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『Disco Pigs』-はっ!これって悲劇なんだ!
Disco Pigs

これってなんかすっげー変な映画だな~どこに行っちゃうのかな~と思いながら観てたんですけど、後から考えてみるとすごいいい映画なのかも。私もアメリカ長いんで、大概の映画は字幕なくてもわかるんですが、コテコテのアイリッシュ訛りの上、英語字幕も付いてなかったので、「Can we talk?」とか、このくらいの長さのセリフさえ何言ってるのかわからない有様。なのにストーリーの概要とか、主人公のピッグとラントの気持ちとか、結構わかったっていうのは、映画や役者が上手いとしか思えない。もしくはストーリーが実は普遍的だから?

Disco Pigs
dvd on amazon.com
Produced: 2001
Director: Kirsten Sheridan
Writing Credits: Enda Walsh
Cast:
Darin / Pig: Cillian Murphy
Runt / Sinead: Elaine Cassidy
ダリンとシニードは、同じ病院で同じ日に生まれ、隣同士のベビー・ベッドに寝せられた日からずっと一緒。家も隣同士で、部屋が壁向こうにあるので、夜ベッドに寝転がって手を繋げるように壁に穴を開けている。学校も一緒、遊びも一緒。シニードはダリンを「ピッグ」と呼び、ダリンはシニードを「ラント(可愛い子豚ちゃん)」と呼んでいる。で、二人ともディスコに行くのが好きなので、『Disco Pigs』なわけなのですな。

この二人が赤ちゃんの頃がすっごい可愛い。真っ青な目の赤ちゃん。お人形のように愛くるしい。そして小学一年生くらいの二人。カーディガンにネクタイみたいなトラディショナルな制服を着て、手を繋いでいるとことかすごく愛らしい。

で、現在16歳の二人。ダレンを演じるキリアン・マーフィーがすっごいキレイ。キレイだよー。この人ってハンサムじゃないと思うんだけど、キレイなんだよね。コイツとセックスしてー!!とか、そういう風には思わないのよ。「うわー、キレイだなーこの人」とうっとりしちゃうような人なのだ。

シニードの方は、アイリッシュの役者さんだと思うのですが、ハリウッドのスタンダードとは全く違い、目が小さくて、鼻が大きくて、とてもアンバランスな顔。ちょっとリリ・テイラーに似てるかな。ハリウッド以外の映画を観ると、役者さんの顔とか体つきとかガラッと変わって、白人でも国によって特徴あって面白いなあと思う。

最初はこの二人が素直にうらやましいな~と思って観てたんですよ。小さい頃からずーっと一緒で、僕がキングで、君がクィーン。特にキリアンが初々しいティーンを演じるって、想像付くでしょ?

でも、学校の友達がバイトしている酒屋で友達を殴ってレジからお金を出させたり、ディスコで男の子を引っ掛けてパンツ脱がして笑ったり、十代の頃って確かに色々悪いことするんだけど、なんだかダークに意地悪な奴らだなあ、あんな純愛しているのにって、この辺が少し受け入れづらい。

しかし実際は、ダリンとシニードの関係は恋愛の粋に達してなかったらしい。ある日ダリンがシニードを見て、「すごいキレイだよ」とかなんとか言って、恋に落ちるシーンがあるし、シニードは他の男の子に淡い関心を寄せるようになるのだ。

ここからダリンが段々オカシクなってきて、もともと暴力的だったのが、全てシニードに近づく男の子たちに向けられる。そしてシニードに無理やりキスをした日から、二人は手を繋いで寝るのを止めてしまう。

学校の先生や親は、ダリンとシニードが余りにも仲が良過ぎるのを心配してなのか、将来のことを考えてなのか、シニードを遠くの全寮制の学校に送る。引き離された二人は、一緒にいないとものすごい不安になってしまう。息子を哀れに思った母親が、ダリンにシニードの学校を教えると、ダリンはシニードと二人の17歳の誕生日を祝おうと、彼女を迎えに行く。

ここではっと思ったのは、これって悲劇なんだ!ということでした。シニードは最初、全寮制の学校で不安になるんだけど、ルームメイトの女の子と段々仲良くなって、他人にも心を開いていく。そう考えてみれば、シニードは学校で他の男の子にも関心を示したのだよな。会話の内容があんまり掴めないんだけど、シニードとダリンが一緒にいる様を見ていると、シニードはいつか外の世界に大きく羽ばたいてみたい、と思い、ダリンはシニードと小さな世界に生きていたいと思っているような、「温度差」を感じるんだよね。

16歳くらいって心も身体もものすごい速さで成長していて、その速度や方向がズレて行くのもものすごく速くて、特にこの二人のケースでは、ダリンが恋してしまったのに対してシニードは二人の関係を卒業しようとしている。ダリンにとってはものすごい辛いことだろうけど、シニードも、二人のアルバムを何度も何度も見直しているところが辛いところだな~と思った。

しかしシニードは、ダリンを置いて行くことができないのだ。二人は、キングとクィーンになって、パレスに住みたいと思っていた。ダレンは「パレス」と書かれた豪奢な建物を見つけ、二人で入ってみると、そこはディスコだった・・・・。シニードにとっては、楽しかったけど、ずっと留まっていたくないと思うところ。ダレンは、トイレに立って、すごく暴れるのですが、最初なんだか理解できなかったんだけど、ラントの大好きなディスコに連れてきてあげたのに余り楽しんでない様子の彼女を見て、彼女が遠くへ行こうとしている、自分を卒業してしまった、というのがわかったからかな、と思った。

結局二人は離れられない。二人が同じ日に生まれ、隣同士のベッドに寝かせられたのは、二人は死ぬまで一緒という運命であったかのように。私たちのような普通の人でも、この十代の頃の純愛と別れを通して大人になっていくのですけど、ダレンとシニードはここから先に行くのは許されてなかったかのように見えます。

key Word
映画 
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拾いモンの映画 | コメント(1) | 【2009/02/07 23:12】
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過酷なニューヨークをありのままに描く『What About Me』
What About Meシェアブログ1573に投稿

1992年のニューヨーク。両親に先立たれたリサは、マンハッタンに住む叔母さんのところに居候し、仕事を探しているが、学歴もスキルもないリサを雇ってくれるところはなく、ウエイトレスの仕事さえみつからない。その上、ナイーブなリサは、ニューヨークのストリート・スマートな人から1ドル、また1ドルと残り少ないお金まで騙し取られる。

What about me
dvd on amazon.com
CAST & CREDITS
Produced: 1993
Directed by: Rachel Amodeo
Writing credits:
CAST
Lisa: Rachel Amodeo
Nick: Richard Edson
Paul: Richard Hell
Dougie: Dee Dee Ramone
Raping Landlord: Rockets Redglare
Tom: Nick Zedd
Vito: Johnny Thunders
Joey: Jerry Nolan
一日中仕事探しで歩き回って、へとへとになって帰って来ると、なんと叔母さんは心臓発作で亡くなっていた。大家であるスケベ親爺(ロケッツ・レッグラー)は、リサに身寄りがなくなったのをいい事に部屋に押し入りリサを強姦し、その上アパートを追い出す。

行く当てもなく、真冬のストリートに放り出されたリサは、優しく声をかけてくれた男にスーツーケースをひったくられ、残りの持ち物を一つ、また一つ、と売りさばきながら、ゴミ捨て場から拾った毛布にくるまって道端で寝る、ホームレスとなってしまう・・・

私も一応、低予算映画ってのは観たことありますが、これは低予算どころか「No 予算」映画です。白黒で、フィルムのつなぎや、音響や、俳優の演技にいたるまで、「ヘタウマ」ならぬ「ヘタヘタ」!だけど、監督/主演のレイチェル・アモーディオさんは、ニューヨーク・パンク・バンドでドラムを叩いていた女性だと言うことですから、「金をかけない」「メイン・ストリームは全く無視」「ヘタヘタ」というのは、意図的に「パンク道」としての作風なのかもしれません。

音楽をジョニー・サンダースが担当し、出演者もニューヨーク・パンクのスター達が目白押しで、アル中のホームレスにディーディー・ラモーン、道端で殺されるマフィアの男にジェリー・ノーラン、リサを自由の女神に連れて行ってくれるいいヤツにリチャード・ヘル、そしてニューオーリンズに住んでいるリサの生き別れになった兄にジョニー・サンダース、その他にも私では知らないような、知る人ぞ知るニューヨーク・アングラ・アート界の人たちがいっぱい出ているようです。

リサがホームレスになって行く過程や、他のホームレスの人たちの生活、例えば、公園で焚き火を囲んで座っていたり、ビルの地下室にもぐりこんで寒さをしのいだりする様子が、90年代初頭のクリーンナップ前のニューヨークを良く描いているんではないかと思います。また、私の大好きなジェリー・ノーランは、ヤクザの抗争のために道端で撃たれて、出てきて2分くらいで死んでしまうのですが、こういうことも、当時良くあったことなのかもしれない。(いや、でばって2分で死んじゃうことじゃなくて、道端で撃たれることが)

実際、リサをしばらくの間泊めてくれたトム(ニック・ゼッド)のアパートでTVを見ていると、警官達が公園をねぐらにしているホームレスを追い出している様子がニュースで流れ、それを見たリサがホームレスのボーイフレンド、ニック(リチャード・エドソン)を探しに行く、というシーンがあります。

リサは結局、真冬に放り出されて風邪をひいてしまったのと、ニックを探しているときにバイクに当て逃げされた傷が元で、自由の女神の足元で死んでしまうのですが、出演者もみんなアクター、アクターしていない普通の人だし、映画にはありがちの「ヒドイ生活だけど、なんとなく憧れてしまう」といような描き方は一切なく、最後の最後まで悲惨を絵に描いたような話で、観てて梅干を食べたような顔になってしまいますが、70年代初頭のパンク/グラム/アングラ・シーンで活躍していた人たちが20年かけて見て来たニューヨークのありのままの姿を脚色せずに描いているところが、「No 予算」映画でありながらレンタル屋にあったり、日本のアマゾンでも売られているくらいの知名度がある理由かなと思いました。

ええトシして何考えてんねん、あんたは、と言われそうですが、私は密かに、つか、かなりおおっぴらに、この危険で、スリージーで、汚い、ニューヨークのストリートに憧れていたのですが、この映画を観て、「わたしにゃ無理だ」と思いました。ニューヨークのタフなストリート、いや、優しい人もいるんですよ。面白いのは、リサを当て逃げしたのはレズビアンのカップルなのですが、この人たちは、傷ついたリサを、自分らが当て逃げした相手とは知らずに、「どうしたの、怪我してる。手当てしてあげるから来な」と結構優しいんです。ただ、貧しくて、警察官とかからはいい扱いをされないので、警察沙汰になるようなことからは何が何でも逃げる。

とにかく生活が大変だからお互い、助け合い、騙しあい、あげたり、もらったり、盗んだり、恵んでやったり。こんな風に生きるのはストレス溜まりそう。私、ストレスに弱いからだめだわ。

しかし、色々考えさせられる映画ではありましたよ。ニューヨークで店でもやってマジメに生きている人たちの身になって考えてみれば、ホームレスの人たちが一掃されて街がきれいになっていいことなんだけど、自分がホームレスだったら?公園を追い出された人たちは、どこへ行ったんでしょう?街は、受け入れ先もちゃんと用意してくれたんでしょうか?あの人たちは行くところがなくて、道端で死んでしまったんではないでしょうな?

印象的だったのは、アパートの地下にもぐりこんで寝ようとしたリサとニックがアパートの人を起こしてしまい、「うるせー!」なんて怒鳴られるんですが、パンクスみたいな若い男の子は「お前ら、地下で寝たら警察呼ぶぞ!」なんて、パンクスのくせに権威主義!対して向かいの部屋のおじいさんは、「あの人たちは、寒さをしのげるところを探しているだけなんだから、ほっといたらいいじゃないか」と言うところです。こういう下町的心意気っていうのが、私が憧れる「失われたニューヨーク」だったのかもなあ。



Key Words 映画 低予算 ニューヨーク
魂の映画 | コメント(0) | 【2006/11/18 23:56】
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「嫌いなら観なきゃいいじゃん」と言うほど馬鹿げた理論はない!とアジテイトする『姫のお楽しみ袋』

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