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Dee Dee Ramone
■ディーディーがギター&リード・ボーカルでマーキーと共に結成したリメインズの『RAMAINZ Live in NYC』■ディーディーが座ってインタヴューに答えるだけの、ファンにはたまんない1時間『Hey, Is Dee Dee Home?』 ■ディーディーがホームレス役で出ている映画『What About Me』 ■ディーディーが書いたスプラッター・ホラー小説『チェルシー・ホラーホテル』 ■ラモーンズ関連記事はこちら ■その他のバンド/アーティスト・リストはこちら Key Words 音楽 ロック パンク ディーディー・ラモーン
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Chelsea Horror Hotel>シェアブログ1170に投稿
こういうの、スプラッター・ホラー小説って言うの?そういうジャンルはあるのでしょうか?犬を殴ろうとしたイジワルなおばさんの腕を、肘から先、がっぷり咥えて引きちぎり、それをびゆーんと投げてしまう犬。地下室に放置されたバス・タブに、動物の血や内臓を入れ、そしてピラニアを放ち、夜な夜ないけにえをそこに放り込んで儀式をするカルト教団。
背景は1997年のニューヨーク。ディーディーが当時の奥さんバーバラと、飼い犬のベンフィールドとチェルシー・ホテルに住んでいる。最初の数章は、登場人物紹介のつもりなのか、チェルシー・ホテルに住んでいる「Lowlife」、アル中やヤク中、ホームレスやピンプなんかの描写で、これ実話なんだと思ってた。 それが中盤、ディーディーの飼い犬、ベンフィールドがイジワル婆さんの腕を噛み切り、空気を吸い込んで2倍の大きさになってディーディーを守ったり、地下鉄の駅のトイレでディーディーがシド・ヴィシャスの亡霊を見たり、カルト教団の地下室での儀式、なんて出てくるので「フィクションなのかー」と思ったけど、この辺はまだ、ジャンキーが見る妄想の描写とも取れた。 しかしその後、ディーディーがチェルシー・ホテルのロビーで腕から血を吹いている男を野球のバットでめった打ちにして殺したり(このシーンは結構早くに出てきて、妄想かと思っていたんだけど)、トランスベスタイトのバンビを、奥さんのバーバラと一緒にめっためたに切り裂いて、目がポロっておっこっちゃうくらいにして殺したり(うう、『デビルマン』のマンガ版みたいっ)、どんどん殺人を繰り返していく。 で極めつけはカルト教団のヘッドがジョニー・サンダースとジェリー・ノーランで、デッド・ボーイズのスティフ・ベイターや、シド・ヴィシャスもこれに参加しており、チェルシー・ホテルを崩壊させ、みんな地獄に落ちるんだけど、「その前にヘロインやって、ギグをやろう」って!なんのこっちゃ〜! あ、あと、ディーディーらしくて可笑しかったのは、地下で悪魔の集会が行われているとき、デビルが人間に乗り移って、何千何万と集まったドブネズミやゴキブリたちにスピーチするのだけど、そのときゴキブリを始めとする虫たちは、「ひざまずいて、触覚や手とおぼしきものをみんな一斉に上げたり下げたりして、デビルをあがめていた」。私、虫って大嫌いなんだけど、なんかこれって可愛い〜! そんなハチャメチャな小説でありますが、ラモーンズの歌の世界に通ずる異様な可笑しさ、描写のユニークさが反映されているし、シド・ヴィシャスや、ジョニー・サンダース、ラモーンズ等に対してディーディーがどう思っているのかが間接的に解る。ジョニサンがカルト教団のリーダーで、地獄を覗いてみたら、ラモーンズのメンバーがこちらを見上げて笑っていた、とかさ!でも、地獄に落ちる前にギグろう、って話になったとき、嫌だ嫌だと言いながら「う、つ、ついにジョニー・サンダースとジェリー・ノーランとプレイするのか、俺は」なんて思っているところが、なんだかんだ確執があっても憧れていたんだなあ。 インタヴューとかでも、ディーディーは結構本音を言う人みたいだけど、こういうフィクションを書くっていうのは、自分でも気がつかないような潜在意識とかが表に出てくるものだから、本当に深い深〜いところでのディーディーの思考は、この小説にはストレートに反映されているのかなーと思いました。読んでソンはなかったね。 Key Words 本 スプラッター ホラー ディーディー ラモーンズ お気に入りミュージシャン
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Please Kill Me: The Uncensored Oral History of Punk
読み始めたのはずーっと前なんですけど、あんまり面白くて何度もページ戻ってしまったので、書くのが遅くなりました。
取り上げられているアーティストは数多く、ここに名前を挙げるのも面倒臭いくらいなんですけど、まあ、イギー&ストゥージーズとか、パティ・スミス、ドアーズ、ラモーンズ、ニューヨーク・ドールズ、リチャード・ヘル、デッド・ボーイズ、セックス・ピストルズなどなどで、お互いのバンドのことや、友達としてのコメントなど、交友関係や当時のシーンの感じが伝わってきます。 過去に見たニューヨーク・パンク系統のドキュメンタリー・フィルムなんかを観ると、著者の1人であるレッグス・マクニールは必ずインタヴューに答えているし、この本の中で語られていることで「面白い」と思ったことはやはりミュージシャン達がそれらのドキュメンタリーで語っているのでわざわざここに記すまでもないかも。しかし、そういったフィルムでは通常バンドと関係ある人、メンバー、マネージャー、ローディまたはメンバーの家族のインタヴューが主ですが、この本では、バンドを取り巻くグルーピーやガール・フレンドの話がたくさん載っていて、それがすごく新鮮で面白い。 これを読むとグルーピーっていう観念が少し変わってきます。日本で外タレのグルーピーっていうと、全然知らない外人が日本に来たときわざわざこっちの方から空港まで追っかけて行って☆やっちゃう☆っていう感じがありますが、ニューヨークのシーンでの女の子達は、バンドの友達であり、彼女であり、その中でくっついたり離れたり浮気したり、普通の私達が持つような関係を持っている。 もちろん、私が持っていたグルーピーという観念そのままの話もたくさんあります。例えば、ドールズ時代のジョニー・サンダースと恋に落ちたセイベル・スター。この娘はLAのグルーピーなんですけど、13、4歳で既にイギーとストゥージーズのメンバー全員とチョメチョメ関係、ジミー・ペイジ、デヴィッド・ボウイともウハウハ。「私がまだやってないロック・スター」というリストを持って歩いていて、その中にゲイのウェイン・カウンティの名があり、「やってくれなきゃ自殺する」と言われたウェイン・カウンティが「俺はホモなんだってば!」って言って断ったら本当に自殺しようとした、というエピソードにはひっくり返りました。 セイベルは、ジョニー・サンダースの大ファンで、ジョニーはセイベルのことを雑誌で見て気に入っていて(当時は有名グルーピーもロック雑誌に良く出ていたそうな)ドールズがLAに来たときセイベルが空港まで迎えに行き、お互い一目惚れで、セイベルはグルーピー引退宣言をし、ニューヨークに来ちゃうけど、ジョニサンの暴力が原因でLAに帰ってしまう。この後セイベルはキース・リチャードとも付き合い、何年かしてニューヨークに遊びに来たとき、すでにハートブレイカーズを結成していたジョニサンと再会。しかし、その時ジョニサンに紹介されたリチャード・ヘルと恋に落ちてしまう。 それから、モデルとして生計を立てていたシリンダ・フォックス。この人はドールズのデヴィッド・ヨハンセンの彼女で、短い間結婚していたこともあったようですが、デヴィッド・ボウイとも浮名を流し、またジョニサンと浮気したこともあったらしい。生粋のニューヨーカーで、シルベインから「6人目の女ニューヨーク・ドール」と言われるほどバンドとは親しかったのだけど、後にエアロスミスのスティーブン・タイラーと結婚して、確か子供ももうけたはずですが、後に離婚。 私がシリンダのこと大好きなのは、この人はジョニサンとジェリー・ノーランの死に目に立ち会っていることです。彼女の離婚後と思われる「人生で一番辛かった時期」、多分80年代中盤から後半くらいに、シリンダはジョニサンと交友を持ち続け、ニューヨークに家のないジョニサンを泊めてあげたり、ドラッグでヘロヘロのジョニサンをお風呂に入れてあげたり、ずーっと友達でいた。それだけでもこの人いい人なんだろうなと思うんですが、ジェリー・ノーランが病院で昏睡状態に陥ったときもそこにいて、朦朧と意識がない状態のジェリーがシリンダを見て、「I remember...」と、「あの頃のこと憶えているよ」と言ったってんだから、そうとう親しい友達だったと思われる。 それから、べべ・ビュエル(Bebe Buell)というモデル。この名前を聞いてもピンと来ないかもしれないけど、この人が女優リヴ・タイラーのお母さん。彼女は、レブロンやエイボンなどの有名化粧品メーカーのモデルだったんですけど、パティ・スミスに勧められてプレイボーイで脱いじゃったことからまっとうな仕事がグっと減ったというエピソードを持つ人。パティ・スミスとの出会いは、当時トッド・ラングレンの彼女だったべべを、トッドが自分の元カノであるパティに紹介したのがきっかけだとか。べべの方がずっと年下だったので、トッドとケンカしたりするといつもパティに相談しに行ったらしい。パティはいつも詩を書いたりしているのだけど、べべが訪ねて行くと追い返したりせず、時にはヘア・ブラシをマイク代わりにレコードに合わせて二人で歌を歌ったりしたそうな(これはパティが歌い始めるずーっと前のエピソードだそうです)。 べべは17歳のときトッドと知り合い、かなり長い間一緒に住んでたみたいなんですけど、付き合いだした当初からトッドは浮気三昧なくせに、「私がドールズを見に行き過ぎだっていつも文句言ってた」と、全くフツーのカップルらしい話もある。そして、そんなとき出逢ったイギー・ポップと2、3週間不倫(?)したこともあったそうな。 そのエピソードが面白い。ドラッグでへべれけになってドールズのギグに来ていたイギーを誰も面倒見て上げなかったんで、べべが介抱してあげたら、次の日、しらふのイギーがべべとトッドが住むアパートを訪ねてきたんだと。「あんなにへべれけだったくせに、私の住所を憶えていたなんて!」と、べべ。イギーは、リビングのソファにのうのうと座り「君達は昨夜、本当に良くしてくれて、感謝しているよ・・・。いいアパートだねここ・・・そういえば俺、何日もお風呂に入っていないんだ・・・。ちょっと一っ風呂浴びていいかな?」とシャワーを使い、トッドがツアーに行ったのをいいことにべべとデートしたそうな。「イギーはものすごい人を操るのが上手かった」とべべも言っているけど、ヘロイン中毒の人はみんなそうだったみたい、この本を読むと。 べべはリヴが生まれてすぐ、トッド・ラングレンの子供だってウソをついていたらしい。スティーヴン・タイラーとの話は、この人にしてもシリンダにしてもほとんど載っていないから、なぜなのかとかはわからないけど。 パティ・スミスも、結果的にミュージシャンとして成功したからそうは見えないけど、元々はこのグルーピーのような女の子たちとあまり変わらなかったよう。ストーンズにかぶれていて、ブライアン・ジョーンズが死んだときには大騒ぎだったらしい。アパートにロック・スターの神棚みたいのが祭ってあって、ミュージシャンだけでなく、有名な男のアーティストをファックすることで自己を発見していくというようなコンセプトを持っていたと、友達だか、バンドのメンバーだかが言っていた。 しかし、当時、ロックバンドはほとんど男ばっかりだったわけで、女としてシーンに関わって行くということは、男のロッカーたちと深い関係になること、と思ったとしても不思議はない。パティはそんな中にいてもアーティストとして浮上してきたのだから、やはり才能があったんだね。彼女のインタヴューですごく印象に残ったのは、 「私の書く詩はほとんどが女のことを書いている。だって、女の方が刺激的だもん。でもほとんどのアーティストは男でしょ?男は誰に刺激を受けるのか?女に受けるのよ。でも私は男と恋に落ちるし、男は私を支配する。私はウーマン・リブって好きじゃないの。だから男のことは書けない。だって私は男の手の平で踊らされているだけだもん。でも女に対しては、私は男のように振舞える。男のように、女を女神として崇め、自分のアートを創るために利用しているの。」 これって、すごい!私も同じようなことを感じていたけれども、これほどはっきりと、言葉にできるほど固まった概念として意識に浮上してこなかった。こんなに明確にこのコンセプトに気がついていたとは。やはりスゴイ人なのだな、パティ・スミスは。 それと最後に、コニーというグルーピー。この人はドールズのべーシスト、アーサー・ケーンと付き合っていて、アーサーに逃げられた後は、ディーディー・ラモーンの彼女だった。 コニーは上記3人とは全然違くて、ストリートで客を拾うような売春婦だったそう。背が高く、胸もお尻も大きく、がははと下品に笑い、ジャンキーで、容姿もあまり良くなくて、売春でお金があったので、ミュージシャンにヘロインを買ってあげることで彼女として納まっていたらしい。アーサーの親指を切り取ろうとしたとか、アーサーやディーディーに言い寄ってくる女と割れたビール瓶でケンカしたとか、クレイジーなイメージのエピソードが耐えない人。付き合ってた男ともいつも殴りあいのケンカをしていたらしく、ディーディーなんか、25セント玉を指の間に挟んで突き出した拳でコニーを殴っていたという話もある。 しかし、コニーは、そんなクレイジーな面からは考えられないほど女らしかったんではないかと、ディーディーと後に結婚した女の人の話から想像される。コニーは、ディーディーに家庭を作ってあげたいと思って、お金もないのにカウチを買った。それが唯一彼女が考え付く家庭というイメージのものだったから。しかしそれをディーディーはナイフでビリビリに引き裂いた、という話し。また、ディーディー自身も、「あの頃、なんでコニーなんかと付き合っているんだって言われたけど、俺は住むところもなかったんだよ。コニーだけが、ご飯ちゃんと食べたの、とか、今夜寝るところはあるの、とか聞いてくれた。俺のこと気にかけてくれるのは、コニーだけだった」と言っている。 この人は身よりもなく、90年代にビルの踊り場かなんかでオーバー・ドーズで死んでいるのが見つかったそう。ニューヨークでは昔、廃屋になったビルでジャンキーが死んでいるのって当たり前だったらしい。コニーは、シリンダやべべやパティと違って、成功もしていなければ、きれいでもなければ、尊敬もされていず、かえって馬鹿にされていたような存在なのだが、当時にニューヨークではモデルや女優やミュージシャンとして成功して生計が立てられる女の子なんか一握りで、ドールズのギグに来ている娘達は、マッサージ・パーラーやストリップ・クラブで働いている娘ばっかリだったと言うから、きっとコニーみたいな境遇の人はいっぱいいたんだろうと思う。コニーには、キレイに生まれてこなかった女の子の悲哀とか、ニューヨークの下衆な感じ、タフさ、なんかそんなものを全て感じさせられて、とても印象に残っている。 私はこの本、当時のニューヨークがどんなだったのか、マックス・カンサス・シティやマーサー・アーツ・センターにドールズを観に行くということがどういう感じだったのか、ラモーンズが出てきたとき、CBGBってどんなところだったのか、全然知らない街や人々に想いを馳せ、自分をそこに当てはめて、こういう人と友達だったらこんな感じだったのかなあ、とか、ここに自分がいたら、こうだったかなあなんて想像を巡らせて、楽しんだ。だから、こういった女の子達の話がすごく身に染みて共感できたんだけど、男の人が楽しむんなら、『パンク』誌の創設の話しなんか絶対共感すると思うよ(マンガと、女の子と、ディクテイターズと、ラモーンズとマクドナルドが好きな人のための雑誌って、ないよな?よし、作っちゃおう!みたいな)。 Related Article ■ジョニー・サンダース関連記事 ■ニューヨーク・ドールズ関連記事 ■ハートブレイカーズ関連記事 ■ラモーンズ関連記事 Key Words 本 ロック パンク プリーズ・キル・ミー
| トラックバック(0) | コメント(1) | ブログ・レポ | 【2006/11/06 06:37】
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Baton: Who the fuck is your favorite movie director?.... Oh, shit...
真紅のthinking daysの真紅さんから直々にいただきました『指定型バトン』、ありがたく頂戴させていただきます。言っておきますが真紅さんは、TBできない、コメントも残せないという二重苦でありながらも、ずーっとお楽しみ袋を読んでくれているという、今どきなかなかいない誠実な人なんですぞ!君たちも、見習うように!! さて、バトンのルールは以下の通り。 回してくれた人からもらった「指定」を下記の「」の中に入れて答えること: ■最近思う「」 ■この「」には感動! ■直感的「」 ■こんな「」はいやだ! ■次に回す人5人!指定付き また次に回す時、指定を考える事 真紅さんの指定は「いちばん好きな映画監督」。私、監督で映画観る人じゃないんで、困りましたよー、これ。でも唯一「コイツが監督だから」と借りまくったのはデヴィッド・リンチとクェンティン・タランティーノ。インパクトが強かったのはリンチの方なんだけど、『ツイン・ピークス』以外は訳わかんな過ぎて書けないし。あ!『エレファント・マン』は暗くてディスタービングだけど、いい映画よね。 とにかく!タラちゃんの作品の方がまだえろえろ言うこともありそうなので、そっちにしやした。 ■最近思う「タラちゃん」
■この「タラちゃん」には感動!
■直感的「タラちゃん」
■こんな「タラちゃん」はいやだ! さっき言ったけど、最近のタラ監督作品て、タラちゃんの独特のハードボイルド観念がかなり日和って来ているような感じがしてやだなー。まー、時代の波もあるのでしょうが。 ■次に回す人5人!指定付き ワタクシの指定は「これまでで最もインパクト強いアーティスト」。好き/嫌いでもなく、良い/悪いでもない、とにかく度肝抜かれました、とか、横っ面張られました、という類の、俳優でも、監督でも、ミュージシャンでも画家でもなんでもいいス。回す人はこちら。 ☆アノラックとスノトレのGOさん ☆その日暮らしの音楽日記のリュウさん ☆Yellow and BluesのSlow-hand Jerry さん ☆とりあえず生態学+のtrichopteraさん ☆極楽三十路生活賛歌のLASFさん ☆メタル馬鹿一代の桃ちゃん ☆ジョニーからの伝言の hiro さん んじゃよろすく! Key Words 映画 バトン 監督 映画監督
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Trash!: The Complete New York Dolls
アマゾンUSAで読者のレヴューの欄に「私はアーサー“キラー”ケーンの友達であるが、どっかのファンが書いた伝記と違って、この本はきちんとリサーチをして書かれている」と、ニーナ・アントニアの書いた『Too Much Too Soon』を罵倒している評があって笑いました。
確かに『Too Much Too Soon』は、いつも協力的で快くインタヴューに答えてくれるおしゃべりなシルヴェイン・シルヴェインと、伝説となって語り継がれているジョニー・サンダースの話が中心で、他のメンバー、特に際立った活動が無いアーサーや、ジェリー・ノーランのバック・グランドとかはあまり掘り下げていないと言える。しかしこちらの伝記の著者はニーナ・アントニアにもインタヴューしてるし、彼女の本からそっくりそのままコピーしたんではないかという一節も見られます。 『Trash!: The Complete New York Dolls』のいいところは、ニューヨークの当時のアングラ・シーンの他のアーティストたちのことや、ドールズのメンバーが影響を受けたアーティスト達のこともある程度詳しく説明しているところ。一つ具体的に書いておきたいのは、ウェイン・カウンティという人のこと。 なんでこの名前が印象に残ったかというと、ウェイン・カウンティって、ミシガンにあるんです。カウンティって言うのは、東京で言えば区みたいなもので、私が住んでいるのはオークランド・カウンティ*。ウェイン・カウンティはその隣にあるので、なんか関係あるのかなーと思ったのですが、やたらこの名前が出てくる割には『Too Much Too Soon』ではなんの説明もない。 こちらの本によるとウェインは、ニューヨークでドールズと共に有名だったトランスヴェスタイト/ゲイのパフォーマーで、彼が演ってたバンドがドールズとギグったりしたとか。また、名前の由来はやはりミシガンにあるウェイン・カウンティから取ったそうで、理由は、ウェイン・カウンティにアメリカで最大の女子刑務所があるからだそうで、納得。 こういうドールズを取り巻く状況に関しては詳しいですが、逆に「ジョニサン、フランスの空港でゲロ事件」とか、最後のレッド・パテント・レザー・ツアーでメンバーがケンカ別れする時の口論の様子とかは、ニーナの本の方が詳しく書いてあり、こちらの本では「そういうことがあったよ」と触れるだけに留まっています。 ああ、あともう一つ触れておきたいのは、シド&ナンシーで有名なナンシーは、ジョニサンの元カノでLAグルーピーの女王、セイベル・スターに憧れていて、ハートブレイカーズがセックス・ピストルズと悪名高いアナーキー・ツアーを演るためにイギリスに行ったとき、ジェリー・ノーランを追っかけてニューヨークから来たそうじゃあないですか!私のジェリーを追っかけて!!! んで、ハートブレイカーズに相手にされなかったためにピストルズのグルーピーになり、繊細でナイーヴな若者だったシドは、ナンシーの「セックス奴隷」にされてしまった、という逸話。 この辺のハートブレイカーズの活動は詳しく書いてあり、同じ時期に他の元ドールズのメンバーが演っていたバンドもきちんと網羅してあります。もちろん、デヴィッドJo以外は、短命のバンドを組んだり辞めたりしているだけなのですが。 しかし、みんなドールズ解散後も友達だったようで、ニューヨークで会ったときは一緒に飲んだり、お互いのショウに飛び入りしたり、シルヴェインとジェリーがアイドルズというバンドを組んでいたりしたこともあったようで、解散後一言も口を聞かなかったってわけではなかったようです。一つ心温まるエピソードは、ジョニサンがデトロイトで結成したGang Warというバンドがニューヨークでギグったとき、フロントマンが「給料が安すぎる」とかで突然ギグ中にステージを去ってしまった。ジョニーが残されて困っていると、たまたま観に来ていたデヴィッドJoとシルヴェインが飛び入り参加して、ミニ・ドールズ再結成ショウを行い、丸く収まったという話。「本当の友達だ」とジョニーがインタヴューで言ってたのが印象的だった。 『Too Much Too Soon』では全く触れられていなかったのですが、ジョニー・サンダースの最期は、メタドンのオーヴァードーズではなく、殺されたらしい、と、こちらの本では書かれています。ジョニーは当時、日本ツアーでかなりお金を儲けてたし、ニューオーリンズへ行ったのも、昔からの夢であるブルース・ミュージシャンとバンドを組むためだということや、ヘロインのリハビリも真剣にがんばっていたということ、ホテルの部屋が荒らされ、お金や物が無くなっていたこと、ジョニーの死体の状態がおかしかった事などから、物取りに殺されたのでは、という説。しかし警察は真剣に捜査をしてくれず、検視の結果もかなりいい加減なものだったらしい。 これも含めてジョニーの話はかなり辛いものがあるのですが、この本はそこで終わらずに、2004年の再結成後のドールズもカバーし、最後は、再結成後の意気揚々としたデヴィッドJoとシルヴェインのインタヴューで終わっています。二人揃ってのインタヴューを読むと、本当に楽しそう。これを読んで私は、ドールズの最新アルバムを買うことにした。ネットで視聴した限り、元のドールズのアティテュードが感じられない今風の音だったので買う気はなかったのだけど、オリジナル・ドールズの版権はメンバーにはないので、昔の音源を今、私達が買っても実際にこの素晴らしい音楽を創った人たちにお金が入るわけではない。既に他界してしまったジョニーもジェリーもアーサーも、そういう「音楽産業」に食いつぶされて大変な生活を送ったんだし、せめて今、まだ生きているメンバーには何かお返しをしたいと思ったんで、買うことにした。まさにアルバムのタイトルどおり、「One day it will please us to remember even this(こんなモノを思い出すことが楽しい日も来るだろう)」と思うし。 追記*:私、自分が住んでいるのはずーっとオークランド・カウンティだと信じていたんですけど、実はウェイン・カウンティだった!間違えてて馬鹿だけど、うれし〜! ■その他のジョニサン・ドールズ関連記事はこちら Key Words 本 ニューヨーク・ドールズ ロック 伝記 デヴィッド・ヨハンソン ジョニー・サンダース シルヴェイン ビリー・マルシア ジェリー・ノーラン ロック
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