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『Good Hair』-アフロの黒人って最近見ないもんね
Good Hair

クリス・ロックが黒人の髪の毛に関して作ったドキュメンタリーです。クリスはまだ年端も行かない小さい娘がある日泣きながら、「パパ、どうして私はGodd Hairじゃないの?」って聞いてきた事から、黒人の女性の髪の毛事情を調べ始めた。

good hair
Produced: 2009
Director: Jeff Stilson
Writing Credits: Lance Crouther, Chris Rock
Cast:
Chris Rock
Ice-T
Nia Long
Sandra 'Pepa' Denton
Cheryl 'Salt' James
私も昔はロバート・プラントになりたくて、パーマや脱色してたら、髪は痛むし、財布も傷むし、やっぱ自然にしているのが一番だ~って思ったんだけど、あの頃、金髪の黒人とか、ドレッドとか、こまか~いみつあみにしている人とか、あとぶっちゃけ、サラサラ髪の黒人の女優さんとかいて、どんだけ手入れしてんだろ、って思ってたので、すごい興味深く観れました。

黒人の女優さんとか「Video Vixen」というどういう職業なんだかわからないきれいなお姉さんとかが、クリスのインタヴューに答えているんですけど、みんなストレート・パーマやエクステンションをしていて、「白人のサラサラ・ふわふわな髪に憧れている」ということ。Video Vixenのお姉さんは、お母さんが白人のハーフで、「どうして私はママみたいな髪じゃないの?!」って思いながら大きくなったんだって。

で、やっぱあの髪をキープするのは大変らしく、お金もかかれば時間もかかる。しかもすごく身体に悪い!

ストレート・パーマ液のことをこの人たちはRelaxer って呼ぶんですけど、要するに「ストレート」にするって言うより、チリチリ・くしゃくしゃになったものをてろ~んと「リラックス」させる、って意味らしい。これをやってない黒人の女性は多分いないんじゃないかってくらい、オバマさんの奥さん、コンドリーザ・ライス国務長官、そして女じゃないけどマイケル・ジャクソンの写真が出てくる。

このRelaxer がすっごい辛いんだってね。頭が燃えるように熱くなるらしい。で、実験してみると、清涼飲料の缶なんか溶けちゃうの。それを、お母さん達は、娘が3歳位の時からやらせる。1歳半でできないか、って医者に聞いたお母さんもいるくらい!

でも、Relaxer でも毛先がつんつんになったり、長く伸びない場合は、エクステンションをつけるんだけど、これはWeave と呼ばれていて、自分の「アフロ」をがっちり編みつけた後、そこにつけ毛をかませて行くんだけど、すっごい頭皮が引っ張られて痛そう!!

で、これをつけている女の子は、男の子に頭を触らせないんだって。で、エッチするときも「上になる」か良くて「後ろから」。プールやサウナには絶対一緒に入らないし、もちろんシャワーもお風呂もダメ。で、黒人の男性達が、文句を言っているところが超面白かった。一人の人なんて、「正直に言う!俺は白人の女の方が好きだ!髪に触れるし、制約ないし!」って言って周りの人騒然となっちゃって、クリス・ロックが頭抱えちゃって。

しかもこの髪を維持するのに、年間200万くらいかかるんだよ!!

しかし、黒人の女性をターゲットにしたファッション・マガジンを観ても、黒人のモデルがみんな髪の毛真っ直ぐだし、これじゃあ小さい女の子がアフロのままでいるわけない。さっきのインタヴューの女優さんたちも、「9歳の時始めてRelaxer をやった。鏡の中にいたのは『美しい自分』だった」ってマジ言ってるし。

確かに、第三者の私から見ても、ストレートか、ウェービーな髪の黒人の女の人はきれいに見える。アフロのままでもキレイな人いるけど、やっぱ「個性的」な部類になっちゃうよね。黒人の高校生へのインタヴューでは、「美」もそうだけど、就職する時の面接とかで、アフロだとちょっと仕事見つかりにくいっていうか、やっぱ異端視されるらしい。

でまあ、自分の娘が頭皮焼いたり、莫大な金を掛けて触ることも出来ない頭になるのなんてすごいヤダ!って思っているんだろうけど、それを表に出さずに淡々と取材するクリス・ロックに好感持った。エクステンションの毛は、実はインドから輸入されていて、クリスはインドにも取材に行く。神への捧げ物として寺院で女の人が丸坊主になった髪の毛を売ってるんだよ!!それで寺院はすっごいお金儲けているそうだ。

私も自分の髪、ドライでロングには出来ないし、結構硬いしあまり好きじゃないけど、コレ観るとまだ良かったと思う。アフロはアフロなりの美を追求すればいいのに、って言うのは簡単だけど、パブリック・イメージとか考えると、それを貫き通すのはすごく難しそう。インタヴューに答えていた女優さんも、クリスが街の美容院で取材した一般の女の人たちも、「それが当たり前」のこととしてRelaxer やWeave をしてたもんなあ。

他人がやっているのを観ると「そんなにがんばらなくても」って思うけど、多分、自分達も、髪の毛は良かったとしても、エイジングとかダイエットとか、「年の割りに若いじゃん」とか「全然太ってないじゃん」とか言われながらもせっせとがんばっているんだからなあ。でも年間200万はキツイよなあ。

余談ですけど、クリス・ロックの娘さんたち、すっごい可愛いです。写真しか出てこないけど、クリスに似て目がでっかくて、すごい愛嬌のある娘達。お母さんが出てこないんだけど、シングル・ファーザーなのかしら。なんとも微笑ましい。
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拾いモンの映画 | コメント(2) | 【2010/03/20 00:28】
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『クレイジー・ハート』-主演男優賞は確定なんじゃ
Crazy Heart

うわ~コレきてんな~。『マイレージ、マイライフ』も最高に良かったけど、こっちの方がオスカー獲りそうだ。主演男優賞、助演女優賞、オリジナル歌曲賞、全部行っちゃうんじゃないかなあ。助演女優賞と歌曲賞はどっちか落ちるかも知らんけど、主演男優賞は確定なんじゃないかと。

Crazy Heart
Produced: 2009
Director: Scott Cooper
Writing Credits: Scott Cooper, Thomas Cobb
Cast:
Bad Blake: Jeff Bridges
Jean Craddock: Maggie Gyllenhaal
Tommy Sweet: Colin Farrell
Manager: James Keane
Wayne: Robert Duvall
とにかく最初の30、40分がすごい効果的、ぱっぱっと、バッド・ブレイクっていうおっさんが何者なのか、どういう生活をしているのか、っていうのを、ものすごい的確に見せる。上手い!ジェフ・ブリッジズ最高にビッグ・ラバウスキしちゃってるし、それプラス、『ザ・レスラー』そのものの、ダメ~な、痛~い、落ちぶれたカントリー歌手の感じが、もうヒリヒリ伝わってくる。すっごく上手い。

しかも、カメラの使い方というか、ショットがものすごいいいんだよね。バッド・ブレイクのギターのストラップ、背中に来るほうに「Bad」って大きく入ってるんだけど、そこのショットから始まって、バッド・ブレイクが振り返る、それからカメラが退き出して、ライブのシーンに入る。このショットが一瞬なんだけど、すっげーかっこいい。「うわー」って声が出ちゃうくらい。

それとか、バッドが、ついにアルコール中毒から立ち直りたい、と決意するシーン、ちょっとピントがはずれた暗い画面に、バッドのたるんだお腹が映る。で、そこからバッドがどてーん!とベッドに倒れこんできて、顔のアップになる。ここ、カメラは動かなくて、バッドの顔の方が倒れこんでくる。その表情が、もう、死んじゃったんじゃないかってくらい気持ち悪くて、その顔に「酒を止めたい」って言わせるの!ものすごい新鮮!!

でも、こういう映画は撮影賞に選ばれないの?空飛んだりとか、特撮、3Dとかそういうことじゃなくて、シンプルなカットを、すごい印象的に見せるのが撮影賞なんじゃないだろうか。

マギー・ジレンホールも今回はすっごい良かったね~。シングル・マザーで、本当に名もない音楽ライターのジーン。バッドにインタヴューしに来て、恋に落ちてしまう。マギー・ジレンホールも美人じゃないけどさ、子供もいるし、きっちり堅気してそうな女で、なんでこんな臭くて汚いおっさんと恋しちゃうんだよ、って思うんだけど、最初のインタヴューのシーンからケミカルビシバシで、あり得なさそうなカップルなのに、超納得させられる。

ニューヨーク、アイラブユー』の感想で、「こんなのLOVEじゃねーよ!」って書いたら、ブロ友さんに「じゃあチュチュ姫さんにとってのLOVEってなんなの」って突っ込まれたけど、この、バッド・ブレイクとジーンの間にあるものはLOVEだなあ、とすぐ思った。最初は肉欲だけかも、とかまあ、始まりはなんでもいいんだろうけど、この二人は、お互いのことが何もわからない最初の瞬間から、なんかある。で、話をしていく内に、もっともっとなんかある。

で、バッドがええ年こいて、子供みたいにジーンに電話したり、はるばる会いに行ったりするところが、なんか可愛いんだよな~。すっげえきったねえおっさんなのに!

あと、コリン・ファレルが結構良かった。カントリー・シンガー似合ってたよ~、クビのところの髪の毛がぼうぼうで。またカメラもそこをやたらと映すんだけど、それがなんか、カントリー歌手の朴訥な感じ、野暮ったいけどそれがスタイルなの!って感じを良く出していた。

***エンディングについてふれてます***

『ザ・レスラー』ではランディ死んじゃったから、こっちもいつ死ぬんだろう、ってハラハラさせられる(しょっちゅうゲロ吐いてるし)んだけど、こっちは死なないの。でも、ジーンとは辛い別れをするわけよ。最近、こういうの多いよね。ものすごく劇的に知り合った二人。昔の映画だったら「ああ!やっと出逢った赤い糸!二人の愛は永遠に!」ってなってたんだけど、最近は現実的だ~。しかも、愛があっても一緒にいられないって相手がいるって、悲しいよね。

一生懸命更生して、まともな人間になったにも関わらず拒絶されてしまうバッド。「また飲み始めちゃうのかな~」と思いきや、部屋を掃除し始める。これは意外な展開だった。男が部屋を掃除し始めるときは、本気なのだ!『サラ・マーシャル』でもそうだったな~。私は今まできったねー部屋に住んでいた男が掃除するのを見ると、「ああ、男が自立してる!」ってすっごく感動する。

こういうエンディングにしたのは、『ザ・レスラー』の二番煎じって言われたくなかったからかなあ。じゃなかったら本当に『ザ・レスラー』のカントリー歌手バージョンになっちゃうもん。このエンディングは、なんとも言えません。希望があっていいとも言えるし、真実味に欠けるかも、甘っちょろいかも、とも言えるし、でも、最近の予定調和って痛痛しいエンディングが多いから、このくらいの感じが逆に新鮮な感じかもしらん。

追記:
これ、日本公開決まってないの?!ふざけてるよね~。オスカー獲ったら公開するってか。いい映画なんだから、とっとと公開すればいいのに!!
第82回アカデミー賞 | コメント(2) | 【2010/02/09 09:16】
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『偶然の旅行者』-文句が多い
The Accidental Tourist

この映画昔大好きで、何回観たかわかりません。なんだかヘンな人ばっかり出てきて面白いなと思っていたんだけど、今回観たら全然なんにも憶えてないと言うことに気が付いた・・・。

だってさー、DVDのジャケ写真にコーギーが映ってるのを見て、

「あ!てっちゃんが出てたんだ!」

偶然の旅行者 特別版 [DVD]
dvd on amazon.com
Produced: 1988
Director: Lawrence Kasdan
Writing Credits: Anne Tyler, Frank Galati
Cast:
William Hurt: Macon Leary
Sarah Leary: Kathleen Turner
Muriel Prichett: Geena Davis
って思って、映画を観たら、この犬ってば出ずっぱじゃん。全然憶えてなかったよ。しかもテツと同じ黒のコーギーで、コーギーって普通茶色だからめずらしいのにさー。てっちゃんにソックリだし!もーこの犬が出てくるたんびに

かわいー!かわいー!

って叫んでしまいました。

ストーリーはですね、ウィリアム・ハート演じる主人公のメーコンは、息子を亡くし、ショックから立ち直れてないんですけど、同じく息子喪失のショックから立ち直れない奥さん(キャスリン・ターナー)に離婚をされてしまう。トラベルガイドを書くのが仕事の主人公は、仕事で旅行に行くのに犬を預けなくてはならなくて、飛込みで入った犬のホテルで働く調教師・ミュエル(ジーナ・ディビス)と付き合い始めるんだけど、生活水準の違いとか、主人公が息子の死を乗り越えられないとか、色々なアスペクトのせいで上手く行ってるかと思えばギクシャクしたりする。で、そうこうしている内に、元妻が、「よりを戻そう」とせまってくるが・・・・・

とにかく、キャスリン・ターナーもジーナ・ディビスも、文句が多い!キャスリン・ターナーは、「あなたは心を開かない」とか、「自分では正しいと思っているかもしれないけどあーだこーだ」とか、とにかく旦那さんにくどくどくどくど、あんたはあだーこーだ、と責めまくる。このキャスリン・ターナーが、もう『白いドレスの女』んときみたいなセクシー女優には戻れないが、まだ完全にデブではないという、びみょ~な頃のキャスリン・ターナーで。・・・・本当に、山の手の、いけすかない、気取った、いや~な女って感じなんだよね~。お金持ちの奥さん~!って感じの。別に悪い人じゃないんだけど、存在自体がイヤミというか。

そういう人が、くどくどくどくど、旦那さんのアラを指摘しているのを聞いているとちょ~ウザい!正論なんだけど、「じゃあお前はそんなにエラいのか!?」って突っ込みたくなっちゃいます。

で、ジーナ・ディビスはジーナ・ディビスで、「アタシを棄てないで」とか、「気分が向いた時だけいい顔して、あとは知らん顔なの?!」とか、卑屈にブチ切れたりするの。

ジーナ・ディヴィスには、アタクシが共感してしまう「だめんず遍歴」があり、

昔付き合った男で、過去の経験のせいで女を信用できない人がいたんだけど、私が根気良く愛してあげたので心を開いてきた。でも、その後他の女とくっついて、結婚した。あたかも、私によって癒されたことによって、本当に愛する人を見つけた、みたいな。私はそんな「踏み台」のような女になりたくない

みたいなこと言うんですけど、乗り越えろよ!そういうことってあるんだよ!そういえば、『ビフォア・サンセット』のジュリー・デルピーも、おんなじようなこと言ってたなあ・・・・。それにしてもだ!「アタシを踏み台にしていく、あなたそんな人じゃないわよね、ね」なんて念を押しても、男は去るときには去るんで!

ただ、メーコンとミュリエルの付き合いは、かなり現実味あって考えさせられましたけどね。やっぱ若い時と違って、収入とか生活水準に開きがあると、「彼女はお前の金が目立てなんじゃないのか」って兄弟たちに言われたり、それにやっぱさ、「付き合うのはいいけど、結婚はしたくない」って不自然なんだよね。結婚してなくたっていいじゃん、って思うんだけど、やっぱりそれほど本気じゃないんだなあ、って感じがする。

あとなんだっけ、ジーナの名セリフ。

「ある瞬間は私のこと、こんな素晴らしい女はいない!って思うのに、次の瞬間、なんでこんな女と付き合ってるんだろうって、思ってるでしょ」

なんかさ、トシ取ると、本当に恋に落ちるってことなくなって、本当に↑こういう気持ちの繰り返しになるんだよね~。イタイところ突かれました、はい。

で、まあ、なんでタイトルが『Accidental Tourist』なのかといいますとですね、主人公はトラベルガイドを書いていて、色んなところに実際に旅行をしては、「必ず持ってった方がいいもの」とか、「こうすれば、いざと言うときにも慌てない」みたいなのを売りにしているんだけれども、人生とはアクシデントだらけの旅みたいなもので、人間は、準備や用意をしても結局は翻弄されてしまう、旅人みたいなもんだ、と言いたいんじゃないかと思うのですが。

これ、原作アン・タイラーか。この人すっごい人気あったんだよね、あの頃。この物語りも、本で読んだって人が多い。私も「人間を良く描いてあるわよ」って勧められて読んだことあるけど、あんまり好きじゃなかったなあ。いわゆる「女性の視点」で「人生を見る」みたいな感じなんですけど、なんか・・・・。ちょっと『セックス・アンド・マネー』みたいな、「これって、女の視点なのか~?」みたいな感じがしちゃいました。あの頃は新しかったかもしんないんだけど。

偶然の旅行者 ローレンス・カスダン ウィリアム・ハート ジーナ・デイヴィス キャスリーン・ターナー
DVDで見た映画 | コメント(0) | 【2009/09/18 08:05】
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大衆が望むものを超えて欲しかった-『クラッシュ』
Crash

テーマである人種差別が今や白人vs.黒人という単純な図式でなく、日本人、韓国人、中国人などアジア系の人たち、イラン、イラクなど中東方面から来た人たち、「メキシカン」という言葉でくくられがちな南アメリカ方面から来た人たちなどが絡んできて、しかも差別する側であると見られている白人も、様々な場面で差別を受けていると感じているという複雑な状況になっており、そういうアメリカ社会の現状を描写するには、オムニバス的な手法がハマると思ったのかも知れませんが、場面がぱっぱかぱっぱか変わって、とてもわかりずらかったです。

だから、何回か観てみるといいかもしれません。登場人物が多いからエピソードも多いし、しかもそれぞれが微妙に絡まっているので、一回目ではわからなかったことがニ回目で「ああ、そうか」となることが多そうな感じ。それと、ストーリーの中核として描かれている、わかりやすい人種差別だけでなく、言葉の端々に感じられるニュアンスのようなものをもっとキャッチできると思います。

と思って、もう一回観直してみようと思ったのですが、途中で止めました。

クラッシュ
dvd 発売は7月28日
CAST & CREDITS
Produced:2004
Directed by: Paul Higgins
Writing credits:
Paul Higgins, Robert Moresco
Cast:
Sandra Bullock: Jean
Don Cheadle: Graham
Matt Dillon: Officer Ryan
人種差別のエピソードの一つ一つが、なんだかうそ臭いんですよ。ありそうな話しなんだけど、「ほんとかよ~」っていうか、サタデー・ナイト・ライブのギャグの一部みたい。ステレオ・タイプなんですよ。雑貨屋を営んでいるイラン人の男性が、強盗が怖いので銃を買いに行く。銃器屋のおやじは白人で、イラン人の男性が通訳代わりに連れてきた娘(バハー・スーメク)と、自国の言葉でぺらぺら話しているのがイラついたのか、「買うのか買わないのか、どっちなんだよ、オサマ!」と叫ぶ。そして911で起こったことについてどんだけムカついているかをがなり立てる。これって、まんまサタデー・ナイト・ライブとか、マッドTVなんかのコメディ・スキットに出てきそう。白人で、銃とか好きな人=ナショナル・ライフル・アソシエーション=愛国主義者=差別的、みたいな。

こういう人種問題をギャグにして笑う場合、何に対して私達が笑うかって言うと、からかわれたりバカにされたりしている人を笑ってるんじゃないし、差別している側を笑っているんでもない、その「状況」が「ありそうであり得ない」から可笑しいわけです。確かに銃とか好きな人はライフル・アソシエーションを支持してるだろうし、銃にこだわる人の心理は愛国心に基づいていることも多いし、またイランやイラクや、中東方面から来た人たちを「オサマ」なんて呼ぶことで笑ったりしている人がいることも事実なんですけど、でもそれにしたってほとんどの人は常識があって、そう心の中で思っていたって、実際面と向かって相手に言わないよ。

そりゃあいますよ。私も日本人のおばさんで、やれ韓国人はこうだ、中国人はああだ、メキシカンはどうだって目の前で言っちゃう人知ってますから。でもそれは、自分ちの犬が道端でうんこしたのを片付けないとか、車で街灯ぶっ倒しておいて警察にも届けず逃げちゃうとかと一緒で、ほとんどの人はそんなことしませんよ。

この映画は、そういう「作られた日常」を使って、「事件の裏側にある人間ドラマ」を描こうとしているので、それがスキャンダラスな「事件のウラ話」を知りたい!という好奇心のレベルを出ていないんじゃないかという感じがしてしょうがないんですよ。本当はニュースで報道される実際の事件の裏側を知りたいんだけど、実際の事件では被害者は殺されちゃってるし、犯人は自殺しちゃってるしとかいう理由で「真実」がわからないことが多いし、それに「真実」は案外つまんなかったりするんで、そんだったらそれを作って見せたらいいんじゃないというような。

こういうの、近年のアメリカTVドラマで良く見られるパターンなんですが、最初は「おお!」と思ったけど、あんまり見せられ過ぎて感動も薄れているし、TVは大衆的でもいいけど、映画はそれを超えたものを見せて欲しい、という期待があるので、非常にがっかりしました。[03/2006]

■アタクシが尊敬するGOさんは、DVD買おうかどうしようかと迷うほどの大絶賛!アノラックとスノトレにGO!

■第78回アカデミー賞 ベスト・ソングにノミネートされましたが、受賞はならず。フィルム・エディティング賞、オリジナル・スクリーンプレイ賞は受賞しました。そして、最優秀映画賞取っちゃいました。あーあ。

■この映画オスカー取った翌日(3月6日)通勤途中のラジオで小耳に挟んだところによると、『クラッシュ』が一般公開前に映画祭で公開されたとき(バンクーバーだったかな?)「これはTV用のマテリアルだ」とか、結構酷評されていたらしい。しかしそれが一般公開されてみると、口コミで「いい映画だ」と広まっていったようだ。

Key Words
映画 クラッシュ アカデミー賞 オスカー 人種差別 バハー・スーメク
DVD情報 | コメント(23) | 【2006/07/26 04:25】
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ちょっと変わった恋愛映画が見たいとき『クローサー』
Closer

クローサー
dvd on amazon.com
このメンツで恋愛映画、といったら「なんだ~そういうのか~」とすぐネタが割れてしまいそうですが、これはちょっと変わってます。なんたって観終わった後、最初に出た言葉が「ヘンなのぉ~」でしたから。この映画、アカデミー賞とかにノミネートされたりとかしてるみたいなんだけど、聞いたことあります?私は、ナタリー・ポートマンがストリッパーをやっているやつよ、と言われても、全然わかりませんでした。

なんでヘンな映画と思ったかとよくよく考えてみたのですが、まず第一に、普通の恋愛映画というのは男女が出会い、恋に落ち、その恋がどう発展していくかを描くでしょ?喧嘩や、悲劇や、心温まるエピソードがあったりし、結末にいたる。

でもこの『クローサー』は、出会いと別れのシーンしかないのです。最初、ダン(ジェード・ロウ)とアリス(ナタリー・ポートマン)がロンドンのストリートでひょんなことから出会う。その出会いを丹念に描く。そして次のシーンでは、ダンが写真家のアナ(ジュリア・ロバーツ)のスタジオにいて、撮影をしている。そしていきなりダンが「き、君は美しい」なんつって、アナにキスをする。あれ?アリスはどしたの?と思うと、アリスがスタジオにやってきて、ああ、やっぱダンと付き合ってるんだ、とわかるのだが、アナとアリスが2人きりになったとき、アリスは、ダンとアナがキスしたことを知って泣く。

これだと、ダンとアリスがどういう状態なのか、どんな付き合いをしているのか全くわからない。それに、ダンが写真撮影をしていた理由は、売れない小説家のダンが、ストリッパーをしていたアリスをネタに小説を書いて、それの出版のために写真を撮っているのですが、そういうことも、この時点でダンとアリスが一年間いっしょに生活していることも、登場人物の会話からしかわからない。

アナが、アナに拒絶されたダンが仕掛けた悪ふざけが原因でラリー(クライヴ・オーエン)に出逢うところも、エピソードが細かく描写されているが、次のシーンでは突然アナの写真の展覧会。登場人物の会話から、アナとラリーは付き合って一年経っていることがわかるが、どのように二人の関係が発展していったのかが良くわからない。

この展覧会にアリスと連れ立ってやってきたダンが、アリスをうちに帰した後、またしつこくアナに言い寄るのだが、今回もアナは拒絶。その次のシーンは、ダンとアリスが一緒に住むフラットで、ダンがアリスに「実はアナと付き合っている」と打ち明ける。ダンがかなりアナに対して執着してきてストーカーまがいのことをしているのは会話の中でわかっているので、これはダンの狂言に聞こえる。

その次のシーンではアナが大きな家に住んでいて、ラリーが帰って来る。会話から二人は結婚したということがわかる。ここでアナも「ダンと会っている」と打ち明け、「一年前の展示会の時から」と言うのを聞いて、「ああ、一年後なのか」ということと、ダンのセリフが真実だとわかって、「ええ~~~!!!」と思ってしまった。

ここまでのストーリーを見て、ほとんど描写がないにもかかわらず、ダンがアナを愛していないのが良くわかってムナクソ悪い。ダンはちょっと偏執狂っぽくて、自己愛が強くて、ヘンなヤツなんだけど、それにしつこくされて落ちてしまうアナがアホに見える。

アナの情事を発見したラリーも、アナにダンとのセックスはどうだとか物凄い突っ込んだ質問を怒鳴り散らしたりする。こいつがちょっとセックス狂いなのはアナとの出会いのエピソードでわかっているのでいいんだが、こいつも自己中でうんざりする。

アナも、ラリーに会って離婚届けにサインさせるとき、ラリーが「最後に一回だけ寝てくれたら、サインしてやる」と言われ、ホントに寝ちゃって、またそれをダンに言うんだな~!そんで「愛していれば、許せるはずよ」なんて言うんですよ。

そんな中で一番まともなのはアリス。何でだかわかんないけど、アリスはダンのこと真剣に愛していて、その真剣さが伝わってくるのもアリスだけ。他の3人は「あんたらホントに愛し合ってる?」って感じ。

元が舞台の脚本らしいので、セリフで物語を追うという構成は、舞台の雰囲気を残すためなのかもね。観ている最中は、なんだか良くわからないんだけど、後で思い返してみると「あー、あそこでこう言っていたな」とか思い出して「なるほどなるほど」と思うような映画恋愛映画を観たいのだけど、お約束のものはいや!って時にオススメの一本。

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■映画偉人伝~ジュード・ロウ
■映画偉人伝~ナタリー・ポートマン

Key Words
映画 
恋愛映画 クローサー クライヴ・オーウェン ナタリー・ポートマン ジュリア・ロバーツ ジュード・ロウ

CAST & CREDITS
Produced: 2004
Directed by: Mike Nichols
Writing credits: Patrick Marber
Cast: Natalie Portman, Jude Law, Julia Roberts, Clive Owen
おすぎのススメ | コメント(8) | 【2006/01/16 01:08】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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