているらしく、

「20年前に観た『ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録』以来の真にショッキングなアメリカ映画。こういうの弱い人は観ない方がいいと思うけど、地獄と言うものがどういうものなのか、しかもアメリカの郊外という設定で、じっくり眺めてみたいと思うのなら、期待に沿う映画だよ。これは『スタンド・バイ・ミー』のダーク・サイド版、って感じの映画だね」

と言っているとウィキに書いてあった。こういう人間のダークな面とはなんなのか、ということを追求している人っているんだなあって思った。確かにコレも、スティーブン・キングの映画も、ショッキングなことやグロいことをエンターティンメントとして見せるんじゃなく、人間がこういう側面も持ち合わせているということを描写しているんだなと思う。いやはや、かなりキツイけど、もう大人なんだから、こういうこともたまには真正面から観て置くべきかも・・・。
ホラー | コメント(4) | 【2010/03/20 23:56】
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『トレイター』-テロリスト実態のダイジェスト
Traitor

アメリカでテロ活動をするムスリム教徒のサミール(ドン・チードル)と、それを追うFBIのロイ・クレイトン(ガイ・ピアース)を通して、テロリストの実態を描き出している作品です。ドン・チードルがテロリストの役なのだから、テロリストにかなり同情したお話になっているのはおわかりかと思います。サミールはすごく教養も知性もある、普通の人、というか普通の人よりもっと人間らしい、しかもとても真摯に神を信じている人として描かれています。

traitor
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Produced: 2008
Director: Jeffrey Nachmanoff
Writing Credits: Jefferey Nachmanoff, Steve Martin
Cast:
Samir Horn: Don Cheadle
Roy Clayton: Guy Pearce
Omar: Said Taghmaoui
Chandra Dawkin: Archie Panjabi
でもサミールは、お父さんがテロで殺されて、結局武器商人として生きていかなきゃなくなって、そういう過程で親友になったのがテロリストのオマールで、なんだかこうなってしまったのは運命としか思えない。

ガイ・ピアース演じるロイ・クレイトンのキャラも、単なる正義感の強いFBIではなく、大学でアラブ語(だったかな。この辺疎いので失礼な表現してたらごめん)のクラスをたまたま取ったことから中東の文化や歴史にハマってしまい、現在に至る、といった役柄。このキャラには共感してしまった。私も英語にハマってアメリカのことをもっと知りたいと思った人だから。ロイの仕事は、素晴らしい文化を持っているなあ、と自分が感心している人たちを捕まえるやことなんだもの。歴史や文化や言葉を知っているからこそ、この仕事にはピッタリだけど、だからこそテロリストになってしまう人たちの気持ちもわかり、ジレンマが多いだろうと思う。

興味深かったのは、スペインだかイタリアだかで、アメリカ人の多いビーチを爆破したテロリストが生きて捕まるんだけど、本当は自分も自爆してパラダイスへ行くはず(そして40人の処女とセックスしているはず)だったので、生きていることに非常に不満(爆)。まあそれはさて置いて、それを尋問するロイが面白い。

ロイは、君が口を割らなくても、明日の新聞に君が生きて捕まったことが載れば、テロリスト側は自動的に君が我々に情報を流したと理解する。そうしたら結局君は殺される。今なら、私たちが操作して、君を死んだことに出来る。君が協力してくれれば、というようなことを言って、テロリストを懐柔する。

これでしゃべっちゃう人が結構多い、とこの映画では描かれている。で、そりゃそうだ、と思う。テロは秘密厳守だし、どこにスパイが入り込んでいるかわからないので、少しでもその疑いがある人は殺されてしまう。だから、一端生きて捕まったら、何を言っても信じてもらえない。だからみんなあっさり寝返るんだろうな。

サミールも、長年知り合いの彼女シャンドラ(アーチー・パンジャビ)に会いに行ったためにシャンドラがFBIに質問を受け、それを知ったテロリストたちが、サミールを処刑することにする。しかしその直後に、アメリカ合衆国がサミールを今追っているテロリストの一番に名を挙げたため、テロリストたちはサミールを信じる。これは面白いと思った。オマールは、

「アメリカがお前を殺したがっているんだよ!」

と言ってすっごい喜ぶのだ。それは、アメリカに憎まれるほどの活動をしたことが誇らしいのと、ここまでアメリカに憎まれているということはサミールはスパイではない、とみなされ、処刑されないで済むからか。どちらにしろ、世界が違うと誇りに思うことととか嬉しいことが違って興味深い。

テロリストの教育のシーンがあり、そこで「アメリカはイギリスに対してテロをやったんだ。彼らは歴史を忘れてしまったらしい」と言っているのを聞いて、確かにそうだよな、と思った。アメリカは散々イギリスに逆らい、世界各地を攻め、搾取し、殺し、そして今のような大国になった。そういう歴史を自慢しているかのようにも見える。でも他の国がやると、とんでもないことをしているかのように批判する。完全なるダブル・スタンダード。

あと映画的に「上手い」と思ったのは、みんなが英語でしゃべっていることを正当化するのと、登場人物の背景を上手くシンクロさせているところ。サミールもオマールもそれなりに裕福に育ったらしく、ヨーロッパに留学したり、アメリカに住んだりして、英語が超上手い。初めて二人が会うシーンで「英語上手いね」「君も」という会話があったり、二人ともイエメンの監獄に入れられているとき、夢は英語で見るんだ、俺もだ、という会話があったりする。

「自分の国の言葉をしゃべっているからって、必ずしもほっとするとは限らない」

というオマール。これが、現在のテロの複雑さを良く表してるな、と思った。彼らには家と呼べるような国も言葉も実態としてない。なんかそういう実態のないもののために命を掛けるって、どういうことだろう。テロリストたちがロイの懐柔に応じて寝返ってしまう気持ちがわかる。自分が何を守るために戦っているのか、いつもはっきりしたヴィジョンを持ち続けるのはすごい難しそうだ。

だからこそ信仰と言うものが強力だなと思える。実態のないものを信じる力。私のように無宗教な人には、こういう心理は頭では理解できてても、心ではなかなか難しい。

と、テロリスト関係の内情にものすごく洞察のあるいい映画なのですが、映画的に魅力的かというとそうでもない。最近の映画に共通して、長い!物語は結構きっちりしているので、「ここ削っちゃえばいいじゃん」というところがないので仕方ないのですが、2時間以上あったよ。しかし、現在の時勢をダイジェスト的に伝えてくれる、観て良かった、と思えた映画でした。

■すごい好演だと思います。ガイ・ピアースの出演作品一覧

key Word 映画 ドン・チードル ガイ・ピアース
今日観た映画 | コメント(2) | 【2009/02/01 23:19】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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